ピアノ協奏曲第21番 (モーツァルト)

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ピアノ協奏曲第21番ハ長調KV.467ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト1785年に作曲したピアノ協奏曲である。モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも人気が高い作品のひとつ。第2楽章はスウェーデン映画『みじかくも美しく燃え』に使われた。このため、この映画の原題となった主人公の女性綱渡り師の名をとって、近年は、ピアノ協奏曲第21番ハ長調「エルヴィラ・マディガンと副題をつけて呼ばれることがある。

曲について[編集]

ピアノ協奏曲第20番の完成した僅か一ヵ月後の1785年3月9日に、やはり自分が独奏を担当する予約演奏会のためにこの曲を完成し、翌日の3月10日にウィーンのブルグ劇場の演奏会で初演された。 前作の短調のほの暗さから一転して、この曲はハ長調で書かれており、明るく清らかな雰囲気となっている。 第1楽章の396小節目、第3楽章の396小節目にカデンツァの指示、そのほかいくつかのアインガングがあるが、モーツァルト自身はカデンツァを作っていない。演奏時間約28分。

編成[編集]

曲の構成[編集]

第1楽章 Allegro[編集]

ハ長調 4/4拍子 協奏ソナタ形式

行進曲のようなリズムでオーケストラが第1主題を提示すると、それまで伴奏をしていたピアノが独奏的に上昇句で入ってきて、79小節目でアインガングが奏される。装飾的なピアノとの協奏により第一主題が再び提示されるが、その後一転してト短調に変わる。この動機は同作曲家の交響曲40番に非常によく似ている。その後はト長調へ明転し、ホルン協奏曲第3番に似た清らかな第2主題をピアノが示す。調はそのままに、第1主題のリズムで、ピアノにオーケストラが対位法的に掛け合い、提示部を終える。

展開部は夜想曲のようなホ短調で始まり、主にピアノを中心として、いくつかの調を渡りながら展開していく。

再現部に入ると、まず第1主題ののち、第2主題が再現する。その後再び第1主題を展開的に再現すると、第1主題の提示部に見られたような流れるような旋律を木管が歌い、それをピアノが引き継ぐ。主題のトゥッティに挟まれ、396小節目にカデンツァがある。それが終わると再び冒頭の旋律に戻り、静かに終わる。

第2楽章 Andante[編集]

ヘ長調 2/2拍子 三部形式

第3楽章 Allegro vivace assai[編集]

ハ長調 2/4拍子 展開部のないソナタ形式


その他[編集]

第2楽章は1967年スウェーデン映画『みじかくも美しく燃え』や『スーパーマン リターンズ』で使用されている。