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「ランボルギーニ・ディアブロ」の版間の差分

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前後のフェンダーとドアには[[アルミニウム|アルミ]]素材、バンパー、フロントフード、エンジンフード等にはランボルギーニが開発した「アウトクラーベ」という複合素材が使用され、ボディの軽量化がなされた。
前後のフェンダーとドアには[[アルミニウム|アルミ]]素材、バンパー、フロントフード、エンジンフード等にはランボルギーニが開発した「アウトクラーベ」という複合素材が使用され、ボディの軽量化がなされた。


== バリエーション ==
== モデルとバリエーション ==
; ディアブロ
; ディアブロ(初代)
: 1990年に登場した初代ディアブロ。[[後輪駆動|RWD]]モデル。5,707ccのV12エンジンを搭載し、最大出力492ps/7,000rpmを発生。最高速325km/h。
: 1990年に登場した初代ディアブロ。[[後輪駆動|RWD]]モデル。5,707ccのV12エンジンを搭載し、最大出力492ps/7,000rpmを発生。ホイールサイズは17インチ。最高速325km/h。

; VT
; VT
: [[4WD]]モデル。(1993年)
: [[4WD]]モデル。この世代のバリエーションに対してベーシックグレード。(1993年)
; VT ロードスター
:; VT ロードスター
: オープン4WDモデル。(1995年)
:: オープン4WDモデル。(1995年)
; SE30
:; SE30
: スペシャルエディション150台限定とされたが、最終的に197台出荷。(1993年)
:: スペシャルエディション150台限定とされたが、最終的に197台出荷。(1993年)
; SE30 イオタ
:; SE30 イオタ
: 限定車種。部品を軽量化したレーシグな味付けがされたモデル。SEの150台中20台限定。(1995年)
:: 限定車種。部品を軽量化し、可変吸気エジンを搭載したモデル。SEの150台中20台限定。(1995年)
:; イオタ
; SE35
:: JGTC参戦のためにテライエンジニアリング向けに3台のみ製作された初代競技専用車。1台は公道用。(1995年)
: SVをベースとした35周年アニバーサリーモデル。スイスのローランド・アフォルターがランボルギーニに発注、10台のみの限定生産。(1998年)

; SV
; SV
: スポーツ性を重視したスパルタンモデル。ベーシックグレードでもある。(1996年)
: RWDモデル。ホイールサイズを18インチに拡大。この世代のバリエーションに対してベーシックグレード。(1996年)
:; SVR
; SV ロードスター
:: 競技用車種。SVをさらに軽量化し、エキゾーストをストレートにするなどして540psのパワーを獲得した限定34台のワンメイクレースカー(1996年)
: オープンRWDモデル。日本未導入であり、僅か6台のみの希少モデル。(1998年)
:; SV ロードスター
; SVR
:: オープンRWDモデル。日本未導入であり、僅か6台のみの希少モデル。(1998年)
: 競技用車種。SVをさらに軽量化し、エキゾーストをストレートにするなどして540psのパワーを獲得した限定34台のワンメイクレースカー(1996年)
:; SE35
; イオタ
:: SVをベースとした35周年アニバーサリーモデル。スイスのローランド・アフォルターがランボルギーニに発注、10台のみの限定生産。(1998年)
: JGTC参戦のためにテライエンジニアリング向けに3台のみ製作された初代競技専用車。1台は公道用。(1995年)

; GT
; GT
: 競技用車種を公道仕様に改良した限定車。世界限定80台。アウディ資本の入る前の最後のディアブロ。(1999年)
: 競技用車種を公道仕様に改良した世界限定80台。排気量を5,992ccに拡大。アウディ資本の入る前の最後のディアブロ。(1999年)
; GTR
:; GTR
: ワンメイクレース車両として32台のみ生産された。計画では30台のみだったが、レース用のスペアとしてシャシは全部で40台分用意されていた。なお日本で部品を集めて、31台目のGTRが製作され日本で新車で販売されている。(1999年)
:: ワンメイクレース車両として32台のみ生産された。計画では30台のみだったが、レース用のスペアとしてシャシは全部で40台分用意されていた。なお日本で部品を集めて、31台目のGTRが製作され日本で新車で販売されている。(1999年)
; GTR-S
:; GTR-S
: GTRをベースにライター・エンジニアリングが開発。[[FIA GT選手権]]などに参戦していた。
:: GTRをベースにライター・エンジニアリングが開発。[[FIA GT選手権]]などに参戦していた。

; 6.0
; 6.0
: 排気量拡大し550馬力に出力を向上し、4WDとしたモデル。(2000年)
: 5,992ccエンジン搭載。4WDモデル。(2000年)
; 6.0SE
:; 6.0SE
: 最終モデル。(2001年)
:: 最終モデル。(2001年)

; GT-1
; GT-1
: 1997年にワンオフで製作されたレース車両。元[[AGS (F1)|AGS]]のミッシェル・コスタによって設計された。1998年の[[全日本GT選手権]]では9位入賞も果たしている。また2000年[[鈴鹿1000km]]では3位表彰台を獲得している。ロードカーも存在し、近年イタリアで発見された。(1997年)
: 1997年にワンオフで製作されたレース車両。元[[AGS (F1)|AGS]]のミッシェル・コスタによって設計された。1998年の[[全日本GT選手権]]では9位入賞も果たしている。また2000年[[鈴鹿1000km]]では3位表彰台を獲得している。ロードカーも存在し、近年イタリアで発見された。(1997年)
; JGT-1
:; JGT-1
:JLOCがJGTCに参戦するためにオーダーしたレーシングカー。エンジンやミッションなどはGT-1に使用していた物を流用しているが、シャシーや足回りなどは新しく開発された。始めはサイドラジエター方式を採用していたが、後にフロントに移された。(2001年)
::JLOCがJGTCに参戦するためにオーダーしたレーシングカー。エンジンやミッションなどはGT-1に使用していた物を流用しているが、シャシーや足回りなどは新しく開発された。始めはサイドラジエター方式を採用していたが、後にフロントに移された。(2001年)


== スペック ==
== スペック ==

2018年4月24日 (火) 12:06時点における版

ランボルギーニ・ディアブロ
初代
SV
VT Roarstar
概要
販売期間 1990年2001年
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドアクーペ
2ドアロードスター
駆動方式 MR
4WD
パワートレイン
エンジン 5.7L:V12 DOHC
6.0L:V12 DOHC
最高出力 5.7L:492ps/7,000rpm
6.0L:550ps/7,100rpm
変速機 5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,650mm
全長 SV・VT 4,470mm
GT 4,430mm
全幅 2,040mm
全高 SV・GT 1,115mm
VT 1.105mm
車両重量 SV 1,530kg
VT 1,625kg
GT 1,460kg
系譜
先代 カウンタック
後継 ムルシエラゴ
テンプレートを表示

ディアブロDiablo )は、1990年ランボルギーニが発売を開始した二人乗りのスーパーカーである。車名のディアブロの意味は「悪魔」。伝説の闘牛の名前から取られた[1]

概要

インテリア
エンジン
リヤ
ディアブロ SE30 (30thアニバーサリーモデル)
Z32から流用された固定式ヘッドライト

ディアブロは世界中で大ヒットを博した1970年~1980年代の名車「カウンタック」の後継車種でもある。空気抵抗を意識した低い車高とシザードアといったカウンタックの特徴を踏襲した。前期型はカウンタック同様にリトラクタブル・ヘッドライトを採用したが、終日ヘッドライト点灯を義務づけにした国・地域が出たため、後期モデルでは日産・フェアレディZ(Z32)と同形式の部品を装備し、固定式ヘッドライトとなった。もともとこの流用はユーザーによる私的な改造として始められたものだが、それを見たランボルギーニの関係者によって正式採用された。ヘッドライトユニットにNISSANのロゴがあるため、ライト上部に付けられた眉毛のようなカバーで隠されている。後継車はムルシエラゴ

搭載エンジンは初期モデルは5,709ccV12気筒DOHC48バルブで、最終型では5,992ccに拡大されている。そのエンジンをミッドシップに縦置きするが、通常と逆に出力軸を前方としトランスミッションに接続、そこから動力を後方に折り返しドライブシャフトで(オイルパンを貫通し)デフに接続、後車軸を駆動するという、カウンタックと同様のコンパクト化手法で配置されている[2]。ホイールベース長は2,650mm、カウンタックの最終モデルである25thアニバーサリーに比べ150mm延長され、居住性の向上が図られた。フレームはカウンタック同様の マルチチューブラーフレームだが、断面形状が、カウンタックの丸断面に対し、角断面に変更された。初期型はメーターパネルが高くそびえる形で作られており、前方視界を遮る形となっていた。このため改造するチューナーが次々現れたため、後にメーターの配列やサイズを変更し、メーターパネル自体を低くして視界確保を改善する改良を実施している。

ボディデザインは基本はマルチェロ・ガンディーニの手によるものだが、当時ランボルギーニを所有していたクライスラーのデザイナーによって、空力や開口部の安全面で細部の角を落とし滑らかにする修正が加えられたため、デザイナーとしての名前を出すかどうかもめたが、細部を修正することは契約に含まれているという理由でマルチェロ・ガンディーニも了承した。

前後のフェンダーとドアにはアルミ素材、バンパー、フロントフード、エンジンフード等にはランボルギーニが開発した「アウトクラーベ」という複合素材が使用され、ボディの軽量化がなされた。

モデルとバリエーション

ディアブロ(初代)
1990年に登場した初代ディアブロ。RWDモデル。5,707ccのV12エンジンを搭載し、最大出力492ps/7,000rpmを発生。ホイールサイズは17インチ。最高速325km/h。
VT
4WDモデル。この世代のバリエーションに対してベーシックグレード。(1993年)
VT ロードスター
オープン4WDモデル。(1995年)
SE30
スペシャルエディション150台限定とされたが、最終的に197台出荷。(1993年)
SE30 イオタ
限定車種。各部品を軽量化し、可変吸気エンジンを搭載したモデル。SEの150台中20台限定。(1995年)
イオタ
JGTC参戦のためにテライエンジニアリング向けに3台のみ製作された初代競技専用車。1台は公道用。(1995年)
SV
RWDモデル。ホイールサイズを18インチに拡大。この世代のバリエーションに対してベーシックグレード。(1996年)
SVR
競技用車種。SVをさらに軽量化し、エキゾーストをストレートにするなどして540psのパワーを獲得した限定34台のワンメイクレースカー。(1996年)
SV ロードスター
オープンRWDモデル。日本未導入であり、僅か6台のみの希少モデル。(1998年)
SE35
SVをベースとした35周年アニバーサリーモデル。スイスのローランド・アフォルターがランボルギーニに発注、10台のみの限定生産。(1998年)
GT
競技用車種を公道仕様に改良した世界限定80台。排気量を5,992ccに拡大。アウディ資本の入る前の最後のディアブロ。(1999年)
GTR
ワンメイクレース車両として32台のみ生産された。計画では30台のみだったが、レース用のスペアとしてシャシは全部で40台分用意されていた。なお日本で部品を集めて、31台目のGTRが製作され日本で新車で販売されている。(1999年)
GTR-S
GTRをベースにライター・エンジニアリングが開発。FIA GT選手権などに参戦していた。
6.0
5,992ccエンジンを搭載。4WDモデル。(2000年)
6.0SE
最終モデル。(2001年)
GT-1
1997年にワンオフで製作されたレース車両。元AGSのミッシェル・コスタによって設計された。1998年の全日本GT選手権では9位入賞も果たしている。また2000年鈴鹿1000kmでは3位表彰台を獲得している。ロードカーも存在し、近年イタリアで発見された。(1997年)
JGT-1
JLOCがJGTCに参戦するためにオーダーしたレーシングカー。エンジンやミッションなどはGT-1に使用していた物を流用しているが、シャシーや足回りなどは新しく開発された。始めはサイドラジエター方式を採用していたが、後にフロントに移された。(2001年)

スペック

性能
モデル名 全長 全幅 全高 ホイールベース 重量 排気量 最大トルク 最高出力 乗車定員 生産台数
(初代) 4,460mm 2,040mm 1,105mm 2,650mm 1,650kg 5,707cc 59.1kgm/5,200rpm 492ps/7,000rpm 2名 887台
VT 4,460mm 2,040mm 1,105mm 2,650mm 1,625kg 5,707cc 59.1kgm/5,200rpm 492ps/7,000rpm 2名 880台
SE30 4,507mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1,650kg 5,707cc 59.2kgm/5,900rpm 525ps/7,100rpm 2名 150台
VT Roadster 4,470mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1,625kg 5,707cc 59.1kgm/5,200rpm 492ps/7,000rpm 2名 465台
SE30イオタ 2名 20台
SV 4,470mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1,530kg 5,707cc 58.0kgm/5,200rpm 530ps/7,000rpm 2名 343台
SVR 2名 34台
SV Roadster 4,470mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1,530kg 5,709cc 60.0kgm/5,500rpm 535ps/7,100rpm 2名 6台
イオタ 1,220kg 5,707cc 58.0kgm/5,700rpm 620ps/7,800rpm 2名 3台
GT 4,430mm 2,040mm 1,105mm 2,650mm 1,490kg 5,992cc 64.3kgm/5,500rpm 575ps/7,300rpm 2名 80台
GTR 4,300mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1,385kg 5992cc 65.3kgm/5,500rpm 590ps/7,300rpm 2名 31台
GTR-S 4,300mm 2,040mm 1,115mm 2,650mm 1名 3台
6.0 4,470mm 2,200mm 1,105mm 2,650mm 1,625kg 5,992cc 63.3kgm/5,500rpm 550ps/7,100rpm 2名 334台
6.0SE 4,470mm 2,200mm 1,105mm 2,650mm 1,625kg 5,992cc 63.3kgm/5,500rpm 558ps/7,100rpm 2名 43台
GT-1 4,705mm 2,040mm 1,040mm 2,695mm 1,050kg 5,994cc 70.0kgm/5,500rpm 600ps/7,000rpm 1名 2台
JGT-1 2,695mm 1,050kg 5,994cc 655ps/7,500rpm 1名 1台

  1. ^ 当初は闘牛とは無関係に「ディアブロ」と名付けるつもりだったが、後に調べた所偶然にも闘牛の名前に同じものがあった事が発表前に明らかになったという。またこの名前については原理主義的なキリスト教関係者から反発の声が上がったという。
  2. ^ 多少珍しいが、他者等に類例が皆無の特殊な方式というわけでもない。レーシングカー設計者(デザイナー)Len Terry設計のスポーツカー「LT24」(試作のみで中止)が、順序は少し違うが同様の配置である。(『レーシングカー : その設計の秘密』 p. 91)

関連項目

外部リンク


ランボルギーニ S.p.A. ロードカータイムライン 1963-
タイプ 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
MR(含ミッドシップ4駆) V12 ミウラ カウンタック ディアブロ ムルシエラゴ アヴェンタドール レヴエルト
イオタ レヴェントン ヴェネーノ チェンテナリオ エッセンツァ シアン カウンタック
V8/V10 シルエット ジャルパ ガヤルド ウラカン
2+2 ウラッコ
FR GT 350GT
2+2 400GT イスレロ ハラマ
エスパーダ
クロスカントリー4WD
SUV
LM002 ウルス
オーナー
親会社
フェルッチオ・ランボルギーニ ロセッティ、
レイマー
イタリア政府管理下 ミムラン クライスラー メガテック Vパワー アウディ
試作レーシングカー: ランボルギーニ・イオタ(1969)、ランボルギーニ・ハラマRS(1973)、ランボルギーニ・ウラッコ・ラリー(1973)
コンセプトカー: ランボルギーニ・エストーケ(2008)、ランボルギーニ・エゴイスタ(2013)、ランボルギーニ・アステリオン(2014)、ランボルギーニ・テルツォ ミッレニオ(2017)
人物: フェルッチオ・ランボルギーニジャンパオロ・ダラーラマルチェロ・ガンディーニパオロ・スタンツァーニ
公式WEBサイト: Automobili Lamborghini Holding Spa