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バンコク・スカイトレイン

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バンコク・スカイトレイン
路線総延長23 km
プルーンチット駅周辺の高架

バンコク・スカイトレイン:รถไฟฟ้าเฉลิมพระเกียรติ 6 รอบพระชนมพรรษา:Bangkok Skytrain)はタイの首都・バンコクの高架鉄道システムのことである。

概要

正式名称を和訳すると「国王陛下ご生誕6周支記念高架鉄道」といったものになるが、一般にタイではロットファイファー (รถไฟฟ้า) (ロット (รถ) =車、ファイファー (ไฟฟ้า) =電気)とよばれる。また運営会社のバンコク大衆輸送システム社 (Bangkok (Mass) Transit System) の頭文字を取ってBTSともよばれる。親会社の名前をとってタナヨン電車とも呼ばれることもあった。

モノレールではなく通常軌道の鉄道である。なお、タイ国有鉄道の路線と違い、軌間標準軌 (1435mm) である。電化方式は、直流750 Vによる第三軌条集電方式である。

地下鉄とは異なり、乗車時におけるセキュリティ・チェックは行われていない。また、乗車券は磁気式カードであり、自動改札機への投入の際には日本で例えるとテレホンカードのように挿入する方向が決められている(表裏左右を間違えると投入できない)。

各駅ともに終日、各ホームに最低1人ずつ、保安要員が配置されている。

現在、スクムウィット線は3両編成、シーロム線は4両編成で運行されている。

2011年8月に新規開業したスクムウィット線バーンチャーク駅 - ベーリング駅の各駅においては、運転士用後方確認カラーモニターとホームエレベーターが設置されている(それ以外のほぼ全ての駅では上りエスカレーターのみ)。

計画と建設

この計画が正式に持ち上がったときは、カナダバンクーバー・スカイトレインの技術を導入し、建設する予定であった。後に計画が変更され、ドイツラヴァリン・スカイトレインの技術を導入することに決め、1992年4月9日タイ仏暦2535年)に正式に計画が成立した。

当時、バンコク都庁および政府に資金がなかったことから、BOT方式(Build-Operate-Transfer)によって建設を行った。建設は1995年タイ仏暦2538年)に開始され、サービス開始は1998年12月タイ仏暦2541年)のアジア大会に間に合わせる予定であったが間に合わず、翌年12月の開業となった。

経営

経営主体はバンコク大量輸送システム社(BTS)である。直下の道路を走る路線バスより運賃が割高のため、サービス開始当初から乗客数が伸びず、負債を返済できない状態が続いていたが、競合する路線バスの減便や割引回数券の導入で通勤客の利用が増加し、2002年に初めて黒字を記録した。

車両

車両はドイツのポルシェ・デザインシーメンス社が共同で開発した。

3両(スクムウィット線)または4両(シーロム線)編成で、配色にはタイ国旗を思わせる白・赤・青が使われている。車内にはエアコンが完備され、また左右側とも扉間にビデオモニターが設置されており、画面上部でCMが放映され(日本とは異なり音声も出る)、最下部で次駅または現在停車中の駅の表示が出るようになっている。なお、シートはプラスチック製で駅のベンチのように固い。

先頭車に運転室を有する有人運転仕様であり、ワンマン運転を行っている。

高架上にあり、よく目に付くため、最近では画像のように広告ラッピング車両が多く走っている。

2010年末までに、長春軌道客車[1]の48両(4両編成)が新規導入された。新型車両は前面のデザインの変更と、車内ではLED照明の採用、扉上の路線マップがLED併用へと細部が変更されている。

ルート

路線はスクムウィット(スクムヴィット)線とシーロム線に分かれる。両者はCENサイアム駅で相互に乗り換えが可能である。

スクムウィット線

順序は北から

駅番号 駅名 タイ語駅名 駅間キロ 累計キロ 備考 所在地
N8 モーチット駅 หมอชิต -km 0.0km 地下鉄チャトゥチャック公園駅と接続 チャトゥチャック区
N7 サパーンクワーイ駅 สะพานควาย -km km    
N6 セーナールワン駅(予定駅)   -km km    
N5 アーリー駅 อารีย์ -km km    
N4 サナームパオ駅 สนามเป้า -km km    
N3 アヌサーワリーチャイサモーラプーム駅(戦勝記念塔駅) อนุเสาวรีย์ชัยสมรภูมิ -km km スワンナプーム国際空港連絡バス(No.551)と接続  
N2 パヤータイ駅 พญาไท -km km エアポート・レール・リンクと接続  
N1 ラーチャテーウィー駅 ราชเทวี -km km    
CEN サイアム駅 สยาม -km km シーロム線と接続  
E1 チットロム駅 ชิดลม -km km    
E2 プルーンチット駅 เพลินจิต -km km    
E3 ナーナー駅 นานา -km km    
E4 アソーク駅 อโศก -km km 地下鉄スクムウィット駅と接続 スクムウィット通り-ソイ21(ソイアソーク)
E5 プロンポン駅 พร้อมพงษ์ -km km    
E6 トンロー駅 ทองหล่อ -km km   スクムウィット通り-ソイ55(ソイトンロー)
E7 エカマイ駅 เอกมัย -km km 東バスターミナルと隣接 スクムウィット通り-ソイ63(ソイエカマイ)
E8 プラカノン駅 พระขโนง -km km    
E9 オンヌット駅 อ่อนนุช -km km スワンナプーム国際空港連絡バス(No.552)と接続  
E10 バーンチャーク駅 บางจาก -km km 2011年8月12日開業  
E11 プナウィティ駅 ปุณณวิถี -km km 2011年8月12日開業  
E12 ウドムスック駅 อุดมสุข -km km 2011年8月12日開業  
E13 バンナー駅 บางนา -km km 2011年8月12日開業  
E14 ベーリング駅 แบริ่ง -km km 2011年8月12日開業  

シーロム線

順序は北から

駅番号 駅名 タイ語駅名 駅間キロ 累計キロ 備考 所在地
W1 サナームキラーヘンチャート駅
(国立競技場駅)
สนามกีฬาแห่งชาติ -km 0.0km    
CEN サイアム駅 สยาม -km km スクムウィット線と接続  
S1 ラーチャダムリ駅 ราชดำริ -km km    
S2 サラデーン駅 ศาลาแดง -km km 地下鉄シーロム駅と接続  
S3 チョーンノンシー駅 ช่องนนทรี -km km    
S4 スックサーウィッタヤー駅(予定駅) ศึกษาวิทยา -km km    
S5 スラサック駅 สุรศักดิ์ -km km    
S6 サパーンタークシン駅 สะพานตากสิน -km km チャオプラヤエクスプレス(水上バス)と接続  
S7 クルン・トンブリー駅 กรุงธนบุรี -km km 2009年5月15日開業  
S8 ウォンウィアン・ヤイ駅 วงเวียนใหญ่ -km km 2009年5月15日開業
タイ国鉄メークローン線とは徒歩連絡(徒歩15分程度)
 
S9 Pho Nimit駅 -km km 2012年開業予定
 
S10 Ratchada-Ratchaphruek駅 -km km 2012年開業予定
 
S11 Wutthakat駅 -km km 2012年開業予定
 
S12 Bang Wa駅 -km km 2012年開業予定
 

ダイヤ

初電は各始発駅(モーチット駅、ベーリング駅、国立競技場駅、ウォンウィアン・ヤイ駅)を06:00に発車と広報されているが、実際にはそれより多少早い場合もあるようである。

平日ダイヤ・土曜ダイヤ・日曜/祝日ダイヤがそれぞれ定められており、各線ごとに時間帯により運行間隔が異なる(平日ラッシュ時は最短2分半程度、早朝・深夜は各線とも8分間隔)。但し駅には具体的な発車時刻は掲示されておらず、ホーム上に掲示されている「●●線の●曜日の●時〜●時の時間帯は●分間隔での運行です」という表記が参考になる程度である。

終電は各始発駅00:00発である。

乗車券の種類と使用期限

  • スカイパス:100B 手数料30B デポジット30B (チャージ可能なIC型乗車券、最初に使用してから5年間有効。2年間使わなかった場合はチャージされていた金額が0Bになる)
  • 40回乗車券:800B(30日以内に40回距離に関係なく乗車できる)
  • 30回乗車券:600B(30日以内に30回距離に関係なく乗車できる)
  • 20回乗車券:440B(30日以内に20回距離に関係なく乗車できる)
  • 1日乗車券:120B(1日以内に距離に関係なく最終便まで利用できる)

購入はBTS各駅か、1日乗車券であれば、アジアホテル(Asia Hotel 、ラーチャテーウィー駅に通じている)Marriott Resort and Spaで購入できる。

延伸計画

以下のファイルに詳しい。また、英語版wikipediaにも詳しい記述がある。

脚注

関連項目

外部リンク