大阪桐蔭高等学校吹奏楽部

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大阪桐蔭高等学校吹奏楽部OB会
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チャンネル
活動期間 2021年7月30日 -
ジャンル 音楽
登録者数 17万人
(2024/5/4)
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大阪桐蔭高等学校吹奏楽部(おおさかとういんこうとうがっこうすいそうがくぶ、: Osaka Toin Symphonic Band)は、大阪桐蔭高等学校に属する吹奏楽クラブである。2005年の創部以来、全日本吹奏楽コンクール金賞、全日本マーチングコンテスト金賞、日本管楽合奏コンテスト「最優秀グランプリ/文部科学大臣賞」、ミッド・ヨーロッパ国際青少年吹奏楽祭全部門「総合グランプリ」受賞などの成績を残している[1]。また、日本各地で開催する演奏会やテレビ出演(NHK紅白歌合戦など多数出演)、さらにはYouTubeを用いた演奏動画の発信などにより、入部希望者は極めて多い。

略歴[編集]

2005年、同校野球部の応援のため発足[2]。当時の部員数は20名程度であった。2006年梅田隆司が総監督に就任すると創部からわずか2年、1、2年生のみで全日本吹奏楽コンクール全国大会初出場(銀賞)を達成する(以後、同コンテストに通算14回出場し、「金賞」6回受賞)[1][2]。なお、創部から僅か2年での全国大会出場は史上最速記録である。2008年には、全日本マーチングコンテスト全国大会に初出場を果たす(以後、同コンテストに通算5回出場し、「金賞」4回受賞)[1]2009年には全日本吹奏楽コンクールにおいて同部初となる金賞を全体一位の成績で受賞。この年、自由曲として演奏した世俗カンタータカルミナ・ブラーナ」(オルフ(J.クランス編))は特に名演として語り継がれている。2012年には、初の海外遠征となるオーストリアウィーン国立歌劇場」公演を敢行。同劇場においては、これがアマチュアの高校生として初の単独公演であった。さらに、このとき第15回ミッド・ヨーロッパ国際青少年吹奏楽祭に初出場し、全部門「総合グランプリ」受賞している。2015年にはカーネギーホールにおいてコンサートを実施。2017年には再びオーストリアに赴き、ウィーン国際青少年音楽祭吹奏楽部門コンクールで「第1位」を受賞している[1]

また、後述する特色のある活動内容が大きな話題となり、メディアへの露出も極めて多い。名だたるアーティストとコラボすることも多く、2017年にベリーグッドマンのアルバム「Spring Spring Spring」に収録された『ライトスタンド feat. 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部』[3]をはじめ、2021年にはYOASOBIの配信ライブUT×YOASOBI『SING YOUR WORLD』にも参加し、「ハルカ」、「群青」の2曲をコラボしている[4]。さらに、配信シングル「ラブレター」にも演奏および合唱で参加している。また、同年の大晦日には、NHK紅白歌合戦天童よしみとのコラボで出演を果たしている[5]

日本各地での演奏会や後述するメディアへの露出も相まって、吹奏楽部には全国各地から生徒が入部している。吹奏楽部には定員があり、定員60名程度のところ毎年約300人ほどが入部を希望するため、入部することも一筋縄にはいかない 。なお、吹奏楽部の生徒は大阪桐蔭高等学校Ⅲ類に所属している[6]

活動内容[編集]

演奏会[編集]

大阪桐蔭高等学校吹奏楽部の活動内容として特筆すべきは、演奏会の多さである。日本各地を会場として年間約100公演以上行っている(2023年度は、計127公演)。演奏会においては、高校吹奏楽部であるものの、ミュージカルを取り入れるなど、ジャンルにとらわれない極めてエンタテイメント性の高いステージを作り上げる。また、ステージ後部にはスクリーンを設置し、演奏と共に、曲にマッチした映像を映し出すことも大阪桐蔭吹奏楽部の演奏会の特徴の一つである。

さらに大阪桐蔭吹奏楽部の演奏会には「リクエストコーナー」と呼ばれる名物企画がある。このコーナーでは予め決められた60曲の曲目リストから観客が好きな曲をリクエストし、それを即時に演奏するというものである。リクエストできる観客は、野球応援演奏の「You are スラッガー」の後に梅田隆司先生がカラーバットでゴムボールを客席めがけて打ち、それを取った観客が60曲の中からリクエストすることで選ばれる。

これまでに、同部が上演した主なミュージカル作品は以下の通りである。

コンクール[編集]

全日本吹奏楽コンクール」、公益財団法人日本音楽教育文化振興会主催の「管楽合奏コンテスト」、日本高等学校吹奏楽連盟主催の「全日本高等学校吹奏楽大会 in 横浜」等のコンクールに参加している。全日本吹奏楽連盟主催の「吹奏楽コンクール」のみ人数制限(55人)があるため,コンクールメンバーに選ばれた部員のみで参加しているが、それ以外のコンクールには全部員で参加している(大阪桐蔭吹奏楽部は、常に部員全員での活動(演奏)をモットーとしており、全日本吹奏楽コンクールが唯一の例外である)。

コンクールでは基本的にオーケストラの吹奏楽編曲版を演奏することが多いが、2021年の「第69回全日本吹奏楽コンクール」では、高昌帥作曲の「吹奏楽のための協奏曲」を演奏し、「金賞」を受賞している[7]。同校が吹奏楽オリジナル曲を自由曲として取り上げるのはこれが初であった。日本管楽合奏コンテストにおいても本楽曲を演奏し、「最優秀グランプリ・文部科学大臣賞/観客投票最多賞」を受賞している。なお、2022年・2023年も吹奏楽オリジナル曲を選曲しており、これまでのクラシックアレンジから路線変更している。

YouTubeによる演奏動画の発信[編集]

2020年以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、演奏会の縮小を余儀なくされ、YouTubeを用いた演奏動画の発信を積極的に行っている。YouTubeに投稿した演奏動画は多くのメディアで取り上げられるなど話題を呼び、YOASOBI「夜に駆ける」は800万回再生を突破するなど、総再生回数は6,000万回を超える。

2021年7月以前は、同部の関係者等がYouTubeに演奏動画を投稿していたが、2021年7月30日より、同部OB会がチャンネルを立ち上げ、演奏動画の投稿を行っている。

野球応援[編集]

同校の野球部が甲子園で開催される高校野球全国大会に出場した際には、吹奏楽部が応援に駆け付ける。最新のヒット曲をいち早く応援歌として演奏することで有名である。また同校オリジナル曲「You are スラッガー」は人気曲の一つであり、他校も応援曲として使用する人気曲である。なお、野球応援も部員全員で参加している。

沿革[編集]

  • 2005年 創部 関西吹奏楽コンクール「優秀賞」受賞(バルトーク「弦楽四重奏曲第2番より第2楽章」)日本管楽合奏コンテスト「最優秀賞/審査員特別賞」受賞

総監督[編集]

メディアへの露出[編集]

出演した主なテレビ番組[編集]

※2020年は、特にメディア出演が多く、約30本のメディア(テレビ・新聞等)で取り上げられている。

著名人とのコラボ[編集]

YouTubeによる演奏動画の発信[編集]

2020年より新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、演奏活動の縮小を余儀なくされる。このため、YouTubeによる演奏動画の発信を積極的に実施し、YouTubeに投稿した演奏動画は多くのメディアで取り上げられるなど話題を呼び、YOASOBIの「夜に駆ける」は800万回再生を突破するなど、総再生回数は6,000万回を超える。また、YouTubeによる演奏動画の投稿がきっかけで、YOASOBIの配信ライブに出演している。

その他[編集]

主な出身者[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部”. 2021年9月2日閲覧。
  2. ^ a b Music People vol.4”. www.gakufu.co.jp. 2021年9月19日閲覧。
  3. ^ 「ライトスタンド feat. 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部」ミュージックビデオ公開!”. BERRY GOODMAN OFFICIAL WEBSITE. 2023年5月13日閲覧。
  4. ^ YOASOBIが大阪桐蔭高の吹奏楽部員とコラボ 生配信ライブ28万人が視聴(中日スポーツ)”. Yahoo!ニュース. 2021年9月2日閲覧。
  5. ^ 天童よしみ、大阪桐蔭吹奏楽部とのコラボに手応え「自分の声の力量を超えている感じがある」”. 2024年5月5日閲覧。
  6. ^ 高校Ⅲ類カリキュラム”. 2024年5月5日閲覧。
  7. ^ 大阪桐蔭など6校に金賞 全日本吹奏楽コンクール、高校後半の部”. 2024年5月5日閲覧。
  8. ^ X”. 2024年5月4日閲覧。
  9. ^ X”. 2024年5月4日閲覧。

外部リンク[編集]