ラスト・シューティスト
ラスト・シューティスト | |
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The Shootist | |
監督 | ドン・シーゲル |
脚本 |
マイルズ・フッド・スワザウト スコット・D・ヘイル |
原作 | グレンドン・スワザウト |
製作 |
M・J・フランコヴィッチ ウィリアム・セルフ |
音楽 | エルマー・バーンスタイン |
撮影 | ブルース・サーティース |
編集 | ダグラス・スチュワート |
配給 |
パラマウント映画 東宝東和 |
公開 |
1976年8月11日 1979年7月7日 |
上映時間 | 99分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
『ラスト・シューティスト』(原題: The Shootist)は、1976年製作の、ジョン・ウェイン主演の西部劇映画である。1975年に発表された同名の小説の映画化で、ローレン・バコール、ロン・ハワードそしてジェームズ・ステュアートが共演している。師であるジョン・フォード亡き後も、一人で奮闘したジョン・ウェインの遺作となった作品である。
あらすじ
1901年1月22日、かつての射撃の名手、ブックスがネバダ州のカーソンシティに戻ってきた。信頼のおける医者のホステトラーから、自分の病気について聞いたところ、ガンで病状が悪化していることを知らされる。未亡人のロジャース夫人が経営する、下宿屋の部屋を借りたブックスを、保安官のティビドーが訪れ、町を立ち退くよう命じるが、ブックスが余命いくばくもないことを知る。
ブックスがカーソンシティに滞在していることが知れ渡り、かつての仇敵たち、あるいは、これでひと儲けを目論む者たちが集まって来る。新聞記者がやって来て、彼のガンマン人生を美化した記事を書こうとしたり、この大物を倒して名を挙げようとする者もおり、2人の男が寝込みを襲おうとしたため、ブックスはやむを得ず2人を撃つ。ロジャース夫人の息子、ギロムはブックスに感銘をうけるものの、この件で、泊まり客に出て行かれた夫人は激しく怒る。ブックスの昔の女、セレプタも部屋を訪れて、結婚を申し込むが、結局は知名度利用であることに気づく。
ブックスは、葬儀屋のベッカムらと話をつけたあと、ロジャース夫人に、自分に残された時間がわずかであることを告げ、ギロムに頼んで3人の男、自分を弟の敵と狙うスイーニー、賭博を生業とするプルフォード、そして町のならず者コッブに挑戦状を突きつけて、自分の58歳の誕生日の午前中に、メトロポールの酒場での果たし合いを告げる。朝早い時間、4人と、バーテンダーしかいない酒場で始まった撃ち合いがやんだ時、入ってきたギロムは、あちこちに傷を負いながらも、立っているのはブックス唯一人であるのを発見した。その時バーテンダーが、背後からブックスを撃った。ギロムはブックスの銃を取り、バーテンダーを殺した。そしてすぐ銃を放り投げた。ブックスの顔に満足げな表情が見て取れた。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
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フジテレビ版 | テレビ朝日版 | |||
J・B・ブックス | ジョン・ウェイン | 小林昭二 | 納谷悟朗 | |
ロジャース夫人 | ローレン・バコール | 馬渕晴子 | 小沢寿美恵 | |
ギロム | ロン・ハワード | 水島裕 | 村山明 | |
ホステトラー医師 | ジェームズ・ステュアート | 浦野光 | ||
スイーニー | リチャード・ブーン | 郷里大輔 | 田中康郎 | |
プルフォード | ヒュー・オブライエン | 池田勝 | 小林清志 | |
ティビドー保安官 | ハリー・モーガン | 永井一郎 | 大木民夫 | |
ベッカム | ジョン・キャラダイン | 北村弘一 | 村越伊知郎 | |
セレプタ | シェリー・ノース | 榊原良子 | ||
モーゼス | スキャットマン・クローザース | 龍田直樹 | 藤本譲 | |
コッブ | ビル・マッキーニー | 玄田哲章 | 仲木隆司 | |
新聞記者ドブキンス | リック・レンズ | 千田光男 | 石丸博也 |
スタッフ
- 監督:ドン・シーゲル
- 製作:M・J・フランコヴィッチ、ウィリアム・セルフ
- 脚本:マイルズ・フッド・スワザウト、スコット・D・ヘイル
- 原作:グレンドン・スウォースアウト
- 撮影:ブルース・サーティース
- 美術:ロバート・F・ボイル
- 音楽:エルマー・バーンスタイン
- 衣装(デザイン):モス・メーブリー
- 字幕:清水俊二
エピソード
- 冒頭で、『赤い河』、『ホンドー』、『リオ・ブラボー』、『エル・ドラド』というウェイン主演の映画のシーンが挿入されている。
- 意外な話だが、この映画の製作時点では、ウェインのガンは完治していた。ガンが再発したのは、この映画が製作されて3年たった1979年の1月12日のことである。
- ネバダ州のカーソンシティでロケが行われた時、ロジャース夫人の宿となった建物は、ネバダ州知事の邸宅から3件しか離れていなかった。
- ロケ地がエルパソからカーソンシティに変更になった時、ウェインは愛馬ドラーをキャストに加えて、脚本を書き直させた。また、演技も手直しをさせた。ブックスが背後からプルフォードを撃ち、しかる後に、ギロムがブックスを撃つという設定であったのだが、ウェインは「自分の映画人生の中で、ひとを背後から撃ったことは一度もない。変えてほしい。」と言い、また、若いギロムに人殺しをさせるのは忍びないとして、最後にギロムが銃を捨てて、ガンマンの道を諦めるという設定にした。
- ウェインは配役にも責任を持った。ローレン・バコール、ジェームズ・ステュアート、リチャード・ブーン、そしてジョン・キャラダインの出演は、彼の意向によるものである。特にバコールは、20年ほど前に夫であるハンフリー・ボガートを癌で亡くしている。
- 映画に登場するドラーは、1969年、2歳の時に『勇気ある追跡』に出演し、以来10年間、ウェインの愛馬だった。この栗毛のアメリカン・クォーターホース(短距離用の競走馬)には、自分以外の人間が乗ることを禁じていたが、ウェインの死後、『探偵ハート&ハート』の中で、ロバート・ワグナーが乗ったことがある[2]。
脚注
- ^ エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
- ^ Whiteside, John. "The Duke's Horse Keeps Special Bond". Chicago Sun Times. January 19, 1985