聖トマス大学

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聖トマス大学
St.Tomas Univ..JPG
大学設置/創立 1963年
学校種別 私立
設置者 学校法人英知学院
本部所在地 兵庫県尼崎市若王寺2丁目18-1
キャンパス 尼崎(兵庫県尼崎市)
東京サテライト(東京都千代田区
学部 文学部
人間文化共生学部
研究科 人文科学研究科
ウェブサイト 聖トマス大学公式サイト
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聖トマス大学(せいとますだいがく、英語: St. Thomas University / Sapientia University / St. Thomas University of Osaka)は、兵庫県尼崎市若王寺2丁目18-1に本部を置く日本私立大学である。1963年に設置された。大学の略称は聖トマス大。

概観[編集]

大学全体[編集]

カトリック大阪大司教区が創設したミッションスクールで、日本で唯一のカトリック教区立大学であり、近畿圏では唯一の男女共学のカトリック大学。

2010年に学生募集を停止、廃校か統廃合が予想されていた。その後、学制改革と大学名改称によって学生募集を再開しようとしたものの、不備によって再建計画が頓挫し、現在にいたっている。

2007年5月27日に、旧名の「英知大学」から改称する。大学名の由来はカトリックの聖人であるトマス・アクィナスにちなむ。改称の理由は、カトリック系大学の国際的な組織である「聖トマス・アクィナス大学国際協議会=IC-USTA(International Council of Universities of Saint Thomas Aquinas)」の正会員となるために「聖トマス」の名を大学名称に入れる必要があったためとされている[1]。ただし、新聞報道によれば、「英知(えいち)」の語感が「エッチ(変態)」に近く、実際に「エッチ大」という蔑称が使われていたことや、アダルト系雑誌を発行していた英知出版との混同を避ける意味もあったものとされている[2]。同様の例としては、近畿大学の英称「Kinki University」が「Kinky University(変態大学)」と語感が似ていたことから日本国外で困惑されたり注目を浴びたりしたため、「Kindai University」への改名が俎上に上った例が挙げられる[3]

同じカトリック系の大学である上智大学南山大学姉妹校で、上智大学とは日本グリーフケア研究所の移管などで関係があり、南山大学とは聖トマス大学・南山大学対抗運動競技大会(英南戦)等をする。両校とは教員間も交流がある。隣接する百合学院は前身の短期大学を設置した法人で、現在は法人分離しているが、宗教的なつながりはある。

建学の精神(校訓・理念・学是)[編集]

建学の精神は、カトリック精神にもとづき、「真理にいたる英知と力をそなえ、自立した人間」を養成することとする。

教育および研究[編集]

スペイン文学の学科があった。また、人間文化共生学部の人間発達科学科では、幼稚園小学校の教員免許状を取得できる。

沿革[編集]

略歴[編集]

聖トマス大学は、1963年に設立された英知大学を母体とする。当初は神学部神学科のみの単科大学であったが、翌年に文学部に改組した。1996年には大学院を新設し人文科学研究科を設ける。2008年には文学部を人間文化共生学部に改組した後、大阪府大阪市のカトリック大阪センターに「梅田キャンパス」を2011年4月に新設する構想をする[4]

だが、新設の人間文化共生学部も学生募集に苦戦したことから、2009年6月、2010年度(平成22年度)以降の学生募集を停止し、他大学との合併等を検討すると発表する[5]。在学生に対しては他大学への転入の斡旋も始めており、聖トマス大学はこのまま廃校に向かうと思われた。

しかし、その後、方針変更が発表される。聖トマス大学は2010年11月、アメリカ合衆国に本部を置くローリエイト国際大学ネットワーク(英語版)に加盟した。さらに、校地の不動産の一部の売却などで財政が安定したとして、2011年6月、来る2012年度より名称を「日本国際大学」に変更し、国際教養学部、健康科学部を新設する、という方針を公表した[6]

しかし、2011年8月、文部科学省に提出した12年度の開設認可書類に虚偽の申告が見つかり、申請を取り下げるとともに、日本国際大学への改称も見送った。それにともない、文科省から2014年度(平成26年度)までの2年間は学部の認可申請を認めない処分を受けた。

学生募集停止の結果2014年3月に在校生が全て卒業し、同年4月以降は在校生がゼロとなった。同大学では敷地の一部を売却することで財源を確保しつつ、2015年度に看護学部(定員100人)を新設し学生募集を再開する方針だった[7]。しかし2014年5月に2015年度の学部新設を断念したことが明らかになり[8]、大学の存続が危ぶまれている。

年表[編集]

  • 1962年4月 前身となる英知短期大学が開学。
  • 1963年4月 神学部神学科設置を以て英知大学創立。
  • 1964年4月 文学部開設(英文学科、神学科)。
  • 1965年4月 文学部にイスパニア文学科増設。
  • 1968年4月 文学部にフランス文学科増設。
  • 1974年3月 英知短期大学を廃止。
  • 1977年6月 英知大学附属図書館、チャペルが完成。
  • 1982年4月 文学部英文学科、イスパニア文学科、フランス文学科をそれぞれ英語英文学科、イスパニア語イスパニア文学科、フランス語フランス文学科に改称。
  • 1983年5月 アメリカのローラス大学と姉妹校関係締結。
  • 1985年4月 神学研究所を改組し、キリスト教文化研究所を開設。
  • 1993年4月 文学部に国際文化学科増設。
  • 1994年7月 国際言語教育センターを開設。
  • 1996年4月 大学院(前期)設置(人文科学研究科宗教文化専攻、英語学英米文学専攻)。
  • 1996年4月 情報科学教育センターを開設。
  • 1997年5月 フランスの西カトリック大学(当時)と姉妹校関係を締結。
  • 1998年1月 中国の蘇州鉄道師範学院(当時 現・蘇州科技学院)と姉妹校関係を締結。
  • 1998年4月 大学院博士課程(後期)設置(人文科学研究科)。
  • 1998年4月 人文科学研究室、国際言語研究室を設置、スペインの教皇庁立サラマンカ大学と姉妹校関係を締結。
  • 1998年7月 スペインのレオン大学と姉妹校関係締結。
  • 1998年9月 サピエンチア・タワー竣工。
  • 2000年4月 文学部イスパニア語イスパニア文学科をスペイン語スペイン文学科に改称。
  • 2004年1月 アメリカのワシントン州立大学を姉妹校関係を締結。
  • 2004年4月 文学部を人間学科、英語英文学科、国際文化・言語学科に改組。
  • 2007年5月 名称を「聖トマス大学」に変更。
  • 2008年4月 文学部を人間文化共生学部に改組。人間学科を人間文化学科に、英語英文学科と国際文化・言語学科を多文化共生学科に改組、人間発達科学科を増設。
  • 2009年4月 学部、大学院の最後の学生募集を行う。
  • 2009年4月 日本グリーフケア研究所を設立。
  • 2010年4月 学部、大学院の学生募集を停止。
  • 2010年4月 日本グリーフケア研究所を上智大学へ移管。研究所は上智大学へ移管後も東京に移動せず尼崎の聖トマス大学のキャンパス内に設置。
  • 2010年11月 ローリエイト国際大学ネットワークに加盟。
  • 2011年6月 次年度より名称を「日本国際大学」に変更し、国際教養学部、健康科学部を新設、という予定を公表する。
  • 2011年8月 上記の大学名称変更、学部新設の方針を取り下げ。文部科学省からは、2014年度までの2年間の学部設置申請を認めないという処分を受ける。

基礎データ[編集]

所在地[編集]

教育および研究[編集]

組織[編集]

学部[編集]

  • 文学部 2008年3月まで
    • 人間学科
      • キリスト教学コース
      • 総合人間学コース
    • 英語英文学科
      • 英語学・コミュニケーションコース
      • 英文学・文化コース
    • 国際文化・言語学科
      • アジア研究コース
      • 日本研究コース
      • スペイン語圏コース
      • フランス語圏コース
  • 人間文化共生学部
    • 多文化共生学科
      • 英語文化専攻
      • 文化共生専攻
    • 人間発達科学科
    • 人間文化学科
      • キリスト教文化コース
      • 人間文化コース

大学院[編集]

附属機関[編集]

  • キリスト教文化研究所
  • 人文科学研究室
  • 国際言語研究室
  • 国際言語教育センター
  • 情報科学教育センター
  • 礼拝堂
  • 図書館
  • 日本グリーフケア研究所(2010年4月に上智大学へ移管)

大学関係者と組織[編集]

大学関係者組織[編集]

聖トマス大学の同窓会は旧英知大学とともに組織されており、「サピエンチア会」と称している[9]

施設[編集]

キャンパス[編集]

尼崎キャンパス[編集]

  • 使用学部:文学部、人間文化共生学部
  • 使用研究科:大学院人文科学研究科
  • 交通アクセス:
阪急神戸本線園田駅より徒歩12分、または、尼崎市営バス11番聖トマス大学停留所下車
JR東海道本線JR神戸線)・福知山線(宝塚線)東西線尼崎駅より尼崎市営バス11番聖トマス大学停留所下車
阪神本線なんば線尼崎駅より尼崎市営バス11番聖トマス大学停留所下車
JR福知山線塚口駅より徒歩15分

キャンパス内のサピエンチア・タワーにはキリスト教文化研究所や人文科学研究室が設置されている。また、礼拝堂(チャペル)や学生会館、留学生宿舎、クラブハウスなども完備されている。尼崎市営バスの停留所名も大学名改称日に変更された。

東京サテライトキャンパス[編集]

  • 使用学部:なし
  • 使用研究科:大学院人文科学研究科
  • 交通アクセス:

社会との関わり[編集]

  • 大学に近い園田競馬場には「英知大学賞」というレースがあった。競馬ファンの教授の三浦太郎[10]に話があり2003年に開始するが、校名変更に伴いトマスの名前を冠した賞を行うことに反対する意見が学内にあり、4年で廃止される[11]
  • 2005年にJR福知山線脱線事故が発生したことにより、事故現場附近に設立されている聖トマス大学は、身近で大切な人の死に関する研究活動を行うために日本グリーフケア研究所を設立した。聖トマス大学が学生募集を停止しても、研究所自体はカトリック系の上智大学に引き継がれ、研究活動を継続している。

脚注[編集]

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  1. ^ 「「英知大学」から「聖トマス大学」へ」 松本信愛教授(カトリック司祭)の 個人サイトにあるページ
  2. ^ もう「エッチ大」とは呼ばせない 英知大学が校名変更へ 朝日新聞2007年1月12日
  3. ^ 「“異常趣味”大学」じゃない!! 近畿大が英語表記の変更検討 (1/2ページ) 産経新聞2008年2月16日
  4. ^ 小田武彦「ご挨拶」『サピエンチア』19号、聖トマス大学同窓会・サピエンチア会。
  5. ^ 朝日新聞 - 「聖トマス大、来年度から学生募集停止」2009年6月7日。日経新聞 - 「聖トマス大、10年度から学生募集停止」2009年6月7日。
  6. ^ 本田純一 (2011年6月24日). “聖トマス大 12年度から「日本国際大」に”. 神戸新聞. http://www.kobe-np.co.jp/news/kyouiku/0004205077.shtml 2011年6月25日閲覧。 
  7. ^ キャンパスに学生ゼロ 14年春 尼崎・聖トマス大学 - 神戸新聞NEXT・2014年1月21日
  8. ^ 聖トマス大が学部新設断念 大学存続極めて厳しく - 神戸新聞NEXT・2014年5月20日
  9. ^ サピエンチア会/聖トマス大学同窓会・オフィシャルホームページ』。
  10. ^ 同名の絵本作家とは別人。
  11. ^ 神戸新聞 - 「聖人トマスにはそぐわず?英知大、冠レース協賛廃止へ」2007年3月19日。

公式サイト[編集]