選り抜き記事
信玄公旗掛松事件とは、中央本線日野春駅(山梨県北杜市長坂町)に隣接した線路脇に、かつて生育していた、武田信玄が軍旗を立て掛けたという伝承・由来のある「信玄公旗掛松」と呼ばれる老松が、蒸気機関車の煤煙、蒸気、振動などにより枯死してしまったとして、老松の所有者(地権者)であった清水倫茂が、一個人として国(鉄道院)を相手取り訴訟を起こした損害賠償請求事件である。
国家賠償法成立以前の大正年間に起きた当訴訟事件は、鉄道事業という公共性の高いものであっても、他人所有の松樹を枯死させたことは「権利の濫用」に当たると司法によって判断され、第一審甲府地方裁判所、第二審東京控訴院に続いて、上告審の大審院に至るまで、原告である清水倫茂が被告である国に勝訴した歴史的裁判であった。……
- 『掌の小説』は、川端康成の掌編小説集。川端が20代の頃から約40年間にわたって書き続けてきた掌編小説は「掌の小説」と総称されるようになり、最も短いもので原稿用紙1枚程度、最も長いものでも16枚ほどで、7枚くらいの長さの作品が多く、2枚から14枚に満たないものが大半を占めている……
- 日本大博覧会は、1905年の日露戦争勝利後に構想が具体化し、内国勧業博覧会と万国博覧会の折衷的な位置づけで1912年に開催されることが、1907年に正式決定された博覧会である。実質的な内容は万国博覧会であったが、財政難などのため1908年には明治天皇在位50周年となる1917年へと延期され、1911年には中止が決定した……
- 石狩川橋梁は、北海道札幌市北区と石狩郡当別町の境界を流れる石狩川に架かる北海道旅客鉄道(JR北海道)札沼線(学園都市線)の全長1064.1メートルの単線鉄道橋である。札沼線建設時に架橋された初代の橋と、2001年(平成13年)から供用している2代の橋があり、いずれも形式はトラス橋である……