パトリック・モディアノ

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パトリック・モディアノ
Patrick Modiano
Patrick Modiano 6 dec 2014 - 22.jpg
パトリック・モディアノ(2014)
誕生 Jean Patrick Modiano
1945年7月30日(70歳)
フランスの旗 フランスオー=ド=セーヌ県
職業 小説家脚本家
国籍 フランスの旗 フランス
主な受賞歴 アカデミー・フランセーズ賞(1972)
ゴンクール賞(1978)
オーストリア国家賞(2012)
ノーベル文学賞(2014)
デビュー作 『エトワール広場』
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2014年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:最も捉え難い人々の運命を召喚し、占領下の生活世界を明らかにした記憶の芸術に対して

パトリック・モディアノフランス語: Patrick Modiano1945年7月30日 - )は、フランスパリ近郊オー=ド=セーヌ県ブローニュ=ビヤンクール生まれの作家。

人物像[編集]

ナチス・ドイツ占領下のパリで出会ったユダヤ系イタリア人の父と、ベルギー人で女優の母ルイザ・コルパン(fr)の間に生まれた[1]。幼少時から親元を遠ざかって寄宿舎付きの学校に通い、ソルボンヌ大学を中退後、創作に専念する。1970年に結婚。歌手のマリー・モディアノ(fr)は次女。

1940年代のフランスを舞台に、ある人物の消息や、自己の不安定なアイデンティティなど、何かを探索するという作品が多い。ミステリー的要素を含んだ物語と叙情的な文の運びから、フランスでは"Modianesque"(モディアノ中毒)という言葉があるほど人気が高い[2]2014年ノーベル文学賞受賞。フランスで最も権威のある文学賞であるゴンクール賞の受賞作家としては初のノーベル文学賞受賞者となった。

略歴[編集]

作品一覧[編集]

  • エトワール広場 La Place de l'Étoile(1968年)- 邦訳:有田英也訳(作品社、2015年)
  • 夜のロンド La Ronde de nuit (1969年)- 邦訳:有田英也訳(作品社、2015年)
  • パリ環状通り Les Boulevards de ceinture (1972年) - 邦訳:野村圭介訳(講談社、1975年)
  • ルシアンの青春 Lacombe Lucien (1974年)(映画脚本。ルイ・マル監督と共作)
  • イヴォンヌの香り Villa triste (1975年) - 邦訳:柴田都志子訳(集英社、1994年)
  • エマニュエル・ベルル作『インタビュー』(Emmanuel Berl, interrogatoire)(1976年)(その序文)
  • 家族手帳 Livret de famille (1977年)
  • 暗いブティック通り Rue des Boutiques Obscures (1978年) - 邦訳:平岡篤頼訳(講談社、1979年、白水社、2005年)
  • ある青春 Une jeunesse (1981年) - 邦訳:野村圭介訳(白水社、1983年)
  • 思い出の小道 Memory Lane (1981年)
  • とても気のいい仲間たち De si braves garçons (1982年)
  • 金髪の人形 Poupée blonde (1983年)(戯曲)
  • 迷子たちの街 Quartier perdu (1984年) - 邦訳:平中悠一訳(作品社、2015年)
  • 八月の日曜日 Dimanches d'août (1986年) - 邦訳:堀江敏幸訳(水声社、2003年)
  • シューラの冒険 Une aventure de Choura (1986年)(絵本)
  • シューラの婚約 Une fiancée pour choura (1987年) - 邦訳:末松氷海子訳(セーラー出版、1990年)(絵本)
  • いやなことは後まわし Remise de Peine (1988年) - 邦訳:根岸純訳(パロル舎、1997)
  • 少年時代の更衣室 Vestiaire de l'enfance (1989年)
  • 新婚旅行 Voyage de noces (1990年)
  • カトリーヌとパパ Catherine Certitude (1990年)(児童書)- 邦訳:宇田川悟訳(講談社、1992年)
  • 廃墟に咲く花 Fleurs de ruine (1991年) - 邦訳:根岸純訳(パロル舎、1999年)
  • サーカスが通る Un cirque passe (1992年) - 邦訳:石川美子訳(集英社、1995年)
  • 最悪の春 Chien de printemps (1993年)
  • 忘却を遠く離れて Du plus loin de l'oubli (1996年)
  • 1941年。パリの尋ね人 Dora Bruder (1997年) - 邦訳:白井成雄訳(作品社、1998年)
  • 無名の女たち Des inconnues (1999年)
  • さびしい宝石 La Petite Bijou (2001年) - 邦訳:白井成雄訳(作品社、2004年)
  • 夜の事故 Accident nocturne (2003年)
  • 血統書 Un pedigree (2005年) 自伝的小説
  • 失われた時のカフェで Dans le café de la jeunesse perdue (2007年)- 邦訳:平中悠一訳(作品社、2011年)
  • 地平線 L'horizon (2010年) - 邦訳:小谷奈津子訳(水声社、2015年)
  • 夜の草 L'herbe des nuits (2012年)
  • あなたがこの辺りで迷わないように Pour que tu ne te perdes pas dans le quartier (2014年) - 邦訳:余田安広訳(水声社、2015年)
  • やさしいパリ Paris Tendresseブラッサイとの共著)- 邦訳:窪田般弥訳(リブロポート、1991年)

モディアノと冬のソナタ[編集]

韓国ドラマ冬のソナタ』のシナリオを担当したキム・ウニユン・ウンギョンが、共通して影響を受けたのはモディアノの『暗いブティック通り』であると述べている[5]。また実際に、『暗いブティック通り』と『冬のソナタ』にはストーリーや登場人物についていくつかの相似点がある[6]

脚注[編集]

  1. ^ ノーベル文学賞は仏モディアノ氏-大戦の記憶呼び覚ます芸術ブルームバーグ日本語版 2014年10月9日)
  2. ^ 石川美子訳『サーカスが通る』 訳者あとがき
  3. ^ アカデミーのペーテル・エングルンド(en)事務局長は「彼の作品は比較的短く、シンプルな言葉遣い、1日2冊読むことも可能だが、構成が洗練されていて優雅」と讃えた(朝日新聞2014年10月10日)
  4. ^ ル・モンド 2014年10月9日付
  5. ^ 『もうひとつの冬のソナタ』 2004年、ワニブックス ISBN 4-8470-1569-X
  6. ^ たとえば、「『冬ソナ』にも影響」(朝日新聞 2014年10月10日)。

参考文献[編集]

  • 松崎之貞『モディアノ中毒』国書刊行会 2014年