近鉄バス枚岡営業所
近鉄バス枚岡営業所(きんてつバスひらおかえいぎょうしょ)は、大阪府東大阪市東山町にある、近鉄バスの営業所である。
主に、東大阪市東部の国道170号沿道の路線をカバーする。
営業所最寄りの停留所は「枚岡車庫」。近鉄けいはんな線新石切駅の近くにある。
概要
1956年に近畿日本鉄道自動車局の枚岡自動車区・営業所として開設された(当時の所在地は枚岡市)。
かつては、日本初の2階建てバス「ビスタコーチ」も在籍し、梅田や上六から八尾市北部、生駒山まで広くカバーしていた営業所であるが、1993年に枚岡自動車区が稲田自動車区の枚岡分室に格下げされて機能を縮小したため、瓢箪山 - 四条畷・住道など、東大阪市や大東市の東部に伸びる路線に限られるようになった。また、かつては信貴生駒スカイライン内の信貴山と高安山を結ぶケーブルカー連絡バスの運行も担っていた。1999年に分社化され、枚岡営業所となった。2002年よりスルッとKANSAI・Jスルーカード(後者は2009年まで)にも対応しており、バスカードの運用も開始した。2015年からは他営業所同様、交通系ICカード全国相互利用サービスに対応している。
運行路線
四条畷線
- 40番:東花園駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 野崎観音前 - 四条畷
- 41番:枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 野崎観音前 - 四条畷
- 42番:東花園駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前
- 43番:東花園駅前 - 枚岡車庫
- 44番:枚岡車庫 ← 新石切駅前 ← 石切神社前 ← 産業大学前
- 45番:枚岡車庫 → 新石切駅前 → 石切神社前 → 産業大学前
- 30番:東花園駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 大東市役所前 - 住道駅前
- 31番:枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 大東市役所前 - 住道駅前
当営業所の柱となる路線で、東花園駅から国道170号旧道(東高野街道)を通り、近鉄けいはんな線の新石切駅、大阪産業大学を経てJR学研都市線の2駅を結ぶ幹線。戦前に大阪電気軌道が買収した四条畷 - 柏原間の一部をなす。東花園駅前付近では大阪外環状線(170号新道)経由する。また、産業大学前の北側(寺川交差点)から住道駅方向は府道大阪生駒線を経由する。四条畷系統と住道系統がそれぞれ15 - 25分毎、産業大学前までは6〜10分毎となり利便性が高く、利用者も多い。枚岡営業所の前を通るため、枚岡営業所近くの新石切駅前にて運転士の交代が行われている。170号旧道は片側1車線ずつあるが、狭隘のため無線を使ってすれ違いを調整することもある。2019年11月1日より発着地が変更され、瓢箪山駅前発着を東花園駅前発着に変更した。当初計画ではこれを2018年10月中に実施する予定であった[1]が、既に完成している東花園駅前ロータリーへのバス乗り入れに対しての協議が長引いたため、一旦は瓢箪山駅前停留所の廃止および東花園駅前停留所の開設を延期した[2]が、その後協議を終え、1年1ヶ月遅れで実施した[3]。
吉田線
2008年4月1日に開業した。後述する枚岡線や加納工業団地系統の廃止後、路線の空白地となっていた地域を南北に結ぶ路線となっている。河内花園駅の北口に新設されたロータリーから北上し、国道308号を経由して吉田駅へ達する。吉田駅からは一旦南下したあと西へ進み、大阪朝鮮高級学校前で吉田駅行の経路と合流して花園駅へ戻る。吉田下島にはかつてイトーヨーカドーがあった[4]。
経法大線
- 01番:東花園駅前 - 大阪経済法科大学
1971年4月に大阪経済法科大学の開学により、大学側から委託を受けてスクールバスの運行をしていたが、1998年に一般路線化。それにより大竹会館前と大竹南の2つのバス停が新設された。一般路線ではあるが、学生など大学関係者は無料で利用できる。平日は15〜30分毎、土曜日は概ね1時間毎で、休学日は運休する。大阪外環状線経由で運行。また、ノンストップ便も設定されている。2019年11月1日より、四条畷線と同様に発着地が変更され、瓢箪山駅前発着を東花園駅前発着に変更した。
休廃止および過去の担当路線
枚岡線
- 60番:上本町六丁目(バスセンター) - 鶴橋 - 新深江 - 長栄寺(布施営業所前) - 新家 - 菱江 - 花園ラグビー場前 - 枚岡(枚岡車庫) - 新石切駅前 - 石切神社前
- 61番:上本町六丁目(バスセンター) - 鶴橋 - 新深江 - 長栄寺(布施営業所前) - 新家 - 菱江 - 花園ラグビー場前 - 枚岡
戦前に布施駅 - 枚岡間にて開設された路線で、後に大阪市内への乗り入れが実現して、上本町六丁目、さらに大阪都心の本町四丁目へ延長した。1984年に上本町バスセンターが上本町駅2階にできてからは、同所を起点とした(現在は大阪国際空港行きリムジンバスの乗り場になっている)。上本町からは千日前通を東に直進し、国道170号旧道と交差する箱殿で北に進路を取る。石切神社への利用者も多く、三が日には増便も行われていた。1960年代には2階建てバス「ビスタコーチ」が導入されたほか、ノンステップバスなども活躍したが、道路渋滞などに利用者が減少し次第に減便を繰り返し、布施営業所単独系統になってから数年後の1997年に休止、2000年に廃止となった。
阪奈生駒線
この路線は現在も稲田営業所が単独で運行中であるが、かつては枚岡営業所や廃止された奈良営業所も担当していた。梅田からほぼ東へ一直線に阪奈道路や信貴生駒スカイラインに乗り入れて奈良市や生駒山を結ぶ路線であったが、奈良や生駒山へは利用者が減少したため休止となった。大阪市内では、天満橋発着の若江線や住道線とともに、大阪市営バスとの競合がありながらも多数運行されていたが、JR東西線や大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線の開業の影響もあり、京橋・天満橋発着路線の廃止を行うなどし、2017年3月末で住道駅前 - 生駒登山口間の16番を除き休止・廃止となった[5]。
信貴山上線
- 50番:高安山 - 高安山霊園 - 信貴山門
- 51番:高安山 - 信貴山門
信貴山朝護孫子寺へのアクセス路線で、現在は八尾営業所の担当。戦前に不要不急路線として廃止された信貴山急行電鉄の山上鉄道線があった跡を、1957年に近鉄西信貴鋼索線が復活する際に、山上線区間は鉄道を復旧せずにバスを運行する形となった。廃線跡はバス専用道路になり、のちに信貴生駒スカイラインの一部となった。高安山と信貴山門の両ターミナルはいずれも山上線の駅跡にある。バスは西信貴鋼索線のケーブルカーに接続(早朝深夜の一部を除く)して概ね40分毎に運行。ただし、三が日など利用者の多い時期には続行便を出すなど増発が随時行われている。バスは普段は高安山に常駐しており、格納庫や給油所も設置されている。
生駒縦走線
- 52番:生駒聖天 - 生駒山上 - 高安山 - 信貴山門
信貴生駒スカイライン内を走行する路線で、免許の上では阪奈道路の竜間から生駒山上、生駒聖天および信貴山門を結ぶ路線となっている。梅田から生駒山上までは休日ダイヤで1995年まで直通便があった。上記の生駒聖天 - 信貴山門間は、冬季を除く休日に運行されていたが、1990年夏以降は、三が日のみ運行されるダイヤになっていた。2006年から運行を中止している。
山本線
- 90番:山本駅前 - 青葉町 - 福万寺口 - 玉串北口 - 花園駅前
- 91番:山本駅前 - 青葉町 - 福万寺口 - 玉串北口
- 92番:山本駅前 - 青葉町 - 福万寺口 - 高砂住宅
- 93番:山本駅前 - 青葉町
- 95番:近鉄八尾駅前 - 緑ヶ丘 - 青葉町 - 福万寺口 - 高砂住宅
- 50・52番:山本駅前 - 緑ヶ丘 - 近鉄八尾駅前 - 小阪合町 - 山本駅前
- 51番:山本駅前 - 緑ヶ丘 - 近鉄八尾駅前
河内山本駅周辺の路線で、現在は八尾営業所の担当。このうち、93番は朝ラッシュ時に運行されていた区間便。青葉町には折り返し場がなく、路上で転回していた。50・52番は近鉄大阪線の北側 - 南側を循環していた。
恩智線
- 20番:瓢箪山駅前 - 楽音寺 - 上尾町 - 山本駅前
- 21番:恩智駅前 - 八尾木 - 別宮 - 八尾市役所前 - 近鉄八尾駅前
- 22番:瓢箪山駅前 - 楽音寺 - 郡川 - 恩智駅前 - 八尾木 - 荘内町 - 八尾市役所前 - 近鉄八尾駅前
- 23番:恩智駅前 - 八尾木 - 荘内町 - 八尾市役所前 - 近鉄八尾駅前
山本線同様、この路線も現在は八尾営業所が担当する。現在は20番を除きすべて廃止されている。22番が本来の恩智線だったが、その後山本駅前へ乗り入れる20番が主力となった。また、21番や23番も枚岡営業所が担当していた頃はあわせて20分毎であった。
四条畷線
- 40番:瓢箪山駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 野崎観音前 - 四条畷
- 42番:瓢箪山駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前
- 43番:瓢箪山駅前 - 枚岡車庫
- 30番:瓢箪山駅前 - 枚岡車庫 - 新石切駅前 - 石切神社前 - 産業大学前 - 大東市役所前 - 住道駅前
上記は、先述の通り2019年11月1日の東花園駅への移転に伴い経路変更される前の系統である。
四条畷線(加納工業団地系統)
- 04〜08番:東花園駅前 - 吉田駅前 - 加納工業団地循環
近鉄けいはんな線吉田駅の北方にある加納工業団地方面への路線だった。
当初、近鉄奈良線の東花園駅前と加納工業団地を結ぶ路線として開設された。後に近鉄けいはんな線(当時、近鉄東大阪線)が開業し、吉田駅前から加納工業団地循環がメインとなる。また、工業団地内のみならず、加納地区全体を一周する経路となった。東花園駅前までは国道308号や大阪外環状線などを経由するが、別経路の時期もあった。1990年代から吉田駅前 - 東花園駅前間はいわゆる免許維持状態で、末期は平日・土曜の朝夕1便まで減便されていた。その後東花園駅前 - 吉田駅前間の運行はなくなり、残る区間も朝と夕方にそれぞれ逆回りが数便ずつ走るのみであった。
廃止後、長らく加納地区はバス路線の空白地となっていたが、2012年4月に稲田営業所担当で吉田駅前とJR住道を結ぶ路線が開設されて一旦は空白状態は解消されたものの、2017年に当路線は全便廃止となり再び空白地に戻っている[5]。一方、吉田駅の南側についても吉田線の開設で空白状態は解消されている。また、東花園駅発着の路線バスは2019年11月1日より別系統(四条畷・住道方面)で復活した。
経法大線
- 01番:瓢箪山駅前 - 大阪経済法科大学
上記は、先述の通り2019年11月1日の東花園駅への移転に伴い経路変更される前の系統である。
石切線
- 70番:新石切駅前 - 石切神社参道口 - 石切駅前
石切剣箭神社の最寄り駅である両駅であるが、この駅間には急な坂道があり、短距離ではあるがこの2駅を結ぶ路線として2006年10月1日に開業した。狭隘路を結ぶため、小型バスによる運行である。高低差のある両駅を結ぶ路線であり、辺りも住宅地であることから、需要があり、1時間2~3本程度運行されていた路線であるが、運転士不足を理由に2016年6月1日から土曜日のみ1往復の運行に変更された[6]。2017年3月31日をもって全便廃止となった[5]。
築港枚岡線
近鉄けいはんな線(開業直後は東大阪線)開業前に、その先行路線として運行されていたもの。大阪市営地下鉄中央線の終点であった深江橋駅を起点に、国道308号(中央大通)を東に直進し、枚岡まで運行されていた。東大阪線の開業により1986年に廃止された。路線名称は国道308号の別名による。
車両
分社化以降、近鉄バスは日野自動車製に加えていすゞ自動車製バスも導入するようになり、当営業所には2001年から集中してエルガが投入された。2019年現在では四条畷線の多くの便に使われている。また、2006年からはエルガと同形のブルーリボンIIの導入も開始されている。2015年には新型のブルーリボンとエルガが関西のバス会社で先駆けて導入され[7]、2016年にはブルーリボンハイブリッド車が1台導入されている[8]。
当営業所の路線には新石切駅前などの停留所に設置された接近表示装置の対応機が設けられている。運賃箱は小田原機器製を使用する。
脚注
- ^ 本年10月上旬に、「瓢箪山駅前」に発着している全路線を「東花園駅前」発着へ変更する予定です - 近鉄バス公式ホームページ。2018年7月1日発信、2019年5月11日閲覧。
- ^ 「瓢箪山駅前」に発着している全路線の「東花園駅前」発着へ変更予定を延期いたします - 近鉄バス公式ホームページ。2018年8月22日発信、2019年5月11日閲覧。
- ^ 【2019年11月1日~】東花園駅前への乗り入れについて - 近鉄バス公式ホームページ。2019年5月13日発信、同年5月21日閲覧。
- ^ 東大阪店は2019年(平成31年)2月17日に閉店した
- ^ a b c 【平成29年4月1日~】路線バス取り止めのお知らせ - 近鉄バス2016年10月18日
- ^ 【平成28年6月1日】吉田住道線、石切線、久宝寺(南系統)ダイヤ改正及び金剛団地線(津々山台系統)の廃止のお知らせ - 近鉄バス 2016年6月1日
- ^ バスグラフィック No.26 P.33 ネコ・パブリッシング 2016年1月30日発行 ISBN 978-4-7770-1866-6
- ^ バスラマ・インターナショナルNo.159 P.5 ぽると出版 2016年10月25日発行 ISBN 978-4-89980-158-0
外部リンク
- 近鉄バス 公式サイト
- 枚岡営業所担当路線図 (PDF) - 近鉄バス