BITTER AND SWEET (中森明菜のアルバム)

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BITTER AND SWEET
中森明菜スタジオ・アルバム
リリース
録音 アオイスタジオ、チェリーアイランドスタジオ、一口坂スタジオ、Sound Inn Studio、Sedic Studio、Freedom Studio[1]
ジャンル ポップ・ミュージック
時間
レーベル ワーナー・パイオニア
プロデュース 島田雄三[1]
チャート最高順位
中森明菜 アルバム 年表
SILENT LOVE
(1984年)
BITTER AND SWEET
(1985年)
D404ME
(1985年)
『BITTER AND SWEET』収録のシングル
  1. 飾りじゃないのよ涙は
    リリース: 1984年11月14日
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BITTER AND SWEET』(ビター・アンド・スウィート)は、日本歌手中森明菜の7枚目のスタジオ・アルバム。このアルバムは1985年4月3日にワーナー・パイオニアよりリリースされた (LP: L-12593, CT: LKF-8093)。

背景

『BITTER AND SWEET』は、中森にとって8枚目のアルバムで、このアルバムの及びディスクジャケットにも"8TH ALBUM"と表記されている[4][1]スタジオ・アルバムとしては通算7枚目にあたる[5]。このアルバムは、1985年4月3日にLP (L-12593)とコンパクトカセット (LKF-8093)の2形態で同時発売後、同年4月25日にはCD (32XL-61)でも発売された[5][1]

本作は井上陽水EPO角松敏生神保彰ら作曲陣を迎え、各収録曲でミュージシャン・チームを変えてレコーディングが行われた[6]。このアルバムのプロデュースは、前スタジオ・アルバム『POSSIBILITY』に続き島田雄三が担当した[7][1]。アルバムのレコーディングは、アオイスタジオ、チェリーアイランドスタジオ、一口坂スタジオ、Sound Inn Studio、Sedic Studio、Freedom Studioで行われた[1]

本作収録曲は音楽番組でも披露され、1986年1月15日放送のフジテレビ系音楽番組『夜のヒットスタジオDELUXE』で、8曲目の「恋人のいる時間」をテレビ披露した。この他、「DREAMING」と「予感」がNHK総合テレビの音楽番組『ヤングスタジオ101』にて、「BABYLON」はTBS系だぅもありがと!』にて披露された。

本作収録の3曲目である「予感」が、1985年12月21日リリースのミニ・アルバム『MY BEST THANKS』にて再録(リマスタリング・リミックス)された[1][8]。1986年2月25日発売のオリジナル・カラオケ(9)にはフェイド・アウトが少し長いヴァージョンが収録されている。また同曲は、1995年12月に発売のベスト・アルバムtrue album akina 95 best』でも新録された[1][9]

LPでは、曲終りから次曲開始前までの間が無く、連続して次の曲が始まる仕様となっている[注 1]

本作リリース後の1985年7月6日からは、本作を引っ提げた中森の全国コンサート・ツアーBITTER & SWEET』が開催された[10][11][1]

シングル

飾りじゃないのよ涙は」が、本作からのリード・シングルとして1984年11月14日に発売された[12][1][13]。本作では、この楽曲はニュー・リミックス・ヴァージョンとして収められ、1曲目に配置された[4][1]。この楽曲は1985年のオリコン年間シングルチャートでトップテン入りを果たした[14]

1985年5月1日には、本作5曲目の「BABYLON」が、12インチシングル赤い鳥逃げた」のB面としてヴァージョンを変え収録された[1][15][16]

批評

『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』の馬飼野元宏は本作の作家陣について「従来と異なるのは、フュージョン系、サウンド重視のミュージシャンを多く起用している点。」と指摘している[5]。作品については、「強固なサウンドに負けない明菜の伸びやかなヴォーカルも聴き所。」と批評している[5]

チャート成績

本作は、オリコン週間LPチャートの1985年4月15日付で初登場し最高順位1位を記録後、翌週の1985年4月22日付も1位を記録し、通算で2週連続となる1位を獲得した[17][3]。同チャートには、計20週に渡ってランクインしている[3]。本作のカセット盤(規格品番: LKF-8093)もオリコン週間カセットチャートで最高順位1位を記録し、同チャートには計24週に渡ってランクインしている[3]。1985年のオリコン年間アルバムチャートでは9位を記録した。

収録曲

Side 1
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.飾りじゃないのよ涙は(ニュー・リミックス・ヴァージョン[1])井上陽水井上陽水萩田光雄
2.「ロマンティックな夜だわ」EPOEPO清水信之
3.「予感」飛鳥涼飛鳥涼椎名和夫
4.「月夜のヴィーナス」松井五郎松岡直也松岡直也
5.「BABYLON」SANDII久保田麻琴井上鑑
Side 2
#タイトル作詞作曲編曲時間
6.「UNSTEADY LOVE」角松敏生角松敏生角松敏生
7.「DREAMING」斉藤ノブ与詞古AKAGUY
8.「恋人のいる時間」SHOW神保彰井上鑑
9.「SO LONG」角松敏生角松敏生角松敏生、瀬尾一三(ストリングス・アレンジ)
10.「APRIL STARS」吉田美奈子吉田美奈子椎名和夫
合計時間:

クレジット

『BITTER AND SWEET』のライナー・ノーツより[1]

参加ミュージシャン
スタッフ

リリース履歴

発売日 レーベル 規格 品番 備考
1985年4月3日 ワーナー・パイオニア LP L-12593
CT LKF-8093
1985年4月25日 CD 32XL-61
1991年7月17日 WPCL-417 廉価盤、紙帯[18]
1996年4月25日 WPC6-8188 音泉1500シリーズ、Q盤[6]
2006年6月21日 WPCL-10283 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[4]
2006年7月5日 デジタル・ダウンロード N/A [2]
2012年8月22日 SACD/CDハイブリッド WPCL-11141 紙ジャケット仕様完全生産限定盤[19]
2014年1月29日 CD WPCL-11728 廉価盤、赤帯
2018年7月18日 LP WPJL-10090 高音質180g重量盤

セルフカバー

本作の1曲目として収録された「飾りじゃないのよ涙は」は、楽曲提供した井上陽水によってセルフカバーされている[5][20]。また、本作の3曲目として収録された「予感」も、楽曲提供した飛鳥涼(現ASKA)がセルフカバーしており、飛鳥が1988年8月にリリースしたソロ・アルバム『SCENE』にこのセルフカバーが収録されている[21][22][23][5]。更に、本作6曲目に収録の「UNSTEADY LOVE」も、楽曲提供した角松敏生によりセルフカバーされ、角松が2000年1月にリリースしたセルフカバー・アルバムThe gentle sex』に、この楽曲のセルフカバーが収録された[24][5]

参照

注釈

  1. ^ 同時期の安全地帯のアルバムでも同様の手法が採られていた。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n BITTER AND SWEET (LP) (Media notes). ワーナー・パイオニア. 3 April 1985. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  2. ^ a b 【BITTER AND SWEET 】中森明菜 : 試聴とダウンロード - listen.jp”. エムティーアイ. 2008年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年12月10日閲覧。
  3. ^ a b c d 『ALBUM CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1970 〜 2005』オリコン・マーケティング・プロモーション、2006年4月25日、455-457、882頁頁。ISBN 4871310779 
  4. ^ a b c BITTER AND SWEET | 中森明菜 | ワーナーミュージック・ジャパン - Warner Music Japan”. ワーナーミュージック・ジャパン. 2011年8月1日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 馬飼野元宏『Hotwax presents 歌謡曲 名曲名盤ガイド 1980's』シンコーミュージック・エンタテイメント、2006年7月20日、65頁。ISBN 440175106X 
  6. ^ a b 中森明菜 / ビター&スウィート [再発] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2011年8月1日閲覧。
  7. ^ POSSIBILITY (LP) (Media notes). ワーナー・パイオニア. 10 October 1984. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  8. ^ MY BEST THANKS (LP) (Media notes). ワーナー・パイオニア. 21 December 1985. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  9. ^ true album akina 95 best (3×12cmCD) (Media notes). MCAビクター. 6 December 1995. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  10. ^ (1985年) 中森明菜『BITTER & SWEET』のツアー・パンフレット. ケン企画 (MILKY HOUSE)
  11. ^ 『中森明菜写真集 VINGTANS -20 Years Old-』ケン企画、1985年12月24日。 
  12. ^ (EP) (single). ワーナー・パイオニア. 14 November 1984. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); |title=は必須です。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|name=は無視されます。 (説明); 不明な引数|pid=は無視されます。 (説明)
  13. ^ 中森明菜オフィシャルサイト » Single”. スローモーション」〜「飾りじゃないのよ涙は」. Nakamoriakina.com. 2012年3月11日閲覧。
  14. ^ クラブハウス『オリコン No.1 HITS 500 1968〜1985 (上) オリコンチャート1位ヒットソング集』クラブハウス、1998年11月1日、215、259頁頁。ISBN 4906496121 
  15. ^ (LP) (single). ワーナー・パイオニア. 1 May 1985. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); |title=は必須です。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|name=は無視されます。 (説明); 不明な引数|pid=は無視されます。 (説明)
  16. ^ 堤昌司 (10 June 2009). コンプリート・シングル・コレクションズ〜ファースト・テン・イヤーズ<ライノ・プレミアム・エディション> (4×12cmCD) (Media notes). ワーナーミュージック・ジャパン. p. 16. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  17. ^ AKINA (4×12cmCD) (Media notes). ワーナーミュージック・ジャパン. 10 November 1993. {{cite AV media notes2}}: |format=を指定する場合、|url=も指定してください。 (説明); 不明な引数|artist=は無視されます。(もしかして:|others=) (説明); 不明な引数|publisherid=は無視されます。 (説明)
  18. ^ 中森明菜-リリース-ORICON STYLE ミュージック”. オリコン. 2012年3月11日閲覧。
  19. ^ 中森明菜 / BITTER AND SWEET AKINA NAKAMORI 8TH ALBUM [SA-CDハイブリッドCD] [紙ジャケット仕様] [限定] [CD] [アルバム] - CDJournal.com”. 音楽出版社. 2012年7月25日閲覧。
  20. ^ 井上陽水 / 9.5カラット [SHM-CD] - CDJournal”. 音楽出版社. 2013年5月6日閲覧。
  21. ^ History 1988 « CHAGE and ASKA Official Web Site”. ROCKDOM ARTISTS. 2013年5月6日閲覧。
  22. ^ 予感 « CHAGE and ASKA Official Web Site”. ROCKDOM ARTISTS. 2013年5月6日閲覧。
  23. ^ ASKA / SCENE [再発] - CDJournal”. 音楽出版社. 2013年5月6日閲覧。
  24. ^ 角松敏生 / The gentle sex - CDJournal”. 音楽出版社. 2013年5月6日閲覧。

外部リンク