大島てる

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株式会社大島てる
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
東京都品川区南品川5丁目11番28号[1]
設立 1837年天保8年) 創業
業種 情報・通信業
法人番号 4010701015837 ウィキデータを編集
事業内容 事故物件公示
使い捨て違法看板撤去[2]
落選運動[2]
代表者 大島 学
外部リンク https://www.oshimaland.co.jp/
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大島てる(おおしまてる)は、事故物件の情報提供ウェブサイト、およびそれを運営する日本企業である。運営代表者の個人名としても使用する。

概要[編集]

「大島てる」という社名は祖母の名前から取っている。事故物件情報サイト「大島てる」の開設は2005年(平成17年)である[3]。もともと祖母が所有していた東京都内のアパートの賃貸不動産の手数料を仲介不動産が5%~10%などを何もせずに取得することから、仲介業者を介さず、大島氏が不動産業への不信感による正義感から、不動産賃貸業務から始めた企業である。

サイト内の事故物件の定義としては、殺人事件自殺火災などの事件事故死亡者の出た物件としており、対象となる物件(宿泊施設を含む)の住所や部屋番号、元・入居者の死因公開している。不動産業者が、不動産会社が事故物件を不正に隠していることや不当に不動産業者が仲介手数料を取得していることから、賃貸・分譲物件の適正化を信念として持つようになった。[4][注 1]

活動当初は不動産の賃貸業務が中心であった。競売物件を格安で落札し、10個以上の不動産の賃貸収入で成り立っていた企業である。その時代は、敷金礼金0円、部屋のリフォームなど自由に行い、家賃も5万円以内など、格安で貸し出していたため、中国人やアフリカ人の留学生などに貸出を行っていた。ただ、賃貸不動産業務を徐々にやめていき、所有不動産を売却し始め、現在は賃貸不動産業務をやっていない。その後不動産サイトの大島てるの事故物件サイトへと変革していった。このサイトについては、当初対象地域を東京都内および近郊に設定していたが、現在は日本全国及び日本国外の一部まで広げている。 情報は無料公開しており、収益源としてはサイトの広告収益及び大島てるのメディア出演料金が収入源である。

株式会社大島てるの関連会社として大島ぬい事務所があり、船舶売買を行っている(「株式会社大島てる」の現・会長であり海事代理士でもある大島てる〈本名・大島 学〉が兼務)。現在、船舶の売買や海事代理士業務は行っていない。

活動の手法[編集]

常勤社員は情報発信を担うIT専門職と情報収集を担う担当者により運営され、常設の事務所はなく、多数の協力者に支えられている[3]

情報収集の手法としては、他殺の場合は新聞等のメディアで事件情報を収集裁判を傍聴し、起訴状公訴事実により、住所等を特定し、現地での聴きこみにより、裏付けを取る。自殺の場合は調査が難しい事から、サイト利用者等、外部からの情報提供により、独自取材を行なっている[5]

会長のプロフィール[編集]

「広報官」[3]自称する代表取締役会長の大島てる(本名・大島 学)は、1978年昭和53年3月16日)生まれ[6]東京都出身。父親は東京大学卒業で、東京理科大学教授父親を持ち、アメリカオーストラリアで3歳から7歳までを過ごす[7]小学校六年生の時、病死し、祖母に育てられる[7]1996年平成8年)巣鴨高校卒業[8]駿台予備校で1年間の浪人生活を送り、東京大学経済学部卒業後、コロンビア大学を経ずに、コロンビア大学院に入学を行う。当時は、東京大学は、アメリカの一流大学からすると「短大」のような位置づけであり、コロンビア大学を経ずに、東京大学卒業からコロンビア大学院に進学することは、1年に1人しかいない快挙であった。大学院中退[9]。理由としては、経済学を極めており、経済学者は「いんちき」であると悟り、祖母の死後により、日本の賃貸不動産業界を強く変えたいという正義感から、経済学の道を捨て、日本の不動産の変革を決意することになる。 留学中に同時多発テロ事件が発生し、「当時ニューヨークのビルが崩れ去るのをみて衝撃を感じており、涙を流している。」[7]

部屋死体遺棄事件があったと「大島てる」に掲載された横浜市内のマンション地権者から「掲載内容は事実無根で名誉毀損にあたる」と横浜地方裁判所民事提訴され、ウェブサイトからの当該情報削除謝罪広告等を求められた事もあるが、被告代理人弁護士を付けない「本人訴訟」で勝訴した[10][11]判決確定後、原告のマンション地権者から「50万円払うから、情報を削除してくれ」と要求されたが「内容が誤っているという指摘であれば、もちろん訂正するが、それ以外には応じない」との理由で断った[2]

事業内容の一つに「落選運動」を掲げていたが、「一応そう書いているだけです。仕事として成り立っているわけではない。」と説明し、この業務は休止すると発言した[12]

メディア出演等[編集]

テレビ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ちなみに大島てるのサイトで心理的瑕疵物件とだけ表示されている場合、心霊的な場合が多い。

出典[編集]

  1. ^ 平成22年(ワ)第1336号 損害賠償等請求事件 判決文 [リンク切れ]
  2. ^ a b c 森史之助 (2012, p. 68)
  3. ^ a b c 古田雄介 (2010年12月21日). “まるで不動産版ウィキリークス!「大島てる」の正体は?”. ASCII.jp (東京都千代田区富士見1丁目8番19号 角川第3本社ビル: アスキー・メディアワークス). http://ascii.jp/elem/000/000/578/578237/  - 2020年令和2年)11月21日閲覧
  4. ^ “自殺や他殺などがあった物件マップがすごい! 都内は事故物件だらけ!”. ガジェット通信 (東京都渋谷区代々木2丁目16番1号 宮坂甲斐路ビル 5階: 東京産業新聞社). (2009年9月21日). http://getnews.jp/archives/29962/  - 2020年(令和2年)11月21日閲覧
  5. ^ 佐藤裕一 (2009年10月25日). “不動産の事故物件情報サイト「大島てる」運営者に聞く”. My News Japan (東京都新宿区新宿1丁目9番4号). http://www.mynewsjapan.com/reports/1145  - 2020年(令和2年)11月21日閲覧
  6. ^ 森史之助 (2012, p. 62)
  7. ^ a b c 事故物件サイトを作った男の譲れない使命感 - 東洋経済オンライン
  8. ^ 文藝春秋』2018年(平成30年)3月特別号「同級生交歓」
  9. ^ 「私を訴えてくる大家の方が幽霊より怖い」 東大卒・大島てるの"事故物件人生"(2017年(平成29年)9月15日 02時00分)”. AbemaTIMES (2017年9月15日). 2020年11月21日閲覧。
  10. ^ 大島てる 平成23年4月12日 横浜地方裁判所平成22年(ワ)第1336号損害賠償等請求事件判決確定 大島てるが勝訴しました”. 2014年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月21日閲覧。
  11. ^ 森史之助 (2012, p. 67)
  12. ^ 森史之助 (2012, pp. 68–69)

参考文献[編集]

  • 森史之助『事故物件に住んでみた!』彩図社、2012年1月31日。ASIN 4883928349ISBN 978-4-88392-834-7OCLC 774271918全国書誌番号:22043661ASIN B008AGLOKQKindle版)。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]