SEX発電

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SEX発電
Conviene far bene l'amore
監督 パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
脚本 パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
オッタヴィオ・ジェンマ
製作 シルヴィオ・クレメンテッリ
出演者 ジジ・プロイエッティ
アゴスティーナ・ベリ
クリスチャン・デ・シーカ
エレオノーラ・ジョルジ
音楽 フレッド・ボングスト
撮影 フランコ・ディ・ジャコモ
編集 セルジオ・モンタナーリ
配給 イタリアの旗 ティタヌス
日本の旗 ヘラルド映画
公開 イタリアの旗 1976年
日本の旗 1982年7月
上映時間 106分
製作国 イタリアの旗 イタリア
言語 イタリア語
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SEX発電』(セックスはつでん、イタリア語: Conviene far bene l'amore)は、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督による1975年製作のイタリア映画である。ルキノ・ヴィスコンティ監督の『若者のすべて』(1960年)や『山猫』(1963年)の脚本を手がけた同監督による、2037年の未来世界を舞台にした、「イタリア式コメディ」の流れを汲む艶笑コメディである。

概要[編集]

1957年、初めて出版された自伝的小説『祖母サベッラLa nonna Sabellaディーノ・リージ監督によって映画化され、1950年代後半から1960年代にかけて、リージ、マウロ・ボロニーニルイジ・ザンパ、ルキノ・ヴィスコンティといった監督のシナリオを脚本家マッシモ・フランチオーザと組んで量産し、『つかの間の恋心』(共同監督マッシモ・フランチオーザ)で監督としてデビューしたパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレが、ふたたび書き始めた自らの小説の映画化作品である。

プロデュースをしたシルヴィオ・クレメンテッリはカンパニーレの処女小説『祖母サベッラ』を発見し、リージに演出させて映画化したプロデューサーであり、当時在籍したティタヌス社でリージ作品を多く手がけ、その際にはカンパニーレを脚本家に起用した。1966年に独立して設立した映画製作会社「クレシ・チネマトグラフィカ」での第一回作品はカンパニーレ監督、カトリーヌ・スパーク主演のコメディ映画『結婚戦争』(1966年、日本未公開)であった。以降、カンパニーレはクレシ社の主力作家となり、スパーク主演『女性上位時代』(1968年)、ラウラ・アントネッリ主演『クロツグミの男』(1971年、日本未公開)とヒットを放ったが、本作は同社でのカンパニーレの最後の作品となった。

共同脚本に参加したオッタヴィオ・イェンマは、ルチオ・フルチ監督のデビュー作『盗賊たち』(1959年)で脚本家デビュー、カンパニーレとの共同作業は、『女性上位時代』(1969年)以来たった6年で立て続けに6作目になる。

撮影監督フランコ・ディ・ジャコモは、ロベルト・ロッセリーニ監督の『ヴァニーナ・ヴァニーニ』(1960年)でルチアーノ・トラザッティピエル・パオロ・パゾリーニ監督の『大きな鳥と小さな鳥』(1966年)ではトニーノ・デリ・コリといった撮影監督の助手をつとめ、その後、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺のオペラ』(1969年)やダミアーノ・ダミアーニ監督の『シシリアの恋人』(1970年)を撮影監督として手がけたのちに、本作に臨んだ。美術・衣裳は、カンパニーレ監督の『クロツグミの男』やディーノ・リージ監督の『俺はフォトジェニック』のエツィオ・アルティエリである。

本作の音楽のスコアを書いた作曲のフレッド・ボングストは、もともとはイタリアを代表するカンツォーネ歌手であるが、1960年代以降、カンパニーレ作品を中心に、アルベルト・ラトゥアーダ、ディーノ・リージといった監督の作品のために、多くの映画音楽を手がけている。

原題 Conviene far bene l'amore は「愛に励むことには価値がある」といった意味で、英語タイトルは Love and Energy (配給シーモア・ボード・アンド・アソシエイツ社)だが、日本での公開時には『SEX発電』、VHSビデオ発売時には『セックス発電/男女1000人絶頂物語』という邦題が、配給会社(ヘラルド映画、1982年)やビデオメーカー(徳間ジャパン)によって命名された。原題と同名の原作が1975年に英語ほかに翻訳・刊行され、日本では『月刊プレイボーイ』での連載後、『オルゴン・ボックス SFセックス・エネルギー計画』(千種堅訳、集英社刊、1978年、現在絶版)として刊行されている。VHS発売時にはオリジナルに近い106分、映画公開時には後半25分をオミットした81分版で公開されている[1]。日本ではDVDは未発売、イタリアでは Conviene fare bene l'amore の題でDVD発売されている。

1982年の日本公開時、地方では『ブレードランナー』と二本立てで上映された[2]。同年7月31日公開のウィリアム・ラスティグ監督の『マニアック』と2本立ての説もあり[1]

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

あらすじ[編集]

前世紀後半、1970年代に始まったエネルギー不足や環境汚染がさらに深刻化した2037年、高度に発展した科学力を維持するために、科学者たちは必死で新しいエネルギー源を求めて研究をつづけていた。そこで開発されたのが、クリーンで地球にやさしく、かつ効率的で、明らかにたのしくもあるという、きわめて平和なエネルギーである。それは女性のエクスタシーからエネルギーを採取し、電気エネルギーに変換するというもの。より多くの善男善女の協力が必要なのだった。

コッポラ教授(ジジ・プロイエッティ)は、ローマで一番の性豪ダニエレ(クリスチャン・デ・シーカ)と、ローマで一番の子持ちのフランチェスカ(アゴスティーナ・ベリ)を拉致し、協力を得て、性エネルギーの電気エネルギー変換に成功する。イタリアの政府首脳、識者が集まり、会議をするが、法王が難色を示す。コッポラ教授は言う。「姦淫を合法化しても、大罪はまだ6つ残ってます!」。かくして新エネルギーの実用化に成功し、イタリアはほんらいの繁栄を取り戻し、コッポラ教授はノーベル賞を受賞する。発電目的の姦淫は合法化され、むしろ愛のあるセックスは違法化される。あれほどセックスを好んだイタリア人たちは、産業化されたセックスへの関心を失い、恋人たちは、非合法の愛に走らざるを得なくなるのだった。

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  1. ^ a b SEX発電、「.aron のA Fine Madness」2006年3月4日付、2011年6月25日閲覧。
  2. ^ 徳間が発売したビデオ『セックス発電/男女1000人絶頂物語』のパッケージには「1978年劇場公開」と大書されているが、allcinema ONLINE「SEX発電」には「1982年7月」とある。また『ブレードランナー』の公開は「1982年7月3日」であり、ここでは「1982年」公開を採用した。同時上映については、ブログ「はじめましてブレランのに~ぜきです」(2007年7月1日 15時41分43秒)の証言を参照のこと。

参考文献[編集]

  • 『オルゴン・ボックス SFセックス・エネルギー計画』、パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ、千種堅訳、集英社刊、1978年(現在絶版)

関連事項[編集]

外部リンク[編集]