ヤリーロ

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ヤリーロ:Jarilo/Yarilo、ロシア語:Ярило)とは、スラヴ神話に登場するの一つ。イアリロ(Iarilo)、ゲロヴィト(Gerovit)などとも呼ばれる。植物、肥沃、を司る神であり、戦争収穫の神ともされる。男性神。

概要[編集]

ヤリーロは「愛欲」を象徴する神である[1]古代の学者達は、その名前の起源はギリシャ語の「エロース」にあると推定していたが、実際には「荒れ狂う」「熱情的」という意味の単語「ヤールィ」に由来している。

白ロシアの民間伝説によると、ヤリーロは若く美しい神であり、白馬に跨り、白い外套(マント)を纏って、左手に麦の穂を、頭に花冠を飾った姿で現れる。

異教が信仰されていた時代から崇拝されていて、異教が衰微した後もその崇拝は止むことがなく、ギリシャ正教によって弾圧が行われた事もあった。

ヤリーロの祭礼は、春の最初の種蒔きの時期に開催される。村の若い娘達を集め、その中で最も美しい娘に花冠をかぶせ、白馬に乗せ、ヤリーロさながらの格好をさせ、その周囲で他の娘達が踊って輪を形成する。彼女達も同様に花冠を頭に飾っている。踊りの輪は「ホロヴォージェ」と呼ばれ、ギリシャ語で歌舞を意味する「コロス」という単語に由来する。また、夏にはヤリーロの「葬式」が行われる。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ 清水睦夫「ロシア国家の起源」p49

参考文献[編集]

  • フェリックス・ギラン著、小海永二訳「ロシアの神話」(青土社)
  • 清水睦夫「ロシア国家の起源」 // 『世界歴史体系 ロシア史 1 -9世紀~17世紀-』、田中陽兒・倉持俊一・和田春樹編(山川出版社)1995年。