AMARANTHUS

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AMARANTHUS
ももいろクローバーZスタジオ・アルバム
リリース
時間
レーベル EVIL LINE RECORDS
チャート最高順位
ももいろクローバーZ アルバム 年表
5TH DIMENSION
(2013年)

【インディーズベスト】
入口のない出口
(2013年)
AMARANTHUS
&
白金の夜明け
(2016年)
-
『AMARANTHUS』収録のシングル
  1. 泣いてもいいんだよ
    リリース: 2014年5月8日
  2. 青春賦
    リリース: 2015年3月11日
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専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
ミュージックマガジン』(原田和典)10/10stars
(同氏の平均評点は7.05)[3]
Billboard JAPAN(杉岡祐樹)肯定的[4]

AMARANTHUS』(アマランサス)は 2016年2月17日に発売の、ももいろクローバーZの3rdアルバム

音楽業界では珍しい、オリジナルフルアルバムの2作同時リリースという試みが行われ〝生と死とファンタジー〟をテーマに計20曲もの新曲が含まれる[5]。本作はその1枚目にあたる。

両アルバムはオリコンランキングで1位と2位を独占。自身2度目の達成であり、女性アーティストとしては初の快挙となった[1][6]

両アルバムの世界観

  • 3rdアルバム『AMARANTHUS』(本作)
起きて見る夢がテーマで、人の一生を扱う。生演奏の比重が高く、リアルな人生を表現。
寝て見る夢がテーマで、ファンタジーを扱う。打ち込みの比重が高く、妄想世界を表現。

各アルバムの収録曲は曲順ごとに通じ合う部分があり、2枚は双子のような関係であるとして『ミュージックマガジン』(2016年3月号)では特集が組まれた。

メンバーは制作初期の段階で“死生観”や“恋愛観”などについて話し合い、それが歌詞にも反映された。「今まで以上に歌詞に共感していただける部分が多いアルバム」だとしており[7]、言葉の一部が両アルバムにまたがる形でリンクする仕掛けになっている。

「なんで2枚組じゃなくて、こういう形でリリースしたのかも、聴いていただければ、納得していただけると思います」とメンバーは述べ[8]、「それぞれの[楽曲を提供した]作家さんの個性があるので、そこは壊さないようにしつつ、ももクロらしさをどう出すかは、メンバーみんなが考えていた」としている[9]

本アルバムの概要

『AMARANTHUS』は、人が生まれてから死ぬまでを表現した、一連の楽曲の並びが特徴である。リーダーの百田夏菜子は「ももクロらしく、暗くならずに伝える」と述べている[10]

アマランサスのおこし

タイトルの“アマランサス”とは穀物の一種で、メキシコの祝祭「死者の日」に、ガイコツの形をした菓子を作る際に使われる。

収録曲の作家陣は、清竜人SEX MACHINEGUNSANCHANGやくしまるえつこといった前衛的なミュージシャンから、さだまさし中島みゆき等のベテラン勢まで幅広い。また、「行くぜっ!怪盗少女」などグループ初期の楽曲を数多く提供した前山田健一は、本作で3年ぶりの復帰となる。

アルバム発売前には、ももいろクローバーZと縁のある著名人達が本作の収録曲を試聴している様子を視聴することが出来る「試聴×視聴ビデオ」が公開された。

収録曲

  1. embryo -prologue-(エンブリオ プロローグ)
    • 作曲・編曲:tatsuo
    • embryoとはという意味で、出産まで母体に入っている赤ん坊のこと。アルバムのprologue(序章)として位置づけられた曲である。
  2. WE ARE BORN(ウィー アー ボーン)
  3. モノクロデッサン
    • 曲頭の「3、4、5、6」は各メンバーの生まれた年の下一桁を表しており(1993~1996年)、該当するメンバーがそれぞれの数字を読み上げている。
  4. ゴリラパンチ
    • 作詞:ANCHANG / 作曲・編曲:AKIRASTAR
    • 有安杏果をフィーチャーした楽曲である。歌詞に登場するゴリラパンダは強さ(怒り)と優しさの喩えであり、プロデュースに関わった川上アキラは「仮歌を聴いてすぐに有安の画が浮かびました」としている[11]
  5. 武陵桃源なかよし物語(ぶりょうとうげん なかよしものがたり)
    • 作詞・作曲:前山田健一 / 編曲:橋本由香利
    • 武陵桃源とは桃源郷の同意語で、理想の世界を意味する。
    • 「ケンカと仲直り」をテーマにした楽曲で、ももクロに関して同様の出来事を経験した前山田健一が手がけた(詳細は桃神祭2015を参照)。
  6. 勝手に君に(かってにきみに)
    • 作詞:ももいろクローバーZ・NAGAE / 作曲・編曲:大隅知宇
    • 2015年に、ヤンキースタジアムでの田中将大登場曲として制作したもの。本アルバムで初音源化された。作詞は、ももいろクローバーZと共に、「青春賦」も手がけた桑原永江(NAGAE名義)が担当。
  7. 青春賦
    • 作詞:桑原永江 / 作曲:しほり / 編曲:冨田恵一
    • 14thシングル
    • メンバーの佐々木彩夏は、シングル曲をアルバムの一連の流れで聴くとイメージが変わると述べている。「例えば“青春賦”は映画の主題歌っていう印象がものすごく強いと思うんですけど、“AMARANTHUS”の流れの中で聴くと、人生で必ず通る青春の1ページを描いた曲という印象が強くなっていて。……シングル曲がアルバムの中で新しく生まれ変わっているところにも注目してほしいです」とコメントしている[12]
  8. サボテンとリボン
  9. デモンストレーション
    • 作詞・作曲・編曲:清竜人
    • もう1枚の『白金の夜明け』でも清竜人の提供曲が9曲目となっており、両アルバムを繋ぐ役割となっている。
  10. 仏桑花(ぶっそうげ)
  11. 泣いてもいいんだよ
  12. Guns N'Diamond(ガンズ アンド ダイアモンド)
    • 作詞・作曲・編曲:zopp・小林史知・岡村夏彦(3人でのコライト)
    • 曲終盤で、死を迎える様が描かれる。
  13. バイバイでさようなら
    • 作詞:只野菜摘 / 作曲・編曲:エンドウ.
    • 天国への階段を登る様が描かれ、仏具・錫杖の音や男性コーラスによる「死神パート」が取り入れられている。
  14. HAPPY Re:BIRTHDAY(ハッピー リバースデイ)
    • 作詞・作曲:ティカ・α / 編曲:やくしまるえつこ・山口元輝
    • 死後の世界が描かれる。曲の最後では「走馬灯」のように人生を振り返るセリフパートがあり、生まれ変わり(rebirth)に向かう段階を表していると、作者のやくしまるえつこ(ティカ・α)は述べている[14]

Blu-ray(初回盤のみ)

  1. WE ARE BORN(ミュージックビデオ
  2. モノクロデッサン(ドキュメンタリー ミュージックビデオ)
  3. Documentary of "AMARANTHUS"

参加ミュージシャン

[ ]は演奏時間

embryo -prologue- [1:30]

WE ARE BORN [4:20]

モノクロデッサン [5:53]

ゴリラパンチ [4:36]

  • Bass & Guitar & Programming:AKIRASTAR
  • Guitar Solo:ANCHANG
  • Drums:山縣亮

武陵桃源なかよし物語 [4:29]

勝手に君に [4:45]

青春賦 [5:17]

サボテンとリボン [4:44]

デモンストレーション [4:44]

仏桑花 [4:38]

泣いてもいいんだよ [5:06]

Guns N'Diamond [4:05]

  • Guitar & Other Instruments & Programming:岡村夏彦
  • Bass:須藤優
  • Drums:Ryo Yamagata
  • Piano:宇都圭輝
  • Violin Top:銘苅麻野
  • Violin:雨宮麻未子
  • Viola:角谷奈緒子
  • Violoncello:渡邊雅弦
  • Trumpet:二井田ひとみ、川崎太一朗
  • Trombone:半田信英、小池隼人
  • Horn:堀風翔、小谷晋一

バイバイでさようなら [4:43]

HAPPY Re:BIRTHDAY [4:15]

  • Produced & Sound collage:やくしまるえつこ
  • Bass:吉田匡
  • Drums:山口元輝
  • Piano & Organ & Keyboard:エマーソン北村
  • Flute & Piccolo:宮地夏海
  • Strings Arrange:近藤研二
  • Strings:桑野聖ストリングス
  • Violin:桑野聖、岩戸有紀子、三浦道子、小宮直、大林典代、西森記子、高田智恵、久永泉、三木希生子、井戸柄里
  • Viola:渡辺一雄、石井泉、上田敏子
  • Cello:結城貴弘、増本麻理、多井智紀

出典

  1. ^ a b 【オリコン】ももクロ同発アルバム1・2位独占 史上初の快挙も達成「なんとっ!!」”. オリコン. 2016年2月23日閲覧。
  2. ^ 2016年02月18日のCDアルバムデイリーランキング(2016年02月18日付)”. オリコン. 2016年2月20日閲覧。
  3. ^ 『ミュージックマガジン』2016年3月号 pp.161-162
  4. ^ ももいろクローバーZ「AMARANTHUS」”. Billboard JAPAN (2016年). 2016年2月23日閲覧。
  5. ^ プロローグ2曲と、ヤンキースタジアム限定で田中将大の登場曲として流れていた「勝手に君に」をカウントした場合は23曲
  6. ^ 両作ともオリジナルのアルバムでの達成は、男性アーティストも含めて初である。
  7. ^ 『7ぴあ』2月号での高城れにの発言
  8. ^ 『ミューズクリップ』2月25日号での玉井詩織の発言
  9. ^ 『7ぴあ』2月号での有安杏果の発言
  10. ^ 2016年1月11日に北海道・サッポロファクトリー内アトリウムで開催された、ももいろクローバーZのトークショーにて
  11. ^ 『日経エンタテインメント』2016年4月号
  12. ^ メンバーインタビュー”. ナタリー. 2016年2月17日閲覧。
  13. ^ 西日本新聞インタビュー(2016年2月7日)
  14. ^ 『SWITCH』VOL.34 NO.3

外部リンク