1987年の日本競馬
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< 1987年 | 1987年のスポーツ
馬齢は旧表記で統一する。
概要
サクラスターオーの二冠とマックスビューティの牝馬二冠
この年の牡馬クラシック戦線は異常でもあった。 スプリングステークスで猛烈な追い込みを決めたマティリアルが春のクラシックの本命に推され、皐月賞・東京優駿共に1番人気に支持された。 皐月賞を制したのは弥生賞勝ち馬サクラスターオーで、そのサクラスターオー不在となったダービーは前年の朝日杯3歳ステークス勝ち馬メリーナイスであった。 メリーナイスは秋初戦のセントライト記念も勝ち、菊花賞では1番人気に支持されたが惨敗。 勝利を収めたのは皐月賞以来のレースとなったサクラスターオーであった。
一方、牝馬の4歳クラシック路線はマックスビューティが本命で、桜花賞は8馬身差の圧勝、優駿牝馬でも他馬を寄せ付けず完勝し、メジロラモーヌに続いて2年連続の牝馬三冠も期待されたが、エリザベス女王杯でタレンティドガールに敗れた。
年末の第32回有馬記念ではサクラスターオーが1番人気、メリーナイスが3番人気、マックスビューティが4番人気に支持されたが、サクラスターオー、メリーナイスの2頭はいずれも競走を中止。マックスビューティも惨敗し、波乱を招いた。
できごと
1月 - 3月
- 2月13日:名古屋競馬第3競走(11頭立て)で最低11番人気が勝ち、単勝は10万5540円の大波乱。的中は1票のみ。
- 2月23日:川崎競馬所属騎手の佐々木竹見が同競馬第3競走で前人未踏の通算6000勝を達成。
4月 - 6月
- 4月:GI7勝のシンボリルドルフと牝馬三冠馬メジロラモーヌがJRA顕彰馬に選出された。
- 4月26日:東京競馬場の障害未勝利戦でグリーンイールに騎乗の騎手斎藤仁作が落馬。脳挫傷、肋骨骨折、右肺血胸のため、その日のうちに死去。
- 4月29日:天皇賞・春で2位に入線したニシノライデンが最後の直線走路で外に斜行し、3位に入線したアサヒエンペラーの進路を妨害したとして失格となる。GI級の競走で2位以内に入線した馬が審議の結果失格処分になったのは初めてで、後に降着制度が創設されるひとつの契機となる。
7月 - 9月
10月 - 12月
- 10月11日
- 11月8日:菊花賞で、勝利を収めた皐月賞以来半年ぶりの出走となったサクラスターオーが9番人気の低評価を覆して優勝。
- 11月14日:武豊が59勝目をあげ、加賀武見の持っていた新人記録を更新する。最終的に69勝。
- 11月15日:二冠牝馬マックスビューティがエリザベス女王杯で牝馬三冠に挑むが、タレンティドガールの2着に敗れ三冠ならず。
- 11月22日:ニッポーテイオーが天皇賞・秋に続いてマイルチャンピオンシップも優勝し、前週のエリザベス女王杯における半妹タレンティドガールに続いて2週連続の妹・兄によるGI連覇を達成。
- 11月25日:東京競馬最終競走で、第3位入線のモガミシャインに騎乗した天間昭一は「ゴール前で手綱を緩めた」として4ヵ月間の騎乗停止処分。
- 12月13日:大雪の影響でこの日の中山競馬は2レースで中止され、昼休みに予定していたミホシンザンの引退式を執り行った。
- 12月17日:中京競馬場調整ルームで、騎手同士による暴力事件が発生。一方の騎手が打撲傷を負ったが、両者とも2日間と4日間の騎乗停止処分に。
- 12月27日:第32回有馬記念で、3番人気に支持された東京優駿勝ち馬メリーナイスが発走時に落馬し競走中止。さらには1番人気に支持された二冠馬サクラスターオーも故障のため競走を中止。枠番連勝複式馬券の配当は1万6300円となる大波乱。
競走成績
中央競馬・平地GI
- 桜花賞(阪神競馬場・4月12日) 優勝:マックスビューティ、騎手:田原成貴
- 皐月賞(中山競馬場・4月19日) 優勝:サクラスターオー、騎手:東信二
- 天皇賞(春)(京都競馬場・4月29日) 優勝:ミホシンザン、騎手:柴田政人
- 安田記念(東京競馬場・5月17日) 優勝:フレッシュボイス、騎手:柴田政人
- 優駿牝馬(オークス)(東京競馬場・5月24日) 優勝:マックスビューティ、騎手:柴田政人
- 東京優駿(日本ダービー)(東京競馬場・5月31日) 優勝:メリーナイス、騎手:根本康広
- 宝塚記念(阪神競馬場・6月14日) 優勝:スズパレード、騎手:蛯沢誠治
- 天皇賞(秋)(東京競馬場・11月1日) 優勝:ニッポーテイオー、騎手:郷原洋行
- 菊花賞(京都競馬場・11月8日) 優勝:サクラスターオー、騎手:東信二
- エリザベス女王杯(京都競馬場・11月15日) 優勝:タレンティドガール、騎手:蛯沢誠治
- マイルチャンピオンシップ(京都競馬場・11月22日) 優勝:ニッポーテイオー、騎手:郷原洋行
- ジャパンカップ(東京競馬場・11月29日) 優勝:ルグロリュー、騎手:アラン・ルクー
- 朝日杯3歳ステークス(中山競馬場・12月20日) 優勝:サクラチヨノオー、騎手:小島太
- 阪神3歳ステークス(阪神競馬場・12月20日) 優勝:サッカーボーイ、騎手:内山正博
- 有馬記念(中山競馬場・12月27日) 優勝:メジロデュレン、騎手:村本善之
中央競馬・障害
地方競馬主要競走
- 帝王賞(大井競馬場・4月8日)優勝:テツノカチドキ(騎手:佐々木竹見)
- 楠賞全日本アラブ優駿(園田競馬場・5月27日)優勝:ダンデイダイドウ(騎手:尾原強)
- 東京ダービー(大井競馬場・6月3日)優勝:ジヨージレツクス(騎手:本間茂)
- 全日本アラブクイーンカップ(園田競馬場・10月7日)優勝:ホーエイフアスト(騎手:鈴木純児)
- 全日本アラブ大賞典(大井競馬場・12月10日)優勝:ローゼンホーマ(騎手:那俄性哲也)
- 全日本アラブ争覇(川崎競馬場・12月16日)優勝:テンハクリユウ(騎手:佐藤雅彦)
- 東京大賞典(大井競馬場・12月23日)優勝:テツノカチドキ(騎手:佐々木竹見)
表彰
JRA賞
- 年度代表馬・最優秀4歳牡馬・最優秀父内国産馬 サクラスターオー
- 最優秀3歳牡馬 サッカーボーイ
- 最優秀3歳牝馬 シノクロス
- 最優秀4歳牝馬 マックスビューティ
- 最優秀5歳以上牡馬、最優秀スプリンター ニッポーテイオー
- 最優秀5歳以上牝馬 ダイナアクトレス
- 最優秀父内国産馬 ミホシンザン
- 最優秀ダートホース 該当なし
- 最優秀障害馬 該当なし
- 最優秀アラブ アキヒロホマレ
リーディング
リーディングジョッキー
- 最多勝利騎手、最高勝率騎手、最多賞金獲得騎手、騎手大賞 岡部幸雄
- 最多勝利新人騎手 武豊
リーディングトレーナー
- 最多勝利調教師、最多賞金獲得調教師、最高勝率調教師 伊藤雄二
リーディングオーナー
リーディングブリーダー
リーディングサイアー
リーディングブルードメアサイアー
誕生
人物
- 2月4日 - 鮫島良太(JRA騎手)
- 3月26日 - 桑村真明(ホッカイドウ競馬所属騎手)
- 8月26日 - 石本純也(高知競馬場所属騎手)
- 11月28日 - 的場勇人(JRA騎手)
- 12月8日 - 別府真衣(高知競馬場所属騎手)
- 12月10日 - 西森将司(高知競馬場所属騎手)
競走馬
この年に生まれた競走馬は1990年のクラシック世代となる。
- 3月17日 - キョウエイタップ
- 3月21日 - メジロパーマー
- 3月29日 - エイシンサニー
- 4月2日 - ホワイトストーン
- 4月3日 - メジロマックイーン
- 4月10日 - アイネスフウジン、ダイタクヘリオス
- 4月11日 - メジロライアン、ヤマニングローバル
- 4月15日 - ダイイチルビー
- 4月16日 - イクノディクタス
- 4月17日 - ハクタイセイ
- 4月26日 - レッツゴーターキン
- 4月28日 - ナリタハヤブサ
- 5月21日 - トウケイニセイ
- 5月30日 - カミノクレッセ
- 6月10日 - プレクラスニー
- 6月12日 - コガネタイフウ
- 6月18日 - アグネスフローラ
死去
人物
競走馬
- 1月19日 - ミノル
- 1月21日 - ダイコーター
- 3月30日 - ガーネツト
- 4月26日 - サクラセダン
- 6月23日 - ハビタット
- 7月30日 - グリーンシャトー
- 8月12日 - キョウワサンダー
- 9月24日 - カブトシロー
- 10月5日 - ホクトボーイ
- 10月25日 - テスコボーイ
- 11月1日 - フジノパーシア
- 月日不明 - ニッポーキング
脚注
出典・参考文献
- 『新版競馬歴史新聞』(競馬歴史新聞編集委員会篇、日本文芸社、2004年4月、ISBN 4-537-25205-7)