シフ・アンドラーシュ

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Flag of Hungary.svg この項目では、ハンガリー語圏の慣習に従い、名前を姓名順で表記していますが、印欧語族風にアンドラーシュ・シフと表記することもあります。

シフ・アンドラーシュ(Schiff András [ˈʃifˈɒːndrɑ̈ːʃ], 1953年12月21日 - )は、ハンガリー出身のピアニストバッハモーツァルトベートーヴェンシューベルトなどドイツバロック音楽及び古典派音楽を中心とし、シューマンショパンなどのロマン派音楽まで演奏するピアニストの一人。室内楽奏者としても知られる。室内楽団「カペラ・アンドレア・バルカ」 (Cappella Andrea Barca) の創設者、指揮者でもある。シフ・アンドラーシュの妻、バイオリニストの塩川悠子も第一バイオリン奏者を務める。

略歴[編集]

主な活動[編集]

1970年代に各コンクールでの活躍が始まると、ほぼ同年代のコチシュ・ゾルターンラーンキ・デジェーと並んでハンガリーの「若手三羽ガラス」として売り出された。当時の社会主義国家ハンガリーはコンクール出場を若手ピアニストに強制しており、「このコンクール歴は必ずしも自分の本意ではありません」と当時を回想している。

最年少のシフは、当初は3人のうちでも目立たない存在だったが、1980年代にイギリスのデッカ・レーベルと契約後、モーツァルトのピアノ・ソナタ全集の録音で俄に注目を集め、続いて一連のバッハ作品の録音によって、「グールド以来のバッハ解釈者」との名声を得、確固たるものとした。その後、1990年前後にはシューベルトのピアノソナタの演奏・録音、バルトークのピアノ協奏曲全曲、1999年から2005年にかけて、ザルツブルク・モーツァルテウム創立記念モーツァルト週間に、シフ自身が編成したオーケストラとモーツァルトのピアノ協奏曲を全曲演奏するなど、スタンダードナンバー演奏で高い評価を受けた。

近年はハインツ・ホリガーと共演でヴェレシュ・シャーンドル作品を紹介したり、ペレーニ・ミクローシュとの共演など、祖国ハンガリーにちなむ活動も盛んである。

教育活動にも力を注ぎつつあり、現在はドイツのデトモルト音楽大学教授、ミュンヘン音楽大学の客員教授という要職ポストに就いている。 またザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学や、母校であるフランツ・リスト音楽院をはじめ、各地でマスタークラスを開いている。

録音[編集]

  • 器楽作品は、Decca(LONDON)レーベルにバッハ、モーツァルト、シューベルトなどの一連の録音がある。その後ECMに移籍し、バッハ、ヤナーチェク、シューマンなどの録音を残す。2008年にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を完成させ大きな反響を呼んだ。
  • 協奏曲では、Deccaレーベルに同郷のシャーンドル・ヴェーグ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカと残したモーツァルトのピアノ協奏曲全集が代表的。Teldecレーベル移籍後は、バルトークのピアノ協奏曲(イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団)、ベートーヴェンのピアノ協奏曲録音(ベルナルト・ハイティンク指揮シュターツカペレ・ドレスデン)がある。
  • 室内楽では、塩川悠子(シフ夫人)とバルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番、ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタ(DECCA)、チェロ奏者ペレーニを加えた三重奏でのシューベルトの2曲のピアノ三重奏曲(Teldec)、幻想曲 ハ長調(ECM)、ペレーニとのベートーヴェンのチェロ作品集(ECM)の録音がある。
  • 歌曲のピアノ伴奏ではテノール歌手のペーター・シュライアーや、バス・バリトン歌手のローベルト・ホルとの共演がある。シュライアーではDeccaレーベルにシューベルトの歌曲集、「白鳥の歌」(Schwanengesang)1990年、「美しき水車小屋の娘」(Die schöne Müllerin) 1991年、「冬の旅」(Die Winterreise)1994年、Wigmore Hallレーベルにウィグモアホールでのライブ録音CD「白鳥の歌」(Schwanengesang)、「ゲーテの詩による歌曲」(Goethe-Lieder)「ウィルヘルム・マイスターより - 竪琴弾きの歌」(Drei Gesänge des Harfners)(録音1991年)がある。ORFEO D'ORレーベルにはシューマン歌曲集(ハイネの詩によるOp.24およびOp.48とアイヒェンドルフの詩によるOp.39、録音2002年)がある。またホルとの共演ではDeccaレーベルにブラームス歌曲(1993年録音)、シューマン歌曲(1994年録音)がある。

外部リンク[編集]