伊藤隆行

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いとう たかゆき

伊藤 隆行
生誕 (1972-10-24) 1972年10月24日(51歳)[1]
日本の旗 日本東京都世田谷区
出身校 早稲田大学政治経済学部
職業 テレビプロデューサー映画監督
配偶者
子供 一男一女
公式サイト 伊藤隆行 (@itoh_p/) - X(旧Twitter)
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伊藤 隆行(いとう たかゆき、1972年10月24日[1] - )は、テレビ東京制作局長、テレビ東京制作非常勤取締役。日本テレビプロデューサー東京都小金井市育ち。男性

略歴[編集]

早稲田大学高等学院[2]を経て早稲田大学政治経済学部を卒業[3]。1995年に報道記者志望でテレビ東京に入社するが、バラエティ番組ばかり立ち上げる。目標は「3歳の息子にちゃんと見せられる番組を作ること」[3]

伊藤がプロデューサーとして担当する番組はゴールデン番組ではできない低予算ながら奇抜な企画を提案し、話題をさらっている。お笑い芸人が多く出演する番組を巧みに演出し、笑いの間口を広げていく番組で手腕を発揮する[4]。『モヤモヤさまぁ〜ず2』では時々出演し、さまぁ〜ずに代わってロケを行うこともある。その際の呼び名は「伊藤P」[5]。レギュラー陣に次ぐ人気と知名度を誇っている。携帯の公式サイトでは、プロデューサー日記のコーナーも担当している。

深夜枠で地上波ではあり得ないようなギリギリな挑戦的な番組を数多く制作していることから、ゴールデンタイムを嫌うマイナー系の制作者とみられがちだが、インタビューで「ゴールデンだけを目指すのはおかしいし、ゴールデンを否定するのもおかしい」[6]と語っているように、本人は必ずしも深夜枠にこだわっているわけではない。『モヤモヤさまぁ〜ず2』も2010年にゴールデンに進出する。これはテレビ東京の社長・島田昌幸の勧めで実現したものだが、社長の手紙の書き出しも「テレビ業界が暗黒時代」という暗い書き出しで、テレビ東京社員及び社長が番組のファンという理由であり、社長自身も後にテレビ東京の看板番組になるとは思っておらず、伊藤本人もこの進出を心配していたが、結果的に10周年を無事に迎えた。また、『モヤさま』の後に始まった『シルシルミシルさんデー』だけには負けたくないと番組中にコメントした。

自身が制作する『やりすぎコージー』『モヤモヤさまぁ〜ず2』のDVDを大ヒットさせたが、「なんでもかんでもDVD化して番組を二次利用しようとする流れはすぐ終わると思う」と述べ、バラエティ番組DVD市場の限界を指摘している。また、「“もう1度見る必要性を感じる内容か”“見逃しやすい放送時間であったか”など、すべての要素を考えて、DVD化する番組とそうではない番組をはっきりと分けることが重要」と持論を展開している[7]

会社で1度も話したことのない社員がたくさんおり、距離があるため、会社の後輩は畏怖の念を抱きあまり近寄ってこないと『Quick Japan』誌のインタビューで述べている。しかし伊藤自身は20代の若手社員には新たな企画をどんどん出してテレ東バラエティを盛り上げていって欲しいという希望を抱いている[8]

2010年には映画『お墓に泊まろう!』の監督を務め、映画監督業にも進出した。なお、同映画では河本準一次長課長)が伊藤の役を演じている。

大江麻理子から「スタッフが行きたいからという理由だけで深夜番組なのにハワイに行った」と明かされている。

「企画制作現場で「もうその企画はある」や「企画に保険はない」という言葉をよく聞くが、探せば「ほらあったじゃん!」って事がある。」「バラエティ番組は「非日常」でなければいけない。」と考えており、「それでもバラエティ番組で初めて「外来種」や環境問題を学べる事もある。ただ面白いという理由だけでやってはいけない。視聴者は「もっと面白いもの」「もっと珍しいもの」「もっと勉強になること」を望んでいる。テレビ業界はそれに気付くのが遅かった。しかしこれから追求していっても遅くはない」と語った。

番組内では「総合プロデューサー」という肩書きが多かったが、2019年6月25日付で制作局CP制作チームのチーフプロデューサーに昇任。2020年4月1日付の人事異動で制作局に新設されたクリエイティブビジネス制作チームの部長に就任[9]した。2021年から開局初のエグゼクティブプロデューサー就任。役職の意味が解らなかったため、伊藤は上司に「辞められたら困る的なやつですか?」と問いただすと、「そういうところもある、と正直に言われました(笑)」とのこと[10]

2020年10月には、Forbes JAPAN主催の「スモール・ジャイアンツ アワード 2021」第一ブロック大会で特別セッションに登壇した[11]

2023年4月1日付人事で制作局長に就任[12]

人物[編集]

テレビマンでありながら、他局とは発想が異なることから「テレ東の文法を大事にしている」と述べる[10]。具体的には内容は「ないもの探し」。タイトルは「魅力がすぐわかる形でポン!と出ていること」と述べている[10]。局地戦ができる会社なのだから、テレビ番組にすることを考えないでいい、テレビを忘れていいということを後輩には伝えているという[10]。また、自身の企画を含めテレビ東京は「パクられてイジられるのは本望。企画を奪われても、本当のオリジナリティは最後に残る」と述べている。後輩社員には『ゴッドタン』佐久間宣行、『家、ついて行ってイイですか?』の高橋弘樹らがおり、佐久間をドラマ班からバラエティ班に引き抜き総合演出の肩書を与えたのが伊藤であり、高橋のドキュメンタリスト性を見抜き、番組に抜擢したのも伊藤である[10]

モヤモヤさまぁ〜ず2での登場シーンのBGMは「踊る大捜査線」の室井慎次のテーマ。

さまぁ〜ずによく「死に枠」と呼ばれる裏番組が強敵で他の番組の視聴率が取れない時間帯にスペシャルを提案しており、さまぁ〜ずから「俺らだって死にたくないんだから」や「バカじゃない?」と言われていた。

坂上忍と交友があることも知られており、「池の水」と「坂上どうぶつ王国」のコラボの際の橋渡し役にもなったこともある。

担当番組[編集]

現在の担当番組[編集]

エグゼクティブプロデューサー[編集]

クリエイティブプロデューサー[編集]

チーフプロデューサー[編集]

  • やりすぎ都市伝説(2020年4月29日・9月18日はクリエイティブP)
  • 15ビョーーーン
  • 真夏の絶恐映像 日本で一番コワい夜

過去の担当番組[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b “twitter”. 伊藤隆行(itoh p)on Twitter. (2010年5月30日). http://twitter.com/itoh_p/status/15061535099 
  2. ^ “twitter”. 伊藤隆行(itoh p)on Twitter. (2010年8月3日). http://twitter.com/itoh_p/status/20192718922 
  3. ^ a b 映画「お墓に泊まろう! 」公式サイト”. 2010年8月6日閲覧。
  4. ^ 「次世代ヒットメーカーはどいつだ?▽テレビクリエイター 深夜の作り手は「深く狭く」でブームを生む」『日経エンタテインメント!』第12巻第5号、日経BP社、2008年4月、pp.121。 
  5. ^ “「モヤさま」の「ユルくてマジメ」な舞台裏 伊藤隆行プロデューサーに聞く”. 東洋経済オンライン. (2013年6月10日). http://toyokeizai.net/articles/-/14237 2013年12月30日閲覧。 
  6. ^ 「バラエティプロデューサー対談 加地倫三テレビ朝日)×伊藤隆行(テレビ東京)」『QuickJapan』第76号、太田出版 
  7. ^ “放送作家集団アングルのトークライブに潜入!テレビ界の名物プロデューサーが本音を激白?”. 日経トレンディネット. (2008年12月9日). http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20081205/1021595/?P=2 
  8. ^ “『モヤさま』の伊藤P緊急インタビュー!!”. QuickJapan. (2010年). http://www.ohtabooks.com/quickjapan/special/001_08.html 
  9. ^ “テレビ東京ニュースリリース「人事異動について」(pdf)”. https://ssl4.eir-parts.net/doc/9413/announcement4/56362/00.pdf  
  10. ^ a b c d e 鍬田美穂「テレ東のカリスマ 伊藤隆行エグゼクティブプロデューサーが語り尽くす「テレビマンは、もっと自由であれ!」」講談社『FRIDAY』2023年3月24日号 54‐56頁
  11. ^ 「モヤさま」伊藤Pが登壇 規模が小さくても勝つ!ヒット企画のつくり方とは”. Forbes JAPAN. リンクタイズ株式会社 (2020年10月7日). 2023年2月21日閲覧。
  12. ^ テレ東屈指の名物P「モヤさま」「池の水」手がけた伊藤隆行氏が制作局長に出世 4月1日付人事 - 芸能 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com (2023年3月15日). 2023年3月15日閲覧。

外部リンク[編集]