ローリー級ドック型輸送揚陸艦

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ローリー級ドック型輸送揚陸艦
USSRaleighLPD1001.jpg
基本情報
種別 ドック型輸送揚陸艦(LPD)
就役期間 1962年 - 2005年
前級 なし
次級 オースティン級
要目
排水量 軽荷8,491 t / 満載14,865 t
全長 159.0 m
水線長 152.4 m
全幅 25.60 m
吃水 6.7 m
機関 ボイラー×2缶
蒸気タービン×2基
スクリュープロペラ×2軸
出力 24,000 shp
電力 3,600 kW
速力 21ノット
航続距離 9,600海里 (16kt巡航時)
乗員 個艦要員: 士官24名+曹士396名
揚陸部隊: 1,139名
兵装 50口径3インチ連装速射砲×3基
搭載機 ヘリコプター甲板のみ
※一部艦は入れ子式ハンガーを後日設置
レーダー AN/SPS-40 対空捜索用
AN/SPS-10 対水上捜索用
・LN-66 航法用
電子戦
対抗手段
AN/SLQ-32(V)1 電波探知装置
Mk.137 6連装デコイ発射機×4基
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ローリー級ドック型輸送揚陸艦(ローリーきゅうドックがたゆそうようりくかん、英語: Raleigh-class amphibious transport dock)は、アメリカ海軍が運用していたドック型輸送揚陸艦(LPD)の艦級。基本計画番号はSCB-187(3番艦はSCB-187A)[1]

ドック型揚陸艦(LSD)をもとに、揚陸輸送艦 (LPA)貨物揚陸艦(LKA)の機能を統合したものであり、1隻で自己完結した上陸戦機能を得た初の艦種であることから、強襲揚陸艦の元祖とされている[2]

来歴[編集]

第二次世界大戦後のヘリコプターの発達を受けて、アメリカ軍ではこれらを水陸両用作戦に投入するためのヘリコプター揚陸艦の計画に着手した。まず1955年、実験的に護衛空母セティス・ベイ」が強襲ヘリコプター母艦に改装されるとともに、より本格的なヘリコプター揚陸艦として、エセックス級航空母艦からの改造(ボクサー級)および新規設計艦(イオー・ジマ級)の取得が計画された[1]

しかしこれらのヘリコプター揚陸艦(LPH)は上陸用舟艇の運用能力を持たないため、重装備の揚陸能力に欠けるという問題があった[2]アメリカ海兵隊は、舟艇とヘリコプターの両方を運用できる艦を求めていたが、当時の情勢では、両方を本格的に運用できる艦の建造は高コストであると考えられていた。このことから、1956年ごろより、LPHと並行して、舟艇運用能力に重点を置いた新艦種としてドック型輸送揚陸艦(LPD)を整備する計画が着手された。1959年度計画より、その初の艦級として建造されはじめたのが本級である[1]

設計[編集]

当初はかなり大型の艦として計画されていたが、予算上の制約から、1952年度計画より建造されていたLSDであるトーマストン級を元に発展させた設計が採用された[1]。主機関は基本的に同構成で、出力も同一だが、トーマストン級ではゼネラル・エレクトリック社製であったのに対して、本級ではド・ラヴァル社製とされていた。ボイラーの蒸気性状は圧力40.8 kgf/cm² (580 psi)、温度467℃であった[3]

ウェルドックは長さ51.2メートル×幅15.2メートルとされた。これは船体全長の32パーセントを占める程度であり、原型となったトーマストン級では長さ120メートル×幅14.6メートルと、船体全長の77パーセントを占めていたのと比べると、大幅にドック容積が削減されたことになる。その分、ドック前方には2層の車両甲板が追加されており、車両の搭載スペースは1,160 m²に増加した[4]。重量2,500トンないし体積4,955 m³を搭載可能とされている。また、削減されたとはいえ、ドックにはLCM(6)型9隻、またはLCM(6)型3隻とLCU 1隻を収容可能であった。また、後に登場したLCAC-1級エア・クッション型揚陸艇も、1隻の収容に対応している[1]

上記の経緯より、本級はLSDよりも優れた航空運用能力が要請されており、ドック上には固定式のヘリコプター甲板が設けられた。また当初計画ではハンガーの設置も検討されていたが、艦型の縮小に伴ってこれは断念された[1]。ただし、一部の艦では、後に入れ子式ハンガーが設置されている[4]

なお、1960年度計画で建造された3番艦は、指揮・統制能力を強化した旗艦型とされており、基本計画番号もSCB-187Aに変更されていた。このことから、1972年には艦隊旗艦としてAGF-3に艦種変更されている[1]

同型艦[編集]

# 艦名 起工 就役 退役
LPD-1 ローリー
USS Raleigh
1960年6月 1962年9月 1991年12月
LPD-2 バンクーバー
USS Vancouver
1960年11月 1963年5月 1992年3月
LPD-3 ラ・サール
USS LaSalle
1962年4月 1964年2月 2005年5月

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e f g Norman Friedman (2002). “Chapter 12. The Bomb and Vertical envelopment”. U.S. Amphibious Ships and Craft: An Illustrated Design History. Naval Institute Press. pp. 347-382. ISBN 978-1557502506. 
  2. ^ a b 「アメリカ揚陸艦史」、『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、 1-135頁、 NAID 40015212119
  3. ^ Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. pp. 821-822. ISBN 978-0870212505. 
  4. ^ a b 「アメリカ揚陸艦のメカニズム」、『世界の艦船』第669号、海人社、2007年1月、 144-151頁、 NAID 40015212119

関連項目[編集]