伊東園ホテルズ
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | ![]() 〒171-0022 東京都豊島区南池袋1丁目10番13号 荒井ビル6階 |
設立 | 2014年10月1日(現法人設立日) 2001年12月(創業) |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 観光ホテルの経営 |
代表者 | 木下泰一 |
資本金 | 3千万円 |
決算期 | 9月末日 |
主要株主 | 株式会社クリアックス |
外部リンク | http://www.itoenhotel.com/ |
伊東園ホテルズ(いとうえんホテルズ)は、カラオケ店チェーン『歌広場』などを経営するクリアックスグループ(東京都豊島区)が東日本を中心に展開している格安ホテルチェーンの総称・通称である。伊東園ホテルグループと呼称する場合もある。元々同グループのスタディーが運営していたが、現在は2014年10月に会社分割により設立された株式会社伊東園ホテルズが運営する。
目次
概要[編集]
それまで東京都でパチンコ店、サウナ、キャバレーなどが入居する複合施設を運営するなどしていた在日韓国人の実業家、李支宗が、倒産して競売にかけられていた「伊東園ホテル」(静岡県伊東市)を2001年に買収したのが始まりである。李は当初、これを自社社員用の研修所とする目的で購入したものだったが、「いける」と考え直し、改装のうえ一般向けのホテルとして同年12月に再開業させた。
李はその後、倒産や経営不振に陥った宿泊施設を次々に買収(いわゆる居ぬき出店)、格安ホテルとして再生させていった。この手法を用いることによって、2015年12月現在、伊豆(静岡県)を中心に、北海道から滋賀県まで、計44館の温泉旅館・ホテルが、「伊東園ホテルズ」として運営されるに至っている。
系列運営会社[編集]
一部は、系列の別会社が運営する非直営の施設が存在するようで(例えば、伊東園ホテル土肥の現地に掲示されている温泉成分表示等に「株式会社土肥伊東園」との記載が見られる)、クリアックス公式サイトでもクリアックスグループの店舗運営会社ホテル部門として、以下の企業を挙げている[1]。社名から施設との紐付けは一部を除きイメージが付くが、それ以外の施設について伊東園ホテルズ直営なのかこれら運営会社のいずれかに委託されているのかどうか詳細は不明。
- 株式会社伊東園
- 株式会社アタミ・イン
- 株式会社新風月
- 株式会社ロイヤル
- 株式会社黄金の湯
- 株式会社湯元
- 株式会社大野屋本店
- 株式会社土肥伊東園
- 株式会社水明館
特徴[編集]
旅館・ホテル業界では当たり前であったシーズン料金を導入せず、「365日同一料金1泊2食付」という独自の料金システムで営業していた(湯西川ホテル・彦根ビューホテルを除く)が、後述の通り、2017年4月1日付で熱海地区の一部で、それ以外のホテルでも2018年10月1日付でシーズン料金に変わる予定。また、チェックイン・アウトの時間が自由であったり、多くの施設ではカラオケやインターネット・囲碁・将棋・麻雀ルーム等の付帯施設が無料で提供されていたりする。また、熱海ニューフジヤホテル(静岡県熱海市)や熱海金城館(同)等一部ホテルにおける団体客の受け入れ(通常料金体系と異なる)を除いて、原則旅行会社を通しての予約は受け付けず、公式サイト上のフォームまたは各ホテルへの直接電話による予約となっていたが、現在は外部からも予約が申し込めるようになっている。
安価な宿泊費の実現のため、人件費を徹底して削減。仲居を廃し、食事はアルコール飲料を含むバイキング(ただし、追加料金で特別料理も追加できる、メニューは宿によって異なる)とした。また客がチェックインする部屋にはすでに布団が敷かれている[2]。人件費のほかにも、取りまとめ以外からの仕入れや工事の発注など、地元温泉街のしきたりとは異なる独自の運営を行っている。また、宿泊施設自体も徹底的に安価に購入されたものであり、物件によっては当初の建設費の10分の1以下の価格で買い叩いたものである[2]。
明確な時期の境はないが、2010年前後より一部ホテルで実施していた部屋食のシステムが廃止されたり、アルコール飲料飲み放題の有料化、シーズン料金の導入、風呂付き特別室の設定、宿泊施設内にある飲食設備(喫茶や居酒屋)を廃止するなどサービスや経営面で合理化が進んでいる。
基本的に部屋のタイプなどは問わずに統一料金となっているものの、一部で、風呂付きの部屋や二間続きの大部屋などの特別室を通常料金よりも割高にして提供しているホテルもある(早割などの対象外となっていることが多い)。
熱海館・熱川・尾瀬老神山楽荘・ニューさくらでは、それぞれ隣接する2施設を一括買収し、連絡通路を新設の上(熱海館を除く、元々は同じ施設の本館と分館の関係だったので通路は既設)、フロントやバイキング会場などを集約して一つの施設の本館と別館という形にして開業した。特に尾瀬老神は本館と別館で浴場の源泉・泉質が異なることを売りにしている。
2017年4月1日より、熱海エリアの内、熱海ニューフジヤホテル・熱海金城館・ホテル大野屋・アタミシーズンホテルを伊東園リゾートと位置付け、正式にシーズン料金の導入、バイキングのグレードアップ、客室の改築、熱海エリアの巡回バス運行の対応が行われる。これら施設は元々グレードの高い施設に位置付けられており、料金が高めとなっていたが、それがオフシーズン最低料金となり、ピーク料金は一般施設の早割などの割引料金と比べると倍の値段となる。
2018年10月より、全ホテルでシーズン料金を導入する予定[3]。
傘下施設一覧[編集]
温泉地を中心に展開しており、伊豆半島のほか、北海道、青森県、福島県、栃木県、群馬県、千葉県、神奈川県、長野県、新潟県など東日本各地の温泉で合計40館を運営している。また、温泉のほかシティホテル業にも進出しており、長野県小諸市、滋賀県彦根市で計2館のシティホテルも運営している。
年末年始・ゴールデンウィーク・夏休み以外の時期には、新宿駅、横浜駅、上野駅、池袋駅、浜松駅、静岡駅、京王八王子駅、仙台駅、新潟駅などから往復バス(いわゆる観光地周遊型の高速バス)が運行されている。原則有料だが、キャンペーン等で無料(もしくは割引)運行されることもある(土曜日は除く)[4]。
- ☆アルコール飲み放題有料
- ★シーズン料金制度(2018年9月30日までの情報。2018年10月1日以降は全館)
伊東園リゾート[編集]
- 2017年4月以降、熱海温泉地区のうち4館をグレードの高い施設として運営している。
- 特徴は、(正式に)シーズン料金を導入、食べ放題・飲み放題メニューの充実、部屋の改装、ホテル間無料連絡バスを使用して4館全ての温泉が利用可能。
- ★熱海ニューフジヤホテル
- ★熱海金城館
- ★アタミシーズンホテル(旧アズベールホテル & スパ ATAMI)
- ★ホテル大野屋
伊東園ホテルズ一般施設[編集]
温泉旅館[編集]
- 静岡県伊東温泉
- 伊東園ホテル
- 伊東園ホテル別館(旧 大喜荘)
- 伊東園ホテル松川館(←伊東園ホテル大和館/旧 伊東大和館)
- 静岡県熱川温泉
- 伊東園ホテル熱川(本館:旧 熱川第一ホテル/別館・海風館:旧 熱川ビューホテル)
- 静岡県稲取温泉
- 伊東園ホテル稲取(旧 ホテルさんわ)
- 静岡県下田温泉
- 下田伊東園ホテル橤岬(はなみさき)(旧 下田温泉ホテル橤岬)
- 下田海浜ホテル
- 静岡県土肥温泉
- 伊東園ホテル土肥(旧 土肥大和館)
- 静岡県松崎温泉
- 西伊豆松崎伊東園ホテル(←松崎伊東園ホテル/旧 松崎プリンスホテル)
- 静岡県大仁温泉
- 大仁ホテル
- 静岡県伊豆長岡温泉
- 伊豆長岡金城館(旧 三渓園)
- 静岡県熱海温泉
-
- 熱海地区ではあるが、以下2館は伊東園リゾートには組み込まれなかった。
- ウオミサキホテル
- 伊東園ホテル熱海館(本館:旧 熱海温泉ホテル湯治館そよ風/別館:旧 そよ風別館ホテル熱海閣)
- 神奈川県箱根湯本温泉
- 伊東園ホテル箱根湯本(旧 ホテルバーデン箱根←箱根湯本ホテルセザール)
- 神奈川県湯河原温泉
- ホテル四季彩(旧 ホテル観山)
- 千葉県南房総白浜温泉
- 南国ホテル
- 長野県戸倉上山田温泉
- リバーサイド上田館
- 長野県白樺湖
- 白樺湖ビューホテル
- 長野県浅間温泉
- 伊東園ホテル浅間の湯(旧 豊年の宿 夜まつり長者 ←ホテル富貴の湯)
- 長野県湯田中温泉
- ホテル水明館
- 新潟県大湯温泉
- ホテル湯元
- 群馬県伊香保温泉
- 伊香保グランドホテル
- ホテル金太夫
- 伊東園ホテル伊香保とどろき※開業準備中[要出典]
- 群馬県湯檜曽温泉
- ホテル湯の陣(旧 おくとねグランドホテル湯の陣)
- 群馬県老神温泉
- 伊東園ホテル尾瀬老神山楽荘(←伊東園ホテル老神山楽荘/本館:旧 絶景の宿 山楽荘←竹の宿 山楽荘/別館:旧 漏田本館)
- 群馬県四万温泉
- 伊東園ホテル四万(旧 日向見荘)
- 群馬県草津温泉
- 伊東園ホテル草津(旧 かんぽの宿草津)
- 栃木県鬼怒川温泉
- 鬼怒川ロイヤルホテル
- (休館中)伊東園ホテル鬼怒川グリーンパレス(旧 鬼怒川グリーンパレス) ※ 2015年12月1日より改修工事のため休館
- 伊東園ホテルニューさくら(本館:旧 鬼怒川ホテルニューさくら/別館:旧 二葉館)
- 栃木県湯西川温泉
- ★湯西川ホテル(旧 伴久ホテル)
- 栃木県塩原温泉
- 伊東園ホテル塩原(旧 クアホテル寿苑)
- ☆ホテルニューもみぢ
- 栃木県川治温泉
- 一柳閣本館
- 茨城県大子温泉
- ホテル奥久慈館(旧 ホテル奥久慈)
- 福島県会津東山温泉
- 東山パークホテル新風月
- 福島県飯坂温泉
- 伊東園ホテル飯坂 叶や(旧 朝ねぼうの宿 叶や←飯坂観光ホテル 叶や)
- 福島県岳温泉
- 鏡が池碧山亭(2017年5月1日伊東園ホテルズ入り)
- 福島県磐梯熱海温泉
- 伊東園ホテル磐梯向滝[要出典](旧 磐梯向滝)※ 開業準備中[5]
- 北海道湯の川温泉
- 湯の川観光ホテル祥苑(旧 湯の川観光ホテル)
シティホテル[編集]
日帰り温泉施設[編集]
- 群馬県伊香保温泉
- 黄金(こがね)の湯館(旧 スパ・グランド) ※ 伊香保グランドホテルに併設。同ホテルと金太夫の宿泊者は無料。
閉館・営業譲渡したホテル[編集]
- 青森県十和田湖畔温泉
- 十和田湖グランドホテル(2015年5月13日で閉館[6]→谷地温泉と合わせて沖縄県の南風見(はえみ)観光に売却[6]、老朽化のため再開せず閉鎖[6][7]。その後北海道七飯町でレジャー施設を経営する「函館ニヤマレジャーセンター」に売却[8]。)
- 青森県谷地温泉
- 谷地温泉(2014年11月10日休業[9]→十和田湖グランドホテルと合わせて南風見観光に売却、2015年6月1日営業再開[9][10])
- 群馬県前橋市
- 前橋マーキュリーホテル(2017年7月31日を持って伊東園ホテルズとしての営業終了、翌8月1日付けで、株式会社エフェックスに営業譲渡[11]、改装後に「ホテル1-2-3前橋マーキュリー」に改称)
脚注[編集]
- ^ CRIAXとは(クリアックス企業情報)
- ^ a b ドキュメンタリー番組 『ガイアの夜明け』 湯けむりサバイバル〜旅館再生に挑む請負人たち〜 2007年9月6日放送[出典無効]
- ^ ご宿泊料金改定のお知らせ(伊東園ホテルズ)(2018年3月16日、2018年3月17日閲覧)
- ^ 往復バス便のご案内 - 伊東園ホテルズ
- ^ 郡山・旅館「磐梯向滝」の建物取得 伊東園ホテルズ、今春にも新旅館(福島民友新聞)- Yahoo!ニュース(2018年1月18日、同日閲覧)
- ^ a b c “谷地温泉、25日から一部再開 十和田湖Gホテルは閉鎖 沖縄の業者買収”. 朝日新聞(朝日新聞社). (2015年5月19日)
- ^ 宮城裕也(2015年5月19日). “十和田湖グランドホテル:再建断念し閉館へ”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ 十和田湖グランドホテル 閉館中ホテル、経営権を譲渡 - 毎日新聞青森版2015年10月7日付
- ^ a b “八甲田の秘湯、7カ月ぶり営業再開”. 東奥日報 (東奥日報社). (2015年6月1日)
- ^ “谷地温泉、7カ月ぶり営業再開/十和田”. デーリー東北 (デーリー東北新聞社). (2015年6月2日)
- ^ 前橋マーキュリーホテル会社変更のお知らせ(伊東園ホテルズ、2017年6月1日。2017年6月2日閲覧)