ジョージ・カービー (野球)

ジョージ・カービー
*George Kirby*
シアトル・マリナーズ #68
基本情報
国籍	アメリカ合衆国
出身地	ニューヨーク州ウエストチェスター郡ライ
生年月日	1998年2月4日（26歳）
身長; 体重	6' 4" ＝約193 cm; 215 lb ＝約97.5 kg
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	投手
プロ入り	2019年 MLBドラフト1巡目
初出場	2022年5月8日
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
	ライ高等学校（英語版）; イーロン大学（英語版）; シアトル・マリナーズ (2022 - );
	この表について

ジョージ・ジョゼフ・カービー（George Joseph Kirby, 1998年 2月4日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ウエストチェスター郡ライ出身のプロ野球選手（投手）。右投右打。MLBのシアトル・マリナーズ所属。

試合開始からの連続ストライク記録のギネス世界記録保持者^[1]。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

家の裏庭で父親と一緒にキャッチボールをする時間が大好きで、野球をプレーしたいと思うようになったという。ライ高等学校（英語版）進学後、バスケットボール部にも所属していたが、成長するにつれNBAよりもMLBでプレーしたいと考えるようになった。2016年には野球部のキャプテンを務め43.1回を投げ6勝無敗、73奪三振、防御率0.32を記録するなど頭角を現し、ヤンキース、メッツ、レッドソックス、レッズのスカウトも訪れた。同年のMLBドラフトでは32巡目（全体970位）でメッツから指名を受けたがイーロン大学（英語版）へと進学した。2019年にはイーロン大学のエースとして88.1回を投げ8勝2敗、107奪三振、6四球、防御率2.75、WHIP0.89を記録し、コロニアル陸上競技連盟（英語版）の最優秀投手賞を受賞した^[2]^[3]^[4]。

プロ入りとマリナーズ時代[編集]

2019年のMLBドラフト1巡目（全体20位）でシアトル・マリナーズから指名されプロ入り^[5]。契約後、傘下のA-級エバレット・アクアソックスでプロデビュー。9試合（先発8試合）に登板して防御率2.35、25奪三振、0四球を記録した^[6]。

2020年はCOVID-19の影響でマイナーリーグのシーズン全試合が中止となり^[7]、公式戦への登板は無かった^[6]。

2021年はA+級エバレット^[8]とAA級アーカンソー・トラベラーズでプレーし、2球団合計で15試合に先発登板して5勝3敗、防御率2.53、80奪三振、15四球を記録した^[6]。

2022年は開幕をAA級アーカンソーで迎えた。5月8日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りすることが報じられた^[9]。メジャーデビューとなった同日のタンパベイ・レイズ戦では先発して6回無失点と好投した（勝敗は付かず）^[10]。8月24日のワシントン・ナショナルズ戦では、「試合開始から24球連続でストライク」を投げMLB新記録を樹立した（これまでの最高はジョー・マスグローブの21球）^[11]^[12]。これはギネス世界記録に認定されている^[1]。8月は5試合に先発し4勝無敗、29.1回を投げ34奪三振、3四球、被本塁打0、防御率2.15を記録しルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞した^[13]。加えて7月2日のオークランド・アスレチックス戦から9月28日のテキサス・レンジャーズ戦まで「14先発登板連続・被本塁打0」を記録し、2022年シーズンにおいてMLB全先発投手の最長記録を達成した（2位はホセ・キンタナの11先発登板連続）^[14]。オフの11月14日、ア・リーグ最優秀新人選手賞（新人王）の投票結果が発表され第6位に選出された^[15]^[16]。

2023年は7月4日に辞退したシェーン・マクラナハンの代替選手として、初めてオールスターゲームに選出された^[17]。

選手としての特徴[編集]

打者の得意コースを気にするよりも、自分が最高の投球をすれば誰にも負けないという信念を持ち、ゾーンを攻める投球スタイルで四球が非常に少ない^[18]。ドラフト指名当時から制球力はエリート級の評価を得ていたが、平均90mph前半のフォーシームやカーブ、スライダー、チェンジアップにおいては派手なツールに欠けると語られていた。しかし球団による筋力、柔軟性、バイオメカニクス、メンタルスキルの複合プログラムをこなし、2022年初頭にフォーシームの平均球速が95mph（約153km/h）を超えると最高102mph（約164km/h）まで記録^[14]^[19]。加えてリリースポイントや水平方向への動きを研究したスライダーの向上、さらにサイ・ヤング賞投手ロビー・レイに握り方から指南を受けたツーシームの習得に成功し苦手としていた左打者に対するフロントドアを会得した^[20]^[21]。

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]

年度	球団	登板	先発	完投	勝利	敗戦	勝率	打者	投球回	被安打	被本塁打	与四球	敬遠	与死球	奪三振	暴投	失点	自責点	防御率	W H I P
2022	SEA	25	25	0	8	5	.615	542	130.0	135	13	22	0	5	133	4	54	49	3.39	1.21
2023	SEA	31	31	1	13	10	.565	757	190.2	179	22	19	1	6	172	1	74	71	3.35	1.04
MLB：2年		56	56	1	21	15	.583	1299	320.2	314	35	41	1	11	305	5	128	120	3.37	1.11

2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]

年度	球団	投手（P）
年度	球団	試合	刺殺	補殺	失策	併殺	守備率
2022	SEA	25	7	10	0	1	1.000
2023	SEA	31	18	12	0	1	1.000
MLB		56	25	22	0	2	1.000

2023年度シーズン終了時

表彰[編集]

ルーキー・オブ・ザ・マンス：1回（2022年8月）

記録[編集]

試合開始からの連続ストライク記録　（24球※ギネス世界記録認定）^[1]
MLBオールスターゲーム選出：1回（2023年）

背番号[編集]

68（2022年 - ）

脚注[編集]

^ ^a ^b ^c “Most consecutive strikes thrown by a pitcher to start a Major League Baseball game” (英語). Guinness World Records (2022年8月22日). 2023年7月5日閲覧。
^ “Con Edison Athlete of the Week: Rye baseball's George Kirby” (英語). lohud.com. 2022年12月23日閲覧。
^ “Rye's George Kirby 'anxious' heading into MLB draft” (英語). lohud.com. 2022年12月23日閲覧。
^ “Elon's Kirby, Kennedy collect major CAA baseball honors” (英語). thetimesnews.com. 2022年12月23日閲覧。
^ Greg Johns (2019年6月3日). “Mariners select college arms on Day 1 of Draft” (英語). MLB.com. 2020年8月25日閲覧。
^ ^a ^b ^c MLB公式プロフィール参照
^ “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. MiLB.com (2020年6月30日). 2020年7月1日閲覧。
^ 2021年よりA-→A+へクラス変更
^ Pat James (2022年5月7日). “Big-time arm Kirby to debut today for Mariners” (英語). MLB.com. 2022年5月13日閲覧。
^ “Tampa Bay Rays at Seattle Mariners Box Score, May 8, 2022” (英語). Baseball-Reference.com. 2022年6月17日閲覧。
^ “MLB official Twitter Dated August 25, 2022” (英語). Twitter. 2022年12月22日閲覧。
^ “メジャー新記録24球連続ストライク！マリナーズ先発カービー、11人目の初球までボールなし - ＭＬＢ : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年8月25日閲覧。
^ “George Kirby, Michael Harris II are Rookies of the Month” (英語). MLB.com. 2022年12月22日閲覧。
^ ^a ^b “What's the next step for Mariners' George Kirby after big rookie season?” (英語). Seattle Sports. 2022年12月22日閲覧。
^ 全米野球記者協会（BBWAA）の投票により3位票を1、計1ポイント獲得。
^ “Mariners outfielder Julio Rodriguez wins AL Jackie Robinson Rookie of the Year” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月14日). 2022年11月15日閲覧。
^ Daniel Kramer (2023年7月4日). “J-Rod, Kirby added to AL All-Star squad” (英語). MLB.com. 2023年7月5日閲覧。
^ “Seattle’s George Kirby Commands His Repertoire” (英語). FanGraphs Baseball. 2022年12月22日閲覧。
^ “George Kirby Showed Ace Stuff in Rookie Campaign” (英語). Lookout Landing. 2022年12月22日閲覧。
^ “Daniel Kramer official Twitter Dated September 11, 2022” (英語). Twitter. 2022年12月22日閲覧。
^ “George Kirby learns two-seam fastball from Robbie Ray” (英語). MLB.com. 2022年12月22日閲覧。

外部リンク[編集]

選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
George Kirby stats MiLB.com （英語）
George Kirby (@gkirb98) - X（旧Twitter）
George Kirby (@gkirb32) - Instagram

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[ギネス-1] “Most consecutive strikes thrown by a pitcher to start a Major League Baseball game” (英語). Guinness World Records (2022年8月22日). 2023年7月5日閲覧。

[2] “Con Edison Athlete of the Week: Rye baseball's George Kirby” (英語). lohud.com. 2022年12月23日閲覧。

[3] “Rye's George Kirby 'anxious' heading into MLB draft” (英語). lohud.com. 2022年12月23日閲覧。

[4] “Elon's Kirby, Kennedy collect major CAA baseball honors” (英語). thetimesnews.com. 2022年12月23日閲覧。

[5] Greg Johns (2019年6月3日). “Mariners select college arms on Day 1 of Draft” (英語). MLB.com. 2020年8月25日閲覧。

[MLBstats-6] MLB公式プロフィール参照

[7] “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. MiLB.com (2020年6月30日). 2020年7月1日閲覧。

[8] 2021年よりA-→A+へクラス変更

[9] Pat James (2022年5月7日). “Big-time arm Kirby to debut today for Mariners” (英語). MLB.com. 2022年5月13日閲覧。

[10] “Tampa Bay Rays at Seattle Mariners Box Score, May 8, 2022” (英語). Baseball-Reference.com. 2022年6月17日閲覧。

[11] “MLB official Twitter Dated August 25, 2022” (英語). Twitter. 2022年12月22日閲覧。

[12] “メジャー新記録24球連続ストライク！マリナーズ先発カービー、11人目の初球までボールなし - ＭＬＢ : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2022年8月25日閲覧。

[13] “George Kirby, Michael Harris II are Rookies of the Month” (英語). MLB.com. 2022年12月22日閲覧。

[elite-14] “What's the next step for Mariners' George Kirby after big rookie season?” (英語). Seattle Sports. 2022年12月22日閲覧。

[15] 全米野球記者協会（BBWAA）の投票により3位票を1、計1ポイント獲得。

[16] “Mariners outfielder Julio Rodriguez wins AL Jackie Robinson Rookie of the Year” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月14日). 2022年11月15日閲覧。

[17] Daniel Kramer (2023年7月4日). “J-Rod, Kirby added to AL All-Star squad” (英語). MLB.com. 2023年7月5日閲覧。

[18] “Seattle’s George Kirby Commands His Repertoire” (英語). FanGraphs Baseball. 2022年12月22日閲覧。

[19] “George Kirby Showed Ace Stuff in Rookie Campaign” (英語). Lookout Landing. 2022年12月22日閲覧。

[20] “Daniel Kramer official Twitter Dated September 11, 2022” (英語). Twitter. 2022年12月22日閲覧。

[21] “George Kirby learns two-seam fastball from Robbie Ray” (英語). MLB.com. 2022年12月22日閲覧。

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表話編歴シアトル・マリナーズロースター
投手	83 エドワード・バザード（故障者リスト） 67 コディ・ボルトン（英語版） 47 マット・ブラッシュ（故障者リスト） 58 ルイス・カスティーヨ 59 ブレット・デゲウス（英語版） 36 ローガン・ギルバート 62 エマーソン・ハンコック 68 ジョージ・カービー 37 ジャクソン・カワー（故障者リスト） 63 マウリシオ・ロベラ 50 ブライス・ミラー 49 タイソン・ミラー 75 アンドレス・ムニョス -- サミー・ペラルタ（英語版） 48 グレゴリー・サントス（故障者リスト） 60 テイラー・ソーセド 52 コリン・スナイダー 55 ゲイブ・スパイアー 45 ライン・スタネック 26 リーバイ・スタウト 46 トレント・ソーントン 54 カルロス・バルガス 30 オースティン・ボス 22 ブライアン・ウー（故障者リスト）
捕手	8 ミッチ・ガーバー 77 ブレイク・ハント（英語版） 29 カル・ローリー 33 セビー・ザバラ
内野手	3 J.P.クロフォード（故障者リスト） 23 タイ・フランス 0 サム・ハガーティ 7 ホルヘ・ポランコ 20 ルーク・ラリー 76 レオ・リーバス（英語版） 4 ジョシュ・ロハス 12 サマド・テイラー 16 ルイス・ウリアス
外野手	8 ドミニク・キャンゾーン（英語版）（故障者リスト） 5 ジョナタン・クラセ 17 ミッチ・ハニガー 2 ケイド・マーロウ（英語版） 25 ディラン・ムーア 44 フリオ・ロドリゲス
監督・コーチ	9 スコット・サーバイス（監督） 73 ブラント・ブラウン（英語版）（ベンチコーチ兼攻撃コーディネイター） 88 ジャレット・デハート（英語版）（打撃コーチ） 81 トミー・ジョゼフ（打撃コーチ補佐） 32 ピート・ウッドワース（投手コーチ） 80 ダニー・ファーカー（投手コーチ補佐兼投球ストラテジスト） 45 クリストファー・ネグロン（一塁コーチ） 14 マニー・アクタ（三塁コーチ） 57 トニー・アーネリック（英語版）（ブルペンコーチ） 40 トレント・ブランク（英語版）（コーチ兼投手戦略ディレクター） 6 ペリー・ヒル（英語版）（内野守備コーチ） 39 カーソン・ビテール（英語版）（フィールドコーディネイター） 89 ナスセル・カブレラ（打撃投手） 66 フレミング・バエズ（ブルペン捕手） 95 ジャスティン・ノバック（ブルペン捕手）
公式サイト（英語）より　40人ロースター　監督・コーチ一覧　2024年4月25日更新