カルテット (小説)

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カルテット』 (Quartet) は、大沢在昌による日本小説シリーズ。2011年毎日放送(MBS)でテレビドラマ化された。

初出[編集]

  • カルテット(『野性時代』2004年12月号 - 2005年4月号)
  • カルテット2 イケニエのマチ(『野性時代』2006年12月号 - 2008年4月号)
  • カルテット3 指揮官(コマンダー)(『野性時代』2008年7月号 - 2009年7月号)
  • カルテット4 Liberator(『野性時代』2009年9月号 - 2010年10月号)

書誌情報[編集]

  • カルテット 渋谷デッドエンド(2010年12月24日発売、角川書店、ISBN 978-4-04-874109-5
  • カルテット2 イケニエのマチ(2010年12月24日発売、角川書店、ISBN 978-4-04-874154-5
  • カルテット3 指揮官(コマンダー)(2011年1月28日発売、角川書店、ISBN 978-4-04-874158-3
  • カルテット4 解放者(リベレイター)(2011年2月25日発売、角川書店、ISBN 978-4-04-874159-0

文庫版

  • 生贄のマチ 特殊捜査班カルテット(渋谷デッドエンドとイケニエのマチの合冊本)(2015年9月24日発売、角川書店、ISBN 4041020425
  • 解放者 特殊捜査班カルテット (2)(コマンダーとリベレイターの合冊本)(2015年10月24日発売、角川書店、ISBN 4041020417
  • 十字架の王女 特殊捜査班カルテット (3) (完結編)(2015年11月25日発売、角川書店、ISBN 4041020433

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

主要人物[編集]

タケル
18歳。10歳の時に両親と妹を惨殺されるが、犯人も犯行の動機も分からない警察の無能さに見切りを付け、怒りを生きる糧とし、自ら体を鍛え上げ、格闘技を身に付け、夜ごと繁華街で“ゴキブリ”たちを狩る日々を送っている。かつて痛めつけた男たちに報復されそうになったところを、クチナワに助けられ、チームにスカウトされる。
ホウ
人気DJ・リンのボディガード。中国残留孤児三世。黒竜江省生まれ。
7歳の時に家族と日本に移り住んだが、9歳の時に母親が家を出ていき、言葉や文化の壁により辛い時期を過ごした。日本名はアツシだが、日本も日本人も憎んでいるため、そう呼ばれることを嫌う。全身にタトゥを纏っている。
カスミ
17、18歳の少女。
親友・セーラをタイに売り飛ばし薬漬けにした塚本を憎んでおり、その復讐のために本心を隠して、塚本の女として肉体関係を持ち続けている。
自称“悪魔の血をひく女”で、その出自は謎に包まれている。クチナワとはある目的のために共闘関係にあり、チームの人選もカスミが行い、チームの司令塔的存在。
クチナワ
警視庁の異端者。所属部署は組織犯罪対策部で、階級は警視正。過去の事件で両脚を失い、電動車椅子に乗っている。“クチナワ”はのことで、蛇には足がないことからそう名乗る。
ずば抜けて優秀な頭脳を持ち、自らの理想を実現しようと精鋭部隊を結成したが失敗した。

その他[編集]

トカゲ
クチナワの側近。特殊部隊の兵士を思わせる身のこなし。
マスター
恵比寿駅近くの雑居ビルにバー「グリーン」を構える。30代後半のひょろりとした体型。元警官で、かつてクチナワが作ろうとしていた精鋭部隊の隊員だった。

渋谷デッドエンド[編集]

リン
カリスマDJ。非常に人気があり、イベントには1000人以上が集まる。中国残留孤児三世。黒竜江省生まれ。
イベント企画者の塚本との関係を解消し、独立を画策していたが、その動きを事前に感づかれ、イベントの最中にもみ合って転落死してしまう。
塚本(つかもと)
イベント会社を経営する。オーガナイザーとしてリンのイベントを企画し、関西の“本社”から卸されるドラッグをイベント会場で売りさばく。
嶋(しま)
塚本のボディガード。ボディビルのやり過ぎで胸が肩にくっつきそうなほど屈強な体格。イベントでセキュリティを束ねる責任者。

テレビドラマ[編集]

カルテット
ジャンル テレビドラマ
原作 大沢在昌
企画 一志順夫、宍戸健司
脚本 公園兄弟(真辺克彦&鴨義信)
演出 西海謙一郎 ほか
出演者 福田沙紀
松下優也
夏菜
上川隆也 ほか
エンディング 松下優也 「Paradise」
製作
制作 毎日放送(MBS)
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2011年1月20日 - 3月24日(MBS)
2011年1月18日 - 3月29日(TBS)
放送時間毎週木曜 24:55 - 25:25(MBS
毎週火曜 24:55 - 25:25(TBS
放送分30分
回数9
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毎日放送(MBS)製作にて、2011年1月18日よりTBS系列各局にて順次放送。平均視聴率1.6%。

原作のホウは男だが、ドラマでは女のシュンとして福田沙紀が演じる。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 企画 - 一志順夫、宍戸健司
  • プロデューサー - 松岡周作、鎌田雄介、竹田靑滋、深迫康之
  • 脚本 - 公園兄弟(真辺克彦&鴨義信)
  • 演出 - 西海謙一郎 ほか
  • 音楽 - 石塚徹
  • 主題歌 - 松下優也Paradise
  • 製作 - 「カルテット」製作委員会、毎日放送
  • 制作協力 - ボイス&ハート

ネット局[編集]

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
関東広域圏 TBSテレビ(TBS) 2011年1月18日 - 3月29日 火曜 24時55分 - 25時25分
近畿広域圏 毎日放送(MBS) 2011年1月20日 - 3月24日 木曜 24時55分 - 25時25分 製作局
岡山県
香川県
山陽放送(RSK)
新潟県 新潟放送(BSN) 2011年1月27日 - 3月31日
愛媛県 あいテレビ(ITV) 2011年1月28日 - 4月22日 金曜 24時20分 - 24時50分
北海道 北海道放送(HBC) 2011年1月30日 - 4月10日 日曜 24時56分 - 25時26分
福岡県 RKB毎日放送(RKB) 2011年1月31日 - 4月25日 月曜 26時25分 - 26時55分
静岡県 静岡放送(SBS) 2011年2月17日 - 3月10日[1] 木曜 25時35分 - 26時05分
中京広域圏 中部日本放送(CBC) 2011年2月26日 - 5月7日 土曜 26時43分 - 27時13分

台湾ロケにおける騒動と批判[編集]

ロケの一部を台湾の台北市万華区で行なったが、劇中では"違法移民が溢れる古ぼけて廃れた無法地帯"といった否定的なニュアンスで描かれていたことが、台湾で反発を呼んだ。 さらに台湾でロケを行なったのは「ゴミゴミしたところが必要だったから」という理由だったと報道された[2]ことで、台湾・日本双方でさらに物議をかもすことになった。[3]

出典・脚注[編集]

  1. ^ 第4話まで放送されたが、東北地方太平洋沖地震の影響で打ち切りとなった。
  2. ^ 需要破爛地方日本竟來台取景 網友批:太超過 NOWnews 今日新聞網 2011年6月1日
  3. ^ 日本のドラマロケで台湾蔑視?台湾ネットユーザーの不満爆発? mantou's ちうごく新聞 2011年6月3日
毎日放送 木曜深夜ドラマ
前番組 番組名 次番組
カルテット
【ここまで第一期】
深夜食堂2
【ここから第二期】
毎日放送 木曜深夜24:55 - 25:25
闇金ウシジマくん
カルテット
【ここまで木曜深夜ドラマ枠】
真夜中パンチィ
※24:55 - 25:40
【この番組よりバラエティ番組枠】
TBS 火曜深夜24:55 - 25:25(水曜未明0:55 - 1:25)
闇金ウシジマくん
カルテット

外部リンク[編集]