西門前 (上尾市)
西門前 | |
---|---|
少林寺本堂 | |
北緯35度59分43.55秒 東経139度35分3.17秒 / 北緯35.9954306度 東経139.5842139度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 埼玉県 |
市町村 | 上尾市 |
地区 | 上平地区 |
面積 | |
• 合計 | 0.3438[1] km2 |
人口 | |
• 合計 | 1,028人 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
362-0005[3] |
市外局番 | 048(浦和MA)[4][5] |
ナンバープレート | 大宮 |
西門前の位置 | |
座標の場所は少林寺を示す。 |
西門前(にしもんぜん)は、埼玉県上尾市の大字。市の統計などでは上平地区で分類されている。郵便番号は362-0005[3]。
地理
埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市北部[6]の主に大宮台地上に位置する。地区の西部の低地を芝川が流れるが暗渠化されている。台地と低地の境界は傾斜が緩やかで不明瞭である。地区の東側を菅谷、南側を上平中央や南、西側を久保、北側を上や南と隣接する。 周辺大字(上、南、久保)との境界は複雑に錯綜し、現在でも入会地由来の大小多くの飛地がある。上平公園付近の纏まった飛地(字南前)は上平中央の成立により分断され生じたものである。地区の形は上平中央の成立前までは概ね「Y」の字を右に90度回転させたような形をしていた[7]。
地区のJAさいたま上平支店付近より西側は市街化区域(第一種住居地域や第一種低層住居専用地域、国道沿いは準工業地域、べにばな通り沿いは第二種住居地域)、東側は市街化調整区域に指定されている[8]。かつては大半が耕作地主体の農業地域があったが[6]、その後の宅地化の進行により全体的には住宅地と農地が混在する。
地内に寺廻遺跡(県遺跡番号:14-384[8])などがあり、土器片が発掘されている。
歴史
もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡大谷領に属する門前村[9]、古くは桶川郷の一部であり[9]、桶川宿、上村、久保村、南村などと共に1つの郷村であったと云われている。村高は正保年間の『武蔵田園簿』では204石余(田70石余、畑133石余)[10]、『元禄郷帳』および『天保郷帳』では213石余であった。化政期の戸数は40軒余であった[9][11]。なお、村の規模は不明(久保 (上尾市)#歴史も参照)。地名は正応年間開山した少林寺の門前地に出来た集落によるものと云われている[9][7][11]。上尾村(現大字上尾村)に飛地があった[9]。 1875年(明治8年)の農業産物高は『武蔵国郡村誌』によると米38石、大麦68石、小麦20石、大豆8石、小豆3石、栗7石、稗8石、蕎麦5石、綿25貫、甘藷18000貫であった[12][注釈 1]。
- 1590年(天正18年)は知行は旗本西尾氏[7][注釈 2]。
- 正保年間(1645年〜1648年)の頃は知行は旗本伊藤氏および旗本松下氏の相給、また、少林寺には寺領10石が与えられた。その後伊藤氏知行分は上知され幕府領(代官支配地)となる[7]。
- 1806年(文化3年) - 2月14日 (旧暦)に少林寺の本堂や庫裏などを全焼する[13][注釈 3]。仏像、仏具のほか朱印状や諸記録のほとんどが失われた。鐘楼と山門のみ現存する。
- 幕末の時点では幕府領(代官支配地)および少林寺領および旗本松下某の知行[14][9][注釈 4]。
- 1868年(慶応4年)6月19日 - 旧幕府領が武蔵知県事・山田政則(忍藩士)の管轄となる。
- 1869年(明治2年)
- 1871年(明治4年)11月13日 - 第1次府県統合により埼玉県の管轄となる。
- 1872年(明治5年)3月 - 大区小区制施行により第19区に属す[15][16]。
- 1873年(明治6年) - 学制発布により地内の少林寺を仮用して省身学校(後の上平尋常小学校、現上尾市立上平小学校)を創立する[17]。
- 1879年(明治12年)3月17日 - 郡区町村編制法により成立した北足立郡に属す。郡役所は浦和宿に設置。それに伴い、郡内に同名の村が存在(現東門前)したことから西を冠称して西門前村に改称する[9][7]。
- 時期不明(明治14〜15年) - 地内の薬師堂(小林寺持)が小林寺に移転合併する[18]。
- 1884年(明治17年)7月14日 - 連合戸長役場制により成立した上尾宿連合に属す。連合戸長役場は上尾宿に設置[19]。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、上村・平塚村・久保村・西門前村・南村・須ヶ谷村・菅谷村が合併し、上平村が成立。西門前村は上平村の大字西門前となる[9]。地内の小林寺に村役場の仮議場を同年5月26日に設置[20]、翌日地内の大川久次郎宅に役場を開設し、1892年(明治25年)頃まで借用する。
- 1893年(明治26年) - 村役場を西門前579番地の場所に新築移転する[20]。
- 1903年(明治36年)5月17日 - 上平尋常小学校(現、上尾市立上平小学校)が少林寺より現在地(大字南102番地)に移転する[17]。
- 1955年(昭和30年)1月1日 - 町村合併促進法の施行に伴い、上平村が上尾町・平方町・原市町・大石村・大谷村と合併して、上尾町が改めて成立する[21]。上尾町の大字となる。地内の村役場は上平支所となる[22]。
- 1958年(昭和33年)7月15日 - 上尾町が市制施行され[21]、上尾市の大字となる。
- 1960年(昭和35年)9月1日 - 地内を通る県道が県道49号上尾久喜線(現県道87号上尾久喜線)に改称される[23]。
- 1962年(昭和37年)5月1日 - 地内に国道17号大宮バイパスが開通する[24][25]。
- 1966年(昭和41年)
- 1967年(昭和42年)7月1日 - 住居表示に関する法律に基づき住居表示(第三次)が実施され[29]、大字西門前の一部が大字緑丘、上尾宿、上尾村、柏座、上、南、久保の各一部より緑丘(一丁目〜五丁目)が成立する[30][31]。
- 1970年(昭和45年)8月26日 - 大字西門前の一部が大字上尾村、久保の各一部より錦町が成立する[32]。
- 1971年(昭和46年)6月 - 地内の上平支所の新庁舎が落成する[33][22]。
- 1978年(昭和53年)4月 - 地内に「上平保育所」が開所する[33]。
- 1985年(昭和60年)5月 - 大字南に上平公民館の開館に伴い[33]、地内の上平支所が上平公民館に移転する。跡地は農協上平支所となる。
- 1989年(平成元年)9月5日 - 区画整理事業の都市計画決定[27]。
- 1995年(平成7年) -
- 1996年(平成8年)9月 - 地内に「浦和地方法務局上尾出張所」(現さいたま地方法務局上尾出張所)が移転する[33]。
- 2005年(平成17年) - 地内に「こうしん山公園」が同年度までに整備される[36]。
- 2009年(平成21年)12月16日 - 「西門前の大山灯籠行事」が市の無形民俗文化財に指定される[37]。
- 2014年(平成26年)11月1日 - 上平第三特定土地区画整理事業の完成により換地処分が実施され町名地番変更を実施、大字西門前の一部が大字上尾村、上、南、久保の各一部より上平中央が成立[38]。これにより対象区域に立地する「こうしん山公園」が西門前から外れる。
存在していた小字
※ 登記簿上は今もなお存在する小字を含む。
世帯数と人口
2019年(平成31年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
大字 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
大字西門前 | 432世帯 | 1,028人 |
小・中学校の学区
市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[40]。
大字 | 番地 | 小学校 | 中学校 | 備考 |
---|---|---|---|---|
大字久保 | 316〜462、465、477〜638、754〜760 | 上尾市立上平小学校 | 上尾市立上平中学校 | 希望により上平北小も可(要 通学希望届提出) |
463〜464、466〜476 | 上尾市立上平北小学校 | |||
252〜315、639〜729 | 上尾市立芝川小学校 | |||
753 | 上尾市立東中学校 | |||
786〜787 | 上尾市立東小学校 |
交通
地区内に鉄道は敷設されていない。高崎線北上尾駅が最寄り駅となっている。
道路
- 国道17号大宮バイパス - 飛地で掠める
- 埼玉県道87号上尾久喜線(べにばな通り) - 埼玉県道323号上尾環状線と重複
バス
- 朝日自動車菖蒲営業所[41]
- 地区内は「西門前」バス停留所が設置されている。
- 上尾市コミュニティバス「ぐるっとくん」[42]
- 上平菅谷北上尾線
- 上平箕の木循環
- 地区内は「上尾市場」、「上尾税務署前」、「上平小学校入口」、「上平保育所前」、「上平公園南口」停留所が設置されている。
地域
町内会
- 西門前区[43]
祭事
- 西門前の大山灯籠行事[37] - 市登録無形民俗文化財
施設
地内に街区公園は設けられていない。
- 少林寺[13] - 市内最古の寺院。仏源禅師が1290年(正応2年)入寂した[9]。現存建築物のひとつの山門は市指定文化財。
- 上尾税務所
- 埼玉地方法務局上尾出張所 - 飛地に立地
- JAさいたま上平支店
- 埼玉県中央青果- 一部が立地
- 上尾市立上平小学校 - 一部が立地
- 市立上平保育所
- 介護老人保健施設 あげお愛友の里 - 福祉避難所に指定[44]。
- 西門前集会所
脚注
注釈
出典
- ^ “統計あげお 平成31年・令和元年版 第1章 土地・気象”. 上尾市役所. p. 2 (2020年6月1日). 2020年6月22日閲覧。
- ^ a b “町丁大字別人口表”. 上尾市役所 (2017年10月6日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年3月23日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年3月23日閲覧。
- ^ “単位料金区域別市外局番等一覧表”. NTT東日本. 2020年6月7日閲覧。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』928頁。
- ^ a b c d e f g 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』487-493頁。
- ^ a b 都市計画図がご覧になれます。 - 上尾市役所(2014年9月5日).2020年6月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』859頁。
- ^ 東京市『東京市史稿. 市街篇第六附錄』東京市、1928年、86-87頁 。
- ^ a b 新編武蔵風土記稿 門前村.
- ^ a b 『上尾百年史』 250-254頁。
- ^ a b “上尾の寺社 3 少林寺(西門前)”. 上尾市教育委員会 (2014年3月1日). 2019年3月26日閲覧。
- ^ 『上尾百年史』 25頁。
- ^ 『上尾百年史』 26-30頁。
- ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』117-123頁。
- ^ a b “学校沿革史” (PDF). 上尾市立上平小学校(上尾市教育委員会) (2020年4月1日). 2020年6月7日閲覧。
- ^ 『上尾百年史』 610-615頁。
- ^ 『上尾百年史』 98-116頁。
- ^ a b 『上尾百年史』 212-219頁。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』1421頁。
- ^ a b 『上尾百年史』 235-236頁。
- ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 557-558頁。
- ^ 広報あげお 2018年7月号4-7頁。
- ^ 広報広聴課「上尾歴史散歩332 〜昭和30年代の上尾〜 国道17号バイパスの開通」(PDF)『広報あげお 平成30年11月号』第1016号、上尾市役所、2018年10月、44頁、2020年8月17日閲覧。
- ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 543頁。
- ^ a b “上尾市の土地区画整理事業”. 上尾市 (2020年3月1日). 2020年6月20日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』818頁。
- ^ 『上尾百年史』 234-235頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』929頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』818頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』928頁。
- ^ a b c d e “上尾市のあゆみ - 統計あげお平成23年版” (PDF). 上尾市役所. pp. 135-144 (2012年3月). 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月7日閲覧。
- ^ “上平の歴史”. 上尾市役所. pp. 6-8 (2015年3月26日). 2019年3月26日閲覧。
- ^ “上尾の指定・登録文化財一覧” (2021年3月12日). 2021年12月9日閲覧。
- ^ “上尾市都市計画マスタープラン2010 中間報告書” (PDF). 上尾市役所. p. 22 (2016年2月). 2020年8月5日閲覧。
- ^ a b “西門前の大山灯籠行事”. 上尾市教育委員会 (2010年11月24日). 2019年3月26日閲覧。
- ^ “上平第三地区の町名地番の変更”. 上尾市役所 (2016年11月2日). 2019年3月26日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』1389頁。
- ^ “市内小・中学校通学区一覧”. 上尾市役所 (2017年6月1日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ 菖蒲営業所管内路線図 (PDF) - 朝日自動車(2017年7月31日).2019年3月26日閲覧。
- ^ ぐるっとくん 上尾市内循環バスROAD案内マップ (PDF) - 上尾市役所.2020年5月2日閲覧。
- ^ “自治会・町内会・区会に加入しましょう”. 上尾市役所 (2021年3月15日). 2022年6月10日閲覧。
- ^ “指定緊急避難場所・指定避難所・福祉避難所”. 上尾市役所 (2022年2月14日). 2022年6月10日閲覧。
参考文献
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』上尾市役所、1998年3月31日。
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』上尾市役所、1997年3月31日。
- 上尾百年史編集委員会・編『上尾百年史』上尾市役所、1972年2月10日。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日。ISBN 4040011104。
- 「誕生から60年 今、上尾のさらなる飛躍を目指して」(PDF)『広報あげお 平成30年7月号』第1012号、上尾市役所、2018年7月、1-9頁、2020年8月17日閲覧。
- 「門前村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ147足立郡ノ13、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763999/55。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
外部リンク
- あげおガイド アピマップ - 上尾市役所
- 上尾の地区計画区域 上平第三地区の地区計画 (PDF) - 上尾市役所
- 上尾の古い地名を歩こう43 〜西門前地区を南下する〜 - 上尾市役所