グッド・バイ (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
グッド・バイ
作者 太宰治
日本の旗 日本
言語 日本語
ジャンル 短編小説
発表形態 新聞・雑誌掲載
初出 第1回-『朝日新聞1948年6月21日号(第1回)
第2回-第13回「作者の言葉」-『朝日評論』1948年7月1日号
収録人間失格筑摩書房 1948年7月25日
装幀:庫田叕
271頁
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

グッド・バイ』は、太宰治の小説。未完のまま絶筆になった作品である。

概要[編集]

初出 朝日新聞』1948年6月21日(第1回)
『朝日評論』1948年7月1日(第2回~第13回、作者の言葉)[注釈 1]
単行本 人間失格』(筑摩書房、1948年7月25日)
『グッド・バイ』(八雲書店、1949年6月15日)[注釈 2]
執筆時期 下記参照
原稿用紙 46枚[2]

『人間失格』を書き始める前の1948年(昭和23年)3月初め、朝日新聞東京本社の学芸部長末常卓郎は三鷹の太宰の仕事場を訪れ、連載小説を書くことを依頼する。なお『グッド・バイ』は依頼を受けて初めて構想されたものではなく、すでに太宰の中で練られていたものであった。末常はこう述べている。「彼が描こうとしたものは逆のドン・ファンであつた。十人ほどの女にほれられているみめ麗しき男。これが次々と女に別れて行くのである。グッド・バイ、グッド・バイと。そして最後にはあわれグッド・バイしようなど、露思わなかつた自分の女房に、逆にグッド・バイされてしまうのだ」[3]

その直後の3月7日、太宰は『人間失格』の執筆のため熱海起雲閣に向かう[4]三鷹市大宮市(現さいたま市)と執筆の場所を移しながら書き続け、5月10日に脱稿[5]。5月12日に自宅に戻り、5月15日からようやく『グッド・バイ』の執筆を開始した[6]。5月下旬、第10回までの原稿を朝日新聞社に渡した。6月13日にこの世を去ったとき、残りの第11回分から第13回分までの原稿が残されていた[7]

あらすじ[編集]

雑誌「オベリスク」編集長の田島周二は先妻を肺炎で亡くしたあと、埼玉県の友人の家に疎開中に今の細君をものにして結婚した。終戦になり、細君と、先妻との間にできた女児を細君の実家にあずけ、東京で単身暮らしている。実は雑誌の編集は世間への体裁上やっている仕事で、闇商売の手伝いをして、いつもしこたまもうけている。愛人を10人近く養っているという噂もある。

戦後3年を経て、34歳の田島にも気持ちの変化が訪れた。色即是空、酒もつまらぬ。田舎から女房子供を呼び寄せて、闇商売からも足を洗い、雑誌の編集に専念しよう。

しかし、それについて、さしあたっては女たちと上手に別れなければならない。途方に暮れた田島に彼と相合傘の文士が言った。

「すごい美人を、どこからか見つけて来てね、そのひとに事情を話し、お前の女房という形になってもらって、それを連れて、お前のその女たち一人々々を歴訪する。効果てきめん。女たちは、皆だまって引下る。どうだ、やってみないか」

田島はやってみる気になり、かつぎ屋で「すごい美人」の永井キヌ子[注釈 3]と彼の珍騒動が始まる。

映画[編集]

漫画[編集]

グッド・バイ
ジャンル 青年漫画
漫画
作者 羽生生純
出版社 実業之日本社
掲載サイト COMICリュエル
レーベル リュエルコミックス
発表期間 2016年5月20日 - 2017年
巻数 全1巻
話数 全9話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

2016年5月20日から2017年まで実業之日本社の『COMICリュエル』で配信された[8]

テレビドラマ[編集]

1960年版[編集]

1960年5月20日、KRT(現:TBSテレビ)の『サンヨーテレビ劇場』で放送された。出演は金子信雄角梨枝子ほか。

KRT サンヨーテレビ劇場
前番組 番組名 次番組
グッド・バイ

2010年版[編集]

2010年2月、TBS系列で『BUNGO -日本文学シネマ-』の一編として山崎まさよし主演で映像化された。

2018年版[編集]

グッド・バイ
ジャンル 連続ドラマ
原作 羽生生純『グッド・バイ』
原案 太宰治
企画 森川健一
脚本 舘そらみ
監督 Yuki Saito
スミス
安食大輔
出演者 大野拓朗
夏帆
佐津川愛美
佐藤玲
三浦透子
田中千絵
奥菜恵
ナレーター 大和田伸也
音楽 森優太
エンディング Official髭男dism 「バッドフォーミー」
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
チーフ・
プロデューサー
徳岡敦朗(テレビ大阪)
津嶋敬介(ホリプロ)
プロデューサー 岡本宏毅(テレビ大阪)
宮川宗生(ホリプロ)
制作 テレビ大阪
ホリプロ
製作 ドラマ「グッド・バイ」製作委員会
放送
放送チャンネル テレビ東京
音声形式 ステレオ放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2018年7月15日 - 9月30日
放送時間 【BSテレ東】日曜 0:00 - 0:30
【テレビ大阪】日曜 0:56 - 1:26
放送枠 真夜中ドラマJ
放送分 30分
回数 12
公式サイト
テンプレートを表示

2018年7月15日から9月30日までテレビ大阪・BSジャパン(現:BSテレビ東京)の『真夜中ドラマJ』で放送。小説を原案に漫画化した羽生生純同名作品を原作とする[9]

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

放送日程[編集]

各話 放送日 サブタイトル ラテ欄[11] 監督
01話 7月15日 僕、グッドバイします! 平成ゲス男VS愛人5人 Yuki Saito
02話 7月22日 恋人号泣! 始まったグッドバイ 偽装妻VS愛人VSモテ男
03話 7月29日 女心は、もっとやわらかいもの 偽装妻VS愛人VSキャバ嬢 スミス
04話 8月05日 大事なあの子とモーニングコーヒー 偽装妻VS妄想暴走愛人 Yuki Saito
05話 8月12日 2番目でもないならサヨウナラ ストーカー愛人VS偽妻
06話 8月19日 恋はいつでも不均衡 モテVS非モテ(秘)恋愛論 スミス
07話 8月26日 世界で一番必要なあなたへ アラサー女、新たな恋 安食大輔
08話 9月02日 あなたの嘘、知っています 第4の愛人&妻の不倫
09話 9月09日 最後のバトルは君次第 第5の愛人は美人女医
第10話 9月16日 おんどりゃーどういうこっちゃ 愛人集合暴かれるウソ
第11話 9月23日 良縁は口に苦し 修羅場! 愛人勢ぞろい
最終話 9月30日 嘘は本当で本当は罪で!? 愛の告白…衝撃の結末
BSジャパン 真夜中ドラマJ
前番組 番組名 次番組
逃亡花
(2018年4月15日 - 7月8日)
グッド・バイ
(2018年7月15日 - 9月30日)
【本作品まで真夜中ドラマJ枠】
江戸前の旬
(2018年10月14日 - 12月30日)
【この作品から真夜中ドラマ枠】
テレビ大阪 真夜中ドラマJ
(枠設立前につきなし)
グッド・バイ
(2018年7月15日 - 9月30日)
逃亡花
【最終話】
(2018年10月7日)
【この作品まで真夜中ドラマJ枠】
テレビ大阪 日曜0:56 - 1:26(土曜深夜)枠
サバイバル・キス
(再放送)
※0:56 - 1:46
グッド・バイ
(2018年7月15日 - 9月30日)
逃亡花
【最終話】
(2018年10月7日)
【この作品まで真夜中ドラマJ枠】

テレビアニメ[編集]

2010年9月29日NHK-BS2でドラマシリーズ『太宰治短編小説集』の一編として放送された。

舞台作品[編集]

本作に着想を得たとする作品として、以下がある。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「作者の言葉」には次のように書かれてある(一部)。「唐詩選五言絶句の中に、人生足別離の一句があり、私の或る先輩はこれを『サヨナラ』ダケガ人生ダ、と訳した。まことに、相逢った時のよろこびは、つかのまに消えるものだけれども、別離の傷心は深く、私たちは常に惜別の情の中に生きているといっても過言ではあるまい」
  2. ^ 短編集『グッド・バイ』の収録作品は以下のとおり。「グッド・バイ」「親友交歓」「トカトントン」「チャンス」「メリイクリスマス」「家庭の幸福」「おさん」「桜桃」「饗応夫人」「ヴィヨンの妻[1]
  3. ^ このかつぎ屋のモデルについては、林聖子の『風紋二十五年』(「風紋二十五年」の本をつくる会、1986年12月5日)に紹介されている[2]。なお太宰は林聖子のイメージをもとに短編「メリイクリスマス」を書いている。

出典[編集]

  1. ^ グッドバイ (八雲書店): 1949|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
  2. ^ a b 『太宰治全集 第9巻』筑摩書房、1990年10月25日、517頁。解題(山内祥史)より。
  3. ^ 『太宰治全集 第9巻』筑摩書房、1990年10月25日、514-515頁。解題(山内祥史)より。
  4. ^ 長部日出雄 『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』文藝春秋、2002年3月30日、448頁。
  5. ^ 日本近代文学館所蔵 太宰治自筆資料集 書誌解題 21 人間失格ジャパンデジタルアーカイブズセンター【J-DAC】
  6. ^ 長部日出雄 『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』前掲書、510頁。
  7. ^ 『太宰治全集 9』ちくま文庫、1989年5月30日、544頁。解題(関井光男)より。
  8. ^ “羽生生純が太宰治の「グッド・バイ」を原案に描く新連載、リュエルで”. コミックナタリー (ナターシャ). (2016年5月20日). https://natalie.mu/comic/news/187971 2020年4月9日閲覧。 
  9. ^ “大野拓朗、太宰治の未完作『グッド・バイ』主演 ヒロインに夏帆”. クランクイン! (ハリウッドチャンネル). (2018年6月20日). https://www.crank-in.net/news/56872 2018年6月20日閲覧。 
  10. ^ “Official髭男dism、新曲「バッドフォーミー」がドラマ『グッド・バイ』主題歌に決定”. OKMusic (ジャパンミュージックネットワーク). (2018年7月1日). https://okmusic.jp/news/275999 2020年4月9日閲覧。 
  11. ^ 該当各日 『神戸新聞』 テレビ欄。
  12. ^ a b c KERA・MAP版と北村想版、2つの「グッドバイ」を連続放送”. ステージナタリー (2016年2月24日). 2016年2月24日閲覧。
  13. ^ 平成27年度(第66回)芸術選奨受賞者一覧”. 文化庁. 2016年3月9日閲覧。

外部リンク[編集]

小説
テレビドラマ