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本路線の建設は、[[十大建設 (台湾)|台湾十大建設]]の一つとされたことから本格的に始まった。北迴線開通以前は台湾東部の[[花蓮駅]] - [[台東駅]]間の[[台東線]]は独立して運行され、[[西部幹線]]との鉄道による連絡が行なわれていなかった。そのため貨客ともに[[蘇花公路]]と[[中部横貫公路]]に頼っており、増大する東西交通の需要に応えられなくなってきた。
本路線の建設は、[[十大建設 (台湾)|台湾十大建設]]の一つとされたことから本格的に始まった。北迴線開通以前は台湾東部の[[花蓮駅]] - [[台東駅]]間の[[台東線]]は独立して運行され、[[西部幹線]]との鉄道による連絡が行なわれていなかった。そのため貨客ともに[[蘇花公路]]と[[中部横貫公路]]に頼っており、増大する東西交通の需要に応えられなくなってきた。


[[1973年]]、台湾東部を大型台風が襲い、東部交通網は深刻な被害を受けた。東西交通問題を解決する方法として蘇花公路の拡幅、新規道路の建設、鉄道建設の3案が検討され、効果が最も高いと判断された鉄道建設が決定。[[経国]][[中華民国総統|総統]]の賛同を得て、十大建設の一つとして同年12月25日に着工、日本統治時代に築かれた部分を利用し、[[1980年]]に全線が開通した。
[[1973年]]、台湾東部を大型台風が襲い、東部交通網は深刻な被害を受けた。東西交通問題を解決する方法として蘇花公路の拡幅、新規道路の建設、鉄道建設の3案が検討され、効果が最も高いと判断された鉄道建設が決定。[[経国]][[中華民国総統|総統]]の賛同を得て、十大建設の一つとして同年12月25日に着工、日本統治時代に築かれた部分を利用し、[[1980年]]に全線が開通した。


台北と花蓮間の所要時間が劇的に短縮され、更に[[1982年]]の台東線改軌完成後には台北-台東間の直通列車が走り始めたことから乗客は飛躍的に増え、[[自強号]]を始めとする優等列車は慢性的な混雑を示すようになった為、[[1992年]]からは全線の[[複線]]化、[[鉄道の電化|電化]]工事が行われ、この工事により新線の建設とトンネル、橋梁を用いた直線的な線区として生まれ変わることとなった。改良工事は[[2003年]]6月末で大部分が完了し、7月4日に複線化を祝賀する式典が花蓮駅で[[陳水扁]]総統の出席の下、執り行われた。その後も複線化工事は進められ、[[2005年]]1月に完成した。改良工事により列車の高速化と所要時間の短縮化を実現し、台湾東西を連絡する主要交通手段として利用されている。
台北と花蓮間の所要時間が劇的に短縮され、更に[[1982年]]の台東線改軌完成後には台北-台東間の直通列車が走り始めたことから乗客は飛躍的に増え、[[自強号]]を始めとする優等列車は慢性的な混雑を示すようになった為、[[1992年]]からは全線の[[複線]]化、[[鉄道の電化|電化]]工事が行われ、この工事により新線の建設とトンネル、橋梁を用いた直線的な線区として生まれ変わることとなった。改良工事は[[2003年]]6月末で大部分が完了し、7月4日に複線化を祝賀する式典が花蓮駅で[[陳水扁]]総統の出席の下、執り行われた。その後も複線化工事は進められ、[[2005年]]1月に完成した。改良工事により列車の高速化と所要時間の短縮化を実現し、台湾東西を連絡する主要交通手段として利用されている。

2020年9月15日 (火) 15:38時点における版

北廻線
清水断崖(太魯閣国家公園)付近を走る太魯閣自強号(TEMU1000型)
清水断崖(太魯閣国家公園)付近を走る太魯閣自強号TEMU1000型
基本情報
中華民国の旗 中華民国台湾
起点 蘇澳新駅
終点 花蓮駅
駅数 13駅
電報略号 ㄅㄏㄒ
開業 1980年2月1日
所有者 台湾鉄路管理局
路線諸元
路線距離 79.2 km
軌間 1,067 mm
線路数 複線
電化方式 交流25,000V、60Hz
路線図

台湾鉄路管理局路線図。東海岸の赤色の路線が北廻線。
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北廻線
各種表記
繁体字 北迴線
簡体字 北回线
拼音 Bĕihúixiàn
注音符号 ㄅㄟˇ ㄏㄨㄟˊ ㄒㄧㄢˋ
発音: ベイフイシェン
台湾語白話字 Pak-hôe Soàⁿ
日本語漢音読み ほくがいせん
英文 North-Link Line
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北廻線(ほくがいせん)は、台湾宜蘭県蘇澳鎮蘇澳新駅から花蓮県花蓮市花蓮駅に至る台湾鉄路管理局鉄道路線である。

概要

台湾を一周する環状鉄道の一部として建設された。山間部に敷設されたため橋梁トンネルが多く、橋梁は91ヶ所、トンネルは16箇所を数える。線区内の新観音トンネルは全長10,307mであり、台湾最長の鉄道トンネルとなっている。

歴史

日本統治時代に、花蓮駅と宜蘭付近から建設を始めたものの、残り約30kmを残して未成に終わった鉄道路線である。

本路線の建設は、台湾十大建設の一つとされたことから本格的に始まった。北迴線開通以前は台湾東部の花蓮駅 - 台東駅間の台東線は独立して運行され、西部幹線との鉄道による連絡が行なわれていなかった。そのため貨客ともに蘇花公路中部横貫公路に頼っており、増大する東西交通の需要に応えられなくなってきた。

1973年、台湾東部を大型台風が襲い、東部交通網は深刻な被害を受けた。東西交通問題を解決する方法として蘇花公路の拡幅、新規道路の建設、鉄道建設の3案が検討され、効果が最も高いと判断された鉄道建設が決定。蔣経国総統の賛同を得て、十大建設の一つとして同年12月25日に着工、日本統治時代に築かれた部分を利用し、1980年に全線が開通した。

台北と花蓮間の所要時間が劇的に短縮され、更に1982年の台東線改軌完成後には台北-台東間の直通列車が走り始めたことから乗客は飛躍的に増え、自強号を始めとする優等列車は慢性的な混雑を示すようになった為、1992年からは全線の複線化、電化工事が行われ、この工事により新線の建設とトンネル、橋梁を用いた直線的な線区として生まれ変わることとなった。改良工事は2003年6月末で大部分が完了し、7月4日に複線化を祝賀する式典が花蓮駅で陳水扁総統の出席の下、執り行われた。その後も複線化工事は進められ、2005年1月に完成した。改良工事により列車の高速化と所要時間の短縮化を実現し、台湾東西を連絡する主要交通手段として利用されている。

運行形態

使用車両

駅一覧

  • の駅は廃止された駅である。
  • 背景色がである部分は現在施設が供用されていない、または完成していないことを示す。
駅名 駅番号 駅間
キロ
累計
営業
キロ
等級 接続路線・備考 所在地
日本語 繁体字中国語 英語
蘇澳新駅 蘇澳新站 Su'aoxin Station 067 0.0 0.0 一等 宜蘭線と接続 宜蘭県 蘇澳鎮
永春駅 永春車站 Yongchun Station 065   3.9 廃止  
永楽駅 永樂車站 Yongle Station 064 5.2 5.2 三等  
東澳駅 東澳車站 Dong'ao Station 063 5.8 11.0 二等   南澳郷
南澳駅 南澳車站 Nan'ao Station 062 8.0 19.0 三等   蘇澳鎮
武塔駅 武塔車站 Wuta Station 060 3.7 22.7 招呼   南澳郷
観音信号場 觀音號誌站 Guanyin Signal Station 059   28.8 廃止  
漢本駅 漢本車站 Hanben Station 058 12.9 35.6 三等  
和平駅 和平車站 Heping Station 057 4.4 39.8 二等   花蓮県 秀林郷
和仁駅 和仁車站 Heren Station 056 7.7 47.5 三等  
崇徳駅 崇德車站 Chongde Station 055 10.1 57.6 三等  
新城(太魯閣)駅 新城(太魯閣)車站 Xincheng (Taroko) Station 054 5.3 62.9 二等   新城郷
景美駅 景美車站 Jingmei Station 053 5.3 68.2 乙簡   秀林郷
北埔駅 北埔車站 Beipu Station 052 6.5 74.7 三等 花蓮臨港線と分岐 新城郷
花蓮駅 花蓮車站 Hualien Station 051 4.5 79.2 特等 台東線と接続 花蓮市

関連項目