立川莉奈

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獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
グランドスラム
2021 バクー 48kg級
2017 東京 52kg級
2022 東京 52kg級
2016 東京 52kg級
2018 エカテリンブルグ 52kg級
ユニバーシアード
2017 台北 52kg級
世界カデ
2013 マイアミ 57kg級

立川 莉奈(たつかわ りな、1996年7月14日 - )は、愛媛県四国中央市出身の、日本人柔道選手である。階級は48kg級。身長158cm。血液型はO型。組み手は右組み。得意技は内股[1]。弟は73kg級の立川新、妹は63㎏級の立川桃[2]

経歴[編集]

柔道は5歳の時に宇摩柔道会(川之江柔道会)で始めた[1]。上分小学校5年の時に全国小学生学年別柔道大会40kg級で優勝を飾った。6年の時には45kg超級に出場するも予選リーグで敗れた[1]福岡県敬愛中学へ進むと、3年の時には全国中学校柔道大会の57kg級決勝で帝京中学3年の西尾直子に敗れて2位だった[1]

2012年には敬愛高校へ進んだ。1年先輩には芳田司がいた[1]。1年の時には全日本カデで3位になった[1]。2年の時には全日本カデの決勝で帝京高校2年の西尾に敗れるも世界カデの代表に選出された[1]。世界カデではドイツの選手に指導1で敗れて3位にとどまった。1つ年下の弟である新田高校1年の立川新も73kg級に出場していたが2回戦で敗れた[3]。続く高校選手権では5位だった[1]

2015年には2000年シドニーオリンピック57kg級銅メダリストの日下部基栄が女子柔道部の監督を務める福岡大学へ進学すると、1年の時には全日本ジュニアの初戦で敗れた。その後、階級を52kg級に変更するが、学生体重別では2回戦で敗れた[4]。2年の時には全日本ジュニアの決勝で大成高校3年の武田亮子を指導2で破って優勝を飾った。この時には東海大学1年の弟も73kg級で優勝しており、姉弟優勝を成し遂げることになった[5]。学生体重別では決勝で山梨学院大学3年の米田愛理子に内股で敗れた[6]講道館杯では決勝で了徳寺学園職員の角田夏実と対戦すると、指導2を取られながらも終盤に有効を取って逆転したかに思えたが、そのポイントをジュリーに取り消されて結果として2位にとどまり、今大会73kg級で優勝した弟との全日本ジュニアに続く姉弟優勝はならなかった[7]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で夙川学院高校1年の阿部詩に大外刈で敗れるも3位となった。弟も73kg級で3位になったので姉弟でのメダル獲得となった[1][8]ヨーロッパオープン・ソフィアでは決勝で筑波大学3年の内尾真子GSに入ってから指導1を取られて2位だった[9]。3年の時には4月の体重別準決勝で角田に腕挫十字固で敗れて3位だった[10]。8月のユニバーシアードでは決勝でブラジルのエレウディス・バレンティムにGSに入ってから一本勝ちして優勝を飾った。この試合の直後に73kg級で弟の新も勝利したことにより、、1967年大会園田義男園田勇兄弟、2007年大会穴井隆将穴井さやか兄妹に続いてユニバーシアードの柔道競技史上3組目の兄弟優勝となった。団体戦では決勝の韓国戦でリオデジャネイロオリンピック48kg級銀メダリストの鄭普涇をGSにおいて指導2で破るなどチームの優勝に貢献した[2][11]。10月の学生体重別では初戦で山梨学院大学4年の益子楓彩奈に裏投げで敗れた[12]。11月の講道館杯では決勝で阿部に技ありで敗れて2位だった[13]。12月のグランドスラム・東京では決勝まで進んで阿部との対戦になったが、背負投で敗れて2位だった。弟は73kg級で優勝したので昨年に続いて姉弟でのメダル獲得となった[14]。2018年3月のグランドスラム・エカテリンブルグでは準々決勝で世界選手権3位であるブラジルのエリカ・ミランダに裏投げで敗れるも、その後敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[15][16]。4年の時には4月の体重別は初戦で龍谷大学2年の武田亮子に反則負けを喫した[17]。9月の学生体重別では決勝で武田をGSに入ってから大内刈の技ありで破って優勝した。この際に、「日本で勝たないと東京五輪も見えてこない。国内大会は全て優勝したい」とコメントした[18][19]。11月の講道館杯では決勝で三井住友海上前田千島GSに入ってから技ありで敗れた。これにより、今大会3連覇を達成した弟とは対照的に、3年連続2位に終わった[20]

2019年からは福岡県警の所属となった[1]。4月の体重別では準決勝で了徳寺学園職員の志々目愛に反則負けして3位だった[21]。続くアジアパシフィック柔道選手権では準決勝でモンゴルのルハグバスレン・ソソルバラムに合技で敗れて3位だった[22]。5月の全国警察柔道選手権大会では優勝を飾った[23]。11月の講道館杯では決勝で自衛隊体育学校内尾真子に反則負けして2位だった[24]。2020年1月のヨーロッパオープン・オディヴェーラスでは決勝で内尾に反則勝ちするなどオール一本勝ちして優勝した[25]。11月の講道館杯は48kg級で出場すると、2回戦で角田を14分近い戦いの末に技ありで破ると、決勝では了徳寺大学職員の馬場彩子に反則勝ちして初優勝を飾った。今大会は昨年まで52㎏級で4年連続2位にとどまっていたが、階級を変更してようやく優勝することができた[26][27]。2021年4月の体重別では初戦で馬場に反則負けを喫した[28]。11月のグランドスラム・バクーでは決勝でオーストリアのカタリナ・タンツェルを隅返で破って、IJFワールド柔道ツアー初優勝を飾った[29][30]。2022年4月の体重別では準決勝で角田に腕挫十字固で敗れた[31]。10月の講道館杯では決勝で世界カデチャンピオンである修徳高校3年の宮木果乃に反則勝ちして優勝した[32][33]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で角田に反則勝ちするも、決勝で宮木に技ありで敗れて2位だった[34]。2023年2月のグランドスラム・パリでは準々決勝でセルビアのミリカ・ニコリッチに技ありで敗れるなどして7位だった[35]。4月の体重別では初戦で敗れた[36][37]

IJF世界ランキングは1000ポイント獲得で37位(24/2/12現在)[38]。 

戦績[編集]

57kg級での戦績

52kg級での戦績

48㎏級での戦績

(出典[1]、JudoInside.com)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k 「柔道全日本強化選手名鑑 2022」近代柔道 ベースボールマガジン社、2022年4月号
  2. ^ a b 柔道・立川姉弟「金」 愛媛新聞 2017年8月23日
  3. ^ 「世界カデ柔道選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2013年10月号 36頁
  4. ^ 「全日本学生柔道体重別選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2015年11月号 94頁
  5. ^ 粘って姉弟優勝=全日本ジュニア柔道 時事通信 2016年9月10日
  6. ^ 平成28年度全日本学生柔道体重別選手権大会
  7. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  8. ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016
  9. ^ 日本勢が女子4階級すべて優勝 柔道欧州オープン 日刊スポーツ 2017年2月5日
  10. ^ 平成29年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  11. ^ 立川新&莉奈が姉弟で金!磯田、村井も銅獲得/夏季ユニバ サンケイスポーツ 2017年8月23日
  12. ^ 平成29年度全日本学生柔道体重別選手権大会
  13. ^ 平成29年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  14. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  15. ^ 阿部、遠藤、能智が優勝=柔道GS 時事通信 2018年3月18日
  16. ^ Grand Slam Ekaterinburg 2018
  17. ^ 平成30年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  18. ^ 太田が100キロ超級制す=全日本学生体重別柔道 時事通信 2018年9月30日
  19. ^ 立川、弟の前で栄冠「攻めることを徹底した」/柔道 サンケイスポーツ 2018年9月30日
  20. ^ 平成30年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  21. ^ 平成31年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  22. ^ 古賀が優勝=柔道アジア・パシフィック 時事通信 2019年4月21日
  23. ^ 全国警察柔道選手権大会
  24. ^ 2019年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  25. ^ 立川莉奈、鶴岡来雪が優勝 柔道女子欧州オープン - 柔道 日刊スポーツ 2020年2月2日
  26. ^ 【講道館杯】女子48キロ級は立川莉奈が初優勝 4年連続準Vから階級変更で奏功 東京スポーツ 2020年11月1日
  27. ^ 2020年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  28. ^ 2021年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  29. ^ 立川莉奈、48キロ級で初V「タイトルを獲得できて幸せ」 サンケイスポーツ 2021年11月6日
  30. ^ Baku Grand Slam 2021
  31. ^ 2022年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  32. ^ 田代が初優勝 講道館杯柔道 スポーツニッポン 2022年10月29日
  33. ^ 2022年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  34. ^ Tokyo Grand Slam 2022
  35. ^ 柔道GSパリ大会、舟久保遥香3位 鍋倉那美は2位 日本経済新聞 2023年2月5日
  36. ^ 【柔道】波乱!男子の永山竜樹や古賀玄暉、女子の玉置桃や志々目愛らが敗退 全日本選抜体重別 日刊スポーツ 2023年4月1日
  37. ^ 2023年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  38. ^ World ranking list

外部リンク[編集]