カイ二乗分布
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母数 | |
---|---|
台 | [0, ∞) |
確率密度関数 | |
累積分布関数 | |
期待値 | k |
中央値 | |
最頻値 |
0 for k < 2 k − 2 for k ≥ 2 |
分散 | 2k |
歪度 | |
尖度 | 12/k |
エントロピー |
k/2 + ln 2 + ln Γ(k/2) + (1 − k/2)ψ(k/2) |
モーメント母関数 | |
特性関数 |
カイ二乗分布(カイにじょうぶんぷ、カイじじょうぶんぷ)、またはχ2分布は確率分布の一種で、推計統計学で最も広く利用されるものである。ヘルメルトにより発見され[1]、ピアソンにより命名された[2]。
独立に標準正規分布に従う k 個の確率変数 X1, …, Xk をとる。このとき、統計量
の従う分布のことを自由度 k のカイ二乗分布と呼ぶ。
普通はこれを
と書く。カイ二乗分布は k という1個の母数をもつ。これは Xi の自由度に等しい正の整数である(場合によっては非整数自由度のカイ二乗分布も用いられる)。カイ二乗分布はガンマ分布の特殊な場合に当たる。
カイ二乗分布はカイ二乗検定と総称される多くの検定法のほか、フリードマン検定などにも利用される。
性質
[編集]カイ二乗分布の確率密度関数は x ≥ 0 に対し
また x ≤ 0 に対し fk(x) = 0 という形をとる。ここで Γ はガンマ関数である。
分布関数は
(ただし γ(k, z) は不完全ガンマ関数)である。
(ただし と はカイ二乗分布に従う独立な確率変数)とすると、、つまり自由度で割って比をとるとF分布に従う。
(自由度2)ならば、X は期待値 2 の指数分布に従う。
自由度 k のカイ二乗分布に従う確率変数の期待値は k で、分散は 2k である。中央値は近似的に
となる。
カイ二乗分布は再生性を持つ。すなわち、 ならば、 となる。
正規分布による近似
[編集]として、k が無限大に近づくと X の分布は正規分布に近づくが、近づき方はゆっくりしている(歪度 、尖度 12/k)ため、X 自体より速く正規分布に近づく次の2つの方法が普通用いられる。
- は近似的に平均 √2k − 1、分散 1 の正規分布に従う(ロナルド・フィッシャー)。
- は近似的に平均 1 − 2/9k、分散 2/9k の正規分布に従う(ウィルソンとヒルファティ、1931年)。
出典
[編集]- ^ Helmert, F. R. (1875): Ueber die Berechnung des wahrscheinlichen Fehlers aus einer endlichen Anzahl wahrer Beobachtungsfehler, Zeitschrift für Mathematik und Physik, 20, 300-303, インターネットアーカイブ: zeitschriftfrma29runggoog/page/n287.
- ^ Pearson, K. (1900): On the Criterion that a Given System of Deviations from the Probable in the Case of a Correlated System of Variables is such that it Can Reasonably Be Supposed to have Arisen from Random Sampling, Philosophical Magazine 5, 50, 157-175, doi:10.1080/14786440009463897.