出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
「涙の太陽」（なみだのたいよう、Crying In A Storm）は、1965年4月20日に発売されたエミー・ジャクソンのデビュー曲である。彼女の代表曲となり、多くの歌手にカバーされた。
オリジナル盤
エミーは当時横浜のアメリカンスクールに在学し、ラジオ関東の番組をアシスタントを行う傍ら、湯川れい子に見出され、日本コロムビアの「CBS」レーベルから歌手デビューした。
当時、コロムビアは米コロムビアと提携していたが、洋楽部門の売れ行きが芳しくなく、てこ入れを行うために作られたといわれている[1]。また当時の日本のレコード業界は作詞・作曲家は専属制をとっており、フリーの作家はなかなかリリースすることができず、「洋楽」として発売したという説もある。作詞は湯川が担当したが、クレジットはR.H.Rivers（「湯川」を「ホット・リバース」に直訳した「レイコ・ホット・リバース」の略[2]）となっている。作曲は中島安敏。
バック演奏は架空の（この曲とエミーの次のシングル「夢みるマイ・ボーイ」だけで使われている実体のない）バンドであるスマッシュメンが担当し、コーラスはフィリピンのグループが担当した[3]。
発売当初のシングル盤の価格は洋楽扱いだったため370円と割高だった（当時の邦楽は330円。1ドルが360円の時代だったので、全体的に輸入盤が割高だった）が、ラジオでのプロモーションがよかったため、70万枚[4][5]を売り上げる大ヒットとなった。
- 涙の太陽 (Crying In A Storm)
- 作詞：R.H.Rivers、作曲：中島安敏
- とどかぬ想い (Suddenly I'm Alone)
- 作詞：R.H.Rivers、作曲：中島安敏
青山ミチ盤 (1965)
青山ミチによる日本語バージョン（作詞：湯川れい子）が1965年5月25日に発売され、エミー・ジャクソンと競作になった。
- 涙の太陽
- 作詞：湯川れい子、作曲：中島安敏
- あこがれはいつも心に
- カンツォーネのスタンダードのカバー。
安西マリア盤 (1973)
安西マリアの1973年のシングル。日本語でカバーし、50万枚を超える大ヒットに[6]。日本語詩は湯川自らの手で全て和訳した。
- 涙の太陽
- 作詞：湯川れい子、作曲：中島安敏、編曲：川口真
- 砂に消えた涙 (Un Buco Nella Sabbia)
- 作詞：A.Testa、P.Soffici、蓮健児、作曲：A.Testa、P. Soffici、編曲：川口真
- ミーナ・マッツィーニのカバー。
サンディー＆ザ・サンセッツ盤 (1989)
サンディー＆ザ・サンセッツの1989年のシングル。日本たばこ産業「エピック・メンソール」コマーシャルソング。
- 涙の太陽
- 作詞：湯川れい子、作曲：中島安敏、編曲：大村憲司
- CIPHER (Maybe Live Version)
- 作詞：SANDII、作曲：久保田麻琴、編曲：久保田麻琴
田中美奈子盤 (1989)
田中美奈子の1989年のシングル。
- 涙の太陽
- 作詞：湯川れい子、作曲：中島安敏、編曲：関根安里
- Virgin Eyes
- 作詞：芹沢類、作曲・編曲：関根安里
メロン記念日盤 (2004)
メロン記念日の2004年のシングル。カネボウ化粧品「アリィー」コマーシャルソング。
- 涙の太陽
- 作詞：湯川れい子、作曲：中島安敏、編曲：鈴木Daichi秀行
- さあ、早速盛り上げて 行こか〜!!
- 作詞・作曲：つんく、編曲：鈴木Daichi秀行
シングル化されていないカバー
出典
- ^ 『驚きももの木20世紀』1998年10月30日放送「ブルーコメッツの苦悩」
- ^ 湯川れい子が2010年11月15日に笑っていいとも!に出演した際、本人が自ら語った。
- ^ CD「エミー・ジャクソン/涙の太陽 THE VERY BEST OF EMY JACKSON」 (COCA-11508)のライナーノーツ
- ^ beautiful〜彩美曲〜、Amazon.co.jp (2009/1/26閲覧)
- ^ コンピレーション・アルバム『beautiful 彩美曲(さび)』、コロムビアミュージックエンタテインメント (2009/1/26閲覧)
- ^ あの人は今こうしている 安西マリア、ゲンダイネット、2007年11月8日。
カテゴリ