酸化バリウム
| 物質名 | |
|---|---|
別名
| |
| 識別情報 | |
3D model (JSmol) |
|
| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.013.753 |
| EC番号 |
|
PubChem CID |
|
| RTECS number |
|
| UNII | |
| 国連/北米番号 | 1884 |
CompTox Dashboard (EPA) |
|
| |
| |
| 性質 | |
| BaO | |
| モル質量 | 153.326 g/mol |
| 外観 | 白色の固体 |
| 密度 | 5.72 g/cm3, 固体 |
| 融点 | 1,923 °C (3,493 °F; 2,196 K) |
| 沸点 | ~ 2,000 °C (3,630 °F; 2,270 K) |
| |
| 溶解度 | エタノール、希釈鉱酸、アルカリに溶ける。アセトン、液体アンモニアに溶けない。 |
| 磁化率 | −29.1·10−6 cm3/mol |
| 構造 | |
| 立方晶系, cF8 | |
| Fm3m, No. 225 | |
| 八面体 | |
| 熱化学 | |
| 標準定圧モル比熱, Cp⦵ | 47.7 J/K mol |
| 標準モルエントロピー S⦵ | 70 J·mol−1·K−1[1] |
標準生成熱 (ΔfH⦵298) |
−582 kJ·mol−1[1] |
| 危険性 | |
| GHS表示: | |
| Danger | |
| H301, H302, H314, H315, H332, H412 | |
| P210, P220, P221, P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P283, P301+P310, P301+P312, P301+P330+P331, P302+P352, P303+P361+P353, P304+P312, P304+P340, P305+P351+P338, P306+P360, P310, P312, P321, P330, P332+P313, P362, P363, P370+P378, P371+P380+P375, P405, P501 | |
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |
| 引火点 | 不燃性 |
| 関連する物質 | |
| その他の 陽イオン |
酸化ストロンチウム;酸化カルシウム;酸化マグネシウム;酸化ベリリウム |
性質
[編集]水と反応して水酸化バリウムになる。この反応は酸化カルシウムよりもさらに激しく、発熱量も大きい。
他の水溶性バリウム化合物と同様に、水溶液には毒性があり、また塩基性による腐食性がある。
空気中あるいは酸素中での加熱により過酸化バリウムを生成し、さらに800℃以上の高温では分解して再び酸化バリウムに戻る[2]。
生成
[編集]金属バリウムが酸素存在下で燃焼すると酸化バリウムが生成する。
炭酸バリウムや水酸化バリウムなどの熱分解によっても生成する。しかしこの分解反応はアルカリ土類金属の炭酸塩および水酸化物としては最も高温を必要とする。二酸化炭素の分圧が1気圧に達する炭酸バリウムの分解温度は1450℃、水蒸気圧が1気圧に達する水酸化バリウムの分解温度は998℃である[2]。
用途
[編集]合成化学において、塩基、乾燥剤として用いられる。
黒煙添加剤
[編集]工学分野では、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる黒煙の生成を抑え込む用途で用いられている[3]。ディーゼルエンジンの燃料である軽油に有機化合物[4]の形でバリウムを添加する事で、シリンダー内での燃焼行程の際に有機バリウム化合物が酸化バリウムに分解され、排気ガス中の炭化水素の脱水素を抑制する触媒効果や、炭素原子の環状結合を物理的に妨害する作用によって、黒煙の発生を抑制するとされる[5]。燃料容積当たり0.5-1.0%程度の有機バリウム化合物の添加で、黒煙を50-70%以上低減させる効果がある事から[3]、自動車検査登録制度(車検)の排ガス試験対策や[6]、小型漁船で構成される漁船団が他の船団から動向を察知される事を回避する目的[7]などにより、2020年代現在も「黒煙防止剤」なる名称で燃料添加剤として製造販売が行われているが、1960年代に東京都環境公社が都営バスなどの公共交通機関にて行った調査結果や、ゼネラルモーターズなどの自動車メーカーによって実施された長期試験では、酸化バリウムは黒煙抑制に著効を示し、一酸化炭素や窒素酸化物などに対する対策機器の動作に特に影響を与えない利点がある反面、添加量の8割強が排気ガスと共に環境中に放出され、残りは燃焼室や排気管の内部にハイドロカーボンとの混合物として残留する事が突き止められており、環境に対する毒性の懸念の他、エンジンのポペットバルブ周辺やピストンリングの磨耗を促進する悪影響が、1970年代初頭まで大型貨物車や小型船舶向け機関として用いられていたユニフロー掃気ディーゼルエンジンに於いて顕著に認められた事から[3]、ディーゼルエンジンにおける自動車排ガス規制の対応策としては主流には成らなかった経緯がある[8]。
法規制
[編集]日本では毒物及び劇物取締法および毒物及び劇物指定令によりバリウム化合物として劇物に指定されている。他に、バリウム化合物として大気汚染防止法の、バリウムの水溶性化合物として労働安全衛生法、PRTR法の規制を受ける。また、船舶安全法、航空法にも規定がある。
参考文献
[編集]- 1 2 Zumdahl, Steven S. (2009). Chemical Principles 6th Ed.. Houghton Mifflin Company. ISBN 978-0-618-94690-7
- 1 2 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- 1 2 3 ディーゼル自動車の排気黒煙防止に関する調査研究(第2報) - 東京都環境公社
- ↑ 燃料添加剤 - カネダ株式会社
- ↑ 「中高速ディーゼルエンジンの黒煙およびカーボン付着障害の添加剤による抑制」『日本舶用機関学会誌 第4巻 第10号』、1969年12月。
- ↑ 黒煙抑制剤タクティスモークカットが生産終了 理由を解説【トヨタモビリティ】 - 一級整備士の診療所
- ↑ 従来のディーゼルエンジンと添加剤 - Drive On the Earth]
- ↑ ディーゼル排出ガス低減手法の検討(1) EGRとBa添加剤の効果 - 東京都環境公社

