保安官

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ニューメキシコの保安官(1940年1月)

保安官(ほあんかん)は、米語シェリフsheriff)の訳語であり、アメリカ合衆国治安職の名称。

概要[編集]

一般的に、選挙で任命される郡内の法執行官の長である。ただし、自治意識の強いアメリカでは、全国的に統一された治安制度は無く、州によって任命制度や任務内容にかなりの相違があり、州内でも郡毎・市町村毎に違いが見られるほどである。

西部開拓時代の辺境地域では様々な種類の人物が就任した。荒くれ者を取り締まるために凶悪犯の前科を持つ者や得体の知れない流れ者のガンマンがその職に就任することがあった。税の取り立ても任されたので地域の有力者と癒着することが多く、自ら地域のアウトローたちのボスになって悪徳の限りを尽くす者もいた。多くは公募に対して射撃の腕に自信がある者が名乗り出、地元住民の選挙によって選ばれた。[要出典]

日本では西部劇の印象が強いためか、カウボーイハットを被ったガンマン風のイメージで描かれる事が多いが、現代では警察官のような制服を着ており、ガンマンスタイルになるのはイベントやパレードなどのときだけである。[要出典]

シェリフ[編集]

現代の保安官の一例。ロサンゼルス郡保安局のリー・バカ保安官(局長)。胸には保安官バッジ、シャツの襟の階級章は局長を示す五連星。局長に限り、バッジは「DEPUTY」の追加がなくそのまま「SHERIFF」となる。

現代でもシェリフは存在する。実際の活動はデピュティ(deputy。保安官代理、副保安官、保安官補、保安官助手とも)と呼ばれる執行官達が行なっており、保安官本人は総責任者(保安局長、保安官事務所長)を務める。大きな保安官事務所では警察と同様に部局や階級もある。約3,500の保安官事務所があり、1〜2名から1万人を越える規模の事務所まで様々である。

一方、警察組織の拡充によってその仕事量は減る傾向にあり、シェリフそのものを廃する州もある。廃止された州ではマーシャルやポリスが業務を引き継ぐ。

  • コネチカット州では1960年に郡行政区を廃止したが、例外的に保安官だけは存続させていた。しかし2000年に保安官も廃止し、州公安官(State Marshal)に移行した。

詳細はカウンティ・シェリフを参照。

マーシャル[編集]

マーシャルmarshal)もまた、保安官と訳されることがある。選挙、あるいは任命される治安職の名称。日本では駅などにおける禁止事項掲示の英語訳での名義人として「Chief」と共に“警察署長”を意味する単語として使用される事が多い。

多くの場合は司法体系に属し、裁判所執行官あるいは裁判所を警備する廷吏であることが多いが、連邦保安官と同じような職務を担う州もあれば、シェリフと同じような職務を担う場合もある。また、Fire Marshalは、放火や爆発物犯罪を担当する官吏である。

連邦官吏としては、司法省に属する連邦保安官と、国土安全保障省に属する航空保安官がある。

コンスタブル[編集]

コンスタブルconstable)もまた、保安官と訳されることがある。選挙、あるいは任命される治安職の名称。

連邦内共通の定義などはなく、州内でさえもその役割が異なることもあり、歴史は古いものの、一般に馴染みの薄い役職である。単に令状の送達しかしない場合もあるが、州によっては、シェリフと同じような職務を担う場合もある。

関連項目[編集]