石和温泉

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Hot springs 001.svg 石和温泉
Isawa Spa Town Aug.2013.JPG
石和温泉(2013年8月2日撮影)
温泉情報
所在地 山梨県笛吹市
座標 北緯35度39分28.3秒
東経138度38分45.6秒
座標: 北緯35度39分28.3秒 東経138度38分45.6秒
交通 石和温泉郷#交通アクセスを参照
泉質 単純温泉
湧出量 毎分8,080L
液性の分類 アルカリ性
浸透圧の分類 低張性
宿泊施設数 50
特記事項 隣接する春日居温泉を含む。
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「石和温泉発祥之地」の碑(ウインズ石和

石和温泉(いさわおんせん)は、山梨県笛吹市の旧東八代郡石和町地域にある温泉である。

概要[編集]

石和温泉に隣接する形で、同市の旧東山梨郡春日居町地域にある春日居温泉とあわせて、石和・春日居温泉郷を形成しているものの、石和地区と春日居地区の宿泊施設や源泉位置が共に隣接していることから、同一の「石和温泉」として実質上一体化されている。 実際に道路標識では、「石和温泉」「石和温泉郷」としか案内がされておらず、また各旅行雑誌などでも同一の「石和温泉」もしくは、「石和温泉・春日居地区」などとして案内されている。 また春日居地区の「春日居共同源泉」が、石和地区の宿泊施設や、療養施設に配湯されているケースも数軒あり、その逆のパターンも存在している。 2000年代に入って以降、従来の石和温泉駅周辺で栄えていた温泉街から離れた郊外に日帰り入浴施設、健康ランドビジネスホテルなどが建設された。これらも施設でも「石和温泉」と名乗っており、これについても案内する。

泉質[編集]

アルカリ性単純泉の無色無臭であり、pHは8.5~9.5程度とされている。 無色無臭ではあるものの、自家源泉など源泉が新鮮な場合は若干の硫化水素臭がすることもある。 また、源泉は主に山梨県企業局による集中管理しており、パイプラインにより各温泉宿に供給している。 源泉の温度が年々低下しており、また湧出量も低下している。平成30年9月に4号源泉を廃止した。

山梨県企業局管轄源泉一覧[1]
源泉名 泉温 湧出量 泉質 深度 所在地
石和第1号源泉 27.0℃ 毎分305L アルカリ性単純温泉 185m 山梨県笛吹市石和町川中島1607(足湯ひろば南西側)
石和第2号源泉 55.3℃ 毎分102L アルカリ性単純温泉 168m 山梨県笛吹市春日居町鎮目3786−52(温泉マンション「シェソウ甲斐の杜」南側)
石和第3号源泉 38.4℃ 毎分662L アルカリ性単純温泉 175m 山梨県笛吹市石和町山崎132−63(「石和温泉ユースホテル」東側道路沿い)
石和第4号源泉(平成30年9月で廃止) 25.9℃ 毎分12L アルカリ性単純温泉 170m 山梨県笛吹市石和町川中島1607(「石和びゅーほてる」東側道路沿い)
石和第5号源泉 62.1℃ 毎分405L アルカリ性単純温泉 190m 山梨県笛吹市石和町川中島343−1(「木創りの宿きこり」北西側道路沿い)
石和第6号源泉 70.7℃ 毎分211L アルカリ性単純温泉 800m 山梨県笛吹市石和町川中島1607(足湯ひろば内)

山梨県企業局分のみで換算すると源泉は5つ、毎分湧出量は1,680Lであるが、石和温泉内にある一部温泉宿では自前で源泉を掘削・供給している所もあり[2]、実際はこれ以上の源泉数・毎分湧出量がある。これに加え春日居温泉の湧出量を含めると毎分8,080Lが湧出していると推測されている[3]が、先述の通り温度低下で廃止や、汲上制限に伴う湧出量減少により、実際はその数値よりは少ない。 山梨県企業局分は資源確保を目的に循環風呂で供給しているが[1]、温泉宿独自で源泉を保有している所は掛け流しを謳う所もある。

石和温泉自家源泉一覧表
源泉名 泉温 湧出量 泉質 深度 所在地
小松遊覧農場 45.7℃ 毎分227L アルカリ性単純温泉 200m 山梨県笛吹市石和町窪中島1017-36(「ウインズ石和」敷地内の笛吹川寄り)
美雪温泉「完熟の湯」 48.7℃ 毎分663L 弱アルカリ性単純温泉 248m 山梨県笛吹市石和町市部822−28(温泉旅館「美雪温泉」敷地内)
ホテル花いさわ温泉 31.3℃ 毎分10L アルカリ性単純温泉 山梨県笛吹市石和町松本1409(「ホテル花いさわ」敷地内)
石和温泉 26.1℃ 単純温泉 山梨県笛吹市石和町市部1091−2(共同浴場「石和温泉」敷地内)
石風の湯 25.9℃ 毎分100L アルカリ性単純温泉 200m 山梨県笛吹市石和町八田195(旅館「石風」北側、道路を挟んだ駐車場敷地内)
糸柳の湯 毎分  L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町駅前13−8(旅館「糸柳」敷地内)
甲斐リゾートホテル温泉 単純温泉 山梨県笛吹市石和町上平井391-2(「甲斐リゾートホテル」敷地内)
泉山荘の湯 毎分  L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市 石和町川中島1607−87(「石和びゅーほてる」真正面、川を隔てた泉山荘駐車場敷地内)
富士櫻温泉 毎分  L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町川中島1607−135(「富士櫻温泉旅館」建物西となり)
笛吹川温泉 毎分  L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町川中島1109(旅館「笛吹川」敷地内)
石和温泉・ホテル新光 34.3℃ 毎分400L アルカリ性単純温泉 200m 山梨県笛吹市石和町八田330-98(ホテル「新光」敷地内)
ホテル平成温泉 38.7℃ 毎分158L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町市部789−14(ホテル「平成」敷地内)
美肌の泉 39.4℃ 毎分193L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町市部822-90(旅館「華やぎの章慶山」建物西側)
石和健康ランド源泉(現在廃止) 毎分 L アルカリ性単純温泉 m 山梨県笛吹市石和町松本868(「石和健康ランド」敷地内)


歴史[編集]

温泉街中央部を流れる近津用水路(2013年8月2日撮影)

1956年(昭和31年)12月に小松遊覧農場(2020年現在は日本中央競馬会場外勝馬投票券発売所ウインズ石和」)の敷地内で井戸を採掘し源泉が湧出。ローマ風呂などを設置し、昭和時代にレジャー施設として地元で人気を集めた。尚、株式会社小松遊覧農場は存続しており、閉店した後は、付近の施設に源泉供給を行っている。その後1961年(昭和36年)に旅館「いすみ荘」で温泉掘削を行った際、毎分2,000L、泉温49℃の温泉が湧出し、周辺の川や田畑に流れ出した。その後即席の露天風呂が作られ、「青空温泉」とテレビで放映されたのが人気のはじまりである[1][4]。その後山梨県企業局や地域内の温泉宿によって掘削が行われ現在に至る[1]。最初に温泉が湧出した場所は現在

高度経済成長時代になってから出来た新しい温泉街である。新宿駅から特急あずさ」「かいじ」で1時間半前後と近く、また中央自動車道開通などアクセスが容易になったことから京浜地区の奥座敷として発展。団体客向けの歓楽温泉として知られ、コンパニオンを配置した温泉旅館が作られたほか、スナックバーなどの酒場、さらにはストリップ劇場などの大規模な風俗街も作られた。しかし風俗街というイメージ低下の懸念に加え、団体旅行の低迷により需要が落ち込んだため、近年では個人客や外国人向けに力を入れるようになり、風俗店の取り締まりを強化する一方で笛吹川鵜飼いや八幡神社の太鼓演奏など歴史、文化を強調したイベントを開催している。また周辺が果樹園であることから特産物のブドウモモとも結びつけて、ワイナリーが至る所に点在する。

温泉街[編集]

スナックやバーが並ぶ夜の石和温泉街(2013年8月2日撮影)

石和温泉駅から笛吹川まで近津用水路を中央に東西約1kmにわたり温泉街が伸びており、全盛期の宿泊施設は大小合わせて120軒超とその規模は熱海に次ぐともいわれていたが、現在は50程度の温泉旅館が営業している。宿泊施設は団体客向けの大型施設から家族向けの旅館、純和風の高級旅館など様々である。以前は宿泊前提であったが日帰り旅行向けの施設も増えてきており、健康ランドをはじめ有料の「石和源泉足湯ひろば」という足湯及び手湯も存在する。

共同浴場は石和温泉駅を南下し、平等川を渡った市部地区に「石和温泉」という名前の浴場が1件存在する。

その他[編集]

温泉偽装[編集]

2004年温泉偽装問題では、石和温泉にある宿泊施設の一つが、井戸水を沸かしながら「温泉」と称して営業していたことが石和温泉旅館協同組合の内部調査で判明。温泉旅館として営業を始めた1983年当初から地下水を沸かしていた。

宿への酒類持ち込み[編集]

温泉宿への酒類の持ち込みは原則禁止となっている(但し温泉宿や旅行プランによっては条件付きで持ち込みが可能の所もあり、事前に宿泊先へ連絡が望ましい)。

なお、2012年11月1日から3月31日までの間に限り「石和温泉旅館協同組合」に加盟している全35施設で県内産ワインに限り1本当たり500円を徴収することで持ち込みを許可していたことがある[5]。また、2020年4月から同じく「石和温泉旅館協同組合」に加盟している32施設で県内産ワインに限り1本当たり1000円を徴収することで持ち込みを許可する「石和温泉BYOワインキャンペーン」を実施している[6]

交通アクセス[編集]

石和温泉の位置(山梨県内)
石和温泉
石和温泉
石和温泉の位置

関連項目[編集]

  • 八田家書院
  • 石和鵜飼
  • 西部警察・・・PART-I第47話「笛吹川有情」(1980年9月7日放送)では当地や昇仙峡を中心にロケが行われた。
  • まえせつ!・・・第四幕「えいぎょう」のモデルとして本温泉内にある「旅館きこり」がロケ地となっている。また、富士の国やまなしフィルム・コミッションがロケ支援を行なっている[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 県営温泉事業について(山梨県庁)
  2. ^ 甲斐リゾートホテル美雪温泉「完熟の湯」などが例として挙げられる。
  3. ^ 城崎温泉ナビ
  4. ^ 石和温泉の泉質・効能と歴史(石和温泉観光協会)
  5. ^ 石和温泉の35施設、ワイン持ち込みOK 1本500円で日本経済新聞
  6. ^ 石和温泉BYOワインキャンペーン(石和温泉旅館協同組合)
  7. ^ 山梨ロケ作品紹介”. 富士の国やまなしフィルム・コミッション. 2020年11月8日閲覧。

外部リンク[編集]