非心t分布

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非心t分布(ひしんティーぶんぷ noncentric t-distribution) とは、確率分布統計学におけるスチューデントのt分布を一般化したものである。

非心な統計母数、たとえば「X の上位10パーセント値」のようなものの信頼区間を標本データだけに基いて計算するのに有用である。

非心t分布になる場合と分布の特徴[編集]

もしも X正規分布するランダム変数で分散が1, 平均\mu であり、 Yカイ二乗分布するランダム変数で自由度\nu で、 X から統計的に独立である場合、


T=\frac{X}{\sqrt{Y/\nu}}

は非心t分布するランダム変数で、その自由度は \nu、非心母数は \mu である。

非心t分布の確率密度関数[1]


f(t)
=\frac{\nu^{\nu/2}e^{-\nu\mu^2/2(t^2+\nu)}}
{\sqrt{\pi}\Gamma(\nu/2)2^{(\nu-1)/2}(t^2+\nu)^{(\nu+1)/2}}
\times\int\limits_0^\infty
x^\nu\exp\left[-\frac{1}{2}\left(x-\frac{\mu t}{\sqrt{t^2+\nu}}\right)^2\right]dx

ここで \nu>0 である。 この確率密度関数の定義域は実数である。

非心t分布の平均および分散は [2]


\mbox{E}\left[T\right]=
\begin{cases}
\mu\sqrt{\frac{\nu}{2}}\frac{\Gamma((\nu-1)/2)}{\Gamma(\nu/2)}
&\nu>1\\
\mbox{Does not exist}
&\nu\le1\\
\end{cases}

and


\mbox{Var}\left[T\right]=
\begin{cases}
\frac{\nu(1+\mu^2)}{\nu-2}
-\frac{\mu^2\nu}{2}
\left(\frac{\Gamma((\nu-1)/2)}{\Gamma(\nu/2)}\right)^2
&\nu>2\\
\mbox{Does not exist}
&\nu\le2\\
\end{cases}.

特別の場合[編集]

もしも  \mu=0 の場合、非心t分布は t分布になる。

関連する分布[編集]

  • もしも  T が非心t分布する場合、 Z=T^2 とおくと Z 非心F分布する。
  •  T が非心t分布する場合、 Z=\lim_{\nu\to\infty}T とおくと、 Z 正規分布する。

内部リンク[編集]


脚注[編集]

  1. ^ L. Scharf, Statistical Signal Processing, (Massachusetts: Addison-Wesley, 1991), p.177.
  2. ^ http://www.mathworks.com/access/helpdesk_r13/help/toolbox/stats/nctstat.html

外部リンク[編集]

翻訳元[編集]

本記事は英語版ウィキペディア記事

  • Noncentral chi-square_distribution. [1] Wikipedia: Free Encyclopedia (English language), 14:14, 21 July 2007

からの抄訳に基づいて作成された。