コンテンツにスキップ

峐の湯温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
峐の湯温泉
(はげの湯温泉)
はげの湯全景 涌蓋(わいた)山麓にある
温泉情報
所在地 熊本県阿蘇郡小国町西里
北緯33度09分13.4秒 東経131度08分22.4秒 / 北緯33.153722度 東経131.139556度 / 33.153722; 131.139556座標: 北緯33度09分13.4秒 東経131度08分22.4秒 / 北緯33.153722度 東経131.139556度 / 33.153722; 131.139556
峐の湯温泉の位置(日本内)
峐の湯温泉
交通 鉄道:JR久大本線豊後森駅下車小国行きバスで約50分で岳の湯バス停へ。そこから徒歩約10分
車:大分自動車道九重ICより約30分
泉質 単純硫黄泉、含硫黄ナトリウム塩化物泉
泉温(摂氏 92 - 97 °C
浸透圧の分類アルカリ性
テンプレートを表示

峐の湯温泉はげの湯温泉、はげのゆおんせん)は、熊本県阿蘇郡小国町にある温泉九重連山のひとつである標高1499.5mの涌蓋山(わいたさん)西麓の、のどかな高原状の山地にあり、岳の湯温泉、地獄谷温泉、山川温泉麻生釣温泉鈴ヶ谷温泉とともにわいた温泉郷を構成している。

名の由来

[編集]

その名の由来は、湧蓋山の南斜面の日当たりが良い場所を“はげ”と呼んだことや、温泉の蒸気のために草木が育たない“はげ地”など、いくつかの由来がある。

「はげの湯温泉」とも書くが、正式には「峐の湯温泉」と書く。但し、「峐の湯」の名の由来は、旅館の経営者らにも知る者がない。しかし、「ハゲ」という地名は、山間の狭い狭い場所、日当たりの良い南向きの場所、切り立った斜面で川に近い場所などを意味し、峐の湯温泉の立地はそのすべてに当てはまる。日本全国に「ハゲ」という地名は全部で20ほどあるという[1]

泉質

[編集]
  • 弱アルカリ性単純硫黄泉、含硫黄ナトリウム塩化物泉など。

温泉街

[編集]
地面のいたるところから湯煙が上がる峐の湯。

「山翠」、「まつや」、「わいた山荘」「たけの蔵」の4軒の旅館と、1998年開業の家族風呂専用の24時間営業の日帰り貸切り温泉「くぬぎの湯」、1軒の共同浴場とからなる。旅館ごとに専用の源泉を持つため、異なる泉質の温泉があり、ほとんどが源泉掛け流しである。山の斜面を利用した立地の旅館からの眺望がよく、広大な展望と自然の懐に抱かれた静かな環境が堪能できる。涌蓋山の登山口でもあり、1時間ほどで涌蓋山頂に至る。

温泉地の地面のいたるところから、もうもうと湯煙が吹き上げており、独自の景観をなしている。また、この地熱を利用した蒸し地鶏等の料理が名物になっている。

旅館「山翠」の洞窟風呂
  • 旅館「山翠(さんすい)」 温泉街の中でも最も高い場所に位置し、近隣の街から車で1時間ほどかかる。混浴露天風呂、洞窟風呂、内風呂、打たせ湯などバラエティ豊かな風呂を持つ。97℃の地獄の蒸気で蒸しあげた、まるままの地鶏料理が名物。日帰り入湯可。
  • 「やすらぎの宿 まつや」 創業150年の老舗だが、「松屋旅館」から平成10年に「やすらぎの宿・まつや」としてリニューアル。木造2階建て。混浴露天風呂を始め、貸切り風呂、家族風呂など8種類のお風呂が楽しめる。名物は「元祖・地鶏の地獄蒸し」。8室のすべてから、涌蓋山が望める。日帰り入湯可。2014年(平成26年)に温泉の余剰蒸気を利用した地熱発電所「小国まつや発電所」を開設し、再生可能エネルギーの活用として熊本県で一番乗りをしている。
  • 「わいた山荘」 2つの源泉をもつ。一つは乳白色の湯。屋上展望桶風呂や露天風呂など、6つのお風呂をもち、貸切りも可。やはり鶏の地獄蒸しを名物とする。2020年(令和2年)に「わいた館」に名称変更し、リニューアル。日帰り入湯不可。
  • 「たけの蔵」 2005年開業の新しい旅館だが、築280年の古民家を移設して建設されたため、古風な雰囲気を持つ。
  • 「くぬぎの湯」 24時間営業の貸切り専用の日帰り温泉。家族露天風呂、家族内湯、サツマイモを蒸すことができる「蒸し地獄」がある。
  • 共同浴場 コンクリート打ちっ放しの浴室にひょうたん型をした湯船を持つユニークな造り。無色透明な間欠泉が湧き出している。

歴史

[編集]
峐の湯源泉の一つ。

漫画家つげ義春が昭和40年代に「旅のスケッチ」で描いたこともあったが、当時は地元の人以外、知る人の少ない小さな湯治場に過ぎなかった。その後の秘湯ブームのあおりを受け多くの人の知るところとなり一般客が激増、旅館のすべてと共同浴場は新調され、当時の面影は失せている。

1980年ころには、7戸からなる小さな集落で、当時旅館は2軒しかなく、それ以前には5軒あったそうである。かつては涌蓋山九重山への登山客に多く利用されていたが、車の利用が多くなり、一時は寂れた[1]

アクセス

[編集]

ギャラリー

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 藤原健三郎『秘湯と秘湯の温泉の旅』(JTB)1981年3月25日刊行

外部リンク

[編集]