マリオ・バルガス・リョサ

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この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はバルガス第二姓(母方の)はリョサです。
マリオ・バルガス・リョサ
Mario Vargas Llosa
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マリオ・バルガス・リョサ(2016)
誕生 ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・リョサ
(1936-03-28) 1936年3月28日(86歳)
ペルーの旗 ペルーアレキパ
職業 作家
国籍 ペルーの旗 ペルー スペインの旗 スペイン
主な受賞歴 ビブリオテーカ・ブレーベ賞(1962)
アストゥリアス皇太子賞(1986)
プラネータ賞(1993)
セルバンテス賞(1994)
エルサレム賞(1995)
ドイツ書籍協会平和賞(1996)
ノーベル文学賞(2010)
配偶者 Julia Urquidi (1955-1964)
Patricia Llosa (1965–現在)
サイン
公式サイト http://www.mvargasllosa.com
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2010年
受賞部門:ノーベル文学賞
受賞理由:「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」

ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・リョサJorge Mario Pedro Vargas Llosa, 1936年3月28日 - )は、ペルー小説家アレキパ出身。ラテンアメリカ文学の代表的な作家でありジャーナリスト、エッセイストでもある。主な作品に『都会と犬ども』『緑の家』『世界終末戦争』など。1976年から1979年、国際ペンクラブ会長。2010年ノーベル文学賞を受賞。

従弟のルイス・リョサ、姪のクラウディア・リョサはともに映画監督。

経歴[編集]

1936年、ペルー南部のアレキパに生まれる。生活のためにさまざまな職業につきながらリマ国立サンマルコス大学にて法律、文学を学ぶ。1958年よりスペインのマドリード・コンプルテンセ大学に入学、同大学で博士号を取得した後はパリに渡りAFP通信社などで働いた。また19歳のとき10以上年上の義理の叔母と結婚しており、1964年に彼女と離婚したのち、翌年に従兄妹にあたる女性と再婚している。

1959年、短編集『ボスたち』でデビュー。1963年に初長編『都会と犬どもスペイン語版英語版』を発表し、同作でビブリオテーカ・ブレーベ賞を受賞。軍人養成学校での体験をもとに社会の欺瞞と腐敗を告発した作品で、将校が反発して本を焼却するなどして国際的な注目を浴びた。1966年、ペルーのアマゾン地域などを舞台に娼婦、原住民、軍、僧院など5つの物語が同時進行するスケールの大きな作品『緑の家スペイン語版英語版』を発表し作家的地位を確立。70年代に入ってからは、それまでのリアリズムによる全体小説的な作風がいくぶん変化し、軍隊社会を風刺したユーモラスな作品『バンタレオン大尉と女たち』(1973年)、スラップスティックな半自伝的青春小説『フリアとシナリオライター』(1977年)などを発表している。この2作はのちに映画化もされた。

1974年にペルーに帰国、76年から79年にかけて40歳の若さで国際ペンクラブ会長を務めた。1981年、ブラジルの19世紀末のカヌードスの乱ポルトガル語版英語版を題材にしたエウクリデス・ダ・クーニャポルトガル語版英語版奥地ポルトガル語版英語版』(1902年ブラジル)をリライトした『世界終末戦争スペイン語版英語版』を発表、この作品で85年にリッツ・パリ・ヘミングウェー賞を受けた。以後は民話の要素を作品に取り入れた『密林の語り部』(1987年)、ポルノグラフィックな『継母礼讃』(1988年)などを発表。1993年にスペイン国籍を取得。1994年に『アンデスのリトゥーマ』などの作品で、スペイン語圏最大の文学賞セルバンテス賞を受賞した。バルガス・リョサはこのほかにガルシア・マルケスフローベールを題材にした文芸批評やジャーナリズムの作品も手がけている。

他の多くのラテンアメリカ作家と同様に、バルガス・リョサもまた社会・政治に対する発言を積極的に行なっている。その政治思想は当初の左翼的なものから次第に保守的・自由主義なものに移っており、1987年にはガルシア政権の銀行国有化政策に対し共産主義的だとして反対を表明した。1990年には新自由主義的な改革を唱道する考えから、中道右派連合「民主戦線」よりペルーの大統領選に出馬したが、決選投票でアルベルト・フジモリに敗れている。その後バルガス・リョサは穏健的保守政党の支持にまわっており、2021年大統領選挙においても中道右派のケイコ・フジモリの支持を表明した[1]

2010年、「権力構造の地図と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージで描いた」[2]としてノーベル文学賞を受賞。1982年のガルシア・マルケスの受賞以来、長年の間有力候補とされ続けて後の受賞であった。ペルー国籍のノーベル賞受賞は史上初である。

受賞歴[編集]

作品[編集]

フィクション[編集]

2007年のバルガス・リョサ
  • Los cachorros (1959)
    (鈴木恵子・野谷文昭訳『小犬たち/ボスたち』国書刊行会〈ラテンアメリカ文学叢書〉 1978年)
     「小犬たち」は『ラテンアメリカ五人集』(集英社文庫、新版2011年7月)にも収録
     「ボスたち Los jefes」は処女短篇集、「小犬たち Los cachorros」は、8年後(1967)に書かれた中篇。
    映画化「The Cubs」(1973) Jorge Fons監督 ホゼ・アロンソ主演(日本未公開) 
  • La ciudad y los perros (1963)
    杉山晃訳『都会と犬ども』新潮社 1987年、新版2010年)
     (寺尾隆吉訳『街と犬たち』光文社古典新訳文庫 2022年6月)
     映画化「La ciudad y los perros」(The City and the Dogs)(1985)フランシスコ・J・ロンバルディ監督 ホゼ・ワタナベ、バルガス・リョサ脚本 パブロ・セラ主演(日本未公開)

ノンフィクション[編集]

その他[編集]

  • Los Jaivas - "Alturas de Macchu Picchu" (1981) - チリのロック・バンド Los Jaivas の演奏のテレビ放送映像。2005年にDVDとして発売されている。Pablo Neruda の叙事詩を題材にした作品 "Alturas de Macchu Picchu" について、現地のマチュピチュにて解説者として出演。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 作家バルガス・リョサ氏、ケイコ氏を支持 ペルー大統領選”. 時事ドットコム (2021年4月18日). 2021年4月19日閲覧。
  2. ^ The Nobel Prize in Literature 2010”. Nobelprize (2010年10月7日). 2010年10月7日閲覧。

外部リンク[編集]