レ・ミゼラブル (ミュージカル)

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レ・ミゼラブル, Broadway, ニューヨーク
レ・ミゼラブル, Broadway, ニューヨーク

レ・ミゼラブル (Les Misérables) は、ヴィクトル・ユーゴー同名小説を原作としたミュージカルである。

この項では、1980年に上演された同名ミュージカルを改訂する形で、1985年10月28日ロンドン初演されたミュージカルを指す。

海外ではしばしば Les MisLes Miz と省略されるのを受けて日本でもレミレミゼレミズ(レミッズ)あるいはレスミズと略して呼ばれることがある。

目次

[編集] 概要

[編集] オリジナル クリエイティブ スタッフ

[編集] 受賞

  • 1987年トニー賞:8部門(作品賞/助演男優賞/助演女優賞/演出賞/台本賞/作詞・作曲賞/舞台美術賞/照明賞)

[編集] 構成

  • プロローグ第一幕第二幕の三幕構成で、休憩は第一幕・第二幕の間に一回。上演時間はプロローグ・第一幕合わせて約90分、第二幕約75分。

(2007年公演現在。演出の改訂などが加わることで上演時間は多少前後する。)

[編集] 作品誕生の経緯

1980年、アラン・ブーブリル作詞)、クロード・ミッシェル・シェーンベルク作曲)らによって当作品の前身となるミュージカル"Les Misérables(レ・ミゼラブル)"が制作され、パリで上演された。

1981年、この作品のレコーディングアルバムを聴いた世界的演劇プロデューサーキャメロン・マッキントッシュが目をつけ、RSCの芸術監督でもある演出家トレバー・ナンイギリスでの上演の話を持ちかける。これに対してナンはジョン・ケアードとの共同演出、さらにはRSCとの共同製作をマッキントッシュに提案。1982年商業演劇のプロデューサーと王立劇団が提携する形でロンドン版の制作が開始された。

1980年パリ公演の舞台は、"レ・ミゼラブル"をよく知るフランス人に向けて創られたミュージカルであった。その為、ストーリーのうちでも重要な箇所 ―例えば、主人公ジャン・バルジャンがモントルイユ・シュール・メールの市長になる以前の、銀の燭台のくだりなど― が省略されることがあった。しかし『ほとんどのイギリス人にとっては題名(Les Misérables)を正しく発音するのもおぼつかない』(マッキントッシュ)という状況にあって、ロンドン版ではレ・ミゼラブルという物語そのものを伝えることに重きが置かれ、80年パリ公演の改訂版としてのレ・ミゼラブルを創り上げていくこととなる。

オリジナル版を制作したアラン・ブーブリル、クロード・ミッシェル・シェーンベルク、さらには作詞家ハーバート・クレッツマーもクリエイティブスタッフに加わり、1985年10月28日、ついにバービカン劇場に於いてロンドン版レ・ミゼラブルが幕を開けた。 ロンドン公演は開幕するやいなや忽ち大人気となり、その後パレス劇場クイーンズ劇場と場を移して現在もロングラン公演中である。


初演時の主なキャスト

ジャン・バルジャン コルム・ウィルキンソン(Colm Wilkinson)
ジャベール ロジャー・アラム(Roger Allam)
エポニーヌ フランシス・ラッフェル(Frances Ruffelle)
ファンティーヌ パティ・ルポーン(Patti LuPone)
コゼット レベッカ・ケイン(Rebecca Caine)
マリウス マイケル・ボール(Michael Ball)
テナルディエ アラン・アームストロング(Alun Armstrong)
テナルディエの妻 スー・ジェーン・タナー(Sue Jane Tanner)
アンジョルラス デビッド・バート(David Burt)
ガブローシュ イアン・タッカー(Ian Tucker)、オリバー・スペンサー(Oliver Spencer)


[編集] 広がる海外公演

1987年より海外に進出し、アルゼンチンオーストリアオーストラリアベルギーバミューダ諸島ブラジルカナダ中国チェコデンマークドミニカエストニアフィンランドフランス(逆輸入となる)、ドイツ香港ハンガリーアイルランドイスラエルアイスランド日本ラトビアマルタモーリシャスオランダニュージーランドノルウェーフィリピンポーランドポルトガルセルビアシンガポール南アフリカ韓国スペインスウェーデンスイスアメリカなど、世界各国に広がりを見せ、人気を博している。各地で様々な言語に翻訳されているが、中国などのように海外のプロダクションが出向いて英語のまま上演を行う場合もある。

[編集] ブロードウェイ

ブロードウェイ初演(ブロードウェイ劇場、のちにインペリアル劇場)は1987年3月12日に開幕。2003年3月18日まで16年間(上演回数6680回)続く大ロングランヒットとなり、ブロードウェイでの歴代ロングラン公演記録第三位という記録を打ち立てた。 そして、初演の閉幕からわずか三年後の2006年11月9日にはブロードハースト劇場にてリバイバル公演が開幕(キャッチフレーズはレ・ミゼラブルの"顔"としておなじみであるコゼットのロゴに合わせた"She's Back!")。当初は6ヶ月間だけの期間限定公演だったが、2006年12月19日には労働祭までの公演延長を発表、その後も公演期間は延長され続ける。この再演では、ミス・サイゴンでの主役キムを演じ、本作品でもエポニーヌ役で出演、ロンドンでの10周年記念コンサート(後述)にも出演するなどして絶賛され、根強い人気を誇るフィリピン系女優レア・サロンガがファンティーヌ役となって再び出演することが話題をさらった。コゼット役Ali Ewoldt、マリウス役Adam Jacobsなど、サロンガを含め3人のフィリピン系俳優が出演していた2007年9月27日の興行を、訪米中であったフィリピンのグロリア・アロヨ大統領も観劇したという。2008年1月6日、上演期間約14ヶ月、上演回数496回を以て閉幕した。これにより、ブロードウェーでのレ・ミゼラブルの総上演回数は7176回となる。

ブロードウェイ初演時の主なキャスト

ジャン・バルジャン コルム・ウィルキンソン(Colm Wilkinson)
ジャベール テレンス・マン(Terrence Mann)
エポニーヌ フランシス・ラッフェル(Frances Ruffelle)
ファンティーヌ ランディ・グラフ(Randy Graff)
コゼット ジュディー・クーン(Judy Kuhn)
マリウス デビッド・ブライアント(David Bryant)
テナルディエ レオ・バーマイスター(Leo Burmeister)
テナルディエの妻 ジェニファー・バット(Jennifer Butt)
アンジョルラス マイケル・マグワイア(Michael Maguire)
ガブローシュ ブレイデン・ダナー(Braden Danner)
リトル・コゼット ドナ・ヴィヴィノ(Donna Vivino)


[編集] 10周年記念コンサート

1995年10月8日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールに於いて本作品初演10周年を記念したコンサート「Les Misérables - The Dream Cast in Concert」が催された。主役からアンサンブルまで、英語圏を中心に世界中から選りすぐった人気・実力共に申し分ないキャストが一堂に会し、世界中の"レ・ミゼ"プロダクションから200人のコーラス隊が参加した。さらにはコンサートのグランドフィナーレに世界各国のジャン・バルジャン役者17人が登場、劇中歌"民衆の歌(Do You Hear the People Sing?)"をそれぞれの国語で歌い継ぎ、同じく劇中歌"ワン・デイ・モア(One Day More!)"のバルジャンパートを斉唱するという超豪華なパフォーマンスによって盛大に10周年を祝った。

当日の主なキャスト

ジャン・バルジャン コルム・ウィルキンソン(Colm Wilkinson) ロンドン公演、ブロードウェイ公演オリジナルキャスト
ジャベール フィリップ・クォースト(Philip Quast) オーストラリア公演オリジナルキャスト、コンプリート録音盤キャスト
エポニーヌ レア・サロンガ(Lea Salonga) ブロードウェイ・プロダクションより
ファンティーヌ ルーシー・ヘンシャル(Ruthie Henshall) ロンドン・プロダクションより
コゼット ジュディー・クーン(Judy Kuhn) ブロードウェイ公演オリジナルキャスト
マリウス マイケル・ボール(Michael Ball) ロンドン公演オリジナルキャスト、コンプリート録音盤キャスト
テナルディエ アラン・アームストロング(Alun Armstrong) ロンドン公演オリジナルキャスト
テナルディエの妻 ジェニー・ギャロウェイ(Jenny Galloway) ロンドン・プロダクションより
アンジョルラス マイケル・マグワイア(Michael Maguire) ブロードウェイ公演オリジナルキャスト
グランテール アンソニー・クリベロ(Anthony Crivello) ブロードウェイ公演オリジナルキャスト
ガブローシュ アダム・サールズ(Adam Searles)
リトル・コゼット ハンナ・チック(Hannah Chick)


フィナーレに登場した各国のバルジャンと俳優、及び"民衆の歌"歌唱リレー順は以下の通り。

俳優
(歌いだし) (Colm Wilkinson)
イギリス Philip Cavill
フランス Robert Marien
ドイツ Jerzy Jeske
日本 鹿賀丈史
ハンガリー Vikdal Gyula
スウェーデン Tommy Körberg
ポーランド ポーランド Krzysztof Stasierowski
オランダ Henk Poort
カナダ Michael Burgess
オーストリア Reinhard Brussman
オーストラリア Rob Guest
ノルウェー Øystein Wiik
チェコ チェコ Jan Jezek
デンマークの旗 デンマーク Kurt Ravn
アイルランド Jeff Leyton
アイスランド Egill Ólafsson
アメリカ合衆国 Craig Schulman



[編集] 日本での公演

1987年6月17日東宝により帝国劇場で初演。イギリス(ロンドン)、アメリカ(ニューヨーク)に次いで世界で3番目、同作品初の非英語圏での上演となった。その後断続的に公演は行われており、東京以外にも名古屋大阪仙台札幌福岡と上演都市が広がっている。

[編集] 日本版スタッフ

[編集] エピソード

  • 訳詞は東宝ミュージカルの常連、岩谷時子。ジャン・バルジャンの囚人番号は英語版では24601 (two-four-six-oh-one) だが、日本語では語呂があわず、初演ではここだけ英語で歌い、再演時から囚人番号を24653(にー・よん・ろく・ごー・さん)に変えて日本語で歌うようになった。
  • この作品には子役が3人必要だが、出番が遅いガブローシュ役は労働基準法のため、開演時刻によっては同役にキャスティングされている大人の女性が演じることがある(この役は小学生時代の山本耕史高橋一生が演じたことでも知られている)。出番が第一幕のみのリトル・コゼット、リトル・エポニーヌは、ソワレでも子役が演じている。
  • 2005年5月24日から29日には、国内での上演回数が2000回に達したことを記念して「2000回達成スペシャルパフォーマンス」と題し、特別なメインキャスト(集結したのは今までに出演した役者たち)による公演が行われた。また2007年6月~7月の帝国劇場公演、同10月の博多座公演においても、日本公演20周年記念として再びスペシャルキャスト公演が行われた。
  • 同作品は宝塚歌劇団でも上演を計画していたが、劇団内での反対もあり実現しなかった。
  • 初演時には、後に女優となる藤田朋子が、唯一のアマチュアとして参加した。

[編集] 日本版キャスト

プリンシパル(主役級)キャストのみ、名前太字は初演キャスト。括弧内西暦は出演期間(コンサートでの出演は除く)、西暦太字は2007年公演出演者。 *はスペシャルキャスト公演による限定出演。

※*'05…上演2000回達成スペシャルパフォーマンス、*'07…日本初演20周年記念スペシャルキャスト

[編集] ジャン・バルジャン -Jean Valjean

[編集] ジャベール -Javert

[編集] エポニーヌ -Eponine

[編集] ファンティーヌ -Fantine

[編集] コゼット -Cosette

[編集] マリウス -Marius

[編集] テナルディエ -Thénardier

[編集] テナルディエの妻 -Madame Thénardier

[編集] アンジョルラス -Enjolras

[編集] ミュージカルナンバー

[編集] プロローグ

  • 囚人の歌 -Overture/Work Song(The Chain Gang)
  • 仮釈放 -On Parole
  • 司教 -Valjean Arrested, Valjean Forgiven(The Bishop)
  • バルジャンの独白 -What Have I Done?(Valjean's Soliloquy)

[編集] 第一幕

  • 一日の終わりに -At the End of the Day
  • 夢やぶれて -I Dreamed a Dream ※
  • 波止場(ラブリィ・レイディ) -Lovely Ladies(The Docks)
  • ファンティーヌの逮捕 -Fantines's Arrest
  • 馬車の暴走 -The Runaway Cart
  • 裁き -Who Am I?(The Trial)
  • ファンティーヌの死 -Come to Me(Fantine's Death)
  • 対決 -The Confrontation
  • 幼いコゼット -Castle on a Cloud(Little Cosette)
  • 宿屋の主人の歌 -Master of the House
  • 取引 -The Bargain
  • 裏切りのワルツ -The Thenardier Waltz of Treachery
  • 乞食たち -Look down(The Beggars)
  • 強奪 -The Robbery
  • ジャベールの介入 -Javert's Intervention
  • 星よ -Stars
  • エポニーヌの使い走り -Eponine's Errand
  • ア・ベ・セー・カフェ -The ABC café - Red and Black
  • 民衆の歌 -Do You Hear the People Sing?(The People's Song) ※
  • プリュメ街 -Rue Plumet/In My Life
  • 心は愛に溢れて -A Heart Full of Love
  • プリュメ街の襲撃 -The Attack on Rue Plumet
  • ワン・デイ・モア -One Day More

[編集] 第二幕

  • バリケードを築く -Upon These Stones(Building the Barricade)
  • オン・マイ・オウン -On My Own ※
  • 再びバリケードで -Upon These Stones(At the Barricade)
  • バリケードでのジャベール -Javert's Arrival(Javert At the Barricade)
  • ちびっこ仲間 -Little People
  • 恵みの雨 -A Little Fall of Rain
  • 苦悩の夜 -Night of Anguish
  • 最初の攻撃 -The First Attack
  • その夜(共に飲もう) -Drink With Me (The Night)
  • 彼を帰して -Bring Him Home
  • 苦悩の夜明け -Dawn of Anguish
  • 第二の攻撃 -The Second Attack (The Death of Gavroche)
  • 最後の戦い -The Final Battle
  • 下水道 -Dog Eats Dog(The Sewers)
  • ジャベールの自殺 -Javert's Suicide
  • 犠牲者たち -Turning(The Victims)
  • カフェソング -Empty Chairs at Empty Tables(The Café Song) ※
  • マリウスとコゼット - 心は愛に溢れて(リプライズ) -Every Day(Marius And Cosette)/A Heart Full of Love(Reprise)
  • バルジャンの告白 -Valjean's Confession
  • 結婚式 - 宴会乞食 -Wedding Chorale/Beggars at the Feast
  • エピローグ -Finale(Epilogue)


※…2000年シドニーオリンピック開会式では、フランス選手団の入場行進時にこれらの曲がメドレーで演奏された。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク