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長良川鉄道

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長良川鉄道株式会社
Nagaragawa Railway co.,Ltd.
関駅東側にある本社と車庫
種類 株式会社第三セクター
市場情報 非上場
略称 長鉄(ながてつ)
本社所在地 日本の旗 日本
501-3881
岐阜県関市元重町74番地の1
設立 1986年(昭和61年)8月28日[1]
業種 陸運業
法人番号 4200001019429 ウィキデータを編集
事業内容 旅客鉄道事業 他
代表者 代表取締役社長 日置敏明
(岐阜県郡上市長)
資本金 4億円(2018年3月31日時点)[2]
発行済株式総数 8,000株
売上高 3億967万7000円
(2018年3月期[3]
営業利益 △1億9974万5000円
(2018年3月期[3]
純利益 182万7000円
(2018年3月期[3]
純資産 2億8729万2000円
(2018年3月31日現在[3]
総資産 6億6581万円
(2018年3月31日現在[3]
従業員数 62人(常勤・2017年4月1日時点)
決算期 3月末日
主要株主 岐阜県 27.50%
郡上市 14.25%
関市 5.00%
めぐみの農業協同組合 4.00%
美濃加茂市 3.75%
(2018年3月31日現在[4]
外部リンク www.nagatetsu.co.jp/
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長良川鉄道株式会社(ながらがわてつどう)は、岐阜県関市に本社を置く第三セクター方式の鉄道会社である。

岐阜県や郡上市などが出資し、日本国有鉄道(国鉄)特定地方交通線だった鉄道路線・越美南線を運営している。

歴史

路線

運賃・料金

運賃

大人普通旅客運賃・1か月通勤旅客運賃・1か月通学旅客運賃。2019年10月1日改定[7]

キロ程 普通運賃( 通勤定期(円) 通学定期(円)
- 3 210 8,190 5,660
4 - 6 310 11,860 8,210
7 - 9 390 15,060 10,430
10 - 12 470 18,270 12,660
13 - 15 560 21,480 14,880
16 - 18 640 24,190 16,600
19 - 21 710 26,910 18,320
22 - 24 800 29,620 20,050
25 - 27 880 32,340 21,780
28 - 30 960 35,050 23,510
31 - 33 1,050 37,770 25,240
34 - 36 1,130 40,470 26,970
キロ程 普通運賃(円) 通勤定期(円) 通学定期(円)
37 - 39 1,220 43,190 28,690
40 - 42 1,270 45,130 29,930
43 - 45 1,330 47,060 31,160
46 - 48 1,380 49,000 32,390
49 - 51 1,450 50,940 33,630
52 - 54 1,490 52,490 34,600
55 - 57 1,540 54,030 35,600
58 - 60 1,580 55,590 36,600
61 - 63 1,620 57,150 37,560
64 - 66 1,670 58,300 38,300
67 - 69 1,700 59,460 39,060
70 - 1,720 60,250 39,540
  • 3か月定期:1か月定期運賃を3倍した額を5%引きし、端数処理した額。
  • 6か月定期:1か月定期運賃を6倍した額を10%引きし、端数処理した額。

2017年7月1日より通年利用可能な「1日フリーきっぷ」が発売されている(大人2,700円・小児1,350円)[8][9]。2014年3月までは土曜日・日曜日および祝日のみ利用できる1日フリーきっぷが発売されていた(大人2,000円・小児1,000円)[10]

TOICAmanacaなどの交通系ICカードには一切対応していないが、2019年7月1日よりQRコード決済PayPay」による車内での運賃精算に対応している[11]

料金

  • 観光列車「ながら」ビュープラン乗車整理券:1乗車510円(2019年10月現在。大人・小人・幼児共通)[12]
    • ビュープラン車両は全車自由席で、任意の空席を利用する(予約定員制に近い)。
    • 幼児は大人または小人1名につき2名まで運賃無料となるが、乗車整理券は1名ごとに必要。
    • 「川風号」は普通列車にも充当されることがあり、この場合は運賃のみで乗車可能。

車両

現有車両

2020年(令和2年)4月現在、旅客車両10両(気動車2形式)と保守用車両3両を保有する。なお、形式名は車体表記による。

ナガラ300形 (301 - 307)
老朽化したナガラ1形の代替新造車として1998年から富士重工業で新製された軽快気動車で、明知鉄道アケチ10形に始まる私鉄向け標準車両の一つである。
車体はナガラ200形と同様の16m級で座席はのセミクロスシートである(2人+2人のボックスシート)が、ワンマン運転時の乗客の移動に配慮してボックスシートは千鳥に配置されている(306のみイベント用のため、オールロングシートとなっている)。車椅子スペースも設置されている。カラーリングはぶどう色一色で、側面に沿線自治体のをあしらったステッカーが貼られている。車体広告がなされることもある。
定員は102名(座席47名、立席55名。301 - 305, 307の場合)。走行用機関はさらに大出力化された日産ディーゼル製PF6HT03(295PS/2,100rpm)となっている。
また、305 - 307ではドアチャイムの追加や前面ステップの変更といったマイナーチェンジがなされている。
2009年5月には貫通扉に1形や200形同様の長良川鉄道の社章であるNマークが付いた。
ナガラ301号車は北濃側の、ナガラ302号車は美濃太田側の正面貫通扉の手すりを撤去している。
ナガラ304号車は2012年に、ナガラ301号車は2014年にライトケースの交換と正面貫通扉の手すりの撤去(301号車は残されていた美濃太田側のみを撤去)などの改造を受けている。
301号車と302号車は、2016年に観光列車「ながら」(水戸岡鋭治がデザイン)用に改装され、301号車が観光列車「ながら」もり号(CAR No.1 COMMETER CAR)、302号車が観光列車「ながら」あゆ号(CAR No.2 DELUXE CAR)となっている[13]
2018年2月より運行を開始した貨客混載列車に合わせ、305号車にヤマト運輸のラッピングが施された[14]
ナガラ500形 (501 - 503)
2007年から2009年にかけて3両が製造された新潟トランシス製の車両で、長良川鉄道としては5年ぶりの新造車両である。2007年4月9日より運行開始した。
車体はナガラ300形をベースとしているが側窓が拡大されている。カラーリングはナガラ300形同様ぶどう色だが、窓下の腰板部に水色のラインが追加された。最初に導入された501号車は塗装でラインを入れたが、2009年2月に導入された502号車はラッピングとなったため501号車は水色、502号車は濃い青色となっている。同年12月に増備された503号車はカラーリングが白色に青とオレンジ色の帯を配した1形のカラーリングを踏襲するものに変更された。その他、ドア開閉ランプなどが新たに設置された。503号車はその後正面貫通扉の手すりの撤去など改造が行われた。
定員は107名で車内はオールロングシート。走行用機関はナガラ300形と同様の日産ディーゼル製PF6HT03(295PS/2100rpm)となっている[15]
また、方向幕は従来の幕式からLED方式に変更となり、長良川鉄道の車両として初めて車両の側面にも方向幕(LED方式)が設けられた。500形も300形と同様、貫通扉に社章のNマークが付いた。
502号車については、観光列車「ながら」の3両目「川風」(かわかぜ)への改造が2017年11月に発表され[16][17]、2018年4月18日に運行開始し関駅で出発式が行われた[18][19]。改造費用の一部はクラウドファンディング「FAAVO美濃國」で集められ、2018年1月30日に目標額を達成している[20]
503号車はさくらももこによって描かれた郡上八幡のオリジナルキャラクター「GJ8マン」のラッピングが施された[21]
501号車はイギリスのCGアニメーションチャギントン』のラッピングが施され、2019年3月より運行を開始した[22]。これによりオリジナル塗装の500形は無くなった。

過去の車両

ナガラ1形 (1 - 12)
1986年の転換時に用意された車両で、バス用部品を多用した富士重工業製のLE-Carシリーズの軽快気動車である[23]
車体は樽見鉄道ハイモ230-300形と同様の15m級の両運転台であるが、前面は非貫通となった[23]。カラーリングはクリーム色にオレンジ色の帯を配したものになっており[23]、後に側面を沿線自治体にちなんだイラストに変更された車両もある。
座席はロングシートで定員は98人(座席46人、立席52人)[23]。冷房装置はバス用の22,000kcal/hのものを1基搭載[23]。走行用機関は直噴式ディーゼルの日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)PE6HT03(230PS/1,900rpm[23])を搭載している。
1986年に10両[23]、翌1987年に2両の計12両 (1 - 12) が製造された。1998年度から半数がナガラ300形に置き換えられ、さらにナガラ500形の導入に伴って2007年に1両、2008年に3両、2009年には1両が廃車となった。
関市中池公園に1両 (9) が静態保存されていた。
なお、唯一残っている10号は予備車両となっていたが、2010年2月に樽見鉄道樽見線で起こった踏切事故で故障した同社の車両ハイモ295−315が修理のために一時的に運用を離脱し、これにより生じた車両不足を補うために同年10月まで樽見鉄道で営業運転を行った[24][25]。2012年度・2013年度の冬にはコタツ列車に使用された。2014年12月20日からさよなら運行が行われ、23日が運行最終日となった[26]
ナガラ200形 (201)
1994年の増備車で、1両のみが製造された。ナガラ1形と同じく富士重工業製の軽快気動車であるが、より鉄道車両的な車体となり、車体長も16mと大型化されている。カラーリングは1形とほぼ同じだが、側面は四季をイメージしたイラストになっている。2009年に貫通幌が取り外された。
座席は接客設備の向上のためセミクロスシート(クロス部はボックスシートで2人+1人)となり、定員は103名(座席44名、立席59名)となった。冷房装置は機関直結式(24,000kcal/h)である。走行用機関も大出力となった日産ディーゼルPE6HT03A(250PS/1,900rpm)となっている。
トロッコ列車(NTB形(209)・ながら3形(3001, 3002)・ながら5形(5001, 5002)・ながら7形(7001))
1992年に登場したトロッコ列車用の車両である。NTB形は保線用のモーターカーを車両として入籍したもので、自動転車装置を持つ。ながら3形は旧国鉄のヨ8000形、ながら5形はヨ6000形、トロッコ車両のながら7形はトキ25000形をそれぞれ自社で改造したものである。
NTB209 + 3001(とみか) - 5001(しろとり) - 7001(トロッコ車) - 5002(みのし) - 3002(はちまん)の編成で運転された。軌道が悪かったため2003年脱線事故を起こしたことから、トロッコ列車の運転を取り止め後にながら3形・ながら5形・ながら7形は廃車。NTB形は後にMラ形に形式変更され、保線用モーターカー(冬季はラッセル車)となっている。

幻の新岐阜乗り入れ計画

1984年頃、国鉄の特定地方交通線である越美南線廃止が決まり、岐阜県などが第三セクター鉄道への転換を検討していた際、名古屋鉄道(名鉄)が大口の出資者として名乗りをあげた。

名鉄は美濃町線と越美南線とを関駅付近で線路をつなぎ、新岐阜駅(現:名鉄岐阜駅)と郡上八幡駅などの間に直通列車の運行を考えていた。

しかし出資の条件に美濃太田駅 - 関駅の廃止があり、同区間の沿線自治体である美濃加茂市富加町の反発を買ってしまった結果、出資計画は無くなってしまった。

その後、美濃町線は1999年の同線新関駅 - 美濃駅間廃止とともに実施された新関駅 - 関駅間延長で越美南線と接続されたものの、2005年には路線自体が廃止されてしまい、2018年4月現在は岐阜バス関市内巡回バスを中心とした代替交通機関となっている[27]

脚注

  1. ^ a b c 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集) 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』 26号 長良川鉄道・明知鉄道・樽見鉄道・三岐鉄道・伊勢鉄道、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2011年9月18日、11頁。 
  2. ^ 第32期決算公告、2018年(平成30年)6月27日付「官報」(号外第139号)42頁。
  3. ^ a b c d e 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  4. ^ 平成30年度鉄道要覧
  5. ^ 長良川鉄道の観光列車「ながら」が営業運転を開始”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2016年4月28日). 2020年5月10日閲覧。
  6. ^ "長良川鉄道とヤマト運輸が鉄道を利用した「客貨混載」の本格運用を開始" (Press release). ヤマトホールディングス. 21 February 2018. 2020年1月28日閲覧
  7. ^ 消費税率引上げに伴う鉄道旅客運賃・料金の改定について (PDF) - 長良川鉄道 2019年9月10日(2019年10月8日閲覧)
  8. ^ 1日フリーきっぷ - 長良川鉄道、2017年6月29日閲覧
  9. ^ 平成29年7月1日から1日フリーきっぷを販売開始します。 - Facebook
  10. ^ 1日フリーきっぷ発売終了について - Facebook
  11. ^ 長良川鉄道が「PayPay」導入 降車時に運賃」『中日新聞』中日新聞社、2019年7月2日。2020年9月6日閲覧。
  12. ^ 観光列車「ながら」特設サイト
  13. ^ 長良川鉄道車両のご紹介
  14. ^ ナガラ305にヤマト運輸のラッピング”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2018年2月25日). 2020年1月28日閲覧。
  15. ^ 日本国内には鉄道車両用ディーゼルエンジンに対する排出ガス規制が存在しないため、2005年に大型トラックバス用がMD92系に移行した後に新製されたナガラ500形についてもPF6HT03ディーゼルエンジンが継続採用された。
  16. ^ 長良川鉄道,観光列車「ながら」に3両目「川風(かわかぜ)」を導入”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2017年11月26日). 2018年4月17日閲覧。
  17. ^ 観光列車「ながら」新車両"川風(かわかぜ)号"改装をご支援ください(FAAVO美濃國、レポート)
  18. ^ 本間貴子 (2018年4月16日). “白基調の観光列車「川風」 長鉄、18日に運行開始”. 中日新聞 (中日新聞社). オリジナルの2018年4月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180417094345/http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180416/CK2018041602000033.html 2018年4月17日閲覧。 
  19. ^ 長良川鉄道の観光列車「ながら/川風」が営業運転を開始”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2018年4月20日). 2018年4月20日閲覧。
  20. ^ おかげさまで目標額達成しました!”. 観光列車「ながら」新車両"川風(かわかぜ)号"改装をご支援ください. FAAVO美濃國 (2018年1月30日). 2018年4月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月17日閲覧。
  21. ^ ナガラ503に「GJ8マン」ラッピング”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2018年3月27日). 2020年1月28日閲覧。
  22. ^ 「ながてつチャギントン」の試乗会が行なわれる”. railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2019年3月21日). 2020年1月28日閲覧。
  23. ^ a b c d e f g 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、84-86頁。 
  24. ^ 長良川鉄道のナガラ10が樽見鉄道で営業運転に - 交友社『鉄道ファン』 railf.jp 鉄道ニュース 2010年4月5日
  25. ^ ナガラ10, 長良川鉄道へ戻る - 交友社『鉄道ファン』 railf.jp 鉄道ニュース 2010年11月1日
  26. ^ ナガラⅠ型さよなら運行”. 長良川鉄道. 2014年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月5日閲覧。
  27. ^ 交通・アクセス | 関市役所公式ホームページ

関連項目

外部リンク