カムバック賞 (日本プロ野球)

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カムバック賞
リーグ NPB
種目 プロ野球
受賞対象 怪我や病気、長期の不調などから復活した選手
日本の旗 日本
歴史
初回 1974年
最新受賞 松坂大輔(2018年)
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カムバック賞(カムバックしょう)は、日本プロ野球の連盟特別表彰の一つ。

概要[編集]

セントラル・リーグパシフィック・リーグ各リーグで表彰される。

アメリカスポーティング・ニュース社が1965年より選出しているスポーティング・ニュース・カムバック賞に倣い、1974年に制定された。なお、MLB機構の表彰タイトルとしてのカムバック賞は、日本より遅い2005年からの制定である。

怪我や病気、長期の不調などから復活した選手に授与される。セ・リーグとパ・リーグで授賞基準に大きな違いがあり[1]、パ・リーグでは脳腫瘍から復活を遂げた盛田幸妃近鉄)が2001年に受けて以来、授賞者が現れていない[注 1]。セ・リーグはパほど厳しくはないものの、2005年以降は授賞者数を大きく減らしている[注 2]

歴代受賞者[編集]

年度 セントラル・リーグ パシフィック・リーグ
受賞選手 所属球団 成績 受賞選手 所属球団 成績
1974 石岡康三 ヤクルトスワローズ 6勝5敗8S 防2.06 (該当者なし)
1975 安仁屋宗八 阪神タイガース 12勝5敗7S 防1.91
1976 船田和英 ヤクルトスワローズ .302 2本 23点 8盗
1977 浅野啓司 読売ジャイアンツ 9勝4敗1S 防2.51
1978 野村収 横浜大洋ホエールズ 17勝11敗4S 防3.14
1979 三村敏之 広島東洋カープ .288 12本 60点 1盗
1980 谷沢健一 中日ドラゴンズ .369 27本 80点 2盗 門田博光 南海ホークス .292 41本 84点 0盗
1981 藤田平 阪神タイガース .358 11本 70点 2盗 (該当者なし)
1982 (該当者なし)
1983
1984 鈴木孝政 中日ドラゴンズ 16勝8敗0S 防4.07
1985 (該当者なし) 村田兆治 ロッテオリオンズ 17勝5敗0S 防4.30
1986 津田恒実 広島東洋カープ 4勝6敗22S 防2.08 (該当者なし)
1987 杉浦享 ヤクルトスワローズ .304 24本 73点 3盗
新浦壽夫 横浜大洋ホエールズ 11勝12敗0S 防4.26
1988 有田修三 読売ジャイアンツ .292 12本 40点 0盗
1989 西本聖 中日ドラゴンズ 20勝6敗0S 防2.44
中尾孝義 読売ジャイアンツ .228 5本 27点 6盗
1990 吉村禎章 読売ジャイアンツ .327 14本 45点 0盗
遠藤一彦 横浜大洋ホエールズ 6勝6敗21S 防2.17
1991 (該当者なし) 小野和義 近鉄バファローズ 12勝4敗0S 防2.86
白井一幸 日本ハムファイターズ .311 4本 32点 15盗
1992 伊東昭光 ヤクルトスワローズ 7勝5敗1S 防2.77 (該当者なし)
1993 川崎憲次郎 ヤクルトスワローズ 10勝9敗0S 防3.48
1994 彦野利勝 中日ドラゴンズ .284 6本 49点 1盗
1995 (該当者なし)
1996 加藤伸一 広島東洋カープ 9勝7敗0S 防3.78
1997 伊藤智仁 ヤクルトスワローズ 7勝2敗19S 防1.51
1998 斎藤隆 横浜ベイスターズ 13勝5敗1S 防2.94 西村龍次 福岡ダイエーホークス 10勝10敗0S 防3.36
1999 遠山奬志 阪神タイガース 2勝1敗1S 防2.09 (該当者なし)
2000 種田仁 中日ドラゴンズ .314 7本31点 4盗
2001 成本年秀 阪神タイガース 3勝1敗20S 防2.34 盛田幸妃 大阪近鉄バファローズ 2勝0敗0S 防7.06
2002 前田智徳 広島東洋カープ .308 20本 59点 0盗 (該当者なし)
2003 平井正史 中日ドラゴンズ 12勝6敗0S 防3.06
鈴木健 ヤクルトスワローズ .317 20本 95点 2盗
2004 小久保裕紀 読売ジャイアンツ .314 41本 96点 0盗
2005 (該当者なし)
2006
2007
2008 平野恵一 阪神タイガース .263 1本 21点 7盗
2009 (該当者なし)
2010
2011
2012 大竹寛 広島東洋カープ 11勝5敗0S0H 防2.36
2013 (該当者なし)
2014
2015 館山昌平 東京ヤクルトスワローズ 6勝3敗0S0H 防2.89
2016 (該当者なし)
2017 岩瀬仁紀 中日ドラゴンズ 3勝6敗2S26H 防4.79
2018 松坂大輔 中日ドラゴンズ 6勝4敗0S0H 防3.74
2019 (該当者なし)
2020
2021
2022
2023

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 例を挙げると、2001年新人王に輝くも、スポーツヘルニアや右肘の手術で戦線から遠のき、2005年にチームの守護神として復活した大久保勝信オリックス)(2008年にもアキレス腱断裂の大怪我を負いながらも復帰して、2009年に47試合に登板する活躍をあげている)、2013年特定疾患である黄色靭帯骨化症と診断されながら、2014年にプロ野球史上初めて特定疾患を乗り越えての勝利を挙げ、シーズンでは計3勝を挙げてクライマックスシリーズ日本シリーズにも登板し、チームも日本一となった大隣憲司ソフトバンク[2]などにも授与されていない。
  2. ^ こちらも例を挙げると、2007年戦力外通告を受けた後一年間無所属のまま浪人、36歳のシーズンとなる2009年中日ドラゴンズと契約しNPB復帰を果たし44試合登板(15ホールド)を記録する活躍をあげた河原純一が授与されていない。

出典[編集]

関連項目[編集]