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廣部雅昭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
廣部 雅昭
(ひろべ まさあき)
生誕 1936年
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 薬学
研究機関 東京大学
静岡県立大学
出身校 東京大学
主な業績 チオレート軸配位ポルフィリン
錯体の合成に成功
比較代謝化学的
パターン解析法の考案
新規モルフィンエポキシド
誘導体の発見
内在性テトラヒドロ
イソキノリン誘導体の発見
主な受賞歴 日本薬学会学会賞(1995年)
プロジェクト:人物伝
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廣部 雅昭(ひろべ まさあき、1936年[1]1月22日 - )は、日本の薬学者(薬品代謝化学)。勲等瑞宝中綬章東京大学名誉教授、静岡県立大学名誉教授。新字体にて広部 雅昭と表記されることもある。

東京大学薬学部教授、東京大学薬学部学部長、静岡県立大学学長(第3代)、静岡県学術教育政策顧問、静岡県公安委員会委員長などを歴任した。

来歴

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生い立ち

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千葉県木更津市生まれ 千葉県立木更津高校卒業 1960年に東京大学薬学部を卒業し、同大学の大学院に進み化学系研究科にて学んだ[2]。その後、東京大学に採用され、薬学部にて助手、助教授とキャリアを積み、1976年に教授に就任した[2]。日本国内の大学としては史上初めて設置された薬品代謝化学講座にて、担当教授を務めた[2]。1966年、薬学博士(東京大学)(学位論文「N-Aminopyridinium塩の研究 : 特にCyanide ionに対するピリジン環の特異的活性について」)[3]

学術活動

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静岡県立大学では学長に就任し、大学院看護学研究科薬学研究科医療薬学専攻を新設するなど、組織の充実を図るとともに、都市エリア産学官連携促進事業、21世紀COEプログラムなどへのプロジェクト採択を実現した。学長在任時、在学生同士で結婚したカップルに対しキャンパス内での挙式を許可し、廣部自らが結婚式の立会人を務めたというエピソードを持つ[4]

学長退任後、静岡県学術教育政策顧問として21世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラムなど県内大学の各種プロジェクトを後方支援し、静岡県知事石川嘉延が推進した産官学連携構想であるファルマバレー構想、フードヒル構想、フォトンバレー構想などに学術的見地から提言などのサポートを行った。石川の県政のキャッチコピーである「富国有徳」を考案した静岡文化芸術大学学長川勝平太とともに、石川を支える学界ブレーンの双璧をなした。

公的活動

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また、公職としては、静岡県公安委員会委員を2期務めており、委員長にも就任した。静岡健康・長寿学術フォーラム組織委員会の委員長なども務めている[5]

研究

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専門は薬学であり、薬品代謝化学といった分野の研究を続けている。具体的な事績の例としては、チオレート軸配位ポルフィリン錯体の合成に成功したことが挙げられる[2]。チオレート軸配位ポルフィリン鉄錯体は、世界で初めて見出された安定なシトクロムP450モデル錯体として知られている[2]。また、シトクロムP450化学モデル系を、実際の薬物代謝実験に応用しようと試み、比較代謝化学的パターン解析法を考案した[2]。また、創薬に関しては、鎮痛効果を持つ新たなモルフィンエポキシド誘導体の発見や、パーキンソニズム発症抑制作用を持つ内在性テトラヒドロイソキノリン誘導体を発見している[2]

学術的な事績に対しては日本薬学会学会賞など各種の賞を授与されており、これらの功績により日本化学会名誉会員に推挙された。東京大学などの名誉教授にも任じられている。2011年には、教育研究功労により、瑞宝中綬章を受章している[6]

親族

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子にミュージシャン・水中写真家の広部俊明。妻に薬学者の廣部千恵子東京大学名誉教授を務めた化学者水島三一郎は廣部の岳父である。参議院議員にして聖マリアンナ医科大学名誉教授の水島裕は廣部の義兄である。衆議院議員を務めた政治家水島広子は廣部の義姪にあたる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
英三郎の妹
 
 
 
水島三一郎
 
 
正田英三郎
 
 
 
昭和天皇
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
廣部千恵子
 
廣部雅昭
 
水島裕
 
上皇后美智子
 
 
 
明仁上皇
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
水島広子
 
黒田清子
 
秋篠宮文仁親王
 
今上天皇
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
悠仁親王
 
佳子内親王
 
眞子内親王
 
愛子内親王

賞歴

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栄典

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著作

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単著

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  • 広部雅昭研究代表『酸素添加酵素チトクロームP450機能を有する分子の設計と機能解析』東京大学、1987年。
  • 広部雅昭研究代表『代謝化学的分子修飾によるモルヒネ系非麻薬性鎮痛薬の開』東京大学、1987年。
  • 廣部雅昭研究代表者『スーパーオキシド消去を作用機序とする新規抗炎症剤の開発』廣部雅昭、1990年。
  • 広部雅昭研究代表者『比較代謝化学的手法によるP-450機能性人工触媒の創製と薬物代謝研究への応用』広部雅昭、1993年。
  • 広部雅昭研究代表者『パーキンソン病関連内在性脳内アミンをリード化合物とする抗パーキンソン病薬の開発』広部雅昭、1994年。

編纂

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  • 原昭二中嶋暉躬・廣部雅昭編集『バイオメディカルクロマトグラフィー――Biomedical chromatography』1集、南江堂、1981年。
  • 原昭二・中嶋暉躬・廣部雅昭編集『バイオメディカルクロマトグラフィー――Biomedical chromatography』2集、南江堂、1981年。
  • 矢島治明・廣部雅昭編集『合成医薬品』1巻、廣川書店、1989年。
  • 矢島治明・廣部雅昭編集『合成医薬品』2巻、廣川書店、1989年。
  • 矢島治明・廣部雅昭編集『合成医薬品』3巻、廣川書店、1989年。
  • 廣部雅昭・鎌滝哲也編集『薬物の代謝』学生版、廣川書店、1990年。ISBN 4567391802
  • 廣部雅昭・山崎幹夫共編『新・薬学概論』廣川書店、1997年。ISBN 4567401204
  • 廣部雅昭・山崎幹夫編『新・薬学概論』2版、廣川書店、2008年。ISBN 9784567401210

脚注

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  1. ^ Web NDL Authorities
  2. ^ a b c d e f g 杉浦幸雄「日本薬学会学会賞受賞廣部雅昭氏の業績」『ファルマシア』31巻4号、日本薬学会、1995年4月1日、411頁。
  3. ^ 博士論文書誌データベース
  4. ^ 「学内で結婚式」『はばたき』71巻、静岡県立大学広報誌編集会議、2000年3月、16頁。
  5. ^ 「認知症克服に理解を――静岡で健康・長寿学術フォーラム」『静岡社会:認知症克服に理解を 静岡で健康・長寿学術フォーラム静岡新聞社静岡放送、2010年10月16日。
  6. ^ 平成23年秋の叙勲』17頁。 アーカイブ 2016年3月5日 - ウェイバックマシン

関連項目

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外部リンク

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学職
先代
星猛
静岡県立大学学長
第3代 : 1999年 - 2005年
次代
西垣克
先代
星猛
静岡県立大学短期大学部学長
第3代 : 1999年 - 2005年
次代
西垣克