捕縄術
捕縄術(ほじょうじゅつ/とりなわじゅつ)は、日本の伝統武術の一つ。
概要
敵を縄で捕縛・緊縛するための技術である。体系は、取り押さえた敵を素早く拘束する『早縄』、形式・儀式的に用いる『本縄』、緊縛による拷問を加えるための『拷問縄』、これら縄術で緊縛された状態から脱出する『縄抜け』『破縄術』に大別される。用いる縄の太さや長さ、材質は、流派や用途によって大きく異なる。
早縄には、十手術や柔術で相手を制圧した後に相手を拘束する技術だけでなく、縄を武器にした様々な戦闘術も組み入れられている。手早く拘束するために、縄の先端にあらかじめ鉄環や鉤爪を取りつけている場合も多い。本縄は主に犯罪者の護送・謁見の際に用いられ、身分や職業、性別、用途によってそれぞれ異なる縛り方が用意されている。
江戸時代には、捕手術の一環として盛んに用いられていたことから、各地に様々な流派が伝承されていた。しかし現代では、捕縄術を単独で継承する流派はほとんどなく、柔術や剣術の流派において半ば失伝された状態で受け継がれていることが多い。
日本の警察機構においては、江戸時代から昭和時代まで積極的に教えられていたが、手錠の普及により必要性がなくなったことから、現在では逮捕術の科目から外されている。
参考文献
- 水越ひろ著『写真で覚える捕縄術-手にとるようにわかる完成手順』愛隆堂、ISBN 4750202827。
- 藤田西湖著『図解捕縄術-藤田西湖著作集4』名著刊行会、ISBN 4839002975。
関連項目
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