ランボルギーニ・ウルス

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ランボルギーニ・ウルス
車内
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 2018年 -
ボディ
乗車定員 4名もしくは5名
ボディタイプ SUV
駆動方式 四輪駆動
パワートレイン
エンジン V型8気筒DOHC32バルブ
直噴ツインターボ
最高出力 650PS/6,000rpm
最大トルク 850Nm/2,250-4,500rpm
変速機 8速AT
マルチリンク式
マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 3,003mm
全長 5,112mm
全幅 2,016mm
全高 1,638mm
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ウルスUrus)は、イタリアの自動車メーカー、ランボルギーニが製造販売する高級SUV型自動車である。

概要[編集]

ウルス(2012年)
ウルス(2012年)
V8ツインターボエンジン

昨今のSUVブームの中、高級ブランドメーカーの多くもSUVを開発・発売していることを背景に、ランボルギーニから発表されたモデルである。ランボルギーニは過去に1980年代後半から1990年代前半にクロスカントリー4WDであるLM002を発売していたが、クロスオーバーSUVの発売は初である。ランボルギーニではスーパースポーツユーティリティビークル(SSUV)と称している[1]

2012年に開催された北京モーターショーにて、SUVコンセプトカーとして発表。2017年12月4日にイタリアのランボルギーニ本社にて市販型が正式発表され、2018年からデリバリーが開始された。

基本コンポーネントとして、ランボルギーニを傘下に持つフォルクスワーゲングループの共通アーキテクチャー「PL7x系プラットフォーム」を採用している。同プラットフォームは、グループのアウディ・Q7フォルクスワーゲン・トゥアレグポルシェ・カイエンベントレー・ベンテイガで使われているが、ウルス開発にあたりSSUVを標榜するべく大幅な独自の改良が施された。エクステリアでは、2/3はボディ、1/3はウインドウというランボルギーニのスポーツカーの原則を踏襲している。

最高出力650PS・最大トルク850NmのV型8気筒4.0L DOHC 32バルブツインターボエンジンを搭載し、最高速度はSUV史上最速の305km/h。なおターボエンジンを搭載するモデルを発売したのは同社では初である[2]四輪駆動で走行モードは「STRADA(一般道)」、「SPORT」、「CORSA(サーキット)」。「NEVE(雪上)」モードから選択可能。また「TERRA(オフロード)」と「SABBIA(砂漠)」もオプションで選べる。四輪操舵も採用され、小回り性の向上に寄与している。

ウルスは、ランボルギーニが現在提供しているすべての車種と同様に、さまざまな道路状況で車の性能を向上させるためにサスペンションを適応させるいくつかの走行モードを備えている[3][4]。ランボルギーニ・ウルスには、ストラーダ(ストリート)、スポルト、コルサ(トラック)、テラ(ダート)、サッビア(サンド)、ネーヴェ(スノー)の走行モードが装備されており、最後の3つはオフロードパッケージでのみ利用できる可能性がある。ウルスは4、5人乗り[5]

ウルスは、フェイクスエードのヘッドライナーとレザーシートを採用[6]。フロントシートは12ウェイパワー調整、ポジションメモリー、シートヒーター、123インチデジタルメータークラスターを装備[7]。リアシートは3人掛けまたは2人掛けのスポーツシートに設定可能で、4ゾーンオートマチックエアコンが標準装備されている[8]

ウルス ペルフォルマンテ(2022年〜)[編集]

ウルス ペルフォルマンテ

ウルスの改良型として2022年9月に発表された。ウルスに搭載されていた4.0L V8ツインターボを改良し、最高出力を16PS引き上げた666PS/6,000rpmを発揮する。一方、最大トルクは変わらず850Nmのままである。オリジナルのウルスから50kg近い軽量化が行われ、車両重量は2,150kgとなっている。[9]フロント・リアバンパーの一部エアロ形状が異なり、ボンネットが一部黒色になっているのが特徴。

ウルス S(2022年〜)[編集]

ウルス S

ウルスの改良型として、『ウルス ペルフォルマンテ』と同時に2022年9月に発表された。フロントに積まれる4.0L V8ツインターボエンジンは「ウルス ペルフォルマンテ」と同じ最高出力666PS/6,000rpm、最大トルク850N・m/2,300-6,000rpmを発生。0-100km/hが3.5秒のダッシュ力に加えて、最高速は305km/hに到達する。100km/hから停止までの距離が33.7mと、制動力も強化されている[10]

証言[編集]

NHTSAは2020年11月、40リッター・ツインターボV8エンジンを搭載した2019年および2020年モデルのウルスについて、エンジンルーム内の高温により燃料ラインのクイックコネクターが設計上の性能限界を超える温度まで上昇する可能性があるため、火災の危険があるとしてリコールした。このような高温は、クイックリリースマテリアルの軟化を引き起こし、燃料漏れにつながる可能性があります。ランボルギーニは、ポルシェAGが2019年にこの問題を確認した後、問題を認識したと述べた。合計2831人のUruSが影響を受けた[11]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ウルス 概要
  2. ^ “ランボルギーニ ウルス、V8エンジン搭載が確定…同社初のターボ車に”. Response. (2017年12月2日). https://response.jp/article/2017/12/02/303240.html 
  3. ^ 2023 Lamborghini Urus Performante: Lambo’s Fast SUV Gets Faster”. www.forbes.com. 2024年2月16日閲覧。
  4. ^ Lamborghini Urus 2021- An Absolute All-Rounder Car”. businessupside.com. 2024年2月16日閲覧。
  5. ^ The Lamborghini Urus is the latest $200,000 SUV”. www.theverge.com. 2024年2月16日閲覧。
  6. ^ Unveiling Unknown Lamborghini Urus Facts”. www.dubizzle.com. 2024年2月16日閲覧。
  7. ^ Lamborghini Urus : Performance, Features & Options”. www.uptowndxb.com. 2024年2月16日閲覧。
  8. ^ 2023 Lamborghini Urus”. www.edmunds.com. 2024年2月16日閲覧。
  9. ^ https://motor-fan.jp/genroq/article/67286/
  10. ^ ランボルギーニが「ウルスS」を発表 V8ツインターボエンジンは最高出力666PSを発生 【ニュース】”. webCG. 2023年5月25日閲覧。
  11. ^ Lamborghini Urus recalled due to a fire risk”. www.autoblog.com. 2024年2月16日閲覧。

外部リンク[編集]


ランボルギーニ S.p.A. ロードカータイムライン 1963-
タイプ 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
MR(含ミッドシップ4駆) V12 ミウラ カウンタック ディアブロ ムルシエラゴ アヴェンタドール レヴエルト
イオタ レヴェントン ヴェネーノ チェンテナリオ エッセンツァ シアン カウンタック
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試作レーシングカー: ランボルギーニ・イオタ(1969)、ランボルギーニ・ハラマRS(1973)、ランボルギーニ・ウラッコ・ラリー(1973)
コンセプトカー: ランボルギーニ・エストーケ(2008)、ランボルギーニ・エゴイスタ(2013)、ランボルギーニ・アステリオン(2014)、ランボルギーニ・テルツォ ミッレニオ(2017)
人物: フェルッチオ・ランボルギーニジャンパオロ・ダラーラマルチェロ・ガンディーニパオロ・スタンツァーニ
公式WEBサイト: Automobili Lamborghini Holding Spa