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酸化プロトアクチニウム(V)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酸化プロトアクチニウム(V)
識別情報
CAS登録番号 12036-75-8
特性
化学式 Pa2O5
モル質量 542.0688 g mol−1
外観 白色、光沢のない結晶
構造
結晶構造 斜方晶
空間群 Fm-3m, No. 225
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(高毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
主な危険性 毒性が高い、放射性
NFPA 704
0
4
0
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

酸化プロトアクチニウム(V)は式Pa2O5で表される化合物。水素で還元するとPaO2が形成される。1927年、Aristid V. Grosseが初めてPa2O5を2mg調製した[1]。濃HNO3に溶解しないが、HFとHF + H2SO4の混合物に溶解し、高温でアルカリ金属アルカリ土類金属の固体酸化物と反応する[2][3]:195

他のプロトアクチニウムの化合物と同様に放射性があり、有毒で非常に珍しいため、技術的用途は非常に限られている。0.005–0.52%のPa2O5でドープされたNb, Mg, Ga, Mnの混合酸化物は、セラミックキャパシタ英語版の高温誘電体(最大1300 °C)として使用されている[3]:189

脚注

[編集]
  1. ^ http://www.3rd1000.com/elements/Protactinium.htm
  2. ^ Sellers, Philip A.; Fried, Sherman; Elson, Robert E.; Zachariasen, W. H. (1954). “The Preparation of Some Protactinium Compounds and the Metal”. Journal of the American Chemical Society 76 (23): 5935–5938. doi:10.1021/ja01652a011. 
  3. ^ a b Boris F. Myasoedov, H. W. Kirby, & Ivan G. Tananaev (2006) Protactinium, Chapter 4 in Morss, Lester R. & Edelstein, Norman M. & Fuger, Jean, (edit.) The Chemistry of the Actinide and Transactinide Elements (PDF) (3. painos). Dordrecht: Springer. ss. 161–252.