シャーンドル・ヴェーグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Flag of Hungary.svg この項目では、印欧語族風の表記法に従い、名前を名姓順で表記していますが、ハンガリー語圏の慣習に従いヴェーグ・シャーンドルと表記することもあります。

シャーンドル・ヴェーグSándor Végh, 1912年5月17日 - 1997年1月6日)は、ハンガリー生まれのフランスヴァイオリニスト[1][2]。1960年代終わり頃からは指揮者としての活動も始めている[3]

生涯・来歴[編集]

1912年5月17日、オーストリア・ハンガリー帝国第2の都市コロジュヴァール(現在のルーマニアクルージュ=ナポカ)で出生[2][3]。6歳からピアノを学び始めた[4]。1924年、リスト音楽院ブダペスト)に入学し、ヴァイオリンをイェネー・フバイに、作曲をゾルターン・コダーイに学んだ。1927年、リヒャルト・シュトラウスの曲を作曲者自身の指揮でソリストとして演奏してデビューした。同年、同音楽院からフバイ賞とレメーニ賞を獲得し、1930年に同音楽院を卒業。その後ソリストとして活動すると同時に、ハンガリー三重奏団を結成した[3]

1935年、ハンガリー四重奏団を結成[5]。当初ヴェーグが第1ヴァイオリンを務めていたが[2]、2年後にバルトークと親交のあったセーケイ・ゾルターン(ゾルターン・セーケイ)が同四重奏団に加入すると、セーケイが第1ヴァイオリンを務め、ヴェーグは第2ヴァイオリンにまわった。そしてヴェーグが在籍していた1936年、ハンガリー四重奏団によるバルトーク弦楽四重奏曲第5番』の初演が行われた。

1940年、ハンガリーに残るべく、オランダに活動拠点を移すこととなったハンガリー四重奏団を脱退。リスト音楽院の教授に就任すると共に、自身の名を冠したヴェーグ四重奏団を結成して活動を開始[5]

1946年、ヴェーグ四重奏団がジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位を獲得。だが暫くしてヴェーク自身と共に亡命のためハンガリーを去る[3]。1970年代半ばまでヴェーグ四重奏団はコンサート活動を続け、ヴェーグ自身もソリストとして活動していた。ヴェーグは、1953年にフランス国籍を取得[3]

1952年、ヴェーグは、チェロ奏者パブロ・カザルスから、カザルスがスイスツェルマットで開講していたサマークラス(1953年 - 1962年)に招待され、以後、カザルスが主催していたプラド音楽祭(1953年 - 1969年)に毎年参加するようになった[2][3][4]。また、バーゼル音楽院(1953年 - 1969年)、フライブルク音楽院(1954年 - 1962年)、デュッセルドルフ音楽院(1962年 - 1969年)、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院(1971年 - 1997年)において教鞭を執った[4]

1962年、ヴェーグはチェルヴォ国際室内楽音楽祭を創設[注 1]、また自らシャーンドル・ヴェーグ室内管弦楽団を立ち上げ、1968年から1971年までの音楽祭の期間中タクトを執った。更に1974年から1977年までは、マールボロ祝祭管弦楽団も指揮していた[4]

1979年、モーツァルテウム・カメラータ・アカデミカの指揮者となる。同楽団を指揮してのモーツァルトのディヴェルティメント及びセレナーデの録音で1989年のフランス・ディスク大賞を受賞した[4]

ヴェーグはまた、レジオンドヌール勲章のシュバリエ章(1986年)、イギリスのウォーリック大学エクセター大学の名誉職(1987年)、ザルツブルク・ゴールドメダル(1987年)、大英帝国勲章のコマンダー章(CBE、1988年)をも授与されている[4]

1997年1月6日、オーストリアザルツブルクにほど近い、ドイツバイエルン州フライラッシンクの病院で没した[2][1][4]

主な門下生(個人・団体)[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 当該音楽祭創設年に関しては、『AllMusic』に於けるヴェーグのプロフィール掲載ページ並びに当該音楽祭開催地であるイタリア=チェルヴォ村Comune di Cervo)Webサイト内に設けられている音楽祭創設者ヴェーグの紹介ページに於いては「1962年」と記載されている一方[4][6]、当該音楽祭の公式サイト並びにチェルヴォ村Webサイト内当該音楽祭紹介ページでは「1964年」と記載されている[7][8]

出典[編集]

  1. ^ a b Sandor Vegh, 91, Hungarian Violinist And Conductor」(→アーカイブ) - ニューヨーク・タイムズ電子版(英語)より《2014年4月3日閲覧》
  2. ^ a b c d e アーティスト詳細「シャーンドル・ヴェーグ(Sandor_Vegh)」 - 「TOWER RECORDS ONLINE」(タワーレコードWebサイト)より《2014年4月3日閲覧》
  3. ^ a b c d e f シリーズ「20世紀の巨匠たち」~シャーンドル・ヴェーグ&アルベルト・リジー→アーカイブ) - クラシカ・ジャパン(CLASSICA JAPAN)Webサイトより《2014年4月3日閲覧》
  4. ^ a b c d e f g h Sandor Végh - Artist Biography by Joseph Stevenson - 『AllMusic』(英語)より《2014年4月3日閲覧》
  5. ^ a b 弦楽四重奏曲全集 ハンガリー四重奏団(8CD)→アーカイブ(テキスト部分のみ)〕 - 「HMV ONLINE」(ローソンHMVエンタテイメント運営)より
    《運営側によるハンガリー四重奏団のプロフィール記事有り;2014年4月3日閲覧》
  6. ^ Comune di Cervo - Sándor Végh - チェルヴォ村(Comune di Cervo)Webサイト内ヴェーグ紹介ページへ(イタリア語)《2014年4月3日閲覧》
  7. ^ Festival - Chamber Music Cervo - Tribute to Sándor Végh - チェルヴォ国際室内楽音楽祭Webサイト内「Festival」ページ(英語)(イタリア語)
    《当該音楽祭の歴史が簡潔に記載されている;2014年4月3日閲覧》
  8. ^ Comune di Cervo - Il Festival Internazionale di Musica da Camera - チェルヴォ村(Comune di Cervo)Webサイト内チェルヴォ国際室内楽音楽祭紹介ページへ(イタリア語)
    《2014年4月3日閲覧》
  9. ^ Duo_brillantと石上洋子【東京会場】~過去のコンサート→アーカイブ) - 「k-eventcenter.com」〔サイト運営者…(株)デザインK〕より
    《佐藤多美子(ヴァイオリン)のプロフィール欄あり;2014年4月3日閲覧》
  10. ^ 松井直樹(まついなおき)~指導者プロフィール - 才能教育研究会(スズキ・メソード)Webサイトより《2014年4月3日閲覧》
  11. ^ アーティスト情報「カルミナ四重奏団」~プロフィール - 日本コロムビアWebサイトより《2014年4月3日閲覧》