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二酸化鉛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二酸化鉛
Sample of lead dioxide
Sample of lead dioxide
Sample of lead dioxide
Sample of lead dioxide
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.013.795 ウィキデータを編集
EC番号
  • 215-174-5
RTECS number
  • OGO700000
UNII
国連/北米番号 1872
性質
PbO
2
モル質量 239.1988 g/mol
外観 暗褐色または黒色の粉末
密度 9.38 g/cm3
融点 290 °C (554 °F; 563 K) 分解
溶けない
溶解度 酢酸に溶ける。エタノールに溶けない。
屈折率 (nD) 2.3
構造
六角形
危険性
GHS表示:
支燃性・酸化性物質急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
Danger
H272, H302, H332, H360, H372, H373, H410
P201, P202, P210, P220, P221, P260, P261, P264, P270, P271, P273, P280, P281, P301+P312, P304+P312, P304+P340, P308+P313, P312, P314, P330, P370+P378, P391, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
引火点 不燃性
安全データシート (SDS) External MSDS
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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二酸化鉛(にさんかなまり)は酸素化合物。化学式はPbO2酸化鉛(IV)過酸化鉛とも呼ぶ。鉛蓄電池などの電極の材料として用いられる。

黒色から褐色の斜方晶系であるα相と、黒色で正方晶系のβ相の多形があり、比重はそれぞれ9.773と9.696 グラム毎立方メートル (g/cm3) である。水には不溶で、塩酸には塩素を発生しながら溶ける。天然には、α相がscrutinyite1988年記載)、β相がプラットナー石英語版1845年記載)として産出するが希産である。

日本では毒物及び劇物取締法により劇物に、また消防法により第1類危険物に指定されている[1]

合成方法

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実験室では2価の一酸化鉛酸化剤酸化するか、溶液を電気分解し、陽極酸化によって合成する。もしくは硝酸鉛を水に溶かして水酸化ナトリウム水溶液を加え、水酸化鉛(II)の沈殿を生成する。これにペルオキソ二硫酸カリウムを加えてpH12〜13、30〜60攪拌し、80℃に加熱した後に濾過・洗浄すると沈殿が得られる。これを硝酸溶液に入れて90℃で加熱処理するとα相の二酸化鉛が得られる。

なお、硝酸鉛を水に溶かし、硝酸銀水溶液を加えてから水酸化ナトリウム水溶液を加え、70〜80℃で塩素を吹き込み攪拌すると沈殿が生成する。これを洗浄し、90℃の酢酸に入れて攪拌するとβ相のPbO2が得られる。

工業的には酢酸鉛さらし粉で酸化することで得られる。

出典

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  1. ^ 安全データシート” (PDF). ナカライテスク (2016年6月1日). 2022年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月11日閲覧。

参考文献

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  • 日本化学会・編 『第4版 新実験化学講座 16巻 無機化合物』 丸善、1991年