トルクメン人
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トルクメン人(Türkmen, Pl. Türkmenerli)は、中央アジアのカスピ海東南岸に居住するテュルク系民族。トルクメニスタンを中心に、イランの北東部(ホラーサーン地方)やアフガニスタンの北部に分布する。
テュルク諸語のトルクメン語を話し、伝統的には遊牧とオアシス地帯での農耕に従事してきた。多くはスンナ派イスラム教徒(ムスリム)であるが、シャーマニズム的な土着信仰と結びついたスーフィズムも広く信仰される。人種的には、先住のイラン系民族と混血しているとされる。
歴史的にはトゥルクマーンと呼ばれていた人々の後裔とも考えられているが、直接の関係は明らかではなく、トルクメン人はモンゴル帝国解体後の15世紀頃からカスピ海東南岸で民族形成を行ったと考えられている。メルヴ・テケ、アットク・テケ、ヨムード、エルサリ、ギョクレンなどの有力部族をはじめとする多くの部族に分かれており、部族意識が強いといわれる。このため歴史的には強力な統一民族国家を作ったことがなく、ブハラ・ハン国やヒヴァ・ハン国、カージャール朝、ドゥッラーニー朝など周辺の諸王朝に服属し、個々のトルクメン人は小集落ごとに部落共同体を営んできた。
19世紀半ばにロシア帝国の中央アジア南下政策に直面し、激しい抵抗を行ったが、1880年のギョクテペの戦いに敗れ、トルクメン人の多くはロシアのトルキスタン総督府の支配下に組み入れられた。ソビエト連邦成立後の1924年に民族境界策定により、旧トルキスタン総督府領と旧ブハラ・ヒヴァ領からトルクメン人の居住地帯が切り分けられ、現在のトルクメニスタンの前身となるトルクメン・ソビエト社会主義共和国の領域が作られた。
なお、イラクなどのアラブ諸国に住み、トゥルクマーンと呼ばれているテュルク系の人々も一般にはトルクメン人と呼ばれているが、中央アジアのトルクメン人との民族的な関係は明らかではない。

