ワンダーボーイ (ゲーム)

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ワンダーボーイ
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 アーケード (AC)
開発元 エスケイプ
発売元 セガ
デザイナー 西澤龍一
音楽 西澤龍一
シリーズ ワンダーボーイシリーズ
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板
(168.25キロバイト
稼働時期 日本 1986041986年4月
INT 1986年
デバイス 2方向レバー
2ボタン
システム基板 セガ・システム1[1]
CPU Z80 (@ 4 MHz)×3
サウンド Z80 (@ 4 MHz)
SN76489A (@ 2 MHz)
SN76489A (@ 4 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
256×224ピクセル
60.00Hz
パレット1536色
テンプレートを表示

ワンダーボーイ』 (WONDER BOY) は、セガ・エンタープライゼス(現・株式会社セガ)の横スクロールアクションゲーム。開発はエスケイプが行っている。オリジナルプラットフォーム(原典)は1986年4月より日本の業務施設(ゲームセンターなど)用いわゆるアーケードゲーム(ACゲーム)として稼働を開始。AC版の基板は「セガ・システム1」を使用している。

セガレトロゲームの中では家庭用ゲーム機へ移植される機会が比較的多い。それらの詳細な事例については#他機種版の節を参照。

ハドソンの家庭用ゲーム機用ソフト『高橋名人の冒険島』の基となった作品としても知られるが、それの詳細については本項の#関連項目や、当該項目先を参照のこと。

概要[編集]

プレイヤーは主人公の「ボーイ」を操作し、悪玉のボスキャラ「キング」にさらわれた恋人「ティナ」救出を目指す。前述したとおり、本作の開発はテーカンより独立したスタッフによって設立されたゲーム開発企業・エスケイプが行い、ゲーム・デザインおよび音楽は『忍者くん 魔城の冒険』(1984年)を手掛けた西澤龍一が担当している。

続編として1987年に『ワンダーボーイ モンスターランド』が稼働を開始し、以後も「ワンダーボーイ」の名を冠するシリーズ作品がリリ-スされているが、『モンスターランド』も『モンスターワールドシリーズ』という家庭用ゲーム機用ソフト作品群の基点となっている。本作は亜種の『冒険島』も含め、それらすべての作品の源流となった「始まりの作品」ということになる。

ゲーム内容[編集]

横スクロール型のアクションゲームで、全8エリア32ステージとなっている。

操作系は2方向レバーと2ボタンになっており、スピードアップとジャンプボタンに分けられている[2]。道中に落ちているタマゴを割ると出現する石斧やスケボーなどのアイテムを駆使してステージを進んで行く。石斧を取得した際はスピードアップと攻撃ボタンが兼用となる[2]。アイテムの種類としては石斧やスケボー以外にも牛乳やキノコ、天使などがあり、牛乳は体力回復、キノコはフルーツターゲット取得時の得点増加、天使は無敵になるなどの効果がある[2]。またまだらのキノコを取得すると死神に取りつかれ体力を消耗する[2]

各エリアは海岸、洞窟、森、ボスの4つのステージ構成となっており、各ステージの最後にはキングがボスとして登場し主人公と対決する[2]。各ステージのボスはティナの持ち物を持っており、それを奪還する事でステージクリアとなる[2]。また後半エリアは敵や行く手を阻む仕掛けが巧妙に配置されていたり、最終エリア8にはある条件を満たさないと進めないなど難易度が高い。

操作方法などはシンプルであり、見た目には簡単なゲームに思われるが難易度は非常に高いとされる[3]。ジャンプの着地点に迫ってくる敵キャラクターやジャンプによってギリギリ届く雲が乗った瞬間に落下するなど、難易度の高さは敵の配置やギミックなどが原因となっている[3]。主人公は敵との接触や落下などによってミスとなるシステムであり残機制になっている他、画面上部に表示される体力メーターが時間の経過とともに減少し、アイテムを取得する事で回復するシステムになっている[3]

道中で出現するアイテム「DOLL」を取る事でステージクリア時のボーナス得点が2倍になり、すべてのエリアで「DOLL」を取得する事で通常ステージ7で終了となる所がステージ8が出現する事となる[2]。「DOLL」は低次面では比較的発見しやすい場所にあるが、高次面では敵や障害物に体当たりしないと出ないなど発見しづらい事も多くなっている[2]

他機種版[編集]

後年リメイクに近い形でリリースされた版についても記載・解説する。

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 ワンダーボーイ 日本 1986年
SG-1000 セガ セガ マイカード C-69
2 Wonder Boy ヨーロッパ 1987年
アメリカ合衆国 1987年
Amstrad CPC
コモドール64
ZX Spectrum
アクティビジョン アクティビジョン カセットテープ
フロッピーディスク
- 北米ではコモドール64版のみ発売
3 スーパーワンダーボーイ 日本 1987年3月22日[4]
アメリカ合衆国 1987061987年6月
ヨーロッパ 1987年
日本 セガ・マークIII
アメリカ合衆国 セガ・マスターシステム
ヨーロッパ セガ・マスターシステム
ウエストン セガ 1メガビットロムカセット[5] 日本の旗 G-1316
アメリカ合衆国の旗 5068
欧州連合の旗 MK-5067-50
4 ワンダーボーイ 日本 1990年12月8日[6]
アメリカ合衆国 1991061991年6月
ヨーロッパ 1991061991年6月
ゲームギア ウエストン セガ 1メガビットロムカセット[7] 日本 G-3205
アメリカ合衆国 2302
ヨーロッパ 2302
5 セガエイジス2500シリーズ Vol.29
モンスターワールド コンプリートコレクション
日本 200703082007年3月8日
PlayStation 2 エムツー セガ CD-ROM SLPM-62760 アーケード版の移植
6 スーパーワンダーボーイ 日本 2008年4月8日[8]
ヨーロッパ 200804112008年4月11日
アメリカ合衆国 200805312008年5月31日
Wii ウエストン セガ ダウンロード
バーチャルコンソール
- セガ・マークIII版の移植
2019年1月31日 配信・販売終了
7 ワンダーボーイ 日本 201407102014年7月10日
PlayStation 4
(PlayStation Network)
ウエストン ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
CUSA-00647 アーケード版の移植
8 ワンダーボーイ リターンズ INT 2016年10月13日[9][10]
Windows CFK CFK ダウンロード
(Steam)
-
9 ワンダーボーイ リターンズ アメリカ合衆国 201703302017年3月30日
PlayStation 4
(PlayStation Network)
CFK CFK ダウンロード -
10 ワンダーボーイ リターンズ リミックス INT 201905232019年5月23日
Nintendo Switch CFK CFK ダウンロード -
11 ワンダーボーイ リターンズ リミックス INT 201908082019年8月8日
日本 2019年8月9日[11]
Windows
PlayStation 4
CFK CFK ダウンロード
(Steam)
-
12 ワンダーボーイ
  • 日本 2020年12月17日 (2020-12-17)
アストロシティミニ 瑞起[12] セガトイズ(発売)
セガ(販売)
プリインストール - アーケード版の移植
本体に予め収録された36タイトル(+おまけ1)の1つ
主な移植版の解説
SG-1000版
SG-1000マイカードで発売。当時のプレイヤーには全機種用と呼ばれていた。ハードの性能の都合上、グラフィックも内容もアーケード版と比較するとほとんど別のゲームと言えるような移植だった。
セガ・マークIII版
タイトルにスーパーが付与され、セガ・マークIII専用のゴールドカートリッジで発売された。ハードの性能の向上と後発なだけあり、グラフィックとゲーム内容はほぼアーケード版に準拠した移植となった。なお独自要素として、エリア8以降にオリジナル面が8ステージと新ボスが追加されており全40面となる。
ゲームギア版
ゲームギアの初期にリリースされた、上記のスーパーワンダーボーイを携帯機向けに移植したもの。解像度の違いから画面サイズが小さくなりゲームバランスが若干変わっている、一部のサウンドがステレオ化もされているなどの差異がある。
PlayStation 2版
PlayStation 2セガエイジス2500シリーズの1作として発売された。原典のアーケード版および、過去にセガのハードに移植されたシリーズ・直系作品が全収録されている。また開発時の資料やインストラクションカードなどを収録したアーカイブスモードや、自分のプレイの保存機能や上級プレイヤーによるスーパープレイを収録など盛りだくさんな内容。
アストロシティミニ版
セガグループの1社であるセガトイズがリリースした「アストロシティミニ」に収録。「アストロシティミニ」は往年のセガ製汎用アーケードゲーム用筐体「アストロシティ」を外観のモチーフとし、1980年代から1990年代中期のアーケードゲーム36作品(+おまけ1作品)がプリインストールされた「復刻系ゲーム機」である。
基本的にAC版オリジナルを(ほぼ)そのまま収録しているが、本体の機能として「どこでもセーブ」(ステートセーブ)などプレイに便利な機能が幾つか使える。
なお本機には、アーケードゲーム版の続編『~モンスターランド』・『~モンスター・レアー』も同時収録されている。
リメイク作品『ワンダーボーイ リターンズ』
韓国のCFK(前身はサイバーフロント コリア)から2016年にリリースされたリメイク作品。原典のコアスタッフである西澤龍一が監修した新ステージも追加されている。
2019年には「チャージショット」や,初心者向けの「ビギナーモード」などを追加した増補改訂版『ワンダーボーイ リターンズ リミックス』がリリース。同年にはビギナーモード限定で使用可能だったティナが他モードでも使用可能になるなどのアップグレードが成された。

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games64% (CPC)[13]
7/10点 (C64)[14]
60% (ZX)[15]
Crash43% (ZX)[16]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー25/40点 (GG)[17]
Eurogamer5/10点 (Wii)[18]
IGN6/10点 (Wii)[18]
NintendoLife7/10stars (Wii)[18]
Sinclair User8/10stars (ZX)[19]
Your Sinclair7/10点 (ZX)[20]
Commodore User5/10点 (AC)[21]
Aktueller Software Markt8.6/12点 (C64)[22]
ザ・ベストゲーム2肯定的 (AC)[2]
甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.1否定的 (AC)[3]
アーケード版
  • ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』(1998年)では『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、ライターのDANは本作には多彩なステージが存在し、様々なテクニックが必要である事を指摘した他、キャラクター造形のコミカルさや動作などで人気があった事を指摘し、「マニアから一般プレイヤーまで幅広いプレイヤーの指示を受け、ロングヒットとなった」と肯定的に評価した[2]
  • ゲーム本『甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.2 アクションゲーム・シューティングゲーム熟成期編』では、見た目に反し高難易度であり初心者が楽しめるのは序盤だけであると指摘、さらに体力メーターが時間の経過と共に減少するシステムに関して「慎重に進んでいくことすらままならず、難易度を押し上げている」と指摘した[3]。さらに戻り復活を採用している事から「エリアをクリアするまで何度でも難所にチャレンジしなければならない」とした上で「非常に厳しい仕様」と否定的に評価した[3]

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ SEGA AGES 2500 シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション”. セガ. 2011年11月13日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j DAN「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 97頁、 ISBN 9784881994290
  3. ^ a b c d e f 「1986年 ワンダーボーイ」『甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.2 アクションゲーム・シューティングゲーム熟成期編』メディアパル、2019年12月20日、41頁。ISBN 9784802110419
  4. ^ セガハード大百科 セガマーク3/マスターシステム対応ソフトウェア”. セガ. 2012年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  5. ^ 「7月号特別付録 MEGADRIVE ALL CATALOG」『メガドライブFAN』第3巻第7号、徳間書店、1991年7月15日、 62頁。
  6. ^ セガハード大百科 ゲームギア対応ソフトウェア(セガ発売)”. セガ. 2012年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月3日閲覧。
  7. ^ 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、 125頁。
  8. ^ 土本学 (2008年4月7日). “「バーチャルコンソール」4月8日配信開始タイトル” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年1月4日閲覧。
  9. ^ T田 (2016年10月7日). “名作アクションゲーム「ワンダーボーイ」がリメイクされ,Steamで登場。「WONDER BOY RETURNS」,10月13日発売” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA. 2019年5月2日閲覧。
  10. ^ にじ (2016年10月11日). “『ワンダーボーイ リターンズ』STEAMで10月13日発売。原作者監修の新ステージも追加” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA. 2020年1月4日閲覧。
  11. ^ ito (2019年8月9日). “「ワンダーボーイ リターンズ リミックス」,PC版とPS4版が本日発売。セガ発売の名作がアニメ風のビジュアルになって復活” (日本語). 4Gamer.net. Aetas. 2019年12月22日閲覧。
  12. ^ 開発事例 レトロミニアーケードゲーム機「アストロシティミニ」”. 株式会社 瑞起. 2021年1月21日閲覧。
  13. ^ Wonder Boy for Amstrad CPC (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
  14. ^ World of Spectrum - Computer & Video Games-70”. World of Spectrum. 2019年1月4日閲覧。
  15. ^ Wonder Boy for ZX Spectrum (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
  16. ^ World of Spectrum - Crash-43”. World of Spectrum. 2019年1月4日閲覧。
  17. ^ Wonder Boy for Game Gear (1990)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
  18. ^ a b c Wonder Boy for Wii (2008)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
  19. ^ World of Spectrum - Sinclair User-65”. World of Spectrum. 2019年1月4日閲覧。
  20. ^ Wonder Boy”. ysrnry.co.uk. 2015年9月5日閲覧。
  21. ^ Wonder Boy for Arcade (1986)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。
  22. ^ Wonder Boy for Commodore 64 (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2019年1月4日閲覧。

関連項目[編集]

高橋名人の冒険島
ハドソンファミリーコンピュータMSX向けに主人公を高橋名人に変更したライセンス移植。主人公以外のキャラクターも多くが別の物に置き換わっており、ファミコン版のサウンドはオリジナル(MSX版はワンダーボーイのものを踏襲)であるが、ゲーム内容自体はアーケード版をよく再現していた。またアーケード版にない要素はボーナスステージの存在、武器も斧以外にも岩を壊せるマジカルファイヤーの追加、隠しコマンドによるコンティニューなどがある。
この作品はファミコンブーム時に発売されたことと、当時人気絶頂だった高橋名人を起用したことからミリオンセラーの大ヒットとなった。その為、日本での知名度はワンダーボーイよりも高く、こちらの方が有名なことからよくオリジナルと混同された。その後の『冒険島』シリーズはワンダーボーイの枠を離れて独自の展開をしていく。

外部リンク[編集]


※ 下記は非公式のゲームデータベース