ウド

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ウド
シーボルト『日本植物誌』に掲載のウド
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: セリ目 Apiales
: ウコギ科 Araliaceae
: タラノキ属 Aralia
: ウド A. cordata
学名
Aralia cordata
Thunb. (1784)
和名
ウド
山菜として食べごろのウド(若芽)
成長したウド
ウドの花穂
ウド(茎、生)[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 75 kJ (18 kcal)
4.3 g
食物繊維 1.4 g
0.1 g
飽和脂肪酸 0 g
一価不飽和 0 g
多価不飽和 0 g
0.8 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
(0) µg
(0%)
0 µg
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(1%)
0.01 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.5 mg
パントテン酸 (B5)
(2%)
0.12 mg
ビタミンB6
(3%)
0.04 mg
葉酸 (B9)
(5%)
19 µg
ビタミンB12
(0%)
(0) µg
ビタミンC
(5%)
4 mg
ビタミンD
(0%)
(0) µg
ビタミンE
(1%)
0.2 mg
ビタミンK
(2%)
2 µg
ミネラル
ナトリウム
(0%)
0 mg
カリウム
(5%)
220 mg
カルシウム
(1%)
7 mg
マグネシウム
(3%)
9 mg
リン
(4%)
25 mg
鉄分
(2%)
0.2 mg
亜鉛
(1%)
0.1 mg
(3%)
0.05 mg
他の成分
水分 94.4 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

ウド(独活、Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属の多年草。香りが強く、山菜として好まれる。

特徴

に小さなをたくさん付け、直径3mmほどの色の液果となる。一果中に3-5個のゴマ状の種子をもつ。高さは約2-3mに成長し、「ウドの大木」という慣用句もあるが、ではない。初夏ゴールデンウィーク頃)に芽吹いた小さな頃には山菜として利用できるが、大きくなると食用にも木材にも適さないことから例えとされたと言われている。だが、実際の所は夏ごろまで「若葉」や「つぼみ」も山菜として採取できる。

利用

食用

若葉、つぼみ、およびの部分を食用とする。つぼみや茎は採取期間が短いが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができる。林の際など当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生するが、スーパーなどで見られる白いものは軟白栽培(日の当たらない地下で株に土を盛り暗闇の中で栽培する方法)によるものでモヤシのように茎を白く伸ばして出荷する[2]

料理の分野では前者を山ウド、後者を白ウドと呼び区別することが多い。後者は立川市を中心とした東京都多摩地域特産品である。

山ウドはやや灰汁が強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬた、茹でたものを酢味噌和え、味噌汁の実とする。 白ウドは前記の他、水で灰汁抜きをして煮浸しサラダとしても食べられる。また、皮も柔らかく、短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白ウドは捨てるところがほとんどない。

一ヶ所から数本のウドの大木が生えている場合は、1本は切り倒してよい。茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味である。ここまで大きくなると生のままでもほとんどアクがなく、雑味もない。また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできる。

ただ、食物アレルギーがあるので、食べる際注意が必要。

薬用

根は独活どくかつどっかつ)と呼ばれ、薬用にもなる。また、アイヌ民族はウドを「チマ・キナ」(かさぶたの草)と呼び、根をすり潰したものを打ち身の湿布薬に用いていた。ちなみにアイヌにとってウドはあくまでも薬草であり、茎や葉が食用になることは知られていなかった。

ウドの名前をもつ他の植物

慣用句

  • ウドの大木:前述の通り、ウドは2-3メートルの大きさに育つが、育った頃には食用にも木材にも適さないということから、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、役に立たないもの」のたとえ。ただし、前述したようにウドは樹木ではなく、草本の一種である。

脚注

  1. ^ 五訂増補日本食品標準成分表
  2. ^ 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p56 昭和33年12月25日発行

関連項目

外部リンク