ランボルギーニ・ガヤルド

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ランボルギーニ・ガヤルド
前期型
2005 Lamborghini Gallardo (3952806385).jpg
後期型
Lamborghini Gallardo LP560-4 - 009.jpg
最後期型
Paris Motor Show 2012 (8065416383).jpg
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2003年 - 2013年
乗車定員 2人
ボディタイプ 2ドア クーペ
2ドア オープン
エンジン 5.0L V10 DOHC
5.2L V10 DOHC
駆動方式 4WDミッドシップ
最高出力 500ps(2003年-2006年)
520ps(2006年以降)
530ps(スーパーレジェーラ)
550ps(LP550-2)
560ps(LP560-4)
570ps(LP570-4)
570ps(セスト・エレメント)
最大トルク 55.1kgm/6,500rpm(LP560-4)
変速機 6速MT
6速セミAT(e-gear)
全長 4,300mm
全幅 1,900mm
全高 1,165mm
ホイールベース 2,560mm
車両重量 1,430kg
ステアリング位置 左/右
後継 ウラカン
-自動車のスペック表-
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ガヤルドGallardo)は、イタリアの自動車メーカーのランボルギーニが製造していたスポーツカーである。

概要[編集]

かつてランボルギーニには、「ベビー・ランボルギーニ」と呼ばれる一群の車種としてウラッコシルエットおよびジャルパがあった。しかし1990年代には、プロトタイプのカーラ (Calaを除いて、フラグシップの12気筒(ディアブロ)以外の車種は揃えていなかった。2003年、ガヤルドはフラグシップ以外の車種として久しぶりに発表された。スタイリングはムルシエラゴと同様に、ベルギー人デザイナーのルク・ドンカーヴォルケによって主導された。車名は闘牛名に由来するものではなく、18世紀スペインの闘牛飼育家であるフランシスコ・ガヤルドから採られている。

機構・スタイル[編集]

エンジンは、バンク角90°を持つ水冷V型10気筒エンジン。アルミ鋳造製のシリンダーブロックは、アウディ製のものとベースは同じ。重心を下げるため広いバンク角度を採用しているが、等間隔燃焼を実現するためにクランクピンを18°オフセットしている。排気量は5Lであり、1L当たり100psとなる500psを発生している。ボア×ストロークが82.5mm×92.8mmというロングストローク仕様であるため、低回転域のトルク特性に優れている。ロングストロークではあるがレッドゾーンは8,200rpmからとなっている。2006年モデルより排気系の見直しで520psへと出力が向上した。

エンジン搭載形式はミッドシップだが、これだけの出力になると2輪駆動ではトラクション確保が難しいとされたため、対策として4WDシステムが採用されている[1]。本車種における4WDシステムは、低重心化も兼ねてエンジンとともに構造限界まで下げた状態で搭載されている。また複雑な制御で知られるアウディ製クワトロシステムではなく、シンプルなセンターデフ式で、ビスカスカップリング式LSDを使用しており、この点はディアブロに準じる基本構成となっている。

ボディは発売当時からアウディ製のアルミスペースフレームで構成されている[2]。ボディ単体での重量は250kgと軽量である。総車体重量は1,430kgと公称されている。ランボルギーニ伝統の低い全高は受け継がれており、全高は1,160mm[3]

本車は、日常使用の使い勝手を向上させるためシザードアは採用されず、一般的な前ヒンジの横開きドアとなっている。また、2005年モデルよりフロント部車高を少し上昇させることが可能となっている(日本仕様では標準装備)。このシステムは油圧式であり、車高を上げた状態でも70km/hで走行でき、またタワーパーキングへの入庫が可能となっている。

2008年にマイナーチェンジが行われ、ランボルギーニ伝統の「LP」が付けられた「LP560-4」が発表された。フロントバンパー、ライト、ボンネット、リアバンパー、リアコンビネネーションランプの変更。リアフェンダーダクトの廃止。これにより、5.2L直噴エンジン(最高出力560ps/55.1kg·m)、1,420kg、4WDのスペックとなり、ドイツ国内では2009年のベストスポーツカー賞を受賞した。なお、この2009年仕様エンジンは親会社であるアウディのスペチアーレ「R8 5.2LFSI」にも採用されている。

2010年3月のジュネーブショーにてサーキット走行向けのモデルである「LP570-4Superleggera」が発表された。これは570psエンジン、1,340kg(アルミ&カーボンボディ仕様)となっている。

2013年11月に、ランボルギーニ史上最多となる総生産台数14,022台で生産を終了した[4]。販売台数もランボルギーニ史上最多、売り上げ額も最大を記録した。

モデルとバリエーション[編集]

初代ガヤルド(2003年~2008年)

ベースグレード・モデル。

ガヤルド SE
2005年に発表されたツートン・カラーに塗装されたスペシャル・エディション。250台限定で生産された。ノーマルのガヤルドより1〜5速のギア比を低めた。専用の5本スポーク・ホイール「Callisto」を装着。ベースのボディ・カラーは4色(白、イエロー、オレンジ、グリーン)で、ルーフやエンジンボンネット、前後スポイラーとサイドミラーが黒に塗装された[5]
ガヤルド・ネラ
ガヤルド・ネラ
2006年9月、パーソナライゼーション・プログラムとして専用色の黒に塗装された185台が限定生産された[6]
ガヤルド・スパイダー
ガヤルド・スパイダー

2005年に追加されたモデル。ルーフがカットされ代わりに電動ソフトトップが採用されている。開閉時間は20秒。5本スポーク・ホイール「Callisto」を装着。

ガヤルド・スーパーレジェーラ
ガヤルド・スーパーレジェーラ

車体パーツをカーボンファイバーに置き換え、車重をノーマルより100kg軽量化(1,330kg)し、吸排気系の見直しにより出力を10psアップの530psとした限定モデル。なお、スーパーレジェーラとはイタリア語で超軽量の意味。パワーウェイトレシオは2.5kg/psで、発表された0-100km/h加速は3.8秒、トップスピードは315km/hとされる。オプションとして大型カーボンリアウイングがあり、ノーマル仕様に装備されている非可動式リアウイングとは選択式。

特別仕様車

2004年5月にイタリア警察高速隊のパトカーとして「ガヤルド・ポリツィア・ストラダーレ」が採用された[7]。車両の製作やメンテナンスはランボルギーニが行い、乗務するドライバーのトレーニング、選抜に協力する体制がとられた。


LP560-4 スパイダー
LP560-4(2008年~2013年)

フェイスリフト後のベースグレード・モデル。エンジンが直噴化され、クランクシャフトの形式も変更された。

LP560-4 ビアンコ・ロッソ
2012年5月にランボルギーニの日本上陸45周年を記念して、10台限定でリリースされた日本専用仕様。意味はイタリア語で「白・赤」。ボディーは白のみで、アクセントとしてミラーカバーやブレーキキャリパーが赤色に塗装されている。価格は2,541万円[8]
LP560-4 スパイダー

2008年のロサンゼルスオートショーにおいて発表されたオープン・モデル。

LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニ
LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニ

2009年に発売された5.2L、V10、550psで2輪駆動の250台限定モデル。ネーミングの由来は、40年以上に渡ってすべてのランボルギーニの開発に携わり、テストドライバーも務めていたヴァレンティーノ・バルボーニに起因する。変速機は6速MTを標準設定とし、eギアはオプションとなる。リアデフのチューニングを最適化、リアアクスル用LSDも新たに開発。スタビライザー、ダンパー、コイル、タイヤ、ESPといったあらゆる部分を変更。

ある日、ヴァレンティーノは自分の名前のついた車に乗って帰宅。翌日の出勤途中にフェルッチオの眠る墓地にさしかかると「ありがとう」と、心の中でフェルッチオにお礼をするために車を止めたという[9]

LP550-2

2010年、「LP550-2 ヴァレンティーノ・バルボーニ」の好評をうけて2輪駆動モデルがカタログモデルとして加えられた[10]

LP550-2 トリコローレ
2011年6月、イタリア統一150周年記念のスペシャル・エディション。専用色として白と黒の2色にイタリア国旗の3色(緑・白・赤)のストライプが手作業によって塗装されている[11]
LP570-4 スーパーレジェーラ
LP570-4 スーパーレジェーラ

2010年3月のジュネーブモーターショーにおいて発表されたモデル。ベースモデルから70kg軽量化し、最大出力570psを発揮する。エクステリアの改良で空力性能を向上、レヴェントン風のフロントバンパー、大型エアインテーク、レーシングカー的なリアディフューザーやリアスポイラーを装備する。インテリアにも専用装備を多数採用している。

LP570-4 スーパーレジェーラ・エディツィオーネ・テクニカ
LP570-4 スーパーレジェーラ・エディツィオーネ・テクニカ
2012年のパリ・モーターショーの前日に発表された軽量化オプション・プログラム装着モデル。専用色として3通りの組み合わせ(黒×オレンジ、白×オレンジ、オレンジ×黒)が設定された[12]
LP570-4 スーパートロフェオ・ストラダーレ

2011年9月のフランクフルトモーターショーで発表されたモデル。パワートレインは前述のLP570-4と同じものだが、ディフューザー、リアスポイラーなどにカーボン素材を多用し車重は1,340kgに抑えられ、ブレーキを中心に改良が施される。0-100km/h加速3.4秒、最高速度340km/hと公表される。

LP570-4 スーパートロフェオ・ストラダーレ・エディツィオーネ・テクニカ
2012年のパリ・モーターショーの前日に発表された軽量化オプション・プログラム装着モデル。専用色として3通りの組み合わせ(黒×オレンジ、白×オレンジ、オレンジ×黒)が設定された[12]
LP5620-2 50°アニヴェルサリオ

2013年4月の「オート上海」において発表されたアウトモビリ・ランボルギーニの創立50周年記念モデル[13]。専用色の白系「ビアンコ・オパリス」で塗装され、カーボンファイバー製のリアウイングや、透明なエンジンフード、ダークグレーの19インチアルミホイールなどを装備する。世界限定台数は90台以下[14]

セスト・エレメント
セスト・エレメント

ガヤルドをベースに開発されたモデル。2010年10月のパリ・モーターショーにおいてコンセプトモデルとして発表され、2011年にサーキット走行専用車として生産が決定した。セスト・エレメントとは「第6の元素」という意味で、即ち原子番号6の炭素を指す。その名の通りボディはカーボン材から成り、その他の部品にもチタン合金など軽量素材を多用したことで、最高出力570psの5.2L V型10気筒エンジンを搭載しながら、車重999kgという軽量に仕上がった。四輪駆動。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は300km/hを発揮する。

特別仕様車

「ガヤルド・ポリッツィア」1号車が退役し、2008年10月24日にLP560-4をベースとする代替車両として納車された[15]。この「ガヤルド LP560-4 ポリツィア」は通常の任務の他、移植用臓器の搬送を行えるよう、そのための装備が組み込まれている。また、同車に乗務する警察官は、特別に選抜されトレーニングを受けたメンバーのみ乗務することが認められる。この車両は2009年11月29日(現地時間)夜、学生向けのジョブ・フェアで展示の帰途、ガソリンスタンドから出てきた一般車を避けようとしてコントロールを失い大破。この事故による死傷者はなかった。2014年以降、後継車種である「ランボルギーニ・ウラカン・ポリツィア・ストラダーレ」への交代が行われ、2017年に全車退役した。一部車両は警察車両博物館に収蔵されている。

レース用車両[編集]

RG-3
RG-3(2011年度)
FIA GT選手権GT3クラスへの参戦目的で製作されたレースカーをベースに、日本のSUPER GTの規定に合わせ作り直されたワンオフマシン。開発は日本のJLOCによって行われ、2007年より参戦を開始し、開幕戦では2台持ち込んだ。
2009年の第6戦鈴鹿において10位で初入賞[16]。同年の第7戦富士において「No.88 triple a ガイヤルド RG-3」がポールポジションを獲得した[17]
LP520 GT3

初期型のベースグレードをベースに開発したモデル。RG-3はこのモデルをベースにしている。

LP560 GT3
ドイツのチューニングメーカー、ライターエンジニアリングがガヤルドLP560-4をベースに開発したFIA GT3クラスのレース専用モデル。5.2リッターV10エンジンはGT3用に改良され、カーボンファイバーで覆われた軽量アルミニウムのシャシーによって、車重は約1,190kgまで抑えられている[18]。GT3をベースにしたLP560 GT2もある。
LP600 GT3
ドイツのチューニングメーカー、ライターエンジニアリングが開発したFIA GT3クラスのレース専用モデル。エンジンのパワーが向上したほか、耐久性向上のため、よりシンプルなギアボックスが採用され、空力も改善した[19]
LP600+ GT3
LP600+ GT3(2012年度)
ドイツのチューニングメーカー、ライターエンジニアリングが開発したFIA GT3クラスのレース専用モデル。2012年のFIA GT1世界選手権にライターエンジニアリングのチームから参戦した。
FL2
FL2(2014年度)
ライターエンジニリングが開発した2013年型をベースにしたLP600+の後継マシン。
GT3エクステンソ
略称:GT3 R-EX
ライターエンジニアリングが開発したFL2の後継マシン。

販売経緯[編集]

  • 2003年 - ジュネーブショーで発表。同年からクーペが日本でも発売された。
  • 2005年10月 - オープンモデルの「スパイダー」を追加。
  • 2007年3月 - ジュネーブショーでガヤルドをベースに車体を軽量化した「スーパーレジェーラ」を発表。
  • 2008年3月 - マイナーチェンジ。ジュネーブショーで発表。ヘッドライトユニットが若干小さくなり、リア周りはムルシエラゴに似たデザインに変更された。型式も「LP560-4」と改められる。
  • 2010年6月 - 同年3月のジュネーブモーターショーで発表した「LP570-4 スーパーレジェーラ」を日本国内で販売開始した。価格は、6速セミAT・eギア、6速MTともに2,913万2,250円。

脚注[編集]

  1. ^ ただしディアブロのように、エンジンを前後逆に配置し、トランスミッションを室内センタートンネルに位置させる方法は取られていない
  2. ^ このフレーム構造はムルシエラゴでは採用されなかった
  3. ^ フェラーリ・458イタリアの全高は1,210mm。12気筒モデルのムルシエラゴの全高は1,130mm
  4. ^ Lamborghini Gallardo production ends on No. 14,022 autoblog 2013年11月26日
  5. ^ 「ランボルギーニ・ガヤルド」に250台のスペシャルエディション”. webCG (2005年7月21日). 2019年1月18日閲覧。
  6. ^ 黒いランボルギーニ ガヤルド 世界限定185 台”. Response (2006年9月22日). 2019年1月20日閲覧。
  7. ^ Response2004年5月16日 ランボルギーニ・ガヤルドのパトカー出動!!
  8. ^ “ランボ上陸45周年を祝う10台限りの特別なガヤルド”. ROSSO (ネコ・パブリッシング): 22-23. (2012-08). 
  9. ^ ENGINE 限定250台の後輪駆動ランボ、ガヤルドLP550試乗記
  10. ^ ランボルギーニ・ガヤルドLP550-2(MR/6AT)【試乗記】快楽のランボルギーニ”. webCG (2010年12月6日). 2019年1月18日閲覧。
  11. ^ 小林隆 (2011年6月30日). “ランボルギーニ、イタリア統一150周年を記念した「ガヤルド LP550-2 トリコローレ」発売”. Car Watch. Impress. 2019年1月18日閲覧。
  12. ^ a b より軽やかにより鮮やかに、ガヤルドのニューモデル”. OPENERS (2012年9月27日). 2019年1月15日閲覧。
  13. ^ “サンタアガタ、第2の衝撃波”. ROSSO (ネコ・パブリッシング): 32-35. (2013-07). 
  14. ^ ランボルギーニ、50周年記念限定車を日本初披露”. webCG (2013年7月17日). 2019年2月5日閲覧。
  15. ^ Response2008年10月25日 史上最速のパトカー、イタリア警察に配備完了!!
  16. ^ 2009 AUTOBACS SUPER GT Round 6: Pokka GT Summer Special”. SUPERGT.net (2009年8月23日). 2018年12月15日閲覧。
  17. ^ 2009 AUTOBACS SUPER GT Round 7: Fuji GT 300km Race”. SUPERGT.net (2009年9月12日). 2018年12月15日閲覧。
  18. ^ GT3用の新型ランボルギーニ・ガヤルドLP560 GT3が登場”. auto blog (2009年7月23日). 2018年12月15日閲覧。
  19. ^ Stephen Dobie (2012年1月3日). “New Lamborghini Gallardo LP600 GT3 racing car”. evo. 2018年12月15日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


ランボルギーニ S.p.A. ロードカータイムライン 1962-
タイプ 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8
MR(含ミッドシップ4駆) V12 ミウラ カウンタック ディアブロ ムルシエラゴ アヴェンタドール アヴェンタドールS
イオタ レヴェントン ヴェネーノ チェンテナリオ
V8/V10 シルエット ジャルパ ガヤルド ウラカン
2+2 ウラッコ
FR GT 350GT
2+2 400GT イスレロ ハラマ
エスパーダ
クロスカントリー4WD
SUV
LM002 ウルス
オーナー
親会社
フェルッチオ・ランボルギーニ ロセッティ、
レイマー
イタリア政府管理下 ミムラン クライスラー メガテック Vパワー アウディ
試作レーシングカー: ランボルギーニ・イオタ(1969)、ランボルギーニ・ハラマRS(1973)、ランボルギーニ・ウラッコ・ラリー(1973)
コンセプトカー: ランボルギーニ・エストーケ(2008)、ランボルギーニ・エゴイスタ(2013)、ランボルギーニ・アステリオン(2014)、ランボルギーニ・テルツォ ミッレニオ(2017)
人物: フェルッチオ・ランボルギーニジャンパオロ・ダラーラマルチェロ・ガンディーニパオロ・スタンツァーニ
公式WEBサイト: Automobili Lamborghini Holding Spa