走馬灯株式会社

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走馬灯株式会社』(そうまとうかぶしきがいしゃ)は、菅原敬太による日本漫画作品。漫画アクションで不定期連載されていた。

概要[編集]

ふとしたことから自分の人生を振り返る事が出来る走馬灯株式会社に迷い込んだ人物がこれまでの人生を見る中で不思議なことに巻き込まれていく。話のスタイルは、多くは前後編の2話制となっているが、時折1話で終わるものや3話にまたがるものもある。ジャンルもサスペンス、ホラー、ハートウォーミングな話とさまざまなスタイルが展開されている。特定の主人公はおらず、登場人物の神沼も所謂狂言回しとしての登場となっている。

2012年7月より香椎由宇主演でテレビドラマ化された。

登場人物[編集]

神沼(かみぬま)
「走馬灯株式会社主任」の肩書を持つ謎の女性。迷い込んだ者に自らの人生を記した映像を見させる。知的でクールな美人だが、後ろから襲おうとした男をあっという間にねじ伏せることもできる。
数十年前の走馬灯にも存在しているが、不老の存在なのか不明(走馬灯株式会社は過去の世界に対しても出現するため)。
基本的に迷い込んだ人間には寛容に対応しており、必要とあれば薬なども提供する。

ゲストキャラクター[編集]

杉浦克巳(43)
第一話・第二話主役。
数年前に幼い娘を事故で亡くし、妻も後を追うように病死。さらには職を失い、途方に暮れながら訪れた家族との思い出の地で走馬灯株式会社に辿り着く。
初めは半信半疑だったが、次第に人生を見ることを楽しむものの、封印してきた事実を目の当たりにしてしまう。
平凡だが幸せな結婚生活に満足していたが、部下の野々村玲子に押し倒されるかたちで一夜の過ちを犯してしまう。それをネタに不倫継続や離婚を強要され玲子を崖の下に落として殺害したことを突きつけられる。さらに神沼から渡された「特典ディスク」には玲子視点が描かれており、実は崖から落とされても生きており、復讐のため杉浦の娘と妻を殺害。さらに杉浦自身も狙っていることを知らされてしまう。
ドラマ版では、玲子に対して会って早々性的な目で見ており半ば無理やり関係を持った点・娘がいない点・妻の死因が転落死などの差があるが、大筋は原作と同様。
大崎拓也(34)
第三話・第四話主役。元・ストリートミュージシャン。
公園で女性の鞄を置き引きし、逃亡中に走馬灯株式会社に辿り着く。
自分の人生が次第に自堕落していく中、けなげに応援していた女性の人生が見たいと自分がかばんを盗んだ町田可奈の人生を見る。
実は町田はどんなに大崎が堕落していく中でもけなげに応援し、大崎を応援しようと探していたがかばんを盗まれ追いかけた際に階段から転落し死亡したことを知らされる。自分が犯したことの重大さに気づいた大崎は自首することを決める。
安達唯奈(24)
第五話・第六話主役。OL。
里帰り中に足を滑らせて丘から転落し、意識を失っていたところを神沼に助けられる。
自分が結婚しようとしていた志村俊一の映像を見ようとするが、映像は1本(1年分)しかなく偽名を使った結婚詐欺師だということを知らされる。その後頭を打ったことで人間の背後霊が一時的に見えるようになり、背後霊を使って志村と別れることに成功する。
雪村莉絵(25)
第七話・第八話主役。ハンドルネームはオレンジ。暴力癖のある恋人に貢ぐために風俗で働いている。
痴漢を問い詰めた際、誤って相手を道路に突き飛ばして死なせてしまう。冤罪の可能性が高いことがわかり、罪悪感から死を決意。
視聴室で自分の過去を見て、怒りとショックでその場を飛び出しひとりで自殺を図ろうとした。
しかし、自分は自殺できず、もう一度やさしくしてくれた2人に会いたいと走馬灯株式会社を見つけ出し、神沼に映像を見せてくれるよう頼むが、神沼から自分が死んでいることを告げられる。実は既に死亡から3年経っており、毎回命日が来ると走馬灯株式会社を見つけ出し同じやりとりをするが、再び樹海に行くと忘れてしまうことを告げられる。
ドラマ版では、雪村静香という名前になり自殺志願者であること以外がほぼ全て変更された。エッセイストだったが不倫行為によって人気を失い、とうとう死を選んだ。自殺サイトで知り合った女性「風間 美沙子」と自殺の準備を終えた後、走馬灯株式会社に立ち寄ってかつての自分の志を思い出して思い直す。しかし、美沙子はかつて莉絵の勝手な言い分でクビにされており、同行したのはその復讐のためであった。死ぬことを拒否するようになった莉絵は練炭が焚かれた密室に放置される。とうとう本当の走馬灯を見るほどに衰弱するもかつての父の言葉を思い出して抗った結果脱出に成功する。その様子を走馬灯株式会社で見ていた美沙子が立ち上がったところで終了。
南出孝郎(28)
第七話・第八話準主役。ハンドルネームはタンロン。
重度のギャンブル依存症だが負けが続き闇金融に手を出した末、借金苦による死を決意。
小笠原が借金の返済に貯金を提供することを申し出てくれたため、自殺をやめた。
雪村の命日には小笠原とともに献花をしに樹海を訪れている。
小笠原邦男(33)
第七話・第八話準主役。ハンドルネームはくーやん。
女性にフラれ、馬鹿にされ続けてきた人生に絶望をして死を決意。
雪村の申し出により彼女とセックスをし、生きてきたことに喜びを覚えて自殺をやめた。
命より大切だという『キャットファイタートレビニアン』の初回限定フィギュアを常に持ち歩いている。後に友情の証として雪村と南出に譲渡。
雪村の命日には南出とともに献花をしに樹海を訪れている。
山本たまこ(1)
第九話準主役。山本家の飼い猫。三毛。
走馬灯株式会社の常連。
子猫の時に捨てられ野良猫になり商店街のアイドルになったが、栄養失調のため倒れていたところを山本美奈子に飼われる。走馬灯株式会社にはよく行っている模様。
山本美奈子
第九話主役。専業主婦。この回のタイトルは『山本たまこ』となっているが、彼女が実質的な話の主軸である。
散歩から帰らないたまこを探している最中に走馬灯株式会社に辿り着く。
姑からの執拗ないびりに心が折れる寸前だったが、たまこ視点から見る姑の態度に、理解せず歩み寄らなかったのは自分のほうだったと気がつく。
高校時代は陸上部で、その脚力を生かし、帰宅後に倒れていた姑をおぶって病院へ走ったことがきっかけで和解した。
関隆広(28)
第十話・第十一話主役。
里帰り中に走馬灯株式会社に辿り着く。以前に友人から話だけは聞いていた。
女手一つで育てられ、母と非常に仲が良い。幼少期に実家の納戸で幽霊を見たことがトラウマ。
走馬灯株式会社で自分の映像を見たことにより、自分の母だと思っていた人は自分の父が子供を産めない体であることを理由に捨てた女であり、自分は他の母と父から盗まれた子供であること。納屋の幽霊の正体は本当の母がニセモノの母に殺された姿であることを知る。が、事実を受け入れずに再び平穏な生活を送ろうとするが、今度は結婚したばかりの結子が手にかけられたことを示唆される。
ドラマ版でも大筋には変化なし。
瀬上直子(17)
第十二話主役。女子高校生。
授業をさぼって裏山で時間をつぶしているところ、走馬灯株式会社に辿り着く。
担任の溝口からレイプされたことを校長である母に思い切って打ち明けたが、信用されないどころか落胆される。
視聴室で自分がレイプされるシーンを携帯カメラで撮影し、証拠として母に見せようとしたが失敗。再び溝口にレイプされそうになったが母が走馬灯株式会社に行き直子の目を通してその光景を見たことで事実が発覚。レイプから守られ親子の絆も取り戻すことができた。
今野満男(30)
第十三話・第十四話主役。戦隊ヒーローショー(ジャスティンレンジャー)で戦闘員Aとして働く男。
同僚の美咲と飲んでいる際に悪酔いをしてしまい、彼女とともに走馬灯株式会社に辿り着く。
正義感が非常に強く、スタントとしての腕も高い。しかし、集中力や観察力に加えて緊張しやすい性格が災いして空回りしている。
公園で知り合った男の子(タカシ)が入院してしまったため、喜ばせようとジャスティンレッドの衣装を着て見舞いに行くが、彼は亡くなったあとだった。
視聴室でタカシと知り合った頃の映像を見ていた際に父による虐待死の可能性に気付き、父親に抗議するために再びジャスティンレッドの姿でタカシの家の乗り込み、おぼつかないながらもタカシの父に啖呵を切る。翌日、舞台上で美咲にこっそりとプロポーズを行い告白に成功する。
喜島茂輝(22)
第十五話・第十六話主役。無職。
医者の父と溺愛してくれる母、裕福な家庭に育つ。
マザコンで母親からお金をたかり、そのお金でパチンコやパチンコ仲間とつるむ無職の男。金持ちであることやモテモテであることを自称している。パチンコ屋で換金しようとしたところを迷って走馬灯株式会社に迷いこむ。
自分の映像を見るうちに、口先とは違う自分の本当の人生(信頼されているのではなく、金ずるとしか利用されていない。上から目線で接した結果、女性からもてないこと。)を叩きつけられる。さらにソープにいた自分の初恋の女性を保身のためパチンコ仲間に売り、レイプ映像を送りつけられそれをネタに自慰しようとしたシーンで激昂し自分のDVDを全て割ってしまう。
その後再びパチンコ屋に戻るが、パチンコ仲間からは他人扱いされ、自分の親からも知らない人扱いされる。そこで自分のDVDを全て割ってしまうと自分の人生が消えてしまうことを知り、露頭に迷ってしまう。DVDを破壊した時は神沼からも厳しい口調で叱責された。その後、詳細の経緯は不明だが、ホームレスとして数年を過ごしたことが判明。逆恨みで走馬灯株式会社の捜索を探偵に依頼するも、荒唐無稽な上に無一文なためまともに取り合われなかった。自分で自分の過去を破壊したことを隠して走馬灯株式会社に過去を消されたと嘯き、未だに走馬灯株式会社をどうにかすれば自分の家に戻れると信じているなど、全く成長する兆しが見られない。
石丸丈一郎(77)
第十七話・第十八話主役。イシマル紡績会長。
初恋の人(加代)にもう一度会いたい一心で病院を抜けだし、故郷の山道で走馬灯株式会社に辿り着く。
仕事一筋に生き、病に倒れて初めて周囲が遺産目当てに自分の死を願っていることを知り、全てに失望。
自分の人生を見る中で加代との付き合いを振り返り、村長の家に生まれた自分が絵を描こうとしたときに禊中の導き女(おでこをつけることで死ぬのを待つ者をあの世へと導く役割)加代に出会い楽しいひと時を過ごしたこと。加代の体が売りに出されさらに自分の父によって犯されるところを覗いてしまったこと。その後溜めていたお金を加代に渡し、「体を渡さない」こと誓い一人上京したことを振り返る。
見た後に加代の映像を見たいと要求するが拒否される。が、その理由は加代自身が映像を見ていたからだった。加代は認知症を患い十数年も青春時代の同じ映像を見ていた。2台のモニターを使い青春時代を振り返る中、石丸が吐血したのを見て加代は石丸を思い出しながらそっとおでこをつけた。
琴平加代
第十七話・第十八話準主役
石丸の初恋の相手。死期が近いものを安楽死させる力を持った『導き女』の女性。
家業だけでは食い扶持が稼げず、代々18になると村の男に身を売ることになっていたが、石丸が貯金をはたいたおかげで救われた。
老いた祖母がいたため石丸について東京へ行くことはなく、開発で住む場所を失ってから何十年も視聴室に篭っていた。
猪原厚三(56)
タクシー運転手。柏木を乗せて山道でエンストした間に姿をくらました柏木を追って走馬灯株式会社にたどり着く。
先に着いていた柏木に誘われ自分の人生を見るも、恩師の「相手をつかんだら死ぬまで離すな」という言葉とは裏腹に仕事も結婚も全て手放した人生を見るのが苦しくなり、柏木に帰るよう促すも柏木は拒否。そして柏木が席を離れた間に柏木の映像を見ると、柏木と仲間が犯した殺人風景を自分の娘である英里子に目撃され、そのまま眠らされレイプ・口止めのため殺害されたことを知る。
復讐のため柏木が戻ったところに首を絞め意識を失わせ、そのままタクシーに乗せて警察に突き出そうとするが意識を取り戻した柏木に反撃され車外に放り出される、だが「絶対に離さない」と柏木の肩をつかむも標識に激突、崖下に転落し死亡。その掴んだ手は手首から先が切断され海に落ちてしまった後も、文字通り死んでも離さなかった。
柏木力
猪原のタクシーに乗っていた客。タクシーのエンスト修理中に立ちションをしていたところを神沼に誘われる。ヤンキーでかなりの自己中心的性格。
上機嫌で自分の人生を視聴し、神沼をも襲おうとするが逆に撃退されてしまう。席を外した間に映像を見た猪原によって首を絞められ意識を失うが、意識を取り戻し柏木に反撃し猪原を殺すことに成功、そのまま町に戻るも周囲の視線で異変に気付くまで猪原の手首を肩に付けたままだった。
妹尾舞(20)
田舎から上京してきたデザイナー志望の女性。都会の環境になじめず、さらに万引きの疑いをかけられた所をホームレスのロクさんに助けられる。徐々に交流を深めていくがロクさんのテントに父が持っていたブレスレットがあったことから失踪した自分の父ではないかと思うようになる。が、直後にロクさんが失踪、探している最中に走馬灯株式会社にたどり着く。
自分の記憶を見るとロクさんは父親ではなくデザイナーである自分の父のパートナーであり、ブレスレットもロクさんが作った物だった。しかし、父とケンカ別れしたところで途切れてしまったため、ロクさんの映像を要求。通常は不可能だが事前にロクさんが申込用紙に書いていたということで見ることに。
実はロクさんこと影山六郎は舞の父を殺し、18年もの間逃亡生活を続けていた。しかし、自分が殺した男性の娘が舞であることを知った時にお詫びをしなければならないと自ら頼んで臓器売買を行い、そのお金で専門学校に行ってほしいと告げる。さらに面と向かって話せないからと映像を借りながら舞に詫びを入れ警察に自首することを話した。数年後、舞は無事自分のブランド展開することに成功。そこには陰からそっと見守るロクさんがいた。
ドラマでも大きな差はないが、最後にロクさんが死亡したと思われる描写が追加されている。
権代忠重(61)・静江・憲二郎
会社社長。作品中では初めてとなる過去に走馬灯株式会社にたどり着き、視聴してから展開するエピソードとなっている。別荘で3人が休んでいたところ押し入り強盗に襲われるが撃退、強盗は暖炉で焼死してしまう。
忠重は既に走馬灯株式会社で静江の映像を見ており、静江が若い男に浮気しており、さらに浮気相手から忠重を殺害し遺産を手に入れないかと持ちかけられていたことを知っていた。が、今度は静江から「あなたがわたしを殺そうとした」と詰め寄られる。実は静江も走馬灯株式会社で忠重の映像を見ており、忠重も若い女性と浮気しており、妻と別れるため女の弟に妻の殺害を依頼していたことを知る。
忠重と静江が取っ組み合いになる中、憲二郎が2人を刺し殺す。憲二郎も走馬灯株式会社で自分の映像を見ており、幼いころに養子として権代家に行かされたことを知り、映像を元に本当の父と再会。2人で新しい生活をしようと父に2人の殺害を頼んでいた。そして焼死した強盗は憲二郎の本当の父だった。2人を殺し全てを手に入れたかに見えた憲二郎だが、直後に忠重と見間違えた静江の浮気相手に射殺されてしまう。その直後には忠重の浮気相手の弟も銃を持って別荘に来ており、相討ちになったことが示唆されている。
笠木修道(42)・長澤比佐志(42)
小学校からの同級生コンビ。どちらとも絵がうまく、長澤は天才画家としてブレイクしたが、15年前に転落事故で失明。2人でその時に登った光輪ヶ丘に再び登っている途中で走馬灯株式会社にたどり着く。
長澤の映像を見ている途中で突き落とされる場面に出くわす。長澤は「なぜ落ちたかわからない」と落ちた原因を理解していなかったが、実は映像には笠木が突き落とす瞬間の映像が映っていた。当初は見えないからわかるはずがないと思っていた笠木だが、靴音や時計のアラーム音から笠木であることがばれてしまう。動揺し猛吹雪の中逃げ出すが長澤を突き落とした崖に落ちてしまう。走馬灯株式会社に残り、笠木の映像を見ていた長澤は笠木の上に立ち、なぜ突き落としたかを問いただす。笠木は自分が凡才で長澤は天才だが、長澤が描いていた「天剛山シリーズ」を一緒に描こうと約束していたからと白状、長澤はロープで笠木を救助した。
その後、笠木は凍傷で手の機能を失ったが、8年後に長澤と再会。今度はそれぞれの目と手を使って一緒に「天剛山シリーズ」を描くことを決める。
ドラマ版では画家ではなく、小説家となっており長澤との関係もアシスタントとなっている。長澤が表に出ることを許さず抑え続けた結果、橋から突き落とされる。長澤の心情を走馬灯を介して理解するも、長澤との関係は変わらず以降もアシスタントとして使い続けている。
三倉良(40)
作家、自分の幼馴染だった「みっちゃん」を題材にした小説を書き終え、星空を眺めているときにいきなり現れた神沼に誘われる。
幼馴染だった「みっちゃん」こと未知子は、家が借金取りに追われていることから「もうすぐUFOが迎えにくる」などと現実逃避じみたことを言っており、写真にとられることや記録されることを極端に嫌っていた。15歳の時に未知子の母が肺の病気で死去、同時に未知子も失踪し捜索するも見付らなかった。彼女の最期を知るため未知子の映像も見ることを決める。未知子は自分の好きな山の頂上でリストカットを実行し自殺したところで映像が終わったが、最期の方に一瞬だけ上空から見た街の映像らしきものが映っており、三倉は本当にUFOが来たのではないかと考えた。その後。自宅に戻ると「記録を残されたくない」未知子の言うとおりに自分が書き上げた小説のデータが全て消えていた。
多岐川隼人(22)
大学4年生。卒業旅行と称し彼女の理央と親友のジローで「二笑村温泉」へ行くが、旅館では過去に来たことがあるような感覚に襲われる、不気味な老婆に見られる、入浴中に襲われる、仲居が自殺するなど不気味な現象が多発する。怖くなり2人を連れ村から出て山中をさまよう中、走馬灯株式会社にたどり着く。
2人が休憩する中、人生の映像を見始めた多岐川だが、そこで目にしたのは自分が二笑村の者であったこと、不気味な老婆は占い師であり、村人全員が自分の死ぬ日と死因を予言されており、その予言を遂行するため村人ぐるみで殺人を犯していること、その予言が外れると村に災いが降りかかること、そして自分に予言された死亡予定日が今日であることを知ってしまう。
自分が死ぬところだったことに戦慄したが、「娘はいない」といっていた旅館に自分と同じ誕生日の忍という小さな娘がいたことに興味を持ち、忍の人生も見ることを決める。が、映像を見ていくうちにそれが彼女の理央であることがわかり、隼人を村へ呼び戻し予定通り殺害するために差し向けられていたことを知る。その事実を知ったことを理央(忍)とジローにばれ、二笑村へ連れ戻されそうになる。とっさに逃げ出し、半日かけて森の中を走るも再び二笑村に戻ってしまう。必死に逃げ回るが日付が変わる数時間前に忍たちに取り押さえられ川に沈められそうになるが、忍を人質にとり自ら自殺することを宣言、直後に日付が変わり予言は不成立となってしまう。
その後隼人は命からがら街まで戻ることができたが、彼女の忍と親友のジローを失い、数週間後に土砂崩れによって二笑村が壊滅したことを知ってしまう。
ドラマ版では多岐川 理央という名前の女性になっており、隼人はその恋人という関係。大筋は同じだが、二笑村壊滅後に村人が理央を取り囲んで理央の悲鳴が響いたところで終了する。
今泉安彦(48)
会社をリストラされたばかりの男。安彦を尻に引く妻・照美(45)、見た目は女性だが実は男性の長男・ヒロミ(本当の名前は大巳、22)、半ひきこもりの次男・明(19)、おなじくひきこもり気味の三男・順平(14)、まだまだ無邪気な四男・哲也(8)、長女・奈々美(7)、五男・進(3)の8人で暮らしている。ストーリーはヒロミ視点で進行する。
リストラされたことから安彦と照美が夫婦喧嘩しており、子どもたちの気持ちもバラバラになっていく中、突如火の手が上がり家が全焼してしまう。行く当ても無くなった一家がさまよう中、走馬灯株式会社の壁で進の用を足させているときに神沼に誘われる。
当初はお金も取らずに8人の人間を過ごさせてた上に、安彦が2日間ぶっ通しで人生の映像を見ていたことに照美が腹を立て、神沼も巻き込んで夫婦喧嘩に発展しかけたが、火事の直前に安彦が自分たちの家に火を放った放火犯の姿をわずかながら見ていたことを知り、家族全員の映像を見て放火犯の特定をしていく。その最中に明がちゃんと職業を探していることや、順平や哲也、奈々美が喧嘩ばかりの父親と母親のことを苦々しく思っているなど子供たちの本当の想いに気づいていく。そして進の映像で放火犯の正体を突き止めることに成功。哲也と奈々美の証言から放火犯は二人が通う小学校の教頭であることを知る。
安彦とヒロミが教頭の後をつけ、他の家族が2人の現在の映像から見守る中、教頭が他の家に火をつけようとしたところを安彦が取り押さえる。安彦が説得している最中に教頭に殴られ、ナイフで刺されそうになるも小さいころに空手を習っていたヒロミが撃退。教頭は逮捕され火災保険も降り、家は小さくなり職も決まらないが無事元の生活に戻ることができた。ラストではさらに9人目ができたことも明かされた。
ドラマ版では家族構成が変わっており、息子一人に娘二人となっている。また、安彦は「自分は悪くない」とよく発言するなどやや責任感が薄い。家族から辛辣な扱いを受けており、リストラされた結果酔っているのをいいことに「いっそ殺して保険金を受け取ろう」とすら言われてしまう。走馬灯株式会社でその事実を知り、息子が殺人方法が記載されたサイトを見ていた上に家の中から泥棒が出てきたにも拘らず家族が誰も見ていないと証言したため、どんどん疑心暗鬼に陥って行く。さらに走馬灯株式会社にいたところを家族に踏み込まれたことでとうとう「殺される前に殺そう」という思考になり、水に毒物を仕込んでしまう。しかし、実際は殺人サイトは息子が趣味で見ていただけであり、本当は誕生日を祝おうとしていたことを知り、疑ったことを悔いて涙する。家族関係が回復して走馬灯株式会社を出ようとする直前、先ほど毒物を仕込んだ水を妻が飲もうとしたところで終了する。
堤友樹(25)
バンドチーム「フライングクライム」のギター。かつては女癖が悪かったものの、現在は梨穂一筋。と本人は思っていたが、酒の勢いでファンの一人「さやか」と関係を持ってしまう。その後、走馬灯株式会社を訪れ、高校時代整形を繰り返し自分に付きまとってきた「長谷川」という人物を思い出す。さやかの異様な雰囲気から長谷川かと疑い、その正体を問いただそうとするが実は梨穂こそが長谷川であることが発覚。さやかはその親友の田嶋であり、こちらは美容とダイエットでまっとうに美人になっていた。異常性を発露した梨穂はさやかを殺し、それを目撃した友樹も殺そうとするが、必死の抵抗で失敗。しかし自業自得か、友樹は二度とギターを弾けなくなってしまう。その近況を知った梨穂は、自分の腕を切り落として替わりに、と送りつけるのだった。
ドラマ版ではサラリーマンで梨穂は出産目前、さやかとはクラスメイトですらない完全な他人となっている。梨穂がかつてのクラスメイト「長谷川」であることを知るも、どうすることもできずかつての長谷川に似た赤ん坊を抱くことになり、さらにさやかも妊娠してしまったことを知ったところで終了。
澄川
探偵事務所所長。かつて遥という女性がいたが死別している。所員の光明寺と羽宮とで運営していたが、喜島茂輝から走馬灯株式会社の捜索依頼を持ちかけられるも、色々問題のある喜島の言動ゆえにまともに取り合わなかった。その後、自分に好意を抱く羽宮の想いに気付かず過去の恋人に固執していたために傷つけ、退社に追い込んでしまう。その後、羽宮から走馬灯株式会社を見つけたという連絡を受け、急いで駆け付けるも館は消え去っており見つけることは出来なかった。道中、羽宮の心中を光明寺に聞かされてようやく事態を把握した。失踪した羽宮を見つけられず、事務所を閉鎖しようと考えた矢先、走馬灯株式会社を発見する。そこの従業員となった羽宮と再会し別れを突き付けられるも、それをバネに探偵業続行を決意。走馬灯株式会社の正体を調べ、乗り込むことを誓う。
羽宮理乃
澄川探偵事務所の所員。澄川に好意を抱いているが、パートナー以上の感情を持たれていないことを把握しており、それを溜め込んでいた。ある時、澄川が走馬灯株式会社を探し出そうとしていることを知って、死別した恋人の映像を見ようとしていると邪推。溜め込んできたものを噴出させて、とうとう退社することになる。直後、走馬灯株式会社を発見して中に入り、かつて犯した「幼馴染のDVDを破壊してしまった」という事実を目の当たりにしてしまう。そして、幼馴染のかつての窮状を知り、何らかのやり取りの結果、走馬灯株式会社の一員となる。
古橋要山(30)
妻の千春とともに赤ん坊のミルク代として銀行強盗を働き、それを動画配信するなど悪びれもしない悪党。ただし、人を傷つけることをよしとしない。その裏で、謎の視線に怯えている。走馬灯株式会社に迷い込み、かつて母親が逃げ出し暴行を働いていた父親を殺してしまったことが発覚してしまう。謎の視線はその時の父親の目線が記憶に焼き付いているためで、傷つけないというポリシーはその贖罪である。犯罪行為をしていたのは、自分を捨てた母親にそのせいでどれだけの悪党になってしまったか見せつけるためであった。情緒不安定になって千春を傷つけてしまうも、その時に陣痛が発生するというどうしようもない状況に陥る。千春がかすかな望みをかけて母親のDVDを再生を依頼したところ、実は母親は要山と一緒に逃げるためにお金を貯金しており、それを奪おうとした父親に殺害されていたことが発覚した。母親は死の瞬間まで要山のことを気にかけていたことを知り、千春と和解。出産間近となるが、母親が出産した時の映像を再生してもらい、無事出産に成功する。その後、二人がどうなったか不明。なお、この一件は株主にとって興味深い内容になったらしい。

走馬灯株式会社について[編集]

  • どこかの山中にあるきれいな洋館風建物の中に構えている。しかし、都会でふとした間にたどり着いたり、探そうとしても見つからないなどその実態は不明。
  • 館内にはいくつかの個室があり、中には巨大な薄型モニターとDVDレコーダーが設置されている。食事はフロントに電話することで届けてもらえ、バスルームもあるなど万全の態勢で見ることができる(インターネットカフェに近い)。滞在期間の制限は一切ない。
  • 「人生の映像」は1年につき1枚分のDVDとして収められており、生まれてから現在までの年数分のDVDが手渡される(現在20歳の者なら20枚のDVDになる)。リアルタイムであるため、最終巻の末端は現在見ている映像となる。
  • DVDは名前で分類されており、偽名の場合は偽名で過ごした期間のみDVDに収められる。
  • あくまでも手渡された映像全てを見る必要はなく、途中の部分を飛ばしたり、最後の部分を見なくても構わない。それでも本当に1年分の映像があるため早送りを駆使しても数週間ほどの時間を要する(最長で十数年見続けた人もいる。)。
  • 希望すれば他人の「人生の映像」を見ることができる(あくまで、自身に関連がある人物のみ)。この場合、その人物の名前を知っていなければならない。また、最後の部分(つまりその人が今見ている光景)を見ることで、リアルタイムで対象が何を見ているかを知ることもできる。
  • すでに死亡した人や人間以外(猫など)の「人生の映像」も所蔵している。
  • 死者は「人生の映像」を見ることができない。
  • 走馬灯株式会社に入れるのは走馬灯株式会社が入館を認めた人間のみ。例外として、出現だけして入館はさせない場合がある。
  • 映像を建物から持ちだすことはできない。他媒体(携帯電話のムービー機能で撮影など)で記録しても建物を出ると見られなくなる。
  • DVDは世界に1枚しかないため、他人がそのDVDを見ているときは一緒に見ない限り見ることができない。
  • 「人生の映像」を見ることによって生じた問題・事件・心の傷などに関して、走馬灯株式会社は一切関知しない。DVDに収められた事件の映像を神沼が見ても通報などはしない。
  • 万が一DVDを破壊した場合、そのDVDに収められていた「人生」が消滅し、その間に発生していたその者に対する他者の記憶も全て消える。ただし、破壊した人物と自分の記憶は消えない。
  • 実体は現代におきながら、過去に対して出現する場合もある。そのためか、DVDはおろかCDすら存在しない時代にも出現しているが、その時でもDVDを媒体としている。
  • 「株式会社」なので、当然のごとく株主が存在する。

書籍情報[編集]

テレビドラマ[編集]

走馬灯株式会社
ジャンル テレビドラマ
放送時間 月曜 24:20 - 24:59(39分)
放送期間 2012年7月16日 - 9月17日(10回)
放送国 日本の旗 日本
制作局 TBS
演出 三木康一郎、宮下健作、筧昌也
原作 菅原敬太『走馬灯株式会社』
脚本 猪原健太、橋本博行
プロデューサー 槙哲也、河野美里
出演者 香椎由宇
字幕 文字多重放送
データ放送 ステレオ放送
エンディング 2AM
「For you〜君のためにできること〜」
外部リンク 公式サイト
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2012年7月16日から9月17日までTBSドラマNEO枠(毎週月曜日24:20 - 24:59 (JST))で放送。香椎由宇は本作が第一子出産後の女優復帰作で、連続ドラマ初主演となる[1]

キャッチコピーは、「見なければよかった。自分の一生を記録したDVDから崩壊が始まる。」。このキャッチコピー、そして監督に「トリハダ〜夜ふかしのあなたにゾクッとする話を」などのホラードラマを多く監督してる三木康一郎が起用されているがゆえか、原作に比べて多くが悲劇もしくは後味が悪いものとなっている。EDテーマが流れる段階では原作準拠もしくは比較的まともな終わり方だが、不意にEDテーマが途切れてバッドエンド展開という流れ。

あらすじ[編集]

劇中冒頭はその時の主人公に関係するDVD映像が流れ、神沼の不敵な笑みから物語が展開していく。

走馬灯株式会社と刻印された雑居ビルや古びた廃墟に入ると一瞬過去の記憶が蘇り、意識を取り戻すとエレベーターに乗っていた。

そして、外観と相反して綺麗なマンションの一室にたどり着くと、社員だと名乗る影のある女性が待っていた。

「当社では自身が歩んできた過去の人生を顧みることができる映像商品を扱っています」とその女性は話す。

自分自身の人生を顧みる本人だけの映像だけではなく、その当人に関わりある人物の映像を見ることも可能である。

キャスト[編集]

走馬灯株式会社[編集]

ゲスト[編集]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

サブタイトル[編集]

各話 放送日(TBS サブタイトル 脚本 演出
DISC1 2012年7月16日 関隆広(23) 猪原健太 三木康一郎
DISC2 2012年7月23日 堤友樹(28)
DISC3 2012年7月30日 多岐川理央(22) 宮下健作
DISC4 2012年8月6日 妹尾舞(20) 橋本博行
DISC5 2012年8月13日 柳井研二(40) 筧昌也
DISC6 2012年8月20日 雪村静香(32) 猪原健太 宮下健作
DISC7 2012年8月27日 今泉安彦(49) 三木康一郎
DISC8 2012年9月3日 笠木修道(42)
長澤比佐志(26)
徳尾浩司
猪原健太
DISC9 2012年9月10日 杉浦克巳(40) 猪原健太
DISC10 2012年9月17日 黒瀬由香(27)
平均視聴率 2.3%[3](視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

ネット局・放送時間[編集]

放送対象地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
関東広域圏 TBSテレビ(TBS) 2012年7月16日 - 9月17日 月曜 24:20 - 24:59 製作局
静岡県 静岡放送(SBS) 同時ネット
中京広域圏 中部日本放送(CBC) 2012年7月23日 - 9月24日 月曜 24:50 - 25:30 7日遅れ
岡山県・香川県 山陽放送(RSK) 2012年7月30日 - 10月1日 月曜 23:50 - 24:30 14日遅れ
近畿広域圏 毎日放送(MBS) 2012年7月24日 - 10月2日 火曜 26:40 - 27:20 15日遅れ
石川県 北陸放送(MRO) 2012年7月30日 - 10月8日 月曜 24:25 - 25:10 21日遅れ
鹿児島県 南日本放送(MBC) 2012年7月30日 - 10月15日 月曜 24:10 - 24:50 28日遅れ
宮崎県 宮崎放送(MRT) 2012年9月3日 - 11月5日 月曜 24:55 - 25:34 49日遅れ
長野県 信越放送(SBC) 2012年9月7日 - 11月9日 金曜 24:50 - 25:30 53日遅れ
北海道 北海道放送(HBC) 2012年9月9日 - 11月11日 日曜 24:56 - 25:35 55日遅れ
愛媛県 あいテレビ(ITV) 2012年9月10日 - 11月12日 月曜 23:50 - 24:29 56日遅れ
TBS ドラマNEO
前番組 番組名 次番組
放課後はミステリーとともに
(2012年4月23日 - 6月25日)
走馬灯株式会社
(2012年7月16日 - 9月17日)
イロドリヒムラ
(2012年10月15日 - 12月17日)

出典[編集]

  1. ^ ORICON STYLE (2012年6月12日). “香椎由宇、サイコスリラードラマ『走馬灯株式会社』でドラマ復帰”. 2012年6月12日閲覧。
  2. ^ ORICON STYLE (2012年7月5日). “2AM、香椎由宇復帰作で初のドラマ主題歌”. 2012年7月11日閲覧。
  3. ^ 週刊ザテレビジョン2012 No.45』、角川マガジンズ、2012年11月、 39頁、2012年11月26日閲覧。

外部リンク[編集]