ルサルカ

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ポーランドの画家 Witold Pruszkowski が描いたルサルカ(1877年)。

ルサルカ (Rusalka[1], Rousalka[要出典]) は、スラヴ神話に登場する水の精霊[1]。精霊というよりは幽霊のようなもので、若くして死んだ花嫁[要出典]や水の事故で死んだ女性、洗礼を受ける前に死んだ赤ん坊などがルサルカになるという[2]ルサールカ[3]ルーサルカ[要出典]とも表記されるが、その名前は、古代スラヴ人のルサーリイという祭りに由来し、豊穣神としての一面もあると言われている[2]

概要[編集]

古代のスラヴ人にとっては森・川・沼などは不安や疑惑と共に恐れられる地形であり、ルサールカに関する伝承・信仰はスラヴ人に共通して存在している[4]。しかし、気候や地勢に合わせるようにその姿や性質が地方によって異なる[5]。南ロシアではルサルカは素晴らしい美少女の姿をしているとされ、長い金髪を持ち、透けるような白い服に身を包んでいるともいわれている。一方、北ロシアのルサルカは、青白い顔をした醜い妖怪のような姿で、緑色の髪と緑色のぎらつく目を持ち、巨大な乳房を垂らしているとされる[1]。また南ロシアではルサールカは妖艶で愛嬌もあるが、北ロシアでは嫉妬深く気まぐれ、且つ邪悪な性質と考えられていた[4]

ルサルカは季節によって住み処を変え、冬は川に、夏は森の中やそこに開けた空き地に住んだ[1]。死者の魂であるために、冬は冷たい水の底の暗がりに留まっており、季節が夏に向かうにつれて水温が高くなっていくと、死者達が住むとされる木の上に移るのである[6]。そして森の中では、月の明るい夜に歌や踊りで人間の若い男を魅了することもあった。人はこの邪悪なニンフに魅了されると水の中に引きずり込まれ、そのまま見えなくなったとされている[1]

同じく水の精霊であるヴォジャノーイの妻だとする説がある[2]

呼称について[編集]

ルサルカは地方によって呼称が異なることがあり、ドナウ河に周辺のスラヴ人からはしばしばヴィーラ[5]と呼ばれ、他の地方などではヴィルリ(ヴィリ、ウィリ、ウィリー)、ヴォレス[要出典]とも呼ばれる[注 1][注 2]

ルサルカには、他にもチェルトヴカ(冗談女)、シュトヴカ(冗談悪魔)、レスコトゥーハロスコトゥーハ(くすぐるもの)、キトカキトハ(誘拐者)といった呼称がある[1]

文化への影響[編集]

ルサルカは、アントニン・ドヴォルザークによる歌劇ルサルカ』や、アレクサンドル・ダルゴムイシスキーによる同じく歌劇『ルサルカ英語版』の題材としても有名である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ バルカン半島のスラヴ人の伝承ではヴィーラ、ヴィーリィと呼ばれ、山姥の姿をしている[4]
  2. ^ ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の原作にもヴィーラが登場し、男性達を魅了した。また、バレエ『ジゼル』では恋に破れたヒロイン・ジゼルが死後にヴィリとなって登場する。

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f 『世界の妖精・妖怪事典』446頁(ルサールカの項)。
  2. ^ a b c 『神の文化史事典』575-576頁(ルサールカの項)。
  3. ^ 『神の文化史事典』、『世界の妖精・妖怪事典』、『ロシアの神話』で確認した表記。
  4. ^ a b c 清水睦夫「ロシア国家の起源」p48
  5. ^ a b 『ロシア神話』48頁(「スラヴ神話」)。
  6. ^ 『ロシア神話』52頁(「スラヴ神話」)。

参考文献[編集]

関連項目[編集]