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グランド・セフト・オートシリーズ
Grand Theft Auto Series
ジャンル アクションアドベンチャー, オープンワールド, 犯罪ゲーム
開発元 Rockstar Games
Rockstar North(formerly DMA Design)
Rockstar Leeds
Rockstar Toronto
Rockstar Lincoln
発売元 Rockstar Games、カプコン
1作目 グランド・セフト・オート
1997年10月
最新作 グランド・セフト・オートV
2013年9月
公式サイト http://www.rockstargames.com/V/
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グランド・セフト・オート(Grand Theft Auto、略称:GTA)は、アメリカゲーム制作会社・Rockstar Gamesが発売したコンピューターゲームのシリーズ。犯罪を中心にした内容が特徴。2015年8月時点で、全世界でシリーズ累計2億2,000万本以上の売り上げを記録[1]している大ヒット作品である。

概要

ゲームタイトルは直訳すれば「自動車重窃盗」といった意味(Grand Theftは重窃盗、Autoは自動車)であるが、シリーズでは車に限らず陸海空の様々な「乗り物」がミッションにフィーチャリングされている。非常に自由度が高いがその内容が生き残るためなら誰彼構わず巻き添えにする事も可能であり、暴力的過ぎるという批判も強いため「暴力・出血表現が含まれている」などの注意喚起シールがほとんどのシリーズのパッケージに貼ってある。

他のクライムアクションゲームに比べてNPCの行動やしぐさが人間的である。例えば『MAFIA』や『DRIV3R』といったクライムアクションゲームのNPCはただひたすら歩道を歩く人形のようなものだが、『GTA:SA』では主人公が魅力ある服装だとNPCから通りがかりに話しかけられたり誉めてくれたり逆にからかわれたりする。それ以外にもNPC同士が会話していたり、警官に反抗的なものがいたりとさまざまで、他のクライムアクションゲームには無いNPCの人間描写がある。なお、暴力的描写が含まれるため、子供のNPCは一切見られず、ストーリーにおいても「VCS」に少し登場するだけである。

シリーズの多くは序盤(またはオープニングシーンまで)仲間だったキャラクターが後々裏切り、プレイヤーと敵対する関係になるといった、モチーフとしているマフィア・ギャング映画に近いストーリーとなっている。また、いずれの作品もゲームの性質上、主人公が人生のどん底から再起し這い上がって頂点に立つといったストーリー展開が多い。プレイヤーは決められたミッションをこなしてゲームを進めることになるが、ミッションは失敗してもそのまま最初からやり直せる。街で暴動を起こすと、手配度(星)が増え、警察が主人公を追跡する。手配度が上がるにつれ、より精強な部隊に追われることになる(部隊には戦車隊やヘリコプター隊などが含まれているが、シリーズによっては出ないこともある)。部隊の追跡を免れるためには手配度を何らかの方法で消す必要があり、手配度が高い程消すのも難しくなる[2]。ライフがなくなって意識を失ったり警察に捕まったりすると、武器と防弾チョッキを没収され、最寄りの警察署や医療施設から再スタートしなければならない(GTAIVにおいては逮捕された場合のみ武器が没収され、GTAVでは逮捕された場合弾薬のみが没収される)。病院に入院すると治療費をとられる。

また、ほとんどの作品に日本語日本文化(特に日本刀)、ヤクザなどが登場する。日本語を話すNPCがいたり、街中に落ちている新聞紙や段ボールをよく見ると日本語が書かれていたりする。とくにGTA:VCSのミッション名に「Domo Arigato Domestoboto」(元ネタはStyxの「ミスター・ロボット」)というものがある。

シリーズにおいて登場人物が複数の作品において共通することがある(GTAIII系統に登場するフィル・キャシディはIII、VC、LCS、VCSなど4つの作品に登場しており、GTAシリーズの登場人物で最も登場回数が多い)。

本作のパロディとして、GTAのゲーム画面風なCGアニメによるコカコーラのCMが流された。CMはGTAの暴力的なイメージをまるっきり逆にしたピースフルな内容である。

シリーズ

グランド・セフト・オート

同シリーズ第1作。1997年10月、北米で発売。見下ろし型ドライブゲームの形態を持ちながらギャング組織のチンピラ(ストリートギャング)がボスに指示をもらい、ミッション(犯罪)を実行するという内容。日本ではPC版と、1998年にPlayStation版が発売された。従来にはないその暴力性が一部で問題視された。

グランド・セフト・オート ミッションパック #1 ロンドン 1969

Grand Theft Auto Mission Pack #1: London, 1969は、『GTA1』の追加パック。舞台を1969年ロンドンとし、当時の欧州車が登場する。 当時のロンドンの雰囲気をほぼ再現しており、また、GTA1同様、個性的なキャラクターがおり、その中の一人である「ロドニー」は唯一イラストが二種類存在しており、うち一種類がロックスター・ソーシャルクラブでアイコンとして設定できる。

なお、テーマ曲はラウラ・アントネッリ主演の映画「毛皮のヴィーナス」の楽曲のひとつが使用されており、これらの曲はゲーム内のラジオ「ウェストミンスター・ワイヤレス」で聞くことが出来る。

グランド・セフト・オート ミッションパック #2 ロンドン 1961

Grand Theft Auto Mission Pack #2: London, 1961は、『GTA1』の追加パック第2弾。

グランド・セフト・オート 2

1999年10月発売。PC向けの製作で2D(x,y軸)。前作からの大きな変更点は「信頼度」の導入であり、これは各面ごとに3つの犯罪組織が対立しており、ある組織に気に入られるとより報酬の高い仕事をもらえるが、その代わり敵対する別の組織から報復を受けるというものである。このため高い自由度に加えて、常に各組織の顔色をうかがいながらゲームを進めていくという戦略性が加わった。また、アメリカ合衆国が舞台だった前作に比べて「ザイバツ」や「ヤクザ」という組織名や「アサクサ」「ヒロシマ」のような地名、日本語が流れるラジオなど、所々に日本を意識した作りが見られる。さらに最大手配レベルが4から6になり、犯罪を起こしすぎると厳しいペナルティがさらに厳しくなった。シリーズで唯一ドリームキャスト版が発売された作品でもある。 なお、Rockstar Gamesの英語版サイトでこのゲーム(英語表記)がフリーソフトでダウンロード可能である。

グランド・セフト・オートIIIシリーズ

グランド・セフト・オートIII

当初PS2で発売され、後にPCやXboxに移植され、世界中で八百万本規模の大ヒットを遂げる(公式には800万本と称される)。日本でも2003年秋にカプコンよりCEROレイティング18歳以上対象ソフトとしてPS2版が発売され、海外ゲームとしては異例の30万本ヒットを記録。架空の街「リバティーシティ」を構築し、自由にシミュレーションすることが人気を得た。同時に暴力描写、特にチートを使用することで体がバラバラになる描写が話題となり、青少年による暴力や無差別殺人事件を誘発したとして批判され(後述)、神奈川県有害図書に認定される。2004年12月16日にカプコンから廉価版がPlayStation 2用として発売された。本作の主人公はクロード。

グランド・セフト・オート・バイスシティ

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第2弾。2002年10月にPS2で発売、日本では2004年5月にPS2日本版が発売された。その後に、PC版にも移植した。また、同国では前作グランド・セフト・オート IIIをカップリングした徳用パック『グランドセフトオート ダブルパック』がXboxとPS2向けに発売された。アル・パチーノ主演のバイオレンス映画『スカーフェイス』、及び80年代を代表するマイアミが舞台のドラマ、『マイアミバイス(Miami Vice)』の強い影響を受けて作られた。本作の主人公はトミー・ベルセッティ。

グランド・セフト・オート・サンアンドレアス

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第3弾。2004年10月26日PS2北米版が発売された。PS2日本版は不適切なシーンなどを一部カットした上で2007年1月25日発売(CERO区分:Z=18歳未満購入禁止)。2007年7月12日には、カプコンより廉価版が発売された。

舞台は1992年アメリカ西海岸の架空の州、サンアンドレアス。州の中にはLos Santos、San Fierro、Las Venturasの3つの都市がある。本作の主人公はカール・ジョンソン(CJ)。

今作を最後にXbox版のシリーズ販売は終了している。

グランド・セフト・オート・アドバンス

グランド・セフト・オートIIIシリーズの第4弾で、GTA初のゲームボーイアドバンス版。舞台はGTAIIIに登場した「リバティーシティ」で、GTAIIIの1年前の話となっている。視点はGTA1及びGTA2と同じ見下ろし型。何度か発売延期になったあと発売されたが、日本では発売されなかった。主人公はマイクと呼ばれる男性。

グランド・セフト・オート・リバティーシティ・ストーリーズ

グランド・セフト・オートIIIシリーズ第5弾で、グランド・セフト・オートシリーズ初のPSP版。2005年10月25日にPSP北米版が発売され、2006年6月6日にPS2北米版が発売された。2007年7月26日にPSPの日本版が発売され、2007年9月6日にPS2の日本版も発売された。今作は『GTAIII』の約3年前の1998年を舞台にし、本作の主人公は同ゲームに登場したレオーネ・ギャングの一員、トニー・シプリアーニ。

グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ

グランド・セフト・オート IIIシリーズ第6弾。2006年10月31日発売。そしてPSP版第2弾として北米にてリリース、PSP同梱版も発売された。日本版はPSP、PS2版共に2007年12月6日に発売された(日本語版限定ではあるもののシリーズ初のダブルプラットフォームでもある)。GTAシリーズ初にして唯一(2014年現在)の実在の有名人フィル・コリンズが登場した作品でもある。 『GTAVC』の2年前にあたる1984年バイスシティが舞台。本作の主人公は『GTAVC』のオープニングでの薬物取引で登場し、死亡したヴィクター・ヴァンス。

グランド・セフト・オートIVシリーズ

グランド・セフト・オートIV

北米、欧州などで2008年4月29日Xbox 360PS3それぞれのハードで発売されている。日本版はPS3版Xbox 360版ともに2008年10月30日に発売。PC版は北米で2008年12月2日に、ヨーロッパ地域では12月3日にそれぞれ発売され、日本語版も2009年3月20日に発売された。2008年のリバティーシティが舞台で、主人公は旧ユーゴスラビア人男性のニコ・ベリック。GTAシリーズで初のマルチエンディングを採用した作品でもある。なお、本作はそれ以前の作品とは世界観が異なる為、(一部のファンサービスを除き)ストーリーやキャラクターなどに繋がりは無い。

グランド・セフト・オート・ザ・ロスト・アンド・ダムド

Xbox 360用ダウンロードコンテンツとして2009年2月17日に配信されたGTA4の外伝作品第一弾(北米では2010年4月13日に、欧州では同年4月16日にPS3版も配信されている)。GTA4本編と同じ時間軸において、別のキャラクターの視点からリバティーシティで起こる物語を描写している。主人公はバイカーギャングのジョニー・クレビッツ。

グランド・セフト・オート・ザ・バラッド・オブ・ゲイ・トニー

Xbox 360用ダウンロードコンテンツとして2009年10月29日に配信されたGTAIVの外伝作品第二弾(PS3版は北米、欧州共にTLADと同日に配信)。リバティーシティで起こる物語を、また違った人物の視点から描いていく。主人公はトニー・プリンスのビジネスパートナー兼ボディガードを務めるルイス・フェルナンド・ロペス。

上記2作品は後に一枚のディスクに収めた「グランド・セフト・オート:エピソード・フロム・リバティーシティ」(Xbox 360版はTBOGT配信日と同日、PS3版はTLAD、TBOGT配信日と同日、日本版は2010年6月10日に発売)、GTAIV本編、TLAD、TBOGTの3作品を一枚のディスクに収めた「グランド・セフト・オートIV コンプリートエディション」が発売されている。

グランド・セフト・オート・チャイナタウンウォーズ

ニンテンドーDS2009年3月17日に北米版が発売され、PSP版も2009年10月20日に発売された。日本語版は2010年3月11日に発売された。システムはGTA4と同じであるが、2作目以前の作品やアドバンス版と同様の見下ろし型の視点である。デフォルメされながらも3DCGで描かれたリバティーシティ(GTA4版)が舞台だが、オルダニーが登場しないなどの差異がある。主人公は中国系ギャングのトライアドに所属するホァン・リー。日本語版(DS版)は2009年10月29日サイバーフロントにて発売された。

グランド・セフト・オートV

2011年10月25日に公式ホームページでタイトルが発表された。北米では2013年9月17日日本では2013年10月10日Xbox 360PS3でリリース。『GTAIV』と世界観を共有している。舞台はロスサントス。主人公はマイケル・デサンタ、フランクリン・クリントン、トレバー・フィリップスの3人。GTAシリーズでは初めて複数の主人公が登場している。 その後、2014年11月18日PS4及びXbox Oneで、2015年4月14日にはPCでも発売された。

レアカー

作品により多少定義が異なるが、各作品には特定のミッションでしか登場しない珍しい車が存在する。どういう点が通常と異なるかは様々だが、大きく分けて次の三種類がある。

レアカラーのもの

通常ではその色で出現したり、塗り替えたりできない車。但し塗装屋で塗り替えると元の色に戻せなくなってしまう。ちなみにその色に塗り替えることはできないが、その色で通常出現する車も存在する(VCの白のインフェルナスなど)。

車種そのものが珍しいもの

その車自体が該当するミッション以外では現れない。レアカラーのものとは異なり、塗装屋に持っていっても貴重性は失われない。何故か多くの作品には霊柩車がこれとして登場する。

特定の攻撃に対して無敵のもの

銃で壊せないものや燃えないもの、更には基本的な攻撃全てが効かないものもある。但し横転や転覆をさせる、戦車で轢くなど特殊な手段を使えば壊せる。入手方法の大半はプログラムの盲点を利用したものである。

各作品の年代設定

サウンドトラック(ラジオ局)

諸問題

訴訟

米国では2003年6月7日、このシリーズをプレイしていた少年が警察署警官など数人に発砲してパトカーを奪うという事件が起き、その後被害者遺族からメーカーと販売店に対して民事訴訟が起こされた。

ほか、バイスシティではゲーム中に多く登場するハイチ人のギャングマフィアといったキャラクターが暴力的すぎるとして、ハイチ系移民から訴訟を起こされたこともある。

有害図書とCEROへの影響

神奈川県2005年6月7日、大手ゲームメーカー「カプコン」が販売するPS2版『グランド・セフト・オートIII』(GTAIII)に残虐な内容が含まれているとして神奈川県青少年保護育成条例の「有害図書」に指定した。5月30日の県児童福祉審議会で、「有害」指定すべきとの答申が出たことを受けて7日付の県公報で告示した[3]

同条例に基づき、このソフトは18歳未満への販売が禁止されるとともに店頭での一般ソフトとの区分陳列が義務づけられるようになり、違反者には30万円の罰金が科せられる。また、神奈川県に続き石川県埼玉県大阪府も有害図書に指定した。さらに7月14日に開かれた全国知事会議で全都道府県(長野県の一部を除く)で有害図書に指定された。

この有害図書への指定とその原因とされた一連の出来事を機に、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)は旧区分で「18歳以上対象」とされていたソフトを「Z(18歳以上のみ対象)」と「D(17歳以上対象)」の2区分へ変更するようレーティング制度を改めるとともに各都道府県の青少年保護育成条例において「Z」区分と審査されたソフトを全て有害図書へ指定するようになった(GTAIII以降のシリーズも全て「Z」区分となったため、ほとんどのシリーズが有害図書扱いとされることになった)。

性的シーン問題

暴力的なゲームを非難しているアメリカの団体・NIMF(全米家族メディア研究所)が『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』にはインターネットでダウンロードできるHotCoffeeと呼ばれるMODを導入することで性的なシーンが見られるとして批判声明を発表(このHotCoffeeはSan Andreasに元々からプログラムされていた当該シーンのロックを解除するプログラム)。

Rockstar Games側は「ゲーム製作者側が意図したものでは無い」と反論したものの2005年7月14日、米上院議員(当時)ヒラリー・クリントン連邦取引委員会に調査要求を出した。7月20日には同ゲームのESRBのレーティングを「Mature」(M:17歳以上向け)から「Adults Only」(AO:18禁のソフト)へと引き上げられることになった[4]

その後性的シーンを無効にする(幾つかのバグフィックスも含む)パッチがリリースされた。また、流通されているソフトは一旦全て回収を行い、レーティングがAdultsOnlyに該当する要素を削除したバージョンとして再出荷されている。

脚注・出典

  1. ^ ミル☆吉村 (2015年8月22日). “GTAシリーズの総販売本数は2億2000万本以上、『GTAV』だけでも5400万本を突破。投資家向け資料から驚きの数字が判明”. ファミ通.com. 2015年8月23日閲覧。
  2. ^ 作品や現在の手配度にもよるが、主な方法は警察に見つからないようにしばらく逃げ続ける、塗装屋で自分の乗り物の色を塗り替えるなど。
  3. ^ 「グランド・セフト・オート3」を有害図書類指定へ――神奈川県ITMedia2005年5月30日、2013年10月24日観覧
  4. ^ San Andreas rated AO, Take-Two suspends production”. GameSpot. 2013年8月23日閲覧。

関連項目

外部リンク