イギリス王妃・王配一覧

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イギリスの旗 グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
王妃/王配
Queen/Prince consort of the United Kingdom
イギリスの国章
(右・スコットランドにおける国章)
在位中の王妃/王配
カミラ
2022年9月8日より
詳細
敬称 陛下(Her Majesty)
法定推定相続人 ウェールズ公妃キャサリン
初代 ジョージ・オブ・デンマーク
(アイルランドとの連合王国:シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ
成立 1707年5月1日
宮殿 バッキンガム宮殿
ウィンザー城 など
一覧参照)
ウェブサイト http://www.royal.gov.uk/
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チャールズ3世と現在の王妃カミラ
エリザベス2世女王の夫であるフィリップ王配は世界史上で最も長く務めた君主の配偶者であった[1]

イギリス王妃・王配一覧(イギリスおうひ・おうはいいちらん)では、歴代のイギリス君主(国王/女王)の配偶者(王妃/王配:Queen/Prince consort)を列記する。イギリス君主の配偶者とその前任者には憲法上の地位や権力はないが、多くが大きな影響力を持っている[2][3][4]

フィリップ王配は、これまでで最も長く務め、最も長寿の配偶者であり、70年近く務めて99歳で薨去した。彼の義母であるエリザベス王太后は101歳で崩御し、他のどの王妃よりも長寿であったが、自身より50年前に夫のジョージ6世国王が崩御したため、彼女の死の時点では王妃の地位を保持していなかった[5]

フィリップ王配の薨去英語版以降、2022年9月8日エリザベス2世が崩御するまでイギリス王妃・王配は空位となっていた。女王の長男であるチャールズ3世が国王に即位したことにより、カミラがイギリス王妃になった[6]

歴史

1707年のイギリスとスコットランドの合同以来、在位にあったイギリスの君主の配偶者は11人になる。1727年から1814年までの王妃は、夫全員がハノーファー選帝侯の称号を所持していたため、ハノーファー選帝侯でもあった。 1814年から1837年の間、夫はハノーファー国王であったため、王妃はハノーファー王妃としての称号を保持していた。 英国との個人的な連合は、ヴィクトリア女王の加入により1837年に終了した。これは、ハノーファーの継承法(サリカ法)により、生き残った男性の相続人がいる場合に女性が称号を継承することが禁止されたため(英国では、男性が優先された) 男性の長子相続を削除した2013年王位継承法までは、姉妹のみ)。1866年の普墺戦争で、ハノーファーはプロイセンに併合され、ハノーファー県になった。

例外

君主(男性国王)の全ての妻が配偶者(consort)になったわけではない。彼女らは死去したか、離婚したか、夫が王位に就く前に結婚が無効であると宣言されたか、退位後に結婚したなどの例である。そのような場合は以下の通り。

例外として、キャロライン・オブ・ブランズウィックは夫のジョージ4世が即位する前に別居し、法によって王妃になったが法廷での地位を持たず、ジョージ4世の戴冠式への出席と自身の戴冠は強制的に禁止された。

ジョージ1世とエドワード8世だけが、在位中に未婚であった。

男性配偶者

アルバート・オブ・サクス=コバーグ=ゴータ公子は、「プリンス・コンソート (prince consort)」の称号が与えられた唯一の男性配偶者である。

全ての女性配偶者(キングの妻)は、「王妃」すなわち「クイーン・コンソート(queen consort)」になる権利を有しそのスタイルをとった。 しかし、1707年以来存在していた3人の英国の男性配偶者(クイーンの夫)のうち、「キング・コンソート(king consort)」と見なされた人物はいなかった。

カミラ・シャンドの称号

ウェールズ公が王位に就くと、立法が否決されない限り、当該人物の妃が自動的に王妃に関連する称号を引き継ぐ。 しかし、コーンウォール公爵夫人カミラは、ウェールズ公チャールズ(のちのチャールズ3世)との再婚以来、「クイーン・コンソート (queen consort)」ではなく「プリンセス・コンソート (princess consort)」として称号されるべきであると述べていた[7]。2018年の夏までにバッキンガム宮殿とクラレンスハウスの両ウェブサイトで「プリンセス・コンソート」への言及は全て削除された[8]。2020年、クラレンス・ハウスは、カミラが「プリンセス・コンソート」のスタイルを採用する計画は変更されていないことを確認した[9]

2022年2月の女王エリザベス2世の在位70周年を祝うプラチナ・ジュビリー英語版の前夜、女王は将来カミラが「王妃(クイーン・コンソート)」として知られることを「心からの願い」として表明した[10]

2022年9月8日、エリザベス2世が崩御し、夫のチャールズがチャールズ3世として国王に即位したのに伴い、カミラ「Queen Consort(王妃)」と称されることになった。

王妃・王配一覧

肖像 紋章 誕生 婚姻 在位開始 戴冠 在位終了 崩御・薨去 墓地 在位期間 配偶者
ジョージ・オブ・デンマーク 1653年4月2日
デンマーク=ノルウェー国王フレデリク3世ゾフィー・アマーリエ・フォン・ブラウンシュヴァイク=カレンベルクの子息
1683年7月28日 1707年5月1日

グレートブリテン王国の成立
なし 1708年10月28日

55年, 209日
ウェストミンスター寺院 1年, 180日 アン
キャロライン・オブ・アーンズバック 1683年3月1日
ブランデンブルク=アンスバッハ辺境伯ヨハン・フリードリヒエレオノーレ・フォン・ザクセン=アイゼナハの息女
1705年8月22日 1727年6月11日

配偶者の即位
1727年10月11日 1737年11月20日

54年, 172日
ウェストミンスター寺院 10年, 162日 ジョージ2世
シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ 1744年5月19日
カール・ツー・メクレンブルク=シュトレーリッツザクセン=ヒルトブルクハウゼン公女エリーザベト・アルベルティーネの息女
1761年9月8日 1761年9月8日

君主との結婚
1761年9月22日 1818年11月17日

74年, 126日
ウィンザー城聖ジョージ礼拝堂 57年, 70日 ジョージ3世
キャロライン・オブ・ブランズウィック=ウォルフェンビュッテル 1768年5月17日
ブラウンシュヴァイク=ヴォルフェンビュッテル公カール・ヴィルヘルム・フェルディナントグレートブリテン王女オーガスタの息女
1795年4月8日 1820年1月29日

配偶者の即位
なし 1821年8月7日

53年, 72日
ブランズウィック大聖堂 1年, 190日 ジョージ4世
アデレード・オブ・サクス=マイニンゲン 1792年8月13日
ザクセン・マイニンゲン公ゲオルク1世ホーエンローエ=ランゲンブルク侯女ルイーゼ・エレオノーレの息女
1818年7月13日 1830年6月26日

配偶者の即位
1831年9月8日 1837年6月20日

配偶者の崩御
1849年12月2日

56年, 311日
ウィンザー城聖ジョージ礼拝堂 6年, 359日 ウィリアム4世
アルバート・オブ・サクス=コバーグ=ゴータ 1819年8月26日
ザクセン=コーブルク=ゴータ公エルンスト1世ルイーゼ・フォン・ザクセン=ゴータ=アルテンブルクの子息
1840年2月10日 1840年2月10日

君主との結婚
なし 1861年12月14日

42年, 110日
ウィンザー城聖ジョージ礼拝堂 (当時:フロッグモア霊廟 21年, 307日 ヴィクトリア
アレクサンドラ・オブ・デンマーク 1844年12月1日
デンマーク王クリスチャン9世ヘッセン=カッセル方伯女ルイーゼの息女
1863年3月10日 1901年1月22日

配偶者の即位
1902年8月9日 1910年5月6日

配偶者の崩御
1925年11月20日

80年, 354日
ウィンザー城聖ジョージ礼拝堂 9年, 104日 エドワード7世
メアリー・オブ・テック 1867年5月26日
テック公フランツメアリー・アデレード・オブ・ケンブリッジ王女の息女
1893年7月6日 1910年5月6日

配偶者の即位
1911年6月22日 1936年1月20日

配偶者の崩御
1953年3月24日

85年, 302日
25年, 259日 ジョージ5世
エリザベス・ボーズ=ライアン 1900年8月4日
第14代ストラスモア=キングホーン伯爵クロード・ボーズ=ライアンセシリア・キャベンディッシュ=ベンティンクの息女
1923年4月26日 1936年12月11日

配偶者の即位
1937年5月12日 1952年2月6日

配偶者の崩御
2002年3月30日

101年, 238日
15年, 57日 ジョージ6世
フィリップ・マウントバッテン 1921年6月10日
ギリシャおよびデンマーク王子アンドレアスバッテンベルク侯女アリスの子息
1947年11月20日 1952年2月6日

配偶者の即位
なし 2021年4月9日

99年, 303日
69年, 62日 エリザベス2世
カミラ・シャンド 1947年7月17日
ブルース・シャンドアシュコーム男爵令嬢ロザリンド・キュービットの息女
2005年4月9日 2022年9月8日

配偶者の即位
未実施 在位中

年齢: 76年 + 309日
存命中 1年 + 256日 チャールズ3世

脚注

  1. ^ “Royal Family to pay tribute to His Royal Highness Prince Philip Duke of Edinburgh in new BBC One film”. BBC. (2021年9月8日). オリジナルの2021年9月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210909113619/https://www.bbc.co.uk/mediacentre/2021/prince-philip-the-family-remembers 2021年9月12日閲覧。 
  2. ^ Tudor and Stuart consorts : power, influence, and dynasty. Aidan Norrie. Cham, Switzerland. (2022). ISBN 978-3-030-95197-9. OCLC 1336986822 
  3. ^ Bogdanor, Vernon (1995). The monarchy and the constitution. Oxford: Clarendon Press. ISBN 978-0-19-152089-1. OCLC 344061919 
  4. ^ Queens & power in medieval and early modern England. Carole Levin, R. O. Bucholz. Lincoln: University of Nebraska Press. (2009). ISBN 978-0-8032-2278-6. OCLC 316765760 
  5. ^ Campbell, Colin, Lady (2012). The queen mother : the untold story of Elizabeth Bowes Lyon, who became Queen Elizabeth the queen mother (First ed.). New York. ISBN 978-1-250-01896-0. OCLC 861786771 
  6. ^ Holden, Michael (2022年9月8日). “From 'Rottweiler' to Queen Consort, Camilla's rise from shadow of Diana” (英語). Reuters. https://www.reuters.com/world/uk/rottweiler-queen-consort-camillas-rise-shadow-diana-2022-09-08/ 2022年9月9日閲覧。 
  7. ^ Clarence House press release”. Clarence House (2005年2月10日). 2014年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月6日閲覧。
  8. ^ Furness, Hannah (2018年3月10日). “Could Camilla become Queen after all? Clarence House quietly removes statement about Duchess of Cornwall's future role”. The Telegraph. https://www.telegraph.co.uk/news/2018/03/10/could-camilla-become-queen-clarence-house-quietly-removes-statement/ 2018年4月6日閲覧。 
  9. ^ Sewell, Katie; Bacquart, Charlotte (2021年4月8日). “Why Camilla will not be queen when Prince Charles becomes king”. The Cornishman. https://www.cornwalllive.com/news/uk-world-news/camilla-not-queen-prince-charles-5275537 2021年4月14日閲覧。 
  10. ^ “Queen Elizabeth supports a 'Queen Camilla' — shaping the future of the UK monarchy”. NPR. (2022年2月5日). https://www.npr.org/2022/02/05/1078550030/uk-queen-elizabeth-camilla 2022年2月5日閲覧。 

外部リンク

関連項目